築年数が古い中古マンションを購入する際の注意点(慎重に買う)

築年数が古い中古マンションを購入する際の注意点

築年数が30年などを超える中古マンションは、お手頃価格で固定資産税も安く魅力的です。

しかし、毎月に支払う修繕積立金が値上がりし続ける傾向があるなど、気を付けたい注意点もあります。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、築年数が古い中古マンションの購入を希望する方へ向けて、具体的な注意点をご紹介しましょう。

1. 修繕積立金が高く、さらに値上げする傾向がある

マンションは10年に一度などの間隔で、外壁や屋上、エントランスや廊下などの傷みを修繕しつつ塗装などをし直す、数千万円などの費用を要する大規模な修繕を実施する必要があり、これを大規模修繕と呼びます。

修繕積立金とは、その大規模修繕を実施する費用を賄うために、マンションの各部屋の所有者が毎月積み立てる金銭を表します。

築年数が新しいマンションであれば、傷みが少なく大規模修繕の費用も安く済みますが、築年数が古いマンションは老朽化により傷みが激しく、大規模修繕の費用が高くなり、それに伴い修繕積立金も値上がりし続けるため注意が必要です。

なお、大規模修繕のための積立金は毎月5千円~1万円程度などですが、マンションを所有すると、それとは別に毎月5千円~1万円5千円程度の管理費を支払う必要があるため留意してください。

また、購入する中古マンションによっては、毎月の修繕積立金がない物件もありますが、その場合は、大規模修繕を実施する際に50~100万円程度を一括で支払うのが通例です。

マンションの大規模修繕の様子

マンションの大規模修繕の様子

2. 床や壁が薄く防音性が低い

大抵のマンションは鉄筋鉄骨コンクリート造ですが、鉄筋鉄骨コンクリートで作られた床板のことを「スラブ」と呼び、その厚さを「スラブ厚」と呼びます。

そして、防音性が高いことを謳う新築のマンションのスラブ厚は230mmなどです。

これに対して、築年数が古い中古マンションのスラブ厚は、厚くとも150mm、薄い場合は120mmなどの場合もあります。

スラブが薄い中古マンションは、上階の足音が下階に響きやすく、落ち着いて生活できないことがあるため注意が必要です。

また、築年数が古い中古マンションは、GL工法と呼ばれる工法で壁が作られていることがあります。

中古マンションに採用されていることが多いGL工法

GL工法は、GLボンドと呼ばれる接着剤を用いて石膏ボードを接着しつつ壁を作る工法で、隣室から漏れる生活音が壁内で反響しつつ大きくなり、やはり落ち着いて生活できないことがあるため注意してください。

なお、購入を希望する中古マンションのスラブ厚や壁の施工方法は、その中古マンションの管理組合に問い合わせれば確認できますが、築年数が古い中古マンションは建築時の資料を紛失し、詳細がわからない場合もあります。

3. 住宅ローン控除が受けられない

住宅ローンを利用しつつ一定の条件を満たす中古マンションを購入すると、住宅ローン控除が適用され所得税が安くなります。

しかし、中古マンションを購入しつつ住宅ローン控除を受けるためには、以下などの条件を満たさなければなりません。

  • 築25年以下のマンションを購入する
  • 専有部分(所有する部屋)の床面積が50㎡以上のマンションを購入する
  • 返済期間が10年を超える住宅ローンを利用しつつ中古マンションを購入する

中古マンションを購入しつつ住宅ローン控除を受けるためには、上記の条件などを満たす必要がありますが、築30年などの中古マンションを購入した場合は「1」の条件を満たせず、住宅ローン控除を受けられないため注意が必要です。

また、築年数が古い中古マンションは、床面積が50㎡に満たない場合もあるため、重ねて注意してください。

中古マンションを購入した場合における住宅ローン控除が適用される条件は、「国税庁タックスアンサー No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」の「2 住宅借入金等特別控除の適用要件」にてご確認いただけます。

築年数が古い中古マンションを購入する際の注意点は、住宅ローン控除が受けられない可能性があること

まとめ - さらに築年数が古くなると、建て替え話も聞こえてくる

築年数が古い中古マンションの購入を希望する方へ向けて、その注意点をご紹介しました。

築年数が古い中古マンションは、お手頃価格で固定資産税や不動産取得税も安くお買い得ですが、老朽化により修繕費用が嵩み、それに伴い修繕積立金も高くなり続ける傾向があるため注意してください。

たとえ部屋がリノベーション済みで綺麗であっても、マンション自体が老朽化していることは変わらず、修繕積立金が高くなるのは同じです。

また、築年数が古い中古マンションは、床が薄いなどの理由で防音性が低いこともあります。

よって、静かに生活できる中古マンションをお探しの場合は、築年数が古い中古マンションは避ける、または、最上階の角部屋などを購入するのが無難です。

そして、マンションは、築50年などを超えると管理組合の総会(マンションの住民が集まって開く会合)で建て替えが議題に上がります。

建て替えには住民の同意が必要ですが、建て替えが決定した場合は、やはり各部屋の所有者が建て替え費用を負担しなければなりません。

そのため、住宅ローンを利用しつつ築年数が古い中古マンションを購入すると、完済したころに建て替えになり、新たな資金の借り入れを迫られる可能性もあります。

築年数が古い中古マンションは安くて魅力的ですが、慎重に資金計画を立てつつ購入することが大切です。