長期優良住宅とは?注意点などイラスト付きで解説

長期優良住宅とは?わかりやすく解説

長期優良住宅とは、一般の住宅より品質が優れていると市区町村などから認定された住宅であり、購入すると税金が安くなるなどのメリットがあります。

一方、長期優良住宅は、所有するとメンテナンス費用が嵩むなどのデメリットもあるため注意が必要です。

イラストを用いて長期優良住宅をわかりやすく簡単にご説明しましょう。

目次

1. 長期優良住宅とは、品質が優れると認定された住宅

それでは、長期優良住宅をわかりやすく解説しましょう。

長期優良住宅とは、一般的な住宅より品質に優れると市区町村などから認定された住宅です。

長期優良住宅とは?

長期優良住宅が、一般的な住宅より優れる具体的な箇所は以下のとおりです。

長期優良住宅の優れる箇所

75~90年の耐久性がある

長期優良住宅に認定された住宅は75~90年の耐久性を有するように設計されているため、孫子の代まで居住することが可能です。

長期優良住宅にリフォームされつつ売りに出されている中古住宅や、お住いの住宅を長期優良住宅化にリフォームする場合も同じであり、75~90年の耐久性があるように改築されます。

長期優良住宅の耐久性は75年から90年
地震に強い

一般的な新築住宅は、震度6強から7程度の地震で倒壊しないように設計されています。

これに対して長期優良住宅は、その1.25~1.5倍の強さの地震でも倒壊しないように設計され、地震の多い地域でも安心して居住することが可能です。

維持管理しやすい

一般的な住宅は給排水管が壁内や床下などに埋め込まれているため、水漏れなどを発見しづらく、見つかった場合も壁や床などを壊しつつ給排水管を交換する必要があり、維持管理が大変です。

一方、長期優良住宅は給排水管が壁に埋め込まれず露出し、一定間隔で床に点検口が設けられているため維持管理がしやすくなっています。

長期優良住宅は維持管理しやすい
冷暖房が効きやすい

築年数が古い住宅は壁内や床下に断熱材が施工されず、窓も断熱性が低いサッシが採用されているため、冷暖房の効きが悪く光熱費が高くなりがちです。

これに対して、長期優良住宅は各所に断熱効果が高い断熱材が施工され、窓も断熱性が高いサッシが採用されているため、冷暖房が効きやすく光熱費を節約できます。

床面積が広い

築年数が古い住宅は床面積が狭いことが多く、多世代などで同居するのは困難であり、家族が増えるなどすると引っ越す必要があります。

一方、長期優良住宅に認定された一戸建ては床面積が75㎡以上、マンションは55㎡以上と広く、多世代での同居がしやすく孫子の代まで居住することが可能です。

バリアフリー性に優れる

一般的なマンションは廊下が狭く、車いすで往来するのが大変です。

これに対して、長期優良住宅に認定されたマンションは廊下が広く、車いすでの移動が容易であり、高齢者も安心して生活できます。

以上のことなどが長期優良住宅が優れる箇所であり、長期優良住宅は一般的な住宅より長持ちし、様々な世代の方が安心して居住できるように設計されています。

そして、長期優良住宅には、以下のような金銭的なメリットもあります。

長期優良住宅の金銭的なメリット

住宅ローン減税でより多くの所得税が減税される(新築のみ)

住宅ローン減税とは、住宅ローンを利用しつつ住宅を購入することにより、10年間などにわたり毎年40万円を上限とするその年の年末の住宅ローン残高の1%が所得税から減税される制度です。

新築された長期優良住宅を購入すれば、住宅ローン減税の毎年の減税額の上限が50万円に繰り上げされ、より多くの所得税が減税されます。

なお、住宅ローン減税は中古住宅を購入した場合も適用されますが、長期優良住宅である中古住宅を購入した場合は、上限額が繰り上げられることはないため注意してください。

フラット35の金利が引き下げられる

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が協力して貸し出す国民的な住宅ローンであり、通常の住宅を購入した場合における金利は1.3%などです。

そして、新築された長期優良住宅やリフォームにより長期優良住宅化した中古住宅をフラット35で購入すれば、返済開始から10年間などにわたり金利が0.25%引き下げられ、総返済額が安くなります。

登録免許税が安くなる(新築のみ)

登録免許税とは、住宅などの不動産を取得しつつ登記する際に課せられる税金であり、税率は0.4%などです。

そして、新築された長期優良住宅を購入しつつ登記する際は、税率が0.1%などに軽減され登録免許税が安くなります。

なお、中古住宅を取得した場合も登記が必要であり、その登記にも登録免許税が課せられますが、中古住宅の長期優良住宅を購入した場合は税率が軽減されることはないため留意してください。

不動産取得税が安くなる(新築のみ)

不動産取得税とは、住宅などの不動産を取得した際に課せられる税金です。

不動産取得税は、取得した不動産の固定資産税評価額に税率を掛け算しつつ決定されますが、一般的な新築住宅を取得した場合、固定資産税評価額から1,200万円が控除され不動産取得税が安くなります。

一方、長期優良住宅である新築住宅を取得すれば固定資産税評価額から1,300万円が控除され、一般的な新築住宅を取得した場合より不動産取得税がさらに安くなります。

新築された長期優良住宅は不動産取得税の減税額がさらに多くなる
固定資産税の減税期間が延長される(新築のみ)

一般的な一戸建ての新築住宅を購入した場合、取得後3年間などにわたり固定資産税が2分の1に減税されます。

また、一般的な新築のマンションを購入した場合、取得後5年間などにわたり固定資産税が2分の1に減税されます。

これに対して長期優良住宅を購入すれば、新築の一戸建てであれば5年間など、新築のマンションであれば7年間などにわたり固定資産税が2分の1に減税されます。

なお、中古住宅である長期優良住宅を購入した場合は、固定資産税は減税されないためご注意ください。

地震保険料が安くなる

長期優良住宅は一般的な住宅より耐震性に優れるため、地震保険料が最大50%割引されます。

たとえば、東京都に所在する木造住宅の2021年からの地震保険料は保険金額1,000万円あたりにつき42,200円ですが、長期優良住宅であれば21,100円などに値下げされます。

以上のことなどが、長期優良住宅を取得することによる金銭的なメリットです。

新築された長期優良住宅の金銭的なメリットの詳細は、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が公開する資料「新築版 長期優良住宅認定制度の概要について」の2ページにてご確認いただけます。

また、中古住宅として販売されている長期優良住宅や、現在お住いの住宅に長期優良住宅化リフォームを実施した場合の金銭的なメリットは、同協会が公開する資料「増築・改築版 長期優良住宅認定制度の概要について」の2ページにて確認することが可能です。

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2. 長期優良住宅の注意点

長期優良住宅をわかりやすく解説すると、一般的な住宅より品質が優れると市区町村などから認定された住宅であり、不動産取得税が安くなる、フラット35の金利が引き下げられるなどのメリットがあります。

こう聞くと、長期優良住宅はメリットばかりであるという印象を受けますが、以下のようなデメリットがあるため注意してください。

定期的な点検と修繕が必要

長期優良住宅とは、市区町村などから長持ちすると認定された住宅であり、一般的な住宅より耐震性や耐久性に優れますが、少なくとも30年以上はその品質を保たなければなりません。

そのため、所有者は定期的に自費で専門機関に点検を依頼し、劣化により長期優良住宅の品質を満たしていないと診断された場合は、費用を負担しつつ修繕する必要があります。

また、長期優良住宅の所有者は、点検、および修繕の内容を記録し、市区町村などから求められた場合は記録書を提出しなければなりません。

そして、その時点において市区町村などから長期優良住宅の品質を満たしていないと判断された場合は、改善を求められたり認定を取り消されることがあります。

長期優良住宅の認定が取り消されれば、それまでに住宅ローン減税で多く減税された分の所得税を請求されたり、フラット35で安くなっていた金利分を請求されることがあるため注意が必要です。

長期優良住宅は定期的な点検と修繕が必要
建築費や改築費が高額

長期優良住宅は、通常の住宅より耐震性に優れ光熱費を節約できるなどのメリットがありますが、建築費や改築費が高くつくというデメリットがあります。

そのため、販売されている長期優良住宅は、新築中古を問わず一般的な住宅より高額です。

どの程度高額であるかは、その長期優良住宅を販売する業者によって異なりますが、おそらくは住宅ローン減税で減税される所得税の額や、フラット35で引き下げられる金利分などより高くなるため注意してください。

以上のことなどが、長期優良住宅のデメリットであり注意点です。

なお、誰でもわかる不動産売買では、長期優良住宅のデメリットをわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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まとめ - 日本の住宅の平均寿命はわずか27年

長期優良住宅をわかりやすく簡単に解説しました。

長期優良住宅とは、市区町村などから一般的な住宅より品質に優れると認定された住宅であり、取得すれば住宅ローン減税でより多くの所得税が減税される、フラット35の金利が引き下げられるなどのメリットがあります。

しかし、長期優良住宅は最低でも30年間はその品質を保つ必要があり、所有者は定期的に自費で専門機関に点検を依頼し、劣化している場合は修繕する必要があるなど、ランニングコストが掛かるため注意してください。

点検は、地震が発生した後や、台風が通過した後も実施しなければなりません。

余談ですが、国土交通省の資料によれば、イギリスの住宅の平均寿命は81年、アメリカは67年であり、日本の住宅は高額であるにもかかわらず平均寿命はわずか27年とのことです。

これは、日本は湿度が高く地震が頻発することにより建材が傷みやすく、なおかつ人件費が高額であることなどが理由ですが、あまりにも建物の寿命が短すぎます。

人によっては返済期間が35年などのローンを組みつつ住宅を購入したものの、完済したころには建て直しや大規模なリフォームを迫られるなどという悲しい現状が待っています。

日本の新築住宅の悲しい現状

そのような顛末を避けたいと希望する場合は、長期優良住宅の購入や、お住いになられている住宅を長期優良住宅化するリフォームをご検討されるのが良いでしょう。

長期優良住宅に認定された住宅はランニングコストが掛かるものの、75~90年の耐久性を有するように設計され、孫子の代まで居住することが可能です。

ご紹介した内容が、長期優良住宅をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2020年12月

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