中古住宅の仲介手数料が高い。ローンで借り入れできる?

中古住宅を購入したいが仲介手数料が高い。仲介手数料もローンで借り入れできる?

中古住宅を購入する際は、物件価格の10%などの諸費用が必要で、その中で最も高いのが不動産業者に支払う仲介手数料です。

たとえば仲介手数料は、2,000万円の中古住宅を購入すると最高で66万円、1,000万円の中古住宅を購入すると最高で36万円(いずれも消費税別)と高額で、資金が少ない方にとっては悩みの種になりがちです。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、住宅ローンで中古住宅の購入を希望する方へ向けて、仲介手数料も借り入れできる住宅ローンをご紹介しましょう。

なお、ご紹介する内容は令和元年10月時点の情報で、金融機関では商品内容を頻繁に見直しています。

よって、ご紹介する内容を参考に住宅ローンをお申込みになる場合は、その時点の最新の情報を金融機関でご確認ください。

目次

1. フラット35

仲介手数料を含めた資金が貸し出される住宅ローンの代表が、住宅金融支援機構が実施する公的ローンである「フラット35」です。

フラット35は、中古住宅を購入する際に必要となる諸費用である仲介手数料や、住宅ローンを利用する際に必要となる諸費用である融資事務手数料、登録免許税、印紙税などの代金も借り入れできます。

詳細は、フラット35の公式サイト内に設けられたページ「【フラット35】よくある質問:対象となる住宅の建設費・購入価額とはどのようなものですか?」の下部にある「2. 住宅を購入する場合」にてご確認いただけます。

なお、フラット35は、住宅金融支援機構が実施する公的ローンですが、全国各地の民間の金融機関で申し込むことが可能です。

フラット35は、中古住宅を購入する際に必要となる仲介手数料も貸し出される

2. 都市銀行の住宅ローン

都市銀行は、フラット35の取り扱いに加え、独自の住宅ローンを商品化しています。

そして、主に以下の都市銀行の住宅ローンは、仲介手数料も借り入れることが可能です。

みずほ銀行

みずほ銀行の「みずほ住宅ローン」は、仲介手数料やリフォーム費用、引っ越し費用、火災保険料などを含めた資金が貸し出されます。

詳細は「みずほ銀行 | みずほ住宅ローン商品概要」にて確認することが可能です。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行では、中古住宅を購入する際に必要となる仲介手数料や不動産取得税、住宅ローンを利用する際に必要となる登録免許税や印紙税、司法書士への報酬、火災保険料、地震保険料を貸し出す「住宅諸費用ローン」を商品化しています。

ただし「住宅諸費用ローン」は、諸費用だけが貸し出されるローンであり、住宅購入資金は貸し出されません。

よって、三菱UFJ銀行から融資を受けつつ中古住宅を購入する場合は、三菱UFJ銀行の住宅ローンと「住宅諸費用ローン」の2つを利用する必要があるため注意してください。

「住宅諸費用ローン」の詳細は、「三菱UFJ銀行 | 住宅諸費用ローン」にてご確認いただけます。

りそな銀行

りそな銀行では、中古住宅を購入する際に必要となる仲介手数料、引っ越し費用、住宅ローンを利用する際に必要となる司法書士への報酬、登録免許税、火災保険料などを貸し出す「りそな諸費用ローン」を商品化し、商品の詳細は「りそな諸費用ローン│りそな銀行」にてご確認いただけます。

ただし、「りそな諸費用ローン」は、三菱UFJ銀行の「住宅諸費用ローン」と同じく諸費用だけが貸し出されるローンです。

よって、りそな銀行から融資を受けつつ中古住宅を購入する場合は、りそな銀行の住宅ローンと「りそな諸費用ローン」の2つを利用する必要があるため注意してください。

3. 地方銀行の住宅ローン

都市銀行だけではなく、日本全国各地の地方銀行も仲介手数料を貸し出すローンを商品化しています。

その一部をご紹介しましょう。

新生銀行(東京)

新生銀行の住宅ローンは、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する場合に必要となる仲介手数料、火災保険料、各種税金などの諸費用を含めた資金が貸し出されます。

また、新生銀行の住宅ローンは、地震保険料も借り入れることが可能です。

詳細は「住宅の購入や住宅ローンの借り入れに伴う諸費用は、どのような資金が借り入れ対象となるのか教えてください - よくあるご質問 | 新生銀行」にてご確認いただけます。

東京スター銀行(東京) 

東京スター銀行では、中古住宅を購入する際に必要となる諸費用である仲介手数料、不動産取得税、住宅ローンを利用する際に必要となる諸費用である登録免許税、司法書士への報酬、火災保険料などが貸し出されるローン「スターワン目的ローン」を商品化しています。

スターワン目的ローンの詳細は「スターワン目的ローン | 東京スター銀行」にてご確認いただけます。

ただし、スターワン目的ローンは、中古住宅の購入資金は貸し出されません。

よって、東京スター銀行から融資を受けつつ中古住宅を購入する場合は、東京スター銀行の住宅ローンと「スターワン目的ローン」の2つを借り入れる必要があるため注意してください。

千葉銀行(千葉)

千葉銀行の住宅ローンは、中古住宅を購入する際に必要となる諸費用である仲介手数料や引っ越し費用、住宅ローンを利用する際に必要となる諸費用である融資事務手数料や登記費用、火災保険料などを含めた資金が貸し出されます。

詳細は「住宅ローン商品概要|千葉銀行」にて確認することが可能です。

関西みらい銀行(大阪)

関西みらい銀行では「諸費用ローン」という名で、中古住宅を購入する際に必要となる仲介手数料、住宅ローンを利用する際に必要となる保証料や火災保険料が貸し出されるローンを商品化しています。

関西みらい銀行の「諸費用ローン」の詳細は「関西みらい銀行 諸費用ローン商品概要説明書」にてご確認いただけます。

ただし、関西みらい銀行の「諸費用ローン」は、中古住宅を購入するための諸費用は貸し出されません。

よって、関西みらい銀行から融資を受けつつ中古住宅を購入する場合は、関西みらい銀行の住宅ローンと「諸費用ローン」の2つを利用する必要があるため注意してください。

中京銀行(名古屋)

中京銀行の住宅ローンは、中古住宅の購入代金に加え、仲介手数料や登記費用、各種税金、火災保険料、引っ越し費用なども貸し出されます。

詳細は「中京銀行|非提携住宅ローン」にて確認することが可能です。

中古住宅を購入する際に必要な仲介手数料は、地方銀行でもローンで借り入れできる

4. ネット銀行の住宅ローン

都市銀行と地方銀行に加え、ネット銀行でも仲介手数料を貸し出す住宅ローンを商品化しています。

仲介手数料を貸し出す住宅ローンを商品化する主なネットバンクは以下のとおりです。

楽天銀行

楽天銀行の住宅ローンは、中古住宅の購入代金に加え、仲介手数料や引っ越し費用、中古マンションを購入した際に必要となる修繕積立金などを含めた資金が貸し出されます。

詳細は「変動金利(固定特約付き)住宅ローン商品詳細説明書|楽天銀行」にて確認することが可能です。

ソニー銀行

ソニー銀行の住宅ローンは、中古住宅を購入するための諸費用である仲介手数料、住宅ローンを利用するための諸費用である登記費用や火災保険料なども借り入れできます。

詳細は「ソニー銀行【住宅ローン】 諸費用も含めて借り入れの申し込みはできますか?」にて確認することが可能です。

ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行の住宅ローンは、中古住宅を購入する際に必要となる諸費用である仲介手数料、住宅ローンを利用する際に必要となる諸費用である融資事務手数料、登記費用、各種税金、火災保険料なども貸し出されます。

また、ジャパンネット銀行の住宅ローンは、地震保険料などの借り入れも可能です。

詳細は「諸費用|住宅ローン|ジャパンネット銀行」にてご確認いただけます。

まとめ - 不動産業者が販売する中古住宅は、仲介手数料が不要

住宅ローンで中古住宅の購入を希望するものの、手持ちの資金が少ないとお困りの方へ向けて、仲介手数料も借り入れできる住宅ローンをご紹介しました。

仲介手数料は高額になりがちですが、仲介手数料を含めた資金を貸し出す住宅ローンが多数商品化されているため、手持ちの資金が足りない場合は、それらの利用を検討するのが良いでしょう。

ただし、仲介手数料などの諸費用を含めた借り入れを希望すると、審査が難しくなったり、住宅ローンと諸費用ローンを組むなどして返済が大変になることがあるため注意してください。

なお、中古住宅の多くは、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す物件ですが、不動産業者が直接販売する物件も存在します。

大掛かりなリフォームが実施された一戸建ての中古住宅や、リノベーションされた中古マンションなどがそれに該当し、不動産業者が販売する中古住宅は、仲介手数料が不要です。

よって、仲介手数料が高いとお困りの場合は、不動産業者が直接販売する中古住宅を狙うという手もあります。

不動産業者が販売する中古住宅は、土地部分の販売価格に対して消費税が掛かりますが、耐震性に優れた中古住宅などを購入すると、最高50万円が支給される補助金「すまい給付金」の受給が期待できます。

すまい給付金について詳しくは、当サイトのコンテンツである「中古住宅の購入を対象とする「すまい給付金」の受給条件を解説」をご覧ください。

記事公開日:2019年10月

こちらの記事もオススメです