中古マンションを住宅ローンで購入する流れ(諸費用の目安付き)

中古マンションを住宅ローンで購入する流れ

住宅ローンで中古マンションを購入する際は流れが複雑で、誰もが戸惑います。

また、住宅ローンで中古マンションを購入すると、現金で購入するより多くの諸費用が必要です。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、住宅ローンで中古マンションを購入したいと希望する方へ向けて、その都度支払うべき諸費用を交えつつ、住宅ローンで中古マンションを購入する流れをご紹介しましょう。

流れ1. 物件探し~購入申し込み

不動産の購入は、まずは物件探しから始まります。

物件を探す際は、アットホームなどのネットの検索サイトに掲載されている広告をもとに一件でも多くの物件を見学するのが理想です。

そして、購入を希望する中古マンションが見つかれば、その中古マンションを仲介する不動産業者を通して売主に購入申し込みを行います。

購入申し込みとは、その中古マンションを購入する意思があることを購入申込書を提出しつつ売主に伝えるもので、売主が購入申し込みに同意すれば、購入条件などに関する交渉が開始されます。

購入を申し込む際は申込金は不要で、購入申し込みはキャンセル料なしで取り消すことが可能です。

なお、販売されている中古マンションの中には、不動産業者が直接販売する物件が存在しますが、それに該当する物件を購入する場合は、不動産業者に直接購入申込書を提出します。

流れ2. 媒介契約

売主が購入申し込みに同意すれば、その中古マンションを仲介する不動産業者と媒介契約を締結します。

媒介契約とは、その不動産業者を仲介させつつ中古マンションを購入することを不動産業者と約束する契約で、媒介契約書に署名捺印することにより締結されます。

なお、不動産業者が直接販売する中古マンションを購入する場合は、媒介契約は不要です。

不動産業者との媒介契約締結

流れ3. 重要事項説明

不動産業者と媒介契約を締結した後は、不動産業者から重要事項説明を受けます。

重要事項説明とは、購入する中古マンションの規約、管理費、修繕積立金、水道や電気、ガスの引き込み状況、設備の状態などが口頭にて詳しく伝えられる説明で、引き渡し後に「言った・言わない」「聞いた・聞いてない」と売主や不動産業者と争いになることを防ぐために実施される重要な説明です。

内容に納得すれば、重要事項説明を書面に起こした「重要事項説明書」に署名捺印し、重要事項説明は完了します。

当サイトでは、重要事項説明の大切さを解説するコンテンツ「中古住宅を購入する際の注意点。重要事項説明と売買契約の大切さ」を公開中です。

中古マンションの購入を希望する方は、ぜひご覧ください。

重要事項説明の様子

流れ4. 売買契約

重要事項説明が完了すれば、売主と売買契約を締結します。

売買契約とは、その中古マンションを購入することを売主と約束する契約で、売買契約書に署名捺印しつつ締結します。

なお、住宅ローンで中古マンションを購入する際は、売買契約を締結した後に金融機関に住宅ローンの審査を申し込みます。

そして、審査に通れば売主に代金を支払えますが、審査に落ちれば代金を支払えず、中古マンションを購入できません。

そのため、住宅ローンで中古マンションを購入する際は、売買契約に「住宅ローン特約」を盛り込むのが通例です。

住宅ローン特約とは、住宅ローンの審査に通らない場合に売買契約が破棄される約束を表します。

また、売買契約の際は以下の諸費用を支払います。

手付金(中古マンションの購入価格の10%など)

売主と売買契約を締結する際は、売主に手付金を支払います。

手付金の額は、売主や不動産業者により異なり、相場は中古マンションの購入価格の10%程度ですが、売主が承諾すれば5%や3%にすることも可能です。

なお、住宅ローン特約を盛り込みつつ締結された売買契約は、住宅ローンの審査に落ちた場合は破棄されますが、手付金も返還されます。

売買契約書に課せられる印紙税(5千円~1万円程度)

売主との売買契約は、売買契約書に署名捺印することにより締結されますが、売買契約書に署名捺印する者には印紙税が課せられます。

中古マンションの売買契約書に課せられる印紙税は、中古マンションの購入価格により異なり、以下のとおりです。

売買契約書に課せられる印紙税

中古マンションの購入価格 印紙税 軽減措置適用後
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円

令和2年3月31日まで表右側の軽減措置が適用され印紙税が安くなる

不動産の売買契約書

流れ5. 住宅ローンの審査申し込み

売主との売買契約が済めば、金融機関に住宅ローンの審査を申し込みます。

審査は仮審査と本審査に分かれ、仮審査に通れば本審査に進み、本審査に通れば融資が実行されます。

なお、住宅ローンは多種多様な商品が存在し、各商品で金利や諸費用が異なるため、商品選びに時間が掛かります。

そのため、住宅ローンで中古マンションを購入する際は、物件探しと共に住宅ローンも品定めしておくことが大切です。

そうすれば、売買契約から間を置かずに住宅ローンの審査に申し込めます。

住宅ローンの審査申し込み

流れ6. 住宅ローンの融資実行

住宅ローンの本審査に通れば融資が実行されます。

融資が実行される際は、印紙税や登録免許税、融資事務手数料などの諸費用を支払う必要があり、具体的な金額は以下のとおりです。

なお、住宅ローンは、諸費用を含めた資金の借り入れを希望できますが、諸費用を含めた資金の借り入れを希望すると審査が難しくなったり、返済総額が高くなることがあるため注意してください。

金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税(1~2万円程度)

住宅ローンの融資を受ける際は、金融機関と金銭消費貸借契約を締結します。

金銭消費貸借契約とは、住宅ローンの返済を金融機関と約束する契約を表し、金銭消費貸借契約書に署名捺印しつつ締結されます。

そして、金銭消費貸借契約書に署名捺印する者には印紙税が課せられ、税額は住宅ローンの借入金により異なり、以下のとおりです。

金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税

金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税 印紙税
50万円超100万円以下 1,000円
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円

融資事務手数料(3万円からなど)

融資事務手数料とは、住宅ローンが貸し出される際に金融機関に支払う手数料を表します。

融資事務手数料は「定率タイプ」と「定額タイプ」に分類され、住宅ローンの商品によりタイプが異なり、それぞれの手数料は以下のとおりです。

定率タイプ 融資額の1.08%など
定額タイプ 3~10万円程度など

保証料(15万円からなど)

保証料とは保証会社に支払う料金で、保証料を受け取った保証会社は、借り主が住宅ローンの返済を滞らせた際に返済を肩代わりします。

そして、保証料には「外枠方式」と「内枠方式」があり、具体的な料金は以下のとおりです。

外枠方式 借入金額と返済期間により保証料が決定し、1000万円を15年で返済する場合は15万円程度、1000万円を20年で返済する場合は20万円程度など
内枠方式 住宅ローンの金利が0.2%程度高くなる

住宅ローンには、保証料が外枠方式の商品と内枠方式の商品があります。

なお、住宅ローンは、住宅金融支援機構が実施する「フラット35」と、民間の金融機関が独自に実施する「民間ローン」などに大きく分類されますが、フラット35は保証料が不要です。

また、民間ローンにも保証料が不要の商品が存在しますが、それに該当する商品は融資事務手数料が高くなることがあるため注意してください。

火災保険料(10年契約で25万円からなど)

住宅ローンを利用しつつ中古マンションを購入する際は、必ず火災保険に加入しなければなりません。

火災保険料は、保険会社や補償内容、契約期間などにより異なり、10年契約で25~50万円程度となっています。

所有権移転登記に課せられる登録免許税

中古マンションなどの不動産を購入した後は、名義を売主から買主に変更する「所有権移転登記」が必要です。

所有権移転登記には登録免許税が課せられ、税額は以下の方法で計算します。

所有権移転登記のための登録免許税の計算方法
・中古マンションの建物部分の固定資産税評価額 × 税率 = A
・中古マンションの土地の持ち分の固定資産税評価額 × 税率 = B
・A + B = 登録免許税

税率は原則として2%ですが、築25年以内の鉄筋コンクリート造の中古マンションなどを購入すれば0.3%に軽減されます。

なお、固定資産税評価額は購入価格と異なり、購入価格の50~70%程度になるのが通例です。

抵当権設定に課せられる登録免許税

中古マンションを購入した後は、登録免許税を支払いつつ「所有権移転登記」を行う必要がありますが、住宅ローンで資金を借り入れつつ中古マンションを購入した場合は、所有権移転登記と共に抵当権を設定しなくてはなりません。

抵当権の設定とは、住宅ローンの借主が返済しない場合に、金融機関や保証会社が中古マンションを売却できる権利などのことで、抵当権の設定にも登録免許税が課せられます。

抵当権設定に課せられる登録免許税は、住宅ローンの借り入れ金額により異なり、以下の方法で計算します。

抵当権の設定登記に課せられる登録免許税の計算方法
住宅ローンの借入金額 × 税率 = 登録免許税

税率は原則として0.4%ですが、鉄筋コンクリート造で築25年以内の中古マンションを購入した場合などは0.1%に軽減されます。

司法書士への報酬(10~15万円程度)

先にご紹介したとおり、住宅ローンで中古マンションを購入した場合は所有権移転登記と抵当権の設定が必要ですが、その手続きは司法書士が代行します。

そして、その手続きを代行する司法書士には報酬を支払う必要があり、報酬は概ね10~15万円程度です。

流れ7. 売主への残金支払いと中古マンションの引き渡し

住宅ローンの融資が実行され各諸費用の支払いが済めば、売主に残金を支払い、中古マンションが引き渡されます。

ただし、決済の際は、以下の諸費用が必要となるため注意してください。

不動産業者への仲介手数料

不動産業者を仲介させつつ中古マンションを購入すると、その不動産業者に仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料は、購入する中古マンションの価格により異なり、国土交通大臣により以下のように上限が定められています。

中古マンションの仲介手数料

中古マンションの購入価格 仲介手数料(上限)
200万円以下 中古マンションの購入価格の5%
200万円超400万円以下 中古マンションの購入価格の4%+2万円
400万円超 中古マンションの購入価格の3%+6万円

仲介手数料は高額になりがちですが、さらに10%の消費税も加算されるため注意してください。

なお、不動産業者によっては、売主と売買契約を締結する際に仲介手数料の半額を請求することもあります。

固定資産税と都市計画税の日割り清算

固定資産税とは不動産の所有者に毎年課せられる地方税で、都市計画税とは市街化区域内に位置する不動産の所有者に毎年課せられる目的税です。

これらの税金は、一部例外を除き、その不動産の1月1日時点での所有者に課せられるため、売主は既にその年の固定資産税と都市計画税を支払っています。

そのため、中古マンションの残金を決済する際は、売主に対して払いすぎた固定資産税と都市計画税を日割りなどで清算するのが通例です。

固定資産税は中古マンションの築年数などにより異なり、築30年で床面積が50㎡程度であれば毎年6~7万円前後、築10年で床面積が80㎡程度であれば毎年15~20万円前後が相場となっています。

また、都市計画税の相場は、固定資産税の4分の1から5分の1程度です。

固定資産税と都市計画税は以下の方法で計算します。

中古マンションの固定資産税の計算式(軽減措置適用後)
・中古マンションの建物部分の固定資産税評価額×税率(1.4%)=A
・中古マンションの土地の持ち分の固定資産税評価額×6分の1×税率(1.4%)=B・
A+B=固定資産税

中古マンションの都市計画税の計算式(軽減措置適用後)
・中古マンションの建物部分の固定資産税評価額×税率(0.3%)=A
・中古マンションの土地の持ち分の固定資産税評価額×3分の1×税率(0.3%)=B
・A+B=都市計画税

管理費と修繕積立金の日割り清算

マンションの所有者は、毎月そのマンションの管理組合に管理費を支払い、修繕積立金(マンションの修繕費用を賄うための積立金)を積み立てます。

具体的な金額は中古マンションにより異なりますが、管理費は毎月1万円~1万5,000円程度、修繕積立金は毎月5,000円~1万円程度などです。

そのため、中古マンションの残金を決済した後は、売主に対して払いすぎた管理費と修繕積立金を日割りなどで清算するのが通例です。

不動産登記権利情報

まとめ - 最大の注意点は、融資実行前に手付金を支払う必要があること

その都度支払うべき諸費用を交えつつ、住宅ローンで中古マンションを購入する流れをご紹介しました。

住宅ローンで中古マンションを購入すると、現金で購入するより流れが複雑で、たくさんの諸費用が必要です。

具体的には、住宅ローンで中古マンションを購入する際は、住宅ローンを利用するための諸費用(借り入れ金の2~5%程度)と、中古マンションを購入するための諸費用(中古マンションの購入価格の5~10%程度)が必要になるため留意してください。

また、最も注意すべきは、住宅ローンの融資が実行される前に売主に手付金を支払う必要があり、手付金は住宅ローンでは賄えないという点です。

これは、住宅ローンの本審査の際に、売買契約締結前に署名捺印した重要事項説明書と、売買契約時に署名捺印した売買契約書のコピーの提出を求められることが理由ですが、多くの方が戸惑うため注意してください。

なお、手付金以外の諸費用は、住宅ローンで借り入れることが可能です。

詳しくは、当サイトのコンテンツである「中古住宅を購入したい。諸費用も住宅ローンで借り入れできる?」をご覧ください。失礼いたします。