なぜ落ちた。その理由を住宅金融支援機構の公式資料などから推測

フラット35の審査に落ちた理由は?機構の資料などから推測

フラット35の審査に落ちたのは、返済負担率が21.7%を大きく上回った、年収倍率が7.3倍より上だった、融資率が9割を超えていたことなどが理由かもしれません。

また、クレジットカードの利用履歴や、購入を希望する住宅の担保力、勤続年数なども疑われます。

フラット35の事前審査(仮審査)や本審査に落ちた、審査基準が厳しいとお嘆きになる方へ向けて、住宅金融支援機構が公表する資料などを基に理由を推測してみましょう。

目次

1. 返済負担率など、借り入れ条件に問題があった

フラット35の審査に落ちたのは、希望した返済負担率や年収倍率、融資率が理由かもしれません。

まずは、住宅金融支援機構が公表する資料などを元に、フラット35の審査に落ちた理由を推測してみましょう。

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1-1. 返済負担率が21.7%程度であったか

返済負担率とは、総返済負担率や返済比率とも呼ばれる、年収、または月収に占めるフラット35と他のローンの返済額の割合です。

たとえば、年収が500万円であり、1年におけるフラット35と他のローンの返済額の合計が100万円の場合は、返済負担率は20%(100万円÷500万円×100=20%)となります。

また、年収が500万円であり、フラット35と他のローンの返済額の合計が200万円の場合は、返済負担率は40%(200万円÷500万円×100=40%)です。

そして、フラット35の公式ページ内に設けられた「フラット35よくある質問:年収による借入額などの制限はありますか」には、以下のように年収に応じて返済負担率を設定しつつ借り入れを希望する必要があると記載されています。

住宅金融支援機構が指定するフラット35の返済負担率に関する条件

上記の返済負担率を守れば、フラット35の審査に落ちることはないと考えがちですが、実は年収にかかわらず30%を超えると審査に落ちる確率が高くなります。

その根拠は、フラット35の公式サイト内に設けられたページ「フラット35利用者調査」から閲覧できる資料「2019年フラット35利用者調査」にて確認することが可能です。( 同資料をご覧いただくには、PDFファイルを展開できるアプリやソフトが必要で、Internet Explorerでは表示されないことがあります。ご了承ください )

同資料の17ページ「7-1 総返済済負担率(時系列・全体)」には、2019年における利用者の総返済負担率の割合が記載され、平均は21.7%です。

また、総返済負担率が30%を超える利用者は、全体の10.2%のみに留まります。

つまり、フラット35は、返済負担率が30%を超えると年収にかかわらず審査に落ちる確率が上がるというわけです。

フラット35は、返済負担率が30%を超えると年収にかかわらず審査に落ちる確率が上がる

よって、30%を超える返済負担率での借り入れを希望しつつ審査に落ちたのであれば、それが理由かもしれません。

なお、住宅ローンにおける理想の返済負担率は25%以下とされ、その割合を守れば返済が楽になるといわれます。

そのため、次にフラット35の審査を受ける際は、可能であれば返済負担率が25%以下の借り入れを希望するのが良いでしょう。

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1-2. 年収倍率を5~7倍などに抑えたか

年収倍率とは、借り入れ金額が年収の何倍に相当するかを表した数値です。

たとえば、年収が500万円で5,000万円の借り入れを希望すると、年収倍率は10倍(5,000万円÷500万円=10倍)になります。

また、年収が500万円で2,500万円の借り入れを希望すると、年収倍率は5倍(2,500万円÷500万円=5倍)になります。

そして、フラット35の公式ページで公開されている資料「2019年フラット35利用者調査」の13ページを見ると、2019年における利用者の年収倍率の平均は以下のとおりであり、5.5~7.3倍となっています。

住宅金融支援機構が公表するフラット35の利用者の年収倍率の平均

よって、フラット35の審査に落ちたのであれば、平均値と大きくずれた年収倍率での借り入れを希望したことが理由かもしれません。

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1-3. 融資率を可能な限り低く抑えたか

融資率とは、住宅の購入費(または建築費)における資金を借り入れる割合であり、以下の式で計算します。

フラット35の審査の基準となる融資率を計算する式

たとえば、5,000万円の住宅を購入するために4,500万円を借り入れると融資率は9割(4,500万円÷5,000万円×100=90%)となります。

また、5,000万円の住宅を購入するために4,000万円の借り入れを希望すると融資率は8割(4,000万円÷5,000万円×100=80%)です。

フラット35は頭金なしなど、住宅購入資金の全額の借り入れを希望できますが、融資率が9割以上の借り入れを希望すると審査が厳しくなり、落ちる確率が高くなります。

これは推測ではなく、フラット35の公式ページの「フラット35よくある質問:いくらまで借りることができますか」や「フラット35 融資率とは」にその記述があります。

記述は以下のとおりです。

フラット35の公式ページからの引用
融資率が9割を超える場合は、 9割以下の場合よりご返済の確実性などをより慎重に審査いたします

フラット35などの住宅ローンの審査は、融資率が高いほど落ちる確率が上がります。

よって、フラット35の審査に落ちたのは、9割以上であったり、限りなく9割に近いなど、融資率が高く設定されていたことが理由かもしれません。

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2. 物件の担保力に問題があった

フラット35の審査に落ちたのであれば、その理由は物件の担保力にあったのかもしれません。

フラット35で住宅購入資金を借り入れる際は、購入する物件を担保に入れる必要があります。

そして、利用者が返済を滞らせた場合は、銀行や保証会社(住宅ローンの返済を保証する会社)が物件を差し押さえつつ売却し、返済金に充当します。

フラット35は利用者が返済できない場合、物件が売却されつつ返済金に充当される

そのため、借り入れ金と同額程度で売却できない住宅の購入を希望しつつ審査を受けたのであれば、物件の担保力に問題があると判断され、落ちた可能性があります。

たとえば、3,000万円の借り入れを希望するものの、その物件が1,500万円でしか売却できないと判断された場合は、審査に落ちる確率が高くなります。

以下に、担保力がないと判断されやすい物件の特徴をご紹介しましょう。

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築年数が古い

築年数が40年などを超える中古住宅は、老朽化していることを理由に高く売却できず、担保力がないと判断されがちです。

そのため、築年数が古い中古住宅の購入を希望しつつフラット35の審査を受けたのであれば、それが理由で落ちたのかもしれません。

なお、住宅金融支援機構が公開する資料「2019年フラット35利用者調査」の19ページと20ページには、2019年における中古住宅を購入するためのフラット35の利用者に関する記述があります。

同記述によれば、築41年を超える一戸建ての中古住宅を購入するためにフラット35を利用する者は、全体の3.0%です。

また、築41年を超える中古マンションを購入するためにフラット35を利用する者は、全体の11.8%となっています。

この記述だけでは、築年数が古い住宅を購入する際は審査に落ちる確率が高いと言い切れませんが、通りにくくなる傾向があると察することが可能です。

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借地権により建つ住宅

借地権とは、土地を借りつつ、住宅を建てるなどしてその土地を利用できる権利です。

この権利を利用しつつ建てられた住宅は、相場より安く購入できますが、定期的に地代を支払う必要があるため、どちらかというと不人気です。

人気がない住宅は高く売却できず、買い手が付くまで時間がかかり、担保力が弱いと判断されます。

よって、借地権により住宅を建てたいと希望したり、借地権により建てられた住宅の購入を希望する場合は、審査に落ちる確率が高くなります。

なお、誰でもわかる不動産売買では、借地権の意味をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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3. クレジットカードなどの信用情報に問題があった

フラット35などの住宅ローンの審査は、事前審査と本審査にわかれますが、事前審査は銀行が、本審査は住宅支援機構が実施します。

そして、銀行が事前審査を行う際は、全国銀行個人信用情報センターなどに申込者の信用情報を照会します。

信用情報とは、ローンの借り入れや返済に関すること、クレジットカードの利用状況などに関する情報です。

フラット35の事前審査の際に照会される信用情報とは

過去5年以内にクレジットカードの返済を滞らせたことがあったり、他のローンを返済中の場合などは、信用情報にその旨が記載されているため、フラット35の事前審査に落ちる確率が高くなります。

また、銀行が申込者の信用情報を照会すると、その履歴が全国銀行個人信用情報センターなどに6ヵ月間残ります。

つまり、過去6ヵ月の間に幾度となくフラット35の事前審査を受けつつ落ちている場合は、その履歴を他の銀行も知ることができるというわけです。

履歴が知れ渡れば銀行に与える印象が悪くなり、再び審査に落ちる確率が上がります。

そのため、過去6ヵ月以内にフラット35の事前審査を受けつつ落ちている場合は、6ヵ月間は申し込みを停止し、照会履歴が消えるのを待つのが良いでしょう。

その後再び事前審査を受ける際は、複数の銀行に一斉に申し込み、間を空けず合否が判定されるように心がけてください。

そうすれば、銀行に良い印象も悪い印象も与える間がなく、公平な審査が期待できます。

なお、「誰でもわかる不動産売買」では、銀行が確認する信用情報の詳細をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

フラット35の審査に落ちた理由を思案する方がいらっしゃいましたら、ぜひ同コンテンツをご覧ください。

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まとめ - 勤続年数は、最低でも1年以上が望ましい

フラット35の審査に落ちたとお嘆きの方へ向けて、推測できる落ちた理由をご紹介しました。

フラット35の事前審査に落ちたのであれば、過去5年間のクレジットカードの利用状況やローンの返済方法に問題があった可能性があります。

また、本審査に落ちたのであれば、希望する返済負担率や年収倍率、融資率が高い、または購入する物件に担保力がないなどと判断されたかもしれません。

住宅金融支援機構が公表する資料をお読みになるなどして、次回の審査を受ける際の参考になさってください。

なお、フラット35の審査を受ける際の理想の勤続年数は、少なくとも1年以上です。

その理由は、この記事の「1. 返済負担率など、借り入れ条件に問題があった」でご紹介したとおり、審査の際に返済負担率、年収倍率、融資率などが問われるためです。

勤続年数が1年未満である場合、正確な年収が算出できないため、返済負担率、年収倍率、融資率が計算できず、落ちる確率が高くなります。

フラット35は勤続年数が1年に満たなければ落ちる確率が高くなる

そのため、フラット35の審査を受ける際は、焦らず勤続年数、または自営業の期間が1年を超えるのをお待ちください。

いたずらに審査を受けつつ落ちると、その履歴が全国銀行個人信用情報センターなどに残り、さらに審査に落ちる確率が高くなります。

ご紹介した内容が、フラット35の利用を希望する皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2020年10月
記事公開日:2020年5月

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