中古住宅を購入するときに気を付けること(住宅ローン編)

中古住宅を購入するときに気を付けること(住宅ローン編)

中古住宅を購入する際は、気を付けることが山積みで、はじめて不動産を購入する方は戸惑います。

また、住宅ローンで中古住宅を購入する場合は、現金で購入する場合より手順が複雑です。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入したいと希望する方へ向けて、気を付けることを交えつつ、購入する流れをご紹介しましょう。

なお、ご紹介する住宅ローンで中古住宅を購入する流れは一般的な手順であり、中古住宅を取り扱う不動産業者などにより異なる場合があるため注意してください。

流れ1. 物件探しと購入申し込み

中古住宅を購入する流れの第一歩は物件探しで、理想の物件が見つかり次第、売主に購入申し込みを行います。

購入申し込みとは、その中古住宅を購入する意思があることを伝えるもので、不動産業者が用意する購入申込書に購入希望価格などを記載しつつ申し込むのが通例です。

なお、購入申し込みはキャンセル料を必要とせず、ペナルティなしでキャンセルできます。

気を付けること - 瑕疵がある物件は住宅ローンの審査が通らない

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、その中古住宅を担保に入れます。

そして、借り主が返済を滞らせた場合は、住宅ローンを貸し出した金融機関などが中古住宅を差し押さえ、売却しつつ返済金に充当します。

そのため、住宅ローンを申し込む際は、借り主の返済能力と共に、その物件の担保力が審査されるため気を付けてください。

たとえば、市街化調整区域(都市計画法により建築できないと定められた区域)に建つ中古住宅は、一般的な中古住宅より安く購入できますが建て替えできません。

再建築できない中古住宅は購入希望者が少なく、貸し出した資金と同等の金額で売却できない可能性があり、担保力が弱くなっています。

よって、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、瑕疵(不具合や欠陥)がある物件ではなく、再び売却できる担保力がある物件を選ぶように気を付けてください。

住宅ローンで中古住宅を購入する際に気を付けること。瑕疵がある物件は住宅ローンの審査が通らない

流れ2. 媒介契約

売主に購入申し込みが受理されれば、その中古住宅を仲介する不動産業者と媒介契約を締結します。

媒介契約とは、その不動産業者を仲介しつつ中古住宅を購入することを約束するもので、媒介契約を締結しつつ中古住宅を購入する場合は、不動産業者に仲介手数料を支払う必要があります。

ただし、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する場合における仲介手数料は、媒介契約締結時ではなく、この後に実施される売主との売買契約の締結時に半額だけ支払うのが通例です。

気を付けること - 売買契約が破棄された場合の手数料の返還方法

不動産業者と媒介契約を締結した後は、売主と売買契約を締結しますが、その際は、売主へ手付金を支払い、不動産業者に仲介手数料の半額を支払います。

そして、その後に金融機関に住宅ローンの審査を申し込み、審査に通れば売主と不動産業者に残金を支払いつつ中古住宅が引き渡されますが、審査に落ちれば残金を支払えません。

つまり、審査に落ち、中古住宅を購入できない可能性があるにもかかわらず、審査を受ける前に仲介手数料の半額を支払う必要があるというわけです。

これは、中古住宅の購入希望者にとって好ましくない状況です。

そのため、住宅ローンで中古住宅の購入を希望する場合は、不動産業者と媒介契約を締結する際に、住宅ローンの審査に落ちた場合における仲介手数料の返還方法を確認してください。

そして、仲介手数料の返還方法が盛り込まれた媒介契約書の作成を依頼し、完成した媒介契約書に署名捺印し、不動産業者と媒介契約を締結するように気を付けることが大切です。

なお、売主が不動産業者である中古住宅を購入する場合は、仲介手数料は発生しません。

ただし、売主が不動産業者である中古住宅を購入すると、建物部分の販売価格に対して消費税が掛かるため気を付けてください。

中古住宅の消費税額の算出方法は、当サイトのコンテンツである「中古住宅には消費税が掛かる?掛かる物件と掛からない物件の違い」にてわかりやすくご紹介中です。

住宅ローンで中古住宅を購入する際に気を付けること。売買契約が破棄された場合の仲介手数料の返還方法

流れ3. 重要事項説明

不動産業者と媒介契約を締結した後は、その不動産会社に所属する宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。

重要事項説明とは、購入する中古住宅の状況、不具合などが口頭にて説明されるもので、物件の引き渡し後に「言った・言わない」「聞いた・聞いていない」と口論になることを防ぐために実施されます。

重要事項説明に納得すれば、内容を書面にまとめた重要事項説明書に署名捺印することにより重要事項説明は完了します。

気を付けること - 重要事項説明書は事前に入手しておく

重要事項説明では、中古住宅の状況などが口頭にて説明されますが、いくつもの重要事項が説明されるため、60分から90分などの長時間に及びます。

また、聞きなれない不動産用語が頻繁に聞こえてくるため、はじめて不動産を購入する方は、重要事項説明に戸惑うものです。

そのため、重要事項説明を受ける際は、1週間前などに不動産業者から重要事項説明書のコピーを入手しつつ予習し、重要事項説明の当日に初めて重要事項説明書を見ることがないように気を付けることが大切です。

住宅ローンで中古住宅を購入する際に気を付けること。重要事項説明書は事前に入手しておく

流れ4. 売買契約の締結と手付金、仲介手数料の半額の支払い

重要事項説明が終了すれば、売主と売買契約を締結します。

売買契約は、売買契約書に署名捺印することにより完了し、売買契約を締結する際は売主に手付金を支払い、不動産業者に仲介手数料の半額を支払います。

なお、手付金は、中古住宅の購入価格の10%程度になるのが通例です。

気を付けること - 売買契約書への住宅ローン特約の追記

住宅ローンで中古住宅を購入する際は、売主に手付金を支払いつつ売買契約を締結した後に、住宅ローンの審査に申し込みます。

理由は、住宅ローンの審査に申し込む際は、売買契約書や重要事項説明書のコピーの提出を求められるためです。

そして、審査に通れば融資が実行され、売主に残金を支払いつつ中古住宅が引き渡されますが、落ちた場合は物件を購入できず、売買契約の際に支払った手付金も返還されません。

しかし、これでは購入希望者が一方的に損をします。

そのため、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、売買契約書に「住宅ローン特約」を盛り込むように気を付けてください。

住宅ローン特約とは、融資が実行されない場合に手付金が返還される約束で、売買契約書に住宅ローン特約が盛り込まれていれば、手付金が返還されます。

ただし、住宅ローン特約には「令和〇年〇月〇日までに住宅ローンの審査に通らない場合に限り手付金が返還される」などと期限が定められるため、手付金を支払いつつ売買契約を締結した後は、速やかに住宅ローンの審査に申し込むように気を付けることが大切です。

住宅ローンで中古住宅を購入する際に気を付けること。売買契約書への住宅ローン特約の追記

流れ5. 住宅ローンの審査の申し込み

売主に手付金を支払いつつ売買契約を締結した後は、金融機関に住宅ローンの審査を申し込みます。

住宅ローンは、住宅金融支援機構が実施する「フラット35」などの公的融資と、金融機関が独自に実施する民間融資に分類され、公的融資は金利が高いものの審査が穏やかで、民間融資は金利が低いものの審査が難しい傾向があります。

住宅ローンの審査は一次審査(仮審査)と二次審査(本審査)で実施され、民間融資は一次審査に通れば二次審査も通りやすく、公的融資は一次審査に通っても二次審査で落ちることがあるのが特徴です。

気を付けること - 返済中のローンがある場合は完済しておく

住宅ローンの一次審査(仮審査)では、融資希望者のクレジットカードの利用状況や、他のローンの借り入れ状況などが確認されます。

たとえば、自動車のローンが残っている状態で住宅ローンの審査に申し込むと落ちる可能性が高くなりますが、それは、融資希望者の借り入れ状況が確認されることが理由です。

また、複数のクレジットカードを所有し、どのカードでも分割で買い物をしている場合なども審査に通りにくくなります。

そのため、住宅ローンの審査を申し込む際は、他のローンがある場合は完済するなどして、お金に関することを身綺麗にしておくことが大切です。

住宅ローンの審査について詳しくは、当サイトのコンテンツである「住宅ローンの仮審査に落ちた理由は、5つの信用情報にある!?」をご覧ください。

住宅ローンで中古住宅を購入する際に気を付けること。返済中のローンがある場合は完済しておく

流れ6. 売主への残金の支払いと物件の引き渡し

住宅ローンの審査に通り融資が実行されれば、売主に残金を支払い、中古住宅が引き渡されます。

また、売主に残金を支払う際は、中古住宅を仲介する不動産業者に仲介手数料の残金も支払うため気を付けてください。

これで、住宅ローンで中古住宅を購入する流れは完了です。

気を付けること - 瑕疵の早期発見

瑕疵とは、不具合や欠陥を表します。

一般的な中古住宅を購入し、引き渡し後2~3ヵ月以内などに瑕疵が見つかった場合は、売主が費用を負担しつつ修繕します。

そのため、中古住宅の引き渡しを受けた後は速やかに入居し、瑕疵を確認しつつ発見した場合は、直ちに不動産業者を通して売主に連絡するように気を付けることが大切です。

ただし、築年数が古い中古住宅は、売買契約に瑕疵担保責任免責の特約が盛り込まれていることがあります。

瑕疵担保責任免責とは、引き渡された中古住宅に瑕疵があっても、売主が責任を免れることの特約で、瑕疵担保責任免責が付いた中古住宅は、瑕疵があっても売主に修繕を依頼できないため注意してください。

住宅ローンで中古住宅を購入する際に気を付けること。瑕疵の早期発見

まとめ - 最も気を付けたいのは、手付金と仲介手数料の用意!?

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入したいと希望する方へ向けて、その流れと気を付けることをご紹介しました。

不動産は高価なだけに、通常の買い物より手続きが複雑です。

さらに、住宅ローンで中古住宅を購入する場合は、より手続きが複雑になり、気を付けることが増えます。

そのため、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、様々なことに細心の注意を払うように気を付けてください。

なお、この記事でご紹介したとおり、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、審査に申し込む前に売主と売買契約を締結し、手付金を支払う必要があります。

また、審査に申し込む前に不動産業者から重要事項説明を受け、仲介手数料の半額も支払わなければなりません。

つまり、住宅ローンで中古住宅を購入する場合は、融資が実行される前に手付金と仲介手数料の半額を支払う必要があるというわけです。

これは、住宅ローンの2次審査(本審査)に申し込む際に、売買契約書と重要事項説明書のコピーの提出を求められることが理由ですが、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、融資が実行される前に手付金などを用意する必要があることが最も気を付けるべきことかもしれません。

ご紹介した内容が、中古住宅の購入を希望する皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。