一戸建ての中古住宅によくあるトラブルと対処法(予防策付き)

中古住宅は新築より築年数が経っているため、雨漏りなどのトラブルが発生しやすくなっています。
トラブルを完全に防ぐことはできませんが、対処法や予防策を知っておけば安心です。
そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」は、一戸建ての中古住宅の購入を希望するもののトラブルが心配な方へ向けて、購入後によくあるトラブルの事例と対処法、予防策をご紹介しましょう。
目次
1. 雨漏りに関するトラブル
中古住宅のトラブルで事例が多いのが雨漏りで、一戸建てでは、屋根や窓枠など様々な箇所から雨漏りし、原因箇所の特定が難しいのが特徴です。
対処法
中古住宅の売主は、中古住宅の売却後に瑕疵(欠陥)が見つかった場合、修繕費用を負担する義務があり、これを瑕疵担保責任と呼びます。
そのため、中古住宅を購入後に雨漏りが見つかった場合は、中古住宅を仲介した、または販売した不動産業者に連絡しつつ、売主に修繕費用の負担を求めるのが一般的な対処法です。
ただし、全ての中古住宅の売主が瑕疵担保責任を負うわけではなく、売買契約に「瑕疵担保責任免責(売主が瑕疵担保責任を免れる特約)」が付いている場合は、売主は雨漏りの修繕費用の負担を免れるため注意してください。
瑕疵担保責任免責が付いた中古住宅を購入し、雨漏りが発見された場合は、買主が修繕費用を負担する必要があります。
また、瑕疵担保責任は中古住宅の引き渡し後2ヵ月から2年など、売主に修理の実施を請求できる期間が定められているため、中古住宅を購入後に雨漏りが見つかった場合は、速やかに不動産業者に連絡することが大切です。
なお、不動産業者から直接購入した中古住宅に瑕疵担保責任免責が付くことはありません。
中古住宅を販売した不動産業者は、必ず瑕疵担保責任を負います。
予防策
中古住宅を購入後に雨漏りが発見されれば、売買契約に瑕疵担保責任免責の特約などがない限り、売主に修理の実施を請求することが可能です。
しかし、雨漏りは原因箇所の特定が難しく、幾度も業者が家に訪れるなど、修繕に時間と手間が掛かります。
そのため、中古住宅を購入する際は、売買契約を締結する前に中古住宅を慎重に見学し、天井などに雨漏りの跡がないかチェックし、引き渡し後の雨漏りによるトラブルを防ぐことが大切です。
雨漏りの跡


また、中古住宅を購入する前にインスペクション(住宅診断)を受けておけば、さらに雨漏りに関するトラブルを予防できます。
インスペクションとは専門業者による住宅診断のことで、詳細は「インスペクションとは? 費用の目安や、賢い業者の選び方を解説」にてご確認いただけます。
2. シロアリに関するトラブル
中古住宅を購入して住み始めると、部屋の中でシロアリを見掛けることがあります。
木造の一戸建ての中古住宅でシロアリを見掛けると、食害があるのではと不安になりますが、対処法と予防策は以下のとおりです。
対処法
「1. 雨漏りに関するトラブル」でご紹介しましたが、中古住宅の売主には瑕疵担保責任があり、シロアリによる食害が見つかった場合も売主が修繕費用を負担します。
そのため、部屋の中でシロアリが発見された場合は、中古住宅を仲介、または販売した不動産業者に連絡を取り、売主の費用負担で点検させることが一般的な対処方法です。
瑕疵担保責任には期間が設けられているため、中古住宅を購入後にシロアリを見掛けた場合は、早めに不動産業者に連絡してください。
ただし、売買契約に「瑕疵担保責任免責(中古住宅の引き渡し後にトラブルが発見された場合に、売主が修繕費用の負担を免れる特約)」が盛り込まれている場合は、買主の費用負担でシロアリを駆除したり、食害された建材を取り換える必要があるため注意してください。
予防策
一戸建ての中古住宅は、束や根太、大引きと呼ばれる建材で床を支えています。

そして、それらの建材がシロアリに食害されると床がもろくなります。
そのため、中古住宅を購入する際は、事前の見学で隅々まで床を踏みしめ、感触が柔らかい箇所がないか確認することが大切です。
また、インスペクションを実施すれば、シロアリによる食害がないか専門業者が調査してくれます。
ただし、床に点検口がない一戸建ての中古住宅は、床下を目視するのが難しく、満足な検査ができないことがあるため注意してください。
中古住宅などにある床下の点検口

3. 住宅設備に関するトラブル
中古住宅を購入して入居すると、蛇口から水漏れがあるなど、設備に関するトラブルが見つかることがあります。
住宅設備に関するトラブルの対処法と予防策は以下のとおりです。
対処法
「1. 雨漏りに関するトラブル」や「2. シロアリに関するトラブル」で、中古住宅の売主には瑕疵担保責任があり、引き渡し後に瑕疵(欠陥)が見つかった場合は、売主が修繕費用を負担するとご紹介しました。
そのため、蛇口をひねっても水が出ないなど、生活に支障が出るトラブルの場合は、瑕疵担保責任により売主が修繕費用を負担するため、中古住宅を仲介した、または販売した不動産業者に連絡を取り、売主に修繕費用の負担を求めるのが一般的な対処法です。
ただし、瑕疵担保責任は、生活に支障をきたすような重大な瑕疵に対しての責任で、軽微な瑕疵には適用されません。
そのため、「わずかに蛇口から水が漏れている」「便座に暖房機能付きのウォシュレットが付いていたが、暖房機能だけが故障していた」「壁紙の一部が剥がれていた」「建具の建て付けが悪い」「電球が点灯しない」などの軽微なトラブルは、売主が修理費用を負担する必要があるため注意してください。
予防策
中古住宅を見学する際に可能な限り設備を点検すれば、引き渡し後のトラブルを予防できます。
ただし、空き家の状態で売りに出されている中古住宅は、電気や水道、ガスが止められていることが多く、その場合は充分に設備の状態を確認できません。
そのため、売買契約を締結する際に、引き渡される中古住宅の設備のひとつひとつを表などにまとめつつ書面に起こし、売主に状態を確認しておくことが大切です。

まとめ - 中古住宅はトラブルを想定しつつ購入し、トラブル発生後は適切に対処することが大切
一戸建ての中古住宅の購入を希望する方へ向けて、対処法と予防策を交えつつトラブルの事例をご紹介しました。
中古住宅の売主は瑕疵担保責任を負うため、購入後に瑕疵(欠陥)が見つかれば、売主が修繕費用を負担するのが通例です。
そのため、中古住宅を購入後に瑕疵によるトラブルが発生した場合は、中古住宅を仲介、または販売した不動産業者に連絡しつつ、売主に修繕費用を負担させるのが一般的な対処方法となります。
ただし、瑕疵担保責任には2ヵ月から2年などの期限が設けられているため、トラブルが発生した場合は、速やかに不動産業者に連絡するように心掛けてください。
また、売買契約に瑕疵担保責任免責の特約が付いている場合は、修繕費用は買主が負担する必要があるため注意が必要です。
そして、売買契約を締結する前にインスペクション(住宅診断)を実施するなどすれば、購入後のトラブルを予防できます。
中古住宅は、新築より築年数が経っているだけに、購入後のトラブルが付き物です。
よって、中古住宅は、引き渡し後に発生するトラブルを想定しつつ購入し、トラブルが発生した場合は、焦らず適切に対処することが大切です。
記事公開日:2019年9月