築68年まで大丈夫!? 様々な観点から中古マンションの寿命を解説

中古マンションは築何年まで大丈夫?中古マンションの寿命を解説

中古マンションを購入する際は、築何年まで住めるかなど、築年数や寿命が気になります。

築年数が古すぎる中古マンションを購入すると、地震で倒壊するなど思わぬ被害にあうかもしれません。

そこで、今回の「誰でもわかる不動産売買」では、中古マンションの購入を希望する方へ向けて、耐久性や耐震性、住宅ローンの審査の通りやすさなどから購入する目安となる築年数をご紹介しましょう。

1. 鉄筋コンクリートの寿命から見れば築68年以上

中古マンションは主に鉄筋コンクリート造で、鉄筋コンクリート造の建物の寿命には諸説あるものの、国土交通省が平成25年9月にまとめた資料「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書」の9ページ「(参考)RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」によれば、少なくとも68年以上、外壁を塗装し直すなどの定期的なメンテナンスを実施すれば150年とされます。

中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書

出展:国土交通省 中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書

実際の中古マンションにおいては、築年数が古くなるにつれて入居者が減り、管理費や修繕積立金が集まらないなどの理由で維持が困難になるため、150年などの寿命は期待できませんが、鉄筋コンクリート造の中古マンションが丈夫であることは間違いないようです。

中古マンションの寿命は、鉄筋コンクリートの耐久年数から見れば少なくとも68年以上

2. 耐震性から見れば築38年などまで

マンションなどの建築物は、一部例外を除き、建築する前に建築確認を申請する必要があります。

建築確認とは、その建物が建つ地域を管轄する市区町村役場の建築課に設計図などを提出しつつ、どのような建物を建てるか申請する届け出です。

申請を受けた建築課は、設計図から建物の耐久性などを評価し、建築基準法に則った丈夫な建物であると判断した場合は確認済証を発行し、確認済証を受け取った建築主は建物を建てることができます。

その確認済証が発行される判断基準となる「建築基準法」ですが、1981年6月1日に大きく改正され、それまでより一層の耐震性を求められるようになりました。

具体的には、それまでの建築基準法では震度5強程度の揺れで倒壊しないことが求められていましたが、改正後は震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないことを求められます。

そして、改正前の建築基準法に則って建てられた建物を「旧耐震基準の建物」、改正後の建築基準法に則って建てられた建物を「新耐震基準の建物」などと呼び、2016年の熊本地震では、旧耐震基準で建築されたマンションが全壊した記録があります。

中古マンションの新耐震基準と旧耐震基準の違い

よって、耐震性から中古マンションの寿命を考えれば、1981年5月31日までに発行された確認済証により建築された築38年などを超える旧耐震基準のマンションは、寿命が尽きていると判断できます。

ただし、旧耐震基準で建てられた中古マンションであっても、耐震補強工事が実施されている場合は、この限りではないため留意してください。

購入を希望する中古マンションが新耐震基準で建てられたか否かは、その中古マンションを取り扱う不動産業者に問い合わせれば確認できます。

3. 住宅ローンの審査の通りやすさから見れば築35年までなど

住宅ローンを利用しつつ中古マンションを購入する際は、そのマンションを担保に入れる必要があります。

そして、住宅ローンの借主が返済を滞らせた場合は、資金を貸し出した金融機関、または保証会社(住宅ローンの返済を保証する会社)が中古マンションを差し押さえつつ売却するなどして返済金に充当します。

しかし、築年数が古くなりすぎた中古マンションは買い手が付きにくく、融資した金額と同等の額で売却できません。

そのため、築年数が古い中古マンションを購入するために住宅ローンの審査に申し込むと、物件に担保力がないと判断され、審査に落ちたり、通ったとしても返済期間が短く設定されることがあります。

築年数が古いと判断する基準は金融機関により異なりますが、国土交通省の資料「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書」の10ページ「マンションに係る住宅ローンの融資条件、成約状況と築年数の関係について」によれば、築35年から60年程度となっています。

住宅ローンの審査の通りやすさから見れば、中古マンションの寿命は築35年までなど

4. 住宅ローン控除の適用を考えれば築25年以内

消費税が掛かる中古マンションを住宅ローンで購入した場合は毎年最高40万円などの所得税が、消費税が掛からない中古マンションを住宅ローンで購入した場合は毎年最高20万円などの所得税が減税されます。

この制度を「住宅ローン控除」や「住宅ローン減税」と呼びますが、中古マンションを購入しつつ住宅ローン控除の適用を受けるためには、築25年以下のマンションを購入することが条件です。

よって、住宅ローンを利用しつつ中古マンションを購入し、住宅ローン控除の適用を受けたいと希望する場合は、購入する中古マンションの築年数は25年までといえます。

ただし、耐震補強工事などが実施された中古マンションであれば、築年数は問われません。

中古マンションを購入して住宅ローン控除が適用される条件は、当サイトのコンテンツである「住宅ローン控除を適用したい。中古住宅の築年数は何年まで?」にてわかりやすくご紹介中です。

お時間のある方は、是非ご覧ください。

住宅ローン控除の観点から見れば、中古マンションの寿命は25年

まとめ - 法定耐用年数の「47年」は、特に関係ない

中古マンションの購入を希望する方へ向けて、築何年まで住めるかなど、中古マンションの寿命をご紹介しました。

中古マンションの寿命は様々な観点から判断することが可能で、鉄筋コンクリート造の建物であるという側面から見れば、少なくとも68年以上です。

そして、耐震性から見れば38年程度、住宅ローンの利用を考慮すれば35年、住宅ローン控除の適用を希望する場合は25年以内となっています。

中古マンションの購入を希望するものの、築年数が気になる方がいらっしゃいましたら、ご自身が要求する観点から見た寿命を鑑みてください。

なお、中古マンションは主に鉄筋コンクリート造で、鉄筋コンクリート造の住宅の法定耐用年数は47年です。

そのため、中古マンションの寿命は47年と錯覚しがちですが、法定耐用年数は、国税庁が定めた減価償却費を算出するための指標です。

減価償却費とは、不動産投資などを行い節税するために計上する経費であり、実際のマンションの耐用年数とは関係がないため注意してください。