安心して中古住宅を購入したい。保証が付いている物件ってある?

中古住宅は新築より築年数が経っているため、購入を希望する方の多くが品質に不安を抱きます。
そこで最近注目を集めるのが「保証付き」の中古住宅で、保証が付いていれば購入後に瑕疵(欠陥や不具合)が発見された場合も安心です。
今回の「誰でもわかる不動産売買」は、中古住宅の購入を希望するものの品質に不安を感じる方へ向けて、保証付きで購入できる中古住宅をご紹介しましょう。
目次
1. 不動産業者が直接販売する中古住宅
中古住宅の多くは、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す物件ですが、不動産業者が直接販売する物件も存在し、大掛かりなリフォームが施された一戸建ての中古住宅や、リノベーションされた中古マンションなどは不動産業者が直接販売する物件です。
そして、不動産業者が販売する物件には、瑕疵担保責任による保証が付きます。
瑕疵担保責任とは、物件の瑕疵(欠陥や不具合)に対して売主が負う責任のことで、不動産業者が直接販売する中古住宅は、引き渡し後2年以内などに雨漏り、給排水管の故障、シロアリによる木部の食害、軟弱基盤による建物の傾き、土壌汚染などが発見された場合に不動産業者が修繕費用を負担します。
ただし、不動産業者が直接販売する中古住宅を購入すると、建物部分の販売価格に対して消費税が課せられるため注意してください。
なお、不動産業者が直接販売する耐震性に優れた中古住宅などを購入すると、最大50万円が支給される「すまい給付金」を受給することが可能です。
詳しくは、当サイトのコンテンツである「中古住宅の購入を対象とする「すまい給付金」の受給条件を解説」をご覧ください。

2. 大手不動産業者が仲介する中古住宅
不動産業者が直接販売する中古住宅を購入すれば、瑕疵担保責任による保証が付きますが、住友不動産販売などの大手不動産業者は、自社が仲介する中古住宅の一部に対して品質を保証するサービスを実施中です。
保証サービスを実施する主な大手不動産業者と、保証サービスの内容は以下のとおりとなっています。
住友不動産販売「瑕疵保証サービス」
住友不動産販売は、自社が仲介する一部の中古住宅に対して「瑕疵保証サービス」を適用中です。
瑕疵保証サービスが適用される中古住宅を購入すれば、引き渡し後2年以内に雨漏り、給排水管の不具合、建物の構造上重要な部位の木部の腐朽、シロアリによる食害が発見された場合に住友不動産販売が修繕費用を補償します。
住友不動産販売の瑕疵保証サービスの詳細は「住友不動産販売 瑕疵保証サービス」にてご確認いただけます。
東急リバブル「リバブルあんしん仲介保証」
東急リバブルは、自社が仲介する中古住宅の一部に対して、引き渡し後に不具合が発見された場合に修理費用などを補償するサービス「リバブルあんしん仲介保証」を実施中です。
リバブルあんしん仲介保証が適用される中古住宅を購入し、引き渡し後2年以内に雨漏り、給排水管の故障、木造住宅の構造耐力上主要な部分の不具合、シロアリによる食害などが発見された場合、東急リバブルが修繕を実施します。
リバブルあんしん仲介保証の詳細は「東急リバブル リバブルあんしん仲介保証 建物保証」にて確認することが可能です。
三井のリハウス「360度サポート」
三井のリハウスは、自社が仲介する中古住宅の一部に対して、引き渡し後2年以内に雨漏り、給排水管の不具合、シロアリによる木部の食害などが発見された場合に修繕費用を補償するサービス「360度サポート」を実施中です。
また、360度サポートが適用される中古住宅を購入しつつ引き渡し後2年以内にエアコン、浴室、トイレ、給湯器などの付帯設備が故障した場合は、三井のリハウスが最高20万円までの修理費用を負担します。
360度サポートの詳細は「三井のリハウス360度サポート」にてご確認いただけます。
三井のリハウス「360度サポート」紹介動画
3. 既存住宅売買かし保険に加入する中古住宅
既存住宅売買かし保険とは、国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が実施する、中古住宅の品質を保証する保険を表します。
既存住宅売買かし保険に加入する中古住宅を購入すれば、保険適用日から1年、または5年以内に発見された雨漏り、給排水管や電気設備の機能停止、構造耐力上主要な部分の欠陥などが発見された場合に住宅瑕疵担保責任保険法人から保険金が支払われ、保証として機能します。
既存住宅売買かし保険の紹介動画
既存住宅売買かし保険に加入しつつ販売される中古住宅は多くありませんが、住友林業、セキスイハイム、ミサワホームなどの大手不動産業者が参加する「スムストック」が取り扱う物件には同保険が適用されています。
スムストックのテレビCM
まとめ - 保証付きの中古住宅は、値段が高くなりがち
中古住宅の購入を希望するものの品質に不安を感じる方へ向けて、保証付きで購入できる中古住宅をご紹介しました。
多くの中古住宅は、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す物件ですが、不動産業者が直接販売する物件も存在し、それに該当する物件には瑕疵担保責任による保証が付きます。
また、住友不動産販売、東急リバブル、三井のリハウスなどの大手不動産業者は、自社が仲介する一部の中古住宅に保証を付け、購入後2年以内に瑕疵が発見された場合に修繕費用を補償します。
特に、三井のリハウスの保証である「360度サポート」は、付帯設備まで保証されるため注目です。
ただし、保証付きで購入できる中古住宅は、保証がない中古住宅より価格が高く設定されているため注意してください。
たとえば、住友林業、セキスイハイム、ミサワホームなどの大手不動産業者が参加する「スムストック」が取り扱う中古住宅には「既存住宅売買かし保険」が適用され、同保険が保証として機能しますが、安くとも2,000万円、高い場合は1憶円を超えるなど、場合によっては新築が購入できる値段となっています。
そのため、保証付きの中古住宅を購入する際は、抜群に立地条件が良いなど、保証付きで購入するだけの価値があるか冷静に品定めすることが大切です。
新築が購入できるほどの高価な中古住宅を購入するのであれば、安い物件を購入して存分にリフォームした方が良いかもしれません。
記事公開日:2019年11月