中古住宅を住宅ローンで購入したい。諸費用は全部でいくら?

住宅ローンで中古住宅を購入する際は、金融機関から借り入れしつつ中古住宅を購入します。

そのため、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、「住宅ローンを利用するための諸費用」と「中古住宅を購入するための諸費用」が必要です。

中古住宅の購入を希望する方へ向けて、2つの諸費用の目安をわかりやすくご紹介しましょう。

1. 住宅ローンを利用するための諸費用の目安

冒頭でご紹介したとおり、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、「住宅ローンを利用するための諸費用」と「中古住宅を購入するための諸費用」が必要です。

まずは、1つ目の諸費用である「住宅ローンを利用するための諸費用」をご紹介しましょう。

「住宅ローンを利用するための諸費用」の合計額の目安は、利用する住宅ローンの種類、借り入れする金融機関などにより異なりますが、おおむね借り入れ金額の2~5%程度となっています。

融資事務手数料

住宅ローンは、民間の金融機関が独自に実施する「民間融資」、住宅金融支援機構が実施する「フラット35」、財形住宅融資を代表とする「公的融資」など、大きく3種類に分類されます。

そして、フラット35を利用する際は、民間の金融機関を通して住宅金融支援機構に融資を申し込み、資金が貸し出された暁には、民間の金融機関に融資事務手数料を支払わなければなりません。

この融資事務手数料が諸費用の一つであり、融資事務手数料は「定率タイプ」と「定額タイプ」に分類され、フラット35を申し込む金融機関により選択できるタイプが異なり、手数料の目安は以下のとおりです。

融資事務手数料の目安

定率タイプ 融資額の1.08%など
定額タイプ 3~10万円程度など

保証会社への保証料

民間の金融機関が独自に実施する「民間融資」を利用する際は、保証料が必要です。

保証料とは、中古住宅の買主が返済を滞らせた際に、返済を肩代わりする保証会社に支払う保証料のことで、住宅ローンを利用する金融機関などにより「外枠方式」と「内枠方式」に分類され、目安は以下のとおりとなっています。

保証料の目安

外枠方式 借入金額と返済期間により保証料が変わり、1000万円を15年で返済する場合は15万円程度、1000万円を20年で返済する場合は20万円程度など。外枠方式の場合、融資が実行された直後などに保証会社に一括で保証料を支払う
内枠方式 住宅ローンの金利が0.2%程度高くなり、月々の返済額から保証料が支払われる

火災保険料

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、必ず火災保険に加入しなくてはいけません。

火災保険料は、保険期間や契約内容により異なり、10年一括払いで25~50万円程度です。

火災保険料は、住宅ローンの融資が実行された直後などに支払います。

金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税

住宅ローンを利用する際は、金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶ必要があり、金銭消費貸借契約は金銭消費貸借契約書に署名捺印することにより締結されます。

そして、金銭消費貸借契約書を作成する者(署名捺印する者)には印紙税が課せられ、印紙税が住宅ローンを利用する際に必要となる諸費用の一つです。

印紙税は借り入れ金額により以下のように設定され、金銭消費貸借契約書に署名捺印する際に支払います。

金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税額

借り入れ金額 印紙税額
50万円超100万円以下 1,000円
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円

抵当権の設定登記を代行する司法書士への報酬

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、購入した中古住宅に抵当権を設定しつつ、売主から買主への所有権移転登記(名義変更)を行う必要があります。

抵当権とは、中古住宅の買主が住宅ローンを返済しない場合に、資金を貸し出した金融機関などが中古住宅を差し押さえられる権利のことで、設定の手続きは司法書士が代行します。

抵当権の設定の手続きを代行する司法書士には5万円程度の報酬を支払う必要があり、この報酬が諸費用の一つです。

抵当権の設定登記を代行する司法書士への報酬は、住宅ローンの融資が実行された直後などに支払います。

抵当権の設定登記に課せられる登録免許税

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、抵当権を設定した所有権移転登記が必要で、司法書士に手続きを代行させますが、抵当権を設定する際は登録免許税が課せられます。

抵当権の設定登記に課せられる登録免許税は以下の式で算出され、住宅ローンの融資が実行された直後に、抵当権の設定登記を代行する司法書士に登録免許税を預けます。

抵当権の設定登記に課せられる登録免許税の算出方法
住宅ローンの借入金額×0.4%(0.1%)
カッコ内は軽減措置適用後の税率であり、耐震性に優れた中古住宅などを購入すると軽減措置が適用され、登録免許税が安くなる

住宅ローンを利用するために必要となる諸費用

2. 中古住宅を購入するための諸費用の目安

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、「住宅ローンを利用するための諸費用」と「中古住宅を購入するための諸費用」が必要です。

「中古住宅を購入するための諸費用」は以下のとおりで、合計すると、おおむね中古住宅の購入価格の10%程度となります。

仲介手数料

不動産業者が仲介する中古住宅を購入する場合は、不動産業者に支払う仲介手数料が必要です。

この仲介手数料が諸費用の一つであり、仲介手数料は中古住宅の価格により異なり、宅地建物取引業法により以下のように上限が定められています。

仲介手数料は、中古住宅の売主と売買契約を締結した直後に50%、融資が実行され、売主に代金を決済した直後に残りの50%を支払うのが通例です。

仲介手数料の上限

物件価格 計算式
200万円以下 物件価格の5%
200万円超400万円以下 物件価格の4%+2万円
400万円超 物件価格の3%+6万円

売買契約書に課せられる印紙税

中古住宅を購入する際は、売主と売買契約を締結します。

売買契約は売買契約書に署名捺印することにより締結され、売買契約書を作成する者(売買契約書に署名捺印した者)には、印紙税が課せられます。

印紙税は、購入する中古住宅の価格により以下のように設定され、売買契約書に署名捺印する際に支払います。

中古住宅を購入する際の印紙税額

物件価格 印紙税額
10万円超50万円以下 400円(200円)
50万円超100万円以下 1,000円(500円)
100万円超500万円以下 2,000円(1,000円)
500万円超1,000万円以下 10,000円(5,000円)
1,000万円超5,000万円以下 20,000円(10,000円)
5,000万円超1億円以下 60,000円(30,000円)

カッコ内は軽減措置適用後の税額で、令和2年3月31日まで軽減措置が適用される

所有権移転登記を代行する司法書士への報酬

住宅ローンの融資が実行され、売主に中古住宅の代金を決済した後は、司法書士に報酬を支払いつつ、所有権移転登記の手続きを代行させます。

所有権移転登記とは、中古住宅の名義を売主から買主に変更する登記のことで、司法書士への報酬額は7~10万円程度です。

所有権移転登記を代行する司法書士への報酬は、住宅ローンが実行され、中古住宅の売主に代金を決済した直後などに支払います。

所有権移転登記に課せられる登録免許税

売主に代金を決済した後は、司法書士に所有権移転登記の手続きを代行させますが、所有権移転登記には登録免許税が課せられます。

登録免許税は、購入した中古住宅の固定資産税評価額をもとに以下のように算出され、固定資産税評価額は、購入する中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場や、中古住宅を仲介する不動産業者に問い合わせることにより確認することが可能です。

なお、所有権移転登記に課せられる登録免許税は、住宅ローンが実行され、中古住宅の売主に代金を決済した直後に、所有権移転登記の手続きを代行する司法書士に預けます。

所有権移転登記のための登録免許税を計算する式
・購入した中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×2%=A
・購入した中古住宅の土地部分の固定資産税評価額×2%=B
・A+B=所有権移転登記に課せられる登録免許税
所有権移転登記のための登録免許税には軽減措置があり、軽減措置が適用された場合は登録免許税が安くなる

不動産取得税

中古住宅を購入すると不動産取得税が課せられ、中古住宅を購入後3~6ヵ月程度で納税通知書と納付書がご自宅に届き、それをもって納税します。

不動産取得税は、以下の式で算出されます。

なお、中古住宅の購入に課せられる不動産取得税は、当サイトのコンテンツである「中古住宅を購入した。さて、不動産取得税の納付書はいつ届く?」にて詳しく解説中です。

お時間のある方は是非ご覧ください。

不動産取得税を算出する式(令和3年3月31日まで適用)
・購入した中古住宅の建物部分の固定資産税評価額×3% = A
・購入した中古住宅の土地部分の固定資産税評価額の2分の1×3% = B
・A+B=不動産取得税

中古住宅を購入するための諸費用

まとめ - 諸費用が安い住宅ローンは金利が高く、返済に苦労する

中古住宅の購入を希望する方へ向けて、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際の諸費用をご紹介しました。

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、「住宅ローンを利用するための諸費用」と「中古住宅を購入するための諸費用」が必要です。

「住宅ローンを利用するための諸費用」の目安は借入金額の2~5%程度であり、「中古住宅を購入するための諸費用」の目安は中古住宅の本体価格の10%程度となっています。

そして、それぞれの諸費用は、住宅ローンの融資が実行される際などに支払う必要があるため留意してください。

なお、諸費用が安い住宅ローンを見掛けますが、諸費用が安い住宅ローンは、おおむね金利が高く設定されているため注意が必要です。

旨い住宅ローンなどは存在せず、どの住宅ローンも支払うべきものは支払う仕組みであり、諸費用が安く金利が高い住宅ローンは、借り入れ時は楽ですが返済に苦労します。

住宅ローンを選ぶ際は、諸費用より金利に注目し、返済総額を安く抑えることが大切です。