中古物件が寒すぎる! 断熱リフォームの種類と費用の相場

中古物件の断熱リフォームと費用の相場

築年数が古い中古物件を購入しつつ初めての冬を迎えると、あまりの寒さに凍えることがあります。

そのような場合は、中古物件の断熱性を増す「断熱リフォーム」がお勧めで、リフォームをすれば暖房が効きやすくなり快適です。

断熱リフォームは大掛かりで費用も高額ですが、一定の条件を満たした省エネリフォームを実施すれば所得税の減税制度なども利用できます。

中古住宅を購入しつつ寒いとお困りの方へ向けて、断熱リフォームの種類や費用の相場、リフォームを実施することにより適用される減税制度をご紹介しましょう。

なお、ご紹介する断熱リフォームは一戸建ての中古物件に適用できるものであり、中古マンションには適しません。ぜひご注意ください。

1. 断熱リフォームは、部分断熱、内断熱、外断熱の3種類

一戸建ての中古物件に施せる断熱リフォームは、部分断熱リフォーム、内断熱リフォーム、外断熱リフォームの3種類です。

それぞれのリフォーム費用は、中古物件の床面積や傷み具合、導入する断熱材のグレード、依頼するリフォーム店により異なりますが、部分断熱リフォームが一番安く、内断熱リフォーム、外断熱リフォームの順で高くなります。

中古物件の断熱リフォームの種類と費用の相場

以下に3つの断熱リフォームの内容と費用の相場をご紹介しましょう。

1-1. 部分断熱リフォーム(延べ床面積50㎡で200万円程度)

部分断熱リフォームとは、リビングやキッチン、寝室、洗面脱衣室など、使用頻度が高い部屋だけに断熱材を施すリフォームです。

部分断熱リフォームのイメージ

部分断熱リフォームは、室内の壁を剥がしたり、天井裏や床下に入るなどして、断熱する部屋の壁内や天井裏、床下に断熱材を施しつつ断熱性を高めます。

部分断熱リフォームの費用は、断熱する部屋の広さや数、断熱材のグレードなどにより異なりますが、床面積の合計が50㎡(約15坪)で200万円程度です。

なお、キッチンを断熱リフォームする際は、既存のキッチンを一旦撤去しつつ部屋全体の壁を剥がし、壁内に断熱材を入れる必要があります。

その場合は、キッチンの取り外しや取り付け料として20万円程度の追加費用が発生するため注意してください。

以下に部分断熱リフォームのメリットとデメリットをご紹介しましょう。

部分断熱リフォームのメリット

部分断熱リフォームは、よく使う部屋だけをリフォームするため、比較的費用が安く済むのがメリットです。

また、寝室だけをリフォームするなどしてリフォームする部屋の数を減らせば、大幅にリフォーム費用を抑えることができます。

部分断熱リフォームのデメリット

部分断熱リフォームは、よく使う部屋だけをリフォームするため、使わない部屋は以前と同じ状態です。

よって、断熱リフォームを施した部屋から施していない部屋に移動すると、大きな寒暖の差を感じ体力を消耗します。

1-2. 内断熱リフォーム(延べ床面積83㎡で300万円程度)

内断熱リフォームとは、外壁や床下、天井裏など、外気に接する全ての箇所に断熱材を施すリフォームであり、使用頻度が高い部屋だけを断熱する「部分断熱リフォーム」と比べ、中古物件全体の断熱性が増すのが特徴です。

内断熱リフォームのイメージ

内断熱リフォームは、外壁に面する室内の壁を剥がしたり、屋根裏や床下に入るなどして、外気と接する全ての箇所に断熱材を施しつつ中古物件全体の断熱性を高めます。

内断熱リフォームの費用は、施工する中古物件の構造や広さ、導入する断熱材のグレードなどにより異なりますが、延べ床面積83㎡(25坪)で300万円程度です。

以下に内断熱リフォームのメリットとデメリットをご紹介しましょう。

内断熱リフォームのメリット

内断熱リフォームは、中古物件の室内全体を断熱するだけに、部屋から部屋に移動しても寒暖の差を感じにくく体が楽です。

また、内断熱リフォームは気密性も向上するため、冷たい隙間風の侵入も防げます。

内断熱リフォームのデメリット

内断熱リフォームは、中古物件の全ての部屋をリフォームするだけに、部分断熱リフォームより工期が長く、家を留守にすることが多い方はスケジュールの調整が大変です。

また、内断熱リフォームは気密性が向上するため換気性が下がり、24時間換気の導入を検討しなければならない場合もあります。

1-3. 外断熱リフォーム(延べ床面積83㎡で500万円程度)

外断熱リフォームとは、既存の屋根や外壁に断熱性に優れた屋根材や外壁材を貼り、外側から中古物件を断熱材で包み込むリフォームです。

外断熱リフォームのイメージ

外断熱リフォームは、部分断熱リフォームや内断熱リフォームより断熱性と気密性が増すのが特徴で、費用の相場は延べ床面積83㎡(25坪)の一戸建てで500万円程度となっています。

以下に外断熱リフォームのメリットとデメリットをご紹介しましょう。

外断熱リフォームのメリット

外断熱リフォームは、家全体に断熱材を被せるだけに、部分断熱リフォームや内断熱リフォームより気密性が高く、断熱性が大きく向上するのが特徴です。

また、外断熱リフォームは、家全体に新しい建材を被せるだけに、中古物件の外観が新築のように生まれ変わります。

外断熱リフォームのデメリット

外断熱リフォームは、部分断熱リフォームや内断熱リフォームより難易度が高く、高度な技能を要する施工を求められます。

そのため、不慣れな業者が外断熱リフォームを施すと断熱効果が向上せず、さらに断熱材と既存の建材の間に湿気がこもるなどして中古物件が傷みやすくなります。

また、外断熱リフォームはビスを用いて既存の屋根や外壁の上に新たな建材を貼るため、中古物件の躯体が脆くなっている場合は施工できません。

なお、外断熱リフォームは家の外側を断熱材で覆いますが、床部分の断熱は、部分断熱リフォームや内断熱リフォームと同じく床下に断熱材を施します。

2. 内窓を付けて二重窓にすれば、さらに断熱性が向上する

断熱リフォームを施せば中古物件の断熱性が向上します。

しかし、断熱リフォームを施しても、窓の気密性が低ければ充分な断熱効果を得られません。

そのため、断熱リフォームを実施する際は、予算が許すのであれば窓もリフォームするのが理想です。

窓のリフォームは、既存の窓の内側に断熱性に優れた窓を取り付けつつ二重窓にするリフォームが良いでしょう。

既存の窓を断熱性に優れた窓に交換するという方法もありますが、二重窓にするリフォームの方が費用が安く済みます。

中古物件の断熱リフォームに追加したい二重窓

二重窓にするリフォームの費用は、窓のサイズや内窓のグレードによって異なりますが、おおむね以下のとおりです。

内窓を付けるリフォーム費用の目安(窓一箇所あたり)

窓の種類 費用の目安
腰高窓 一箇所につき5万円程度
掃出し窓 一箇所につき10万円程度

以上が内窓を付けるリフォームの費用の目安です。

内窓をつけて二重窓にすれば、断熱性や気密性が高まることはもちろん、結露が発生しにくくなり多少の防音効果も期待できます。

内窓(二重窓)

 

3. 窓の結露を防ぐリフォーム

結露に悩まされることが多いのが中古物件の窓です。

築年数が古い中古物件の窓は、アルミ製で単板ガラス(1枚で作られたガラス)のことが多く、それに該当する窓は結露が出ます。

結露防止スプレーなどを使えば結露は軽減できますが、一時的な対処法であり、スプレーを使い続けるとランニングコストも掛かります。

よって、中古物件の結露に悩まされているのであれば、窓をリフォームするのがお勧めです。

窓のリフォームは、この記事の「2. 内窓を付けて二重窓にすれば、さらに断熱性が向上する」でご紹介した二重窓を取り付ける方法や、既存の窓を断熱性に優れた窓に交換する方法があり、どちらも結露が出なくなる、または出る量が大幅に少なくなります。

ただし、既存の窓を断熱窓に交換するリフォームを行う際は、以下の3つのポイントを守りつつ商品をお選びください。

断熱窓を選ぶ3つのポイント

1. 障子が樹脂製の窓を選ぶ

住宅用の窓は、障子がアルミ製の商品と樹脂製(プラスチック製)の商品に大きく分類されます。

そして、どちらにも断熱性に優れると謳う商品が存在しますが、必ず障子が樹脂製の商品をお選びください。

アルミ製の障子が採用された断熱窓は安価ですが、アルミで作られた障子から結露が出ます。

なお、障子とは以下の図の赤い斜線部分を指し、和室で見られる木枠に紙の障子ではないため注意してください。

断熱窓の障子とは?
2. 枠が樹脂製の窓を選ぶ

断熱窓には、枠がアルミ製の商品と樹脂製(プラスチック製)の商品が存在します。

枠が樹脂製の商品は高価ですが、予算が許すのであれば樹脂製の枠が採用された商品をお選びください。

枠がアルミ製の断熱窓は枠部分から結露が出ますが、樹脂製の枠は結露が出ない、または出る量が大幅に少なくなります。

なお、窓のリフォームには、既存の枠をそのまま使用する方法もあり、それに該当するリフォームは費用が安くなります。

ちなみに、枠とは以下の図の赤い斜線の箇所です。

断熱窓の枠とは?
3. 複層ガラスの窓を選ぶ

多くの断熱窓は、2枚のガラスを組み合わせつつ作られた「複層ガラス」が採用されています。

しかし、安価な断熱窓は、1枚のガラスで作られた「単板ガラス」が採用されていることが珍しくありません。

単板ガラスは複層ガラスより軽く、窓を開閉しやすいというメリットがありますが、複層ガラスより結露が出やすいのがデメリットです。

よって、中古物件の結露を解消するために窓をリフォームする際は、必ず複層ガラスの商品をお選びください。

断熱窓の単板ガラスと複層ガラスとは?

以上の3つが、中古物件を断熱窓にリフォームする際のポイントです。

3つのポイントを全て満たす窓にリフォームする場合、その費用は腰高窓であれば窓一箇所につき10~15万円など、掃き出し窓であれば25~30万円などとなります。

なお、窓の結露は、石油ストーブに薬缶(やかん)を乗せつつお湯を沸かしたり、室内で洗濯物を干すことでも付きやすくなります。

また、冬は乾燥しがちで加湿器を付けることが多くなりますが、窓の近くで加湿させると窓に結露が付くことがあります。

よって、断熱窓のリフォームを行った後は、それらのことは可能であれば控えめにするように心掛けてください。

4. 一定の条件を満たす断熱リフォームを実施すれば、所得税などが減額される

断熱リフォームは200~500万円などと高額になりがちですが、一定の条件を満たす断熱リフォームを実施し、増改築等工事証明書などを添付しつつ確定申告で届け出れば、「投資型減税」や「ローン型減税」「住宅ローン減税」が適用され所得税が減額されます。

以下に、投資型減税やローン型減税、住宅ローン減税が適用される断熱リフォームの一例をご紹介しましょう。

全ての居室の全ての窓を断熱リフォーム

中古物件の全ての居室の全ての窓に、断熱性に優れた内窓を取り付けるなどの断熱リフォームを実施し、リフォーム用のローンを利用せず一括で代金を支払えば投資型減税が適用されます。

投資型減税が適用されれば、リフォームを実施した翌年に支払う所得税から最大25万円が減額されます。

ただし、投資型減税を適用させるためには、自らが居住する床面積が50㎡以上の中古物件をリフォームするなど、一定の条件を満たす必要があるため注意してください。

窓、床、天井、壁の断熱リフォーム

返済期間が5年を超えるリフォーム用のローンを用いて、窓、天井、壁、床の断熱リフォームを実施すれば「ローン型減税」が適用され、リフォームを実施した翌年から5年間にわたり、毎年最大12万5千円などが所得税から減額されます。

さらに「ローン型減税」が適用される場合は、リフォームを実施した翌年に支払う固定資産税が3分の2に軽減されます。

また、返済期間が10年を超えるリフォーム用のローンを用いて、窓、天井、壁、床の断熱リフォームを実施した場合は「住宅ローン減税」が適用され、リフォームした翌年から最長10年間などにわたり各年の年末のローン残高の1%が所得税から減額されます。

なお、誰でもわかる不動産売買では、断熱リフォームを実施することにより減税される制度の詳細をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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省エネリフォームで減税される条件とは?簡単・簡潔に解説

まとめ - リフォーム費用は「リフォーム用ローン」で賄える

中古物件を購入しつつ寒いとお困りの方へ向けて、断熱リフォームの費用の相場や、リフォームすることにより適用される減税制度をご紹介しました。

断熱リフォームの種類を大きくまとめると以下のとおりです。

断熱リフォームの種類

種類 費用の相場 特徴 断熱性
部分断熱リフォーム 200万円など 使用頻度が高い部屋だけを断熱リフォーム
内断熱リフォーム 300万円など 中古物件を内側から断熱
外断熱リフォーム 500万円など 中古住宅を外側から断熱

そして、一定の条件を満たした断熱リフォームを実施すれば、所得税や固定資産税の減税制度も利用できます。

また、断熱リフォームは高額になりがちですが、リフォーム用のローンも利用することが可能です。

リフォーム用のローンの詳細は、当サイトのコンテンツである「中古物件のリフォーム。どんなローンが使える?金利や特徴を解説」にてご確認いただけます。

なお、「冬に暖房がなくても暖かい」などと謳う断熱リフォームの宣伝を見かけますが、よほど日中の日当たりが良くない限り、断熱リフォームだけで室温が上がることはありません。

そのため、断熱リフォームを実施する際は暖房が不要になると考えるのではなく、隙間風が減って暖房が効きやすくなり、暖房を切っても室温が下がりにくくなるとお考えください。

余談ですが、私も築年数が古い一戸建ての中古物件を購入し、和室の床だけを断熱リフォームした経験があります。

その結果は、残念ながら効果がありませんでした。

効果がなかった理由は、床だけを断熱し、天井や壁に断熱材を入れなかったことが原因です。

断熱リフォームを実施する際は、天井、壁、床など、その部屋を包み込むように断熱材を施すことが大切です。