住宅ローン控除が受けられない!?中古住宅に必要な10個の条件

住宅ローン控除が受けられない!? 中古住宅に必要な10個の条件

中古住宅を購入しつつ住宅ローン控除が適用されれば、消費税が掛かる物件を購入した場合は毎年最高40万円、消費税が掛からない物件を購入した場合は毎年最高20万円の所得税が減税されます。

しかし、中古住宅における住宅ローン控除の適用条件は複雑で、中古住宅を購入したものの受けられないとお困りの方もいらっしゃるようです。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、中古住宅の購入をご予定の方へ向けて、中古住宅に住宅ローン控除が適用される条件をわかりやすくご説明しましょう。

中古住宅の購入に住宅ローン控除が適用される10個の条件

中古住宅を購入しつつ住宅ローン控除を適用させるには、以下の10個の条件を満たす必要があります。

やや複雑ですが、ひとつひとつ焦らず確認してください。

なお、国税庁が公表する中古住宅に住宅ローン控除が適用される条件は、国税庁の公式サイト内のページ「No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」の「2 住宅借入金等特別控除の適用要件」にてご確認いただけます。

条件1. 築年数が20年や25年以下などの中古住宅を購入する

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入し、住宅ローン控除を適用させるためには、以下の4つのうち、いずれかの条件を満たした中古住宅を購入する必要があります。

  • 築25年以内の鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの耐火建築物と認められる中古住宅
  • 耐火建築物に該当しない、築20年以内の木造や軽量鉄骨造の中古住宅
  • 引き渡し日から遡ること2年以内に耐震基準適合証明書などを取得し、耐震性に優れていることを証明できる中古住宅(築年数は問わない)
  • 上記「1」「2」「3」に該当しない場合は、耐震改修工事を行うことを購入日までに税務署に申請し、購入日から入居までに工事を行いつつ耐震性を向上させ、耐震基準適合証明書を取得するなどして耐震性が向上したことを証明できる中古住宅。(ただし、耐震改修工事は、購入日から6ヵ月以内に実施しなければならない)

条件2. 建築後に使用された経歴がある

住宅ローンで中古住宅を購入し、住宅ローン控除を適用させるには、建築後に使用された経歴がある中古住宅を購入する必要があります。

条件3. 親族や同居人からの購入ではない

親族や同居人などから中古住宅を購入すると、住宅ローン控除が受けられないため注意してください。

また、不動産業者を通さない「個人売買」での購入も、住宅ローン控除の適用が難しいのが現状です。

詳しくは、当サイトのコンテンツである「中古住宅の住宅ローン控除。個人間売買で適用できる?」をご覧ください。

条件4. 贈与で取得していない

無料で譲り受けた中古住宅は、住宅ローン控除は適用されません。

住宅ローン控除が適用されるのは、代金を支払いつつ購入した中古住宅に限ります。

条件5. 購入から6ヵ月以内に入居し、適用期間中は居住し続ける

中古住宅を購入しつつ住宅ローン控除を適用させるためには、融資が実行され、売主に残金を決済した日から6ヵ月以内に中古住宅に入居する必要があります。

また、中古住宅における住宅ローン控除の適用期間は、消費税が掛からない物件を購入した場合は10年、10%の消費税が掛かる中古住宅を購入した場合は13年ですが、適用期間中は、その年の12月31日まで入居し続けなければなりません。

適用期間中に売却などすると、住宅ローン控除の適用が停止される

条件6. その年の合計所得金額が3,000万円以下

中古住宅における住宅ローン控除の適用期間は、10年、または13年ですが、住宅ローン控除を適用させる年は、合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。

たとえば、株を運用しつつ3,000万円を超える利益を得るなどすると、その年は住宅ローン控除を受けられないため注意してください。

また、会社を辞めて3,000万円を超える退職金を得た年なども住宅ローン控除が適用されません。

合計所得金額の定義は、国税庁の公式サイト内のページ「国税庁 No.1170 寡婦控除」にてご確認ください。

条件7. 中古住宅の床面積が50㎡以上

住宅ローンで中古住宅を購入し、住宅ローン控除を適用させるためには、床面積が50㎡(約15坪)以上であり、その2分の1以上の部分が自らが居住する面積である必要があります。

たとえば、格安の中古別荘などを探すと、床面積が33㎡(10坪)などの物件を見かけますが、その中古住宅を購入しても住宅ローン控除は適用されません。

また、床面積は現状ではなく、登記簿(不動産の情報が記載された公の帳簿)に表記されている床面積が50㎡以上である必要があり、登記簿に表記されている床面積は、必ず現状と一致するわけではないため注意してください。

購入を希望する中古住宅の登記簿上の床面積は、その中古住宅を取り扱う不動産業者や、その中古住宅が所在する地域を管轄する法務局(法務省の地方支部局)で確認できます。

条件8. 住宅ローンの返済期間が10年以上

中古住宅を購入しつつ住宅ローン控除を適用させるには、10年以上の返済期間で契約した住宅ローンを利用する必要があります。

たとえば、返済期間が5年などの住宅ローンを利用する場合は、住宅ローン控除が受けられないため注意してください。

また、住宅ローンは繰り上げ返済が可能ですが、借り入れから10年以内に繰り上げ返済しつつ完済した場合は、その年以降の住宅ローン控除は適用されません。

条件9. 親族や知人ではなく、銀行などから資金を借り入れる

住宅ローン控除を適用させるには、国税庁が認めた住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する必要があります。

国税庁の住宅ローン控除における住宅ローンの定義は、金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、不動産会社、勤務先からの融資です。

よって、親族や知人からの融資は住宅ローンと認められず、住宅ローン控除が受けられないため注意してください。

また、勤務先から融資を受ける場合は、0.2%に満たない金利での借り入れも住宅ローンと認められず、住宅ローン控除が適用されません。

条件10. 過去2年以内などに長期譲渡所得の特例を受けていない

不動産を売却しつつ利益を得た場合は、利益に対して所得税が課せられます。

ただし、10年などの長期にわたり住み続けたマイホームを売却しつつ利益が出た場合は、申告することにより課せられる所得税が安くなる制度があり、これを「長期譲渡所得の課税の特例」などと呼びます。

そして、中古住宅を購入しつつ住宅ローン控除を適用させるためには、購入した中古住宅に入居した年を含めた、前後2年ずつの計5年以内に、「長期譲渡所得の課税の特例」などの適用を受けていない必要があるため注意してください。

かいつまむと、過去2年以内などにマイホームを売却しつつ利益を得たものの、「長期譲渡所得の課税の特例」を適用させつつ所得税を減税していた場合は、中古住宅を購入しても住宅ローン控除が受けられないというわけです。

マイホームを売却し、新たに中古住宅を購入するご予定の方は、ぜひご注意ください。

過去2年以内にマイホームを売却し、軽減措置を適用させつつ所得税を減税していた場合などは、住宅ローン控除が受けられない

まとめ - 売買契約前に、税務署で適用条件を確認することが大切

中古住宅の購入を希望する方へ向けて、住宅ローン控除が適用される10の条件をご紹介しました。

そもそも住宅ローン控除の制度は難解ですが、中古住宅に住宅ローン控除を適用させるためには、一定の耐震基準を満たす物件を購入する必要があるなど、さらにハードルが上がります。

そのため、中古住宅を購入しつつ住宅ローン控除を適用させたいと希望する場合は、売買契約を締結する前に物件の資料を持参しつつ税務署に出向き、住宅ローン控除が適用される条件を満たしているか確認することが大切です。

そうすれば、住宅ローン控除を当てにしつつ中古住宅を購入したものの、受けられないという事態を回避できます。

また、住宅ローン控除の制度の詳細は、不動産業者や市区町村役場ではなく、必ず税務署に問い合わせるように注意してください。

不動産業者は不動産に関するエキスパートのため、税金に関する適切なアドバイスはできず、住宅ローン控除は国税である所得税が減税される制度のため、市区町村役場では正確な回答が期待できません。

ご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。