中古物件の外壁のリフォーム費用はいくら? - モルタル編 -

モルタルの中古物件のリフォーム費用はいくら?

相場より安い中古物件を見学すると、モルタルの外壁の傷みが激しく、ひび割れていることがあります。

そのような場合は、購入後に外壁をリフォームするのが理想ですが、リフォームが初めての場合は、費用の目安が分からず不安です。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」は、モルタルの外壁で作られた、一戸建ての中古物件を購入しようとする方へ向けて、外壁のリフォーム費用の相場をご紹介しましょう。

1. そもそも中古物件の外壁はモルタル?

この記事は、モルタルの中古物件を購入しようとする方へ向けて、モルタルの外壁のリフォーム費用をご紹介するものです。

しかし、この記事をお読みになる前に、その中古物件の外壁がモルタルであるか確認してください。

モルタルで作られた外壁とは、以下のような壁です。

モルタルの外壁 その1

モルタルの外壁 その1

↑こちらがモルタルで作られた壁です。モルタルは、セメントと砂と水、または、石灰と砂と水を練り合わせて作られ、左官屋さんがコテで塗装しつつ仕上げます。

このように水を使う工法を「湿式工法」と呼び、湿式工法は水気が乾くまで仕上がらないため、工期が長くなるというデメリットがあるものの、暖かみのあるデザインに仕上がるのが特徴です。

モルタルの外壁 その2

モルタルの外壁 その2

↑こちらもモルタルで仕上げられた外壁です。モルタルの外壁は、主に1990年頃までに建築された中古物件で多く見かけます。

以上がモルタルの外壁の画像です。

この記事をお読みになる前に、購入を希望する中古物件の外壁がモルタルであるか確認してください。

なお、中古物件の外壁は、モルタルかサイディングで作られていることが多く、サイディングはリフォーム方法や費用が異なるため、注意が必要です。

ちなみに、サイディングで作られた外壁の画像は、以下のとおりです。

サイディングの外壁

↑こちらがサイディングで作られた外壁です。サイディングは、セメントや金属などで作られた板状の外壁材となっています。

2. モルタルの外壁のリフォーム方法と費用の相場

モルタルの外壁のリフォーム方法は、主に以下の3つに分かれ、方法により費用が異なります。

「モルタルの外壁の主なリフォーム方法」

モルタルの外壁をリフォームする方法は、主に上記の3つです。

それでは、3つのリフォームの費用の相場と、メリットやデメリットをご紹介しましょう。

なお、ご紹介する費用は目安であり、中古物件の外壁の傷み具合や、依頼するリフォーム店により異なるため、注意してください。

1. 既存のモルタルを補修しつつ塗装を施す(費用:中程度)

既存のモルタルを補修しつつ塗装を施すリフォームの費用は、既存の外壁の傷み具合や、中古物件の外壁の面積、使用する塗料の種類により異なります。

塗料は、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料から選び、それぞれの塗料は、耐久年数と価格が異なるのが特徴です。

以下に、外壁の面積が120㎡の一戸建てにおける、既存のモルタルを補修しつつ塗装を施すリフォームの費用を塗料別でご紹介しましょう。

なお、外壁の面積が120㎡の一戸建ての床面積は、概ね25坪です。

外壁面積120㎡(床面積25坪程度)の中古物件の外壁塗装費用の目安

塗料 耐久年数 外壁1㎡あたりの塗料の価格 総リフォーム費用の相場
アクリル系塗料 5~8年 1,000円程度 60万円程度
ウレタン系塗料 8~10年 2,000円程度 80万円程度
シリコン系塗料 10~12年 3,000円程度 100万円程度
フッ素系塗料 15~20年 4,500円程度 140万円程度

以上が外壁の面積が120㎡の一戸建てにおける、モルタルを補修しつつ塗装を施すリフォームの費用の相場です。

それぞれの塗料には耐久年数があり、耐久年数が短い塗料ほど総リフォーム費用が安くなりますが、耐久年数を過ぎると再び塗装する必要があるため、注意してください。

なお、ご紹介した塗料の中で、最も使用されるのはシリコン系塗料となっています。

そして、モルタルを補修しつつ塗装するリフォームのメリットやデメリットは、以下のとおりです。

塗装リフォームのメリットとデメリット

メリット
モルタルに塗装を施すリフォームは、既存の外壁を修繕しつつ塗装するだけで完了するため、費用が安く済みます。
デメリット
既存のモルタルの外壁にクラック(ひび割れ)がある場合は、クラックから壁の中に雨水が浸透し、壁内の建材が腐朽している虞があります。

外壁に塗装を施すリフォームは、表面のモルタルは補修しますが、壁を剥がさないため、壁内の建材の状態を確認しません。

よって、壁内の建材が腐朽している状態で、モルタルに塗装を施すリフォームを行っても、建物の耐久年数を延ばせず、リフォームの意味を成さないため、注意が必要です。

2. 既存のモルタルにサイディングを貼る(費用:中程度)

モルタルのデザインが気に入らない場合は、モルタルの上にサイディングを貼る「カバー工法」がお勧めです。

カバー工法でモルタルの上にサイディングを貼れば、中古物件が新築のように綺麗になります。

サイディングには様様な種類がありますが、カバー工法の際は「金属系サイディング」と呼ばれる、一般的なサイディングより薄くて軽い金属製のサイディングが用いられるのが通例です。

モルタルにサイディングを貼るカバー工法のリフォーム費用は、外壁1㎡あたり6,000円~8,000円程度が相場で、中古物件の外壁の面積により、以下のように変動します。

モルタルにサイディングを貼るリフォームの費用の目安

外壁面積 総リフォーム費用の相場 参考
120㎡ 72~96万円 外壁の面積が120㎡の一戸建ての床面積は25坪程度
130㎡ 78~104万円 外壁の面積が130㎡の一戸建ての床面積は30坪程度
140㎡ 84~112万円 外壁の面積が140㎡の一戸建ての床面積は35坪程度

以上がモルタルの外壁に金属系サイディングを貼る、カバー工法の費用の相場です。

なお、ご紹介したリフォーム費用は、導入する金属系サイディングの仕様や、依頼するリフォーム店により異なるため、注意してください。

また、モルタルに金属系サイディングを貼った後は、10年に一度程度、金属系サイディングに塗装を施す必要があり、その費用は、「外壁面積120㎡(床面積25坪程度)の中古物件の外壁塗装費用」でご紹介した費用と同程度となります。

そして、モルタルの壁に金属系サイディングを貼るカバー工法のメリットやデメリットは、以下のとおりです。

「カバー工法のメリットとデメリット」

メリット
カバー工法は、既存のモルタルの壁に壁を貼るだけに、壁が2重になり、防音性や断熱性が向上します。
デメリット
既存のモルタルの壁にクラック(ひび割れ)があり、そこから雨水が浸透している場合は、壁内の建材が腐朽している可能性があります。

それを見逃しつつカバー工法を行うと、壁内の腐朽が進み、リフォームを行ったものの、建物の耐用年数を延ばせない虞があるため、注意が必要です。

そのため、中古物件のモルタルの傷みが激しい状態で、カバー工法を行う場合は、経験豊富なリフォーム店に依頼し、壁内に腐朽がないか確認させることが重要となります。

また、金属系サイディングは、金属製だけに錆びやすく、潮風が吹く海沿いに位置する中古物件で使用すると、頻繁にメンテンナンスを施す必要があるため、併せて注意してください。
金属系サイディング
金属系サイディング

3. 既存のモルタルを剥がし、サイディングを貼る(費用:高い)

モルタルのクラック(ひび割れ)から壁の中に雨水が浸透し、壁内の建材の腐朽が確認できる場合は、モルタルを剥がし、サイディングを貼るリフォームがお勧めです。

その際のサイディングは、セメントで作られた「窯業系サイディング」、金属で作られた「金属系サイディング」、天然木で作られた「木質系サイディング」から選ぶのが通例で、選ぶサイディングと、中古物件の外壁の面積によりリフォーム費用が異なります。

以下に、それぞれのサイディングの特徴と、1㎡あたりの価格(工費を含まない材料費)をご紹介しましょう。

窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントを主成分とする外壁材で、最も人気のあるサイディングです。

窯業系サイディングは、セメント製のため重いという欠点がありますが、人気があるだけにデザインが豊富で、1㎡あたりの価格は5,000円程度となっています。
窯業系サイディング
窯業系サイディング
 
金属系サイディング
金属系サイディングは、金属で作られた外壁材で、薄くて軽いという特徴があります。

金属系サイディングは、金属製のため錆びやすいという欠点がありますが、薄くて軽いだけに、築年数が古い中古物件の躯体に貼っても負荷がかからず、1㎡あたりの価格は4,000円程度です。
金属系サイディング
金属系サイディング
木質系サイディング
木質系サイディングは、天然木で作られた無垢の外壁材です。

木質系サイディングは、天然木で作られているだけに雨風に弱く、5年に1度のサイクルで防腐剤を塗布する必要がありますが、他の外壁材にはないナチュラルな質感を楽しめ、1㎡あたりの価格は6,000円程度となっています。

なお、木質系のサイディングは木製だけに、防火地域や準防火地域では使用できないことあるため、注意してください。
木質系サイディング
木質系サイディング

そして、モルタルの壁をサイディングに貼り替えるリフォームの費用は、使用するサイディングの種類と外壁の面積により異なり、外壁の面積が120㎡(床面積25坪程度)の中古物件の場合は、以下のとおりです。

モルタルをサイディングにするリフォームの費用の目安(外壁が120㎡の中古物件の場合)

サイディングの種類 リフォーム費用の目安
窯業系サイディング 160万円程度
金属系サイディング 140万円程度
木質系サイディング 170万円程度

以上が外壁の面積が120㎡の中古物件における、モルタルの外壁をサイディングにリフォームする費用の目安です。

なお、リフォーム費用は、中古物件の傷み具合や、依頼するリフォーム店により変動するため、注意してください。

つぎに、モルタルの外壁をサイディングに貼り替えるリフォームのメリットとデメリットをご紹介しましょう。

「モルタルをサイディングに貼り替えるリフォームのメリットとデメリット」

メリット
モルタルをサイディングに貼り替えるリフォームは、既存のモルタルの壁を剥がしつつ施工します。

よって、壁内の腐朽を確認することが可能になり、腐朽がある場合は柱などを取り替えつつ、建物の耐用年数を延ばすことが可能です。
デメリット
モルタルをサイディングに貼り替えるリフォームは、既存のモルタルを剥がしつつ施工するため、モルタルに直接サイディングを貼るカバー工法より作業工程が多くなります。

作業工程が多くなれば工期が長くなり、その結果、人件費が嵩みつつリフォーム費用も高くなるのが通例です。

よって、モルタルの壁をサイディングに貼り替えるリフォームのデメリットは、費用が高くなることであるといえます。

3. 塗装とカバー工法と貼り替え、どのリフォームが良い?

外壁がモルタルの中古物件の購入を希望する方へ向けて、モルタルのリフォーム方法と、リフォーム費用の相場をご紹介しました。

モルタルの中古物件の購入を希望する方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてください。

なお、モルタルの外壁のリフォームは、モルタルの上に塗装する方法、カバー工法、サイディングに貼り替える方法があるとご紹介しましたが、どのリフォームを実行するか迷う場合は、中古物件の築年数により決定するのがお勧めです。

たとえば、中古物件の築年数が10年~15年程度の築浅の場合は、モルタルの上に塗装するリフォームで恐らく大丈夫です。

また、モルタルの上にサイディングを貼るカバー工法でも問題はないでしょう。

しかし、中古物件の築年数が25年などを超える場合は、壁内の建材が腐朽している虞があるため、サイディングに貼り替えるリフォームがお勧めです。

サイディングに貼り替えるリフォームは、費用が高価ですが、モルタルを撤去しつつ施工されるため、中古物件の躯体の状態を確認することが可能で、適切なリフォームを施せば、建物の耐用年数を大きく延長できます。

ただし、どのリフォームを実行するにしても、複数のリフォーム店と相談しつつ費用の見積もりを取り、最も信頼できる業者の意見を参考に決定するように心掛けてください。

リフォームは、信頼できる業者に依頼するのが最も有効です。