中古住宅の購入に掛かる税金を「節税ポイント付き」で解説

節税する方法を交えつつ、現金で中古住宅を購入する際に掛かる税金を解説

中古住宅を購入すると、印紙税、登録免許税、不動産取得税、消費税などが課せられ、税金と諸費用を合わせると、おおむね中古住宅の本体価格の10%程度になります。

中古住宅の本体価格の10%といえば高額で、決して侮れません。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、節税する方法を交えつつ、現金で中古住宅を購入する際に課せられる税金をわかりやすく解説しましょう。

なお、ご紹介する内容は、現金で中古住宅を購入する場合に限り適用され、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、課せられる税金が異なります。

ぜひご注意ください。

1. 印紙税

中古住宅を購入する際は、売主と売買契約を締結します。

売買契約とは、中古住宅を購入することを約束する契約で、売買契約書に署名捺印することにより締結され、売買契約書を作成する者には印紙税が課せられます。

印紙税額は、中古住宅の本体価格により異なり、以下のとおりです。

不動産の売買契約書に課せられる印紙税額

不動産価格 印紙税額 軽減措置適用後
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1.000万円以下 10,000円 5,000円
1.000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円

以上が印紙税額で、印紙税は売買契約書に署名捺印する際などに支払います。

なお、令和2年3月31日までは、表の右端の軽減措置が適用され、印紙税が安くなります。

印紙税の節税ポイント

印紙税とは、売買契約書や工事請負契約書など、課税文書と呼ばれる書類を作成した者に課せられる税金です。

そして、中古住宅を購入する際は、売主と買主がそれぞれ1通ずつ売買契約書を作成し、それぞれの売買契約書に印紙税が課せられます。

つまり、通常の売買方法であれば、売買契約書が2通作成され、売主と買主の両者に印紙税が課せられるというわけです。

しかし、売買契約書はコピーであっても効力を発揮します。

そのため、売主や買主の一方がコピーで構わないのであれば、売買契約書の数を減らしつつ印紙税も減らし、さらに、支払う印紙税を売主と買主で折半すれば節税することが可能です。

ただし、コピーした売買契約書に文章を追加などすると、再び印紙税が課せられるため注意してください。

現金で中古住宅を購入する際に課せられる印紙税の説明

2. 登録免許税

中古住宅を購入した後は、中古住宅の名義を売主から買主に変更する手続きが必要で、これを「所有権移転登記」と呼びます。

所有権移転登記を行う者には登録免許税が課せられ、税額は中古住宅の固定資産税評価額をもとに以下の式で計算します。

所有権移転登記に課せられる登録免許税を計算する式
・中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×税率(2%) = A
・中古住宅の土地部分の固定資産税評価額×税率(2%) = B
・A+B = 登録免許税額

以上が所有権移転登記に課せられる登録免許税の税額を計算する式で、固定資産税評価額は、中古住宅を仲介する不動産業者に問い合わせれば確認できます。

登録免許税は、売主に代金を決済した直後に支払うのが通例です。

登録免許税の節税ポイント

以下の条件などを満たしつつ、令和2年3月31日までに中古住宅を購入すれば、「所有権移転登記に課せられる登録免許税を計算する式」に含まれる「中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×税率(2%) = A」の税率が0.3%に軽減され、登録免許税を節税できます。

  • 自己が居住するための中古住宅を購入した
  • 床面積が50㎡以上の中古住宅を購入した
  • 築年数が20年以内の木造住宅、または、25年以内の鉄筋コンクリート造りなどの中古住宅を購入した
  • 耐震性に優れた中古住宅を購入した

また、令和3年3月31日までに中古住宅を購入すれば、「所有権移転登記に課せられる登録免許税を計算する式」に含まれる「中古住宅の土地部分の固定資産税評価額×税率(2%) = B」の税率が1.5%に軽減され、同じく登録免許税を節税できます。

詳細は「国税庁 土地の売買や住宅用家屋等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」をご覧ください。

現金で中古住宅を購入する際に課せられる登録免許税の説明

3. 不動産取得税

中古住宅を購入するなどして、新たに不動産を取得した者に課せられるのが不動産取得税です。

不動産取得税は以下の式で税額が算出され、中古住宅を購入後3~6ヵ月程度で自宅に納付書が届きます。

不動産取得税を計算する式
・中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×税率(4%)= A
・中古住宅の土地部分の固定資産税評価額×税率(4%)= B
・A+B = 不動産取得税

購入を希望する中古住宅の固定資産税評価額は、その中古住宅を仲介する不動産業者に問い合わせれば確認できます。

また、既に購入した中古住宅の固定資産税評価額は、中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場にて、固定資産評価証明書の交付を受ければ確認することが可能です。

不動産取得税の節税ポイント

「不動産取得税を計算する式」にて、「中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×税率(4%)= A」とご紹介しましたが、令和3年3月31日まで税率が3%に軽減されます。

同じく「不動産取得税を計算する式」にて、「中古住宅の土地部分の固定資産税評価額 × 税率(4%= B」とご紹介しましたが、令和3年3月31日まで「中古住宅の土地部分の固定資産税評価額 × 2分の1×3% = B」に軽減され、期限内に中古住宅を購入すれば節税することが可能です。

また、一定の耐震基準を満たした中古住宅を購入するなどすれば、中古住宅が新築された日に応じて、「中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×税率(4%)= A」の固定資産税評価額から以下の額が控除され、さらに不動産取得税を節税できます。

中古住宅が新築された日 控除額
平成9年4月1日以降 1,200万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 350万円

詳しくは、購入を希望する中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場にお問い合わせください。

現金で中古住宅を購入する際に課せられる不動産取得税の説明

4. 消費税

現金で中古住宅を購入する際は、2つの消費税が課せられます。

1. 仲介手数料に対する消費税

不動産仲介業者を仲介させつつ中古住宅を購入する際は、不動産業者に仲介手数料を支払う必要があり、仲介手数料に消費税が課せられます。

仲介手数料は、中古住宅の本体価格により異なり、国土交通大臣により以下のように上限が定められています。

仲介手数料の上限

中古住宅の本体価格 仲介手数料の上限
200万円以下 中古住宅の本体価格の5%
200万円超400万円以下 中古住宅の本体価格の4%+2万円
400万円超 中古住宅の本体価格の3%+6万円

2. 中古住宅に対する消費税

マイホームとして使用されていた、個人が売りに出す中古住宅などを購入する場合は消費税は課せられません。

しかし、売主が不動産業者である中古住宅や、個人事業者が賃貸しするなどして事業として活用されていた中古住宅を購入すると、中古住宅の建物部分の販売価格に対して消費税が課せられます。

中古住宅の建物部分の販売価格は、以下の方法で計算します。

中古住宅の建物部分の販売価格を計算する方法
1. 中古住宅の建物部分と土地部分の固定資産税評価額を調べる
2. 建物部分と土地部分の固定資産税評価額の割合を計算する
3. 計算した割合を中古住宅の販売価格に按分すれば、建物部分の販売価格が算出される

消費税の節税ポイント

不動産業者が販売する中古住宅を購入すると、建物部分の価格に対して消費税が課せられます。

しかし、不動産業者が販売する、一定の条件を満たした耐震性に優れた中古住宅を購入するなどすれば、すまい給付金による30~50万円程度の補助金を受給することが可能になり、結果として消費税を節税できます。

すまい給付金について詳しくは、当サイトのコンテンツである「中古住宅の購入を対象とする「すまい給付金」の受給条件を解説」をご覧ください。

現金で中古住宅を購入する際に課せられる消費税の説明

まとめ - 不動産取得税を節税するには申請を忘れずに

節税する方法を交えつつ、現金で中古住宅を購入する際に掛かる税金をご紹介しました。

現金で中古住宅を購入する際は、売買契約書に課せられる印紙税、所有権移転登記(名義変更)に課せられる登録免許税、不動産を取得することにより課せられる不動産取得税、仲介手数料などに課せられる消費税が掛かります。

そして、一定の条件を満たしつつ中古住宅を購入するなどすれば、それぞれを節税できます。

ただし、節税するためには、工夫や申請が必要となるため注意してください。

特に、一定の耐震基準を満たした中古住宅を購入するなどすれば、中古住宅が新築された日に応じて不動産取得税が軽減されますが、不動産取得税を軽減させるためには、中古住宅を購入後60日以内に市区町村役場への申請が必要です。

不動産取得税が軽減される条件に該当する場合は、申請を忘れないように気を付けてください。