中古住宅を現金で購入。確定申告による税務署への届け出は必要?

中古住宅を現金で購入。確定申告による税務署への届け出は必要?

現金で中古住宅を購入すると確定申告は必要でしょうか。

答えは「不要」ですが、場合によっては確定申告で税務署に届け出れば所得税が減税されることもあります。

現金一括払いで中古住宅の購入を希望する方へ向けて、確定申告の必要性や、確定申告すれば所得税が減税される条件をご紹介しましょう。

1. 現金一括で中古住宅を購入した場合は、確定申告は不要

確定申告とは、過去の所得と、その所得に課せられる所得税の額を税務所長に届け出るための申告です。

不動産を購入しても所得はありません。

よって、中古住宅を購入した場合、そのことに対する確定申告は不要です。

一戸建ての中古住宅を現金で購入した場合も、中古マンションを現金で購入した場合も確定申告は不要となっています。

現金で中古住宅を購入した場合は確定申告は不要

不動産を購入することにより確定申告が必要になるのは、住宅ローンを利用しつつ住宅を購入し、住宅ローン控除の適用を希望する場合などです。

住宅ローン控除とは、返済期間が10年以上の住宅ローンを利用しつつ住宅を購入することにより、返済開始から10年間などにわたり、その年の年末の住宅ローン残高の1%が所得税から減税される制度です。

住宅ローン控除の適用を受けるためには、住宅ローンを利用しつつ住宅を購入した翌年などの確定申告での届け出が必要となりますが、キャッシュで中古住宅を購入した場合は、住宅ローン控除の対象となりません。

そのため、現金で中古住宅を購入した場合は、やはり確定申告は不要です。( 中古住宅の購入を対象とする住宅ローン控除の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)にてご確認いただけます )

なお、中古住宅を購入した場合は、原則として30~60日以内などにその物件が所在する地域を管轄する税事務所への不動産取得税の申告が必要となります。

不動産取得税とは、相続以外の方法で不動産を取得した者に一度だけ課せられる税金であり、中古住宅を現金で購入した場合も住宅ローンで購入した場合も申告が必要です。

申告は、購入した中古住宅が所在する地域を管轄する都道府県のホームページからダウンロードできる不動産取得税申告書にて行います。( 東京都の不動産取得税申告書の見本は、東京都主税局 不動産取得税申請様式にて確認することが可能です )

しかし、申告を忘れてもお咎めはなく、必ず不動産取得税の納税通知書が届くため特に問題はありません。

また、中古住宅などの不動産を所有すると毎年固定資産税が課せられますが、固定資産税に関する申告は不要です。

申告をしなくとも、中古住宅を購入した翌年の4~6月ごろに固定資産税の納税通知書がご自宅に届きます。

ちなみに、誰でもわかる不動産売買では、不動産取得税や固定資産税の納税通知書が届く時期をご紹介するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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2. リフォームをした場合は、確定申告により減税されることがある

中古住宅を現金で購入した場合は、確定申告による届け出は不要です。

確定申告による届け出が必要なのは住宅ローン控除が適用される状況などであり、現金で中古住宅を購入した場合は住宅ローン控除は適用されないため、確定申告は不要となっています。

ただし、現金で中古住宅を購入しつつ以下のリフォームを実施すれば、確定申告で届け出ることにより所得税が減税されます。

耐震リフォーム(最大25万円などの所得税が減税)

昭和56年5月31日以前に建築された一戸建ての中古住宅などを購入し、一定の条件を満たす耐震リフォームを実施すれば、確定申告で届け出ることによりリフォームが完了した年に掛かる所得税から最大25万円などが減税されます。

この減税制度の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.1222 耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)にて確認することが可能です。

また、昭和57年1月1日以前に建築された中古住宅に、費用の総額が50万円を超える一定の条件を満たす耐震リフォームを実施した場合は、市区町村役場に届け出ることによりリフォームが完了した翌年の固定資産税が2分の1に減税されます。

固定資産税の減税制度の詳細は、現金で購入する中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場のホームページに設けられた検索窓に、「耐震リフォーム 固定資産税 減税」などと入力しつつ検索することによりご確認いただけます。

余談ですが、誰でもわかる不動産売買では、耐震リフォームにより所得税や固定資産税が減税される制度の詳細を解説するコンテンツも公開中です。

現金で中古住宅を購入しつつ耐震リフォームを実施するご予定の方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

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バリアフリー対応リフォーム(最大20万円などの所得税が減税)

現金、もしくは住宅ローンで中古住宅を購入し、高齢者の方と同居するために50万円以上の費用を掛けつつ浴槽やトイレを改修するなどのバリアフリーリフォームを実施すれば、確定申告で届け出ることにより最大20万円などの所得税が減税されます。

この制度の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.1220 バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)にて確認することが可能です。

また、費用の総額が50万円を超える一定の条件を満たすバリアフリーリフォームを実施した場合は、リフォームを実施した翌年の固定資産税が3分の2に減税されます。

固定資産税が減税される条件の詳細は、現金で購入する中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場のホームページに設置された検索窓に、「バリアフリーリフォーム 固定資産税 減税」などと入力しつつ検索することによりご確認いただけます。

バリアフリーリフォームによる固定資産税の減税制度の詳細は市区町村のホームページで確認できる

省エネリフォーム(最大25万円などの所得税が減税)

現金、住宅ローンを問わず中古住宅を購入し、50万円を超える費用を掛けつつ既存のサッシを断熱窓に交換するなどの省エネリフォームを実施すれば、確定申告で届け出ることにより最大25万円などの所得税が減税されます。

この減税制度の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.1219 省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)にて確認することが可能です。

また、50万円を超える費用を掛けつつ一定の条件を満たす省エネリフォームを実施した場合は、現金で購入した中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場に届け出ることにより、リフォームを実施した翌年の固定資産税が3分の2に減税されます。

固定資産税が減税される条件の詳細は、現金で購入する中古住宅が所在する地域を管轄する市区町村役場のホームページに設置されている検索窓に、「省エネリフォーム 固定資産税 減税」などと入力しつつ検索することによりご確認いただけます。

ちなみに、誰でもわかる不動産売買では、省エネリフォームに対する減税制度をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

現金で中古住宅を購入し、省エネリフォームを実施するご予定の方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

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省エネリフォームで減税される条件とは?簡単・簡潔に解説

同居対応リフォーム(最大25万円などの所得税が減税)

現金、住宅ローンを問わず中古住宅を購入し、50万円を超える費用を掛けつつ親などと同居するためにキッチンや浴室などを増設する同居対応リフォームを実施すれば、確定申告で届け出ることにより最大25万円の所得税が減税されます。

減税されるのは、同居対応リフォームを実施した年の収入に掛かる所得税です。

この減税制度の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.1224 多世帯同居改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)にてご確認いただけます。

長期優良住宅化リフォーム(最大50万円などの所得税が減税)

長期優良住宅化リフォームとは、小屋裏に換気口を取り付けつつ屋根裏の通気性を向上させたり、床下に防腐・防蟻処理を施すなどして住宅の寿命を伸ばすリフォームです。

現金、または住宅ローンで中古住宅を購入し、耐震リフォームや省エネリフォームと共に長期優良住宅化リフォームを実施しつつ確定申告で届け出れば、リフォームを行った年に掛かる所得税から最大50万円などが減税されます。

この減税制度の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.1227 耐久性向上改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)にて確認することが可能です。

まとめ - 現金で購入すると、税務署からお尋ねが届くことも

現金で中古住宅の購入を希望する方へ向けて、確定申告の必要性をご紹介しました。

現金で中古住宅を購入した場合は、一戸建て、中古マンションを問わず確定申告による届け出は不要です。

中古住宅を購入した場合は、確定申告ではなく税事務所への不動産取得税の届出が必要となりますが、忘れても特にお咎めはなく、不動産取得税の納税通知書はご自宅に届くため心配ありません。

なお、現金一括払いで中古住宅を購入すると、税務署から「一括で不動産を購入されたようですが、どのように資金を調達しましたか?」という内容の「住宅の購入資金に関するお尋ね」が届くことがあります。

現金で中古住宅を購入すると税務署からお尋ねが届くことがある

このお尋ねには、中古住宅の購入価格や具体的な資金の調達先などを記入しつつ返信しますが、ご家族や親類から資金の贈与を受けながら中古住宅を購入した場合は贈与税が課せられるため注意してください。

贈与税の税率は高く、たとえば1,000万円の贈与を受けつつ現金で中古住宅を購入した場合の税額は230万円などとなります。

よって、ご家族や親類から資金の援助を受けつつ現金で中古住宅を購入する場合は、贈与を受けるのではなく借り入れし、少額ずつでも返済するのが理想です。

そうすれば、贈与税は課せられません。

余談ですが、誰でもわかる不動産売買では、税務署からのお尋ねに関する詳細をご紹介するコンテンツも公開中です。

現金で中古住宅の購入をご予定の方は、ぜひご覧ください。

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ご紹介した内容が、中古住宅の購入をご予定の皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。