不動産投資は続けるほど儲からない!? キャッシュフローの意味とカラクリ

不動産投資を続けるとキャッシュフローが悪くなる理由

不動産投資におけるキャッシュフローとは、総収入額から必要経費を差し引き、税金を支払い、手元に残るお金を表します。

不動産投資を続けると、キャッシュフローがどんどん少なくなるのが常です。

これから不動産投資を始めようとする方や、不動産について知りたいと希望する方へ向けて、同じ不動産で投資を続けると、キャッシュフローが少なくなる理由をご紹介しましょう。

1. そもそも不動産投資におけるキャッシュフローとは?

不動産投資におけるキャッシュフローとは、主に賃貸不動産を所有することにより得られる収入から、経費や税金などの支出を差し引き、手元に残ったお金のことを表します。

不動産投資の本を読むと、キャッシュフローが良い、悪い、多い、少ないという表現を見掛けますが、意味は以下のとおりです。

キャッシュフローが良い、多いの意味
キャッシュフローが良い、多いという言い回しは、不動産投資を行い、支出より収入が多いことを表します。

つまり、キャッシュフローが良い状態や多い状況は、不動産投資が成功し、たくさん儲かっているということです。
キャッシュフローが悪い、少ないの意味
キャッシュフローが悪い、少ないという言い回しの意味は、不動産投資を行うものの、収入より支出が多く、手元に残るお金が少ないことを表します。

つまり、キャッシュフローが悪い状態や少ない状況は、不動産投資が失敗し、儲からないということです。

2. 不動産投資における、収入の減り具合と支出の増え具合

不動産投資を行い、賃貸不動産を所有すると以下の収入と支出があり、不動産の築年数と共に収入が減り、支出は増えるという特徴があります。

不動産投資を行うことにより得る収入と、その減少傾向

家賃
不動産投資による一番の収入といえば、なんといっても家賃収入です。

家賃は、不動産の築年数が古くなるに連れて下げる必要があり、同じ不動産を賃貸しし続けると、収入が減るという特徴があります。
敷金と礼金
アパートなどを賃貸しし、入居者が入れ替わるときに支払われるのが敷金と礼金です。

そのうち返済する必要がないものが収入となりますが、不動産の築年数が古くなるに連れて、入居者の入れ替わりが減るため、敷金と礼金による収入は減少します。
 

不動産投資を行うことにより必要な支出と、その増加傾向

修繕費用
全ての建物は、建てられた日から築年数が古くなり、それに伴い劣化が進み、費用を必要とする修繕が欠かせません。

不動産投資を行い、賃貸アパートや賃貸マンションなどを所有すると、この修繕費用が支出となります。

そして、修繕すべき箇所は築年数が古くなるに連れて多くなるため、費用がどんどんかさみ、支出が増えるのが通例です。
修繕積立金
マンションは10年に一度程度、全ての外壁を塗装し直すなどの大掛かりな修繕が必要で、その都度、数百万円から数千万円の費用が掛かります。

そのため、マンションの区分所有者(マンションの一室を所有する者)は、毎月その費用を積立し、修繕に備えるのが一般的です。

マンションの一室を所有しつつ賃貸ししている場合も積立する必要があり、マンションを用いて不動産投資を行う場合は、それが支出となります。

そして、マンションは築年数が古くなるに連れて修繕すべき箇所が増えるため、費用が高くなり、それに伴い積立金が値上がりし、支出も増えるのが通例です。
減価償却の終了により増える税金
不動産は築年数が古くなることにより劣化し、価値が低下しますが、賃貸ししている不動産の低下した価値は、経費として計上できます。

つまり、不動産投資を行い、賃貸アパートなどを所有し続けると、低下した価値を支出として計上しつつ、税金を安くできるというわけです。

これを減価償却と呼び、不動産投資を上手く行えば、家賃収入より支出が多いとして、収入を抑えつつ税金を安くできます。

この支出は、不動産投資を行う際に歓迎すべきものであり、不動産投資が儲かりやすいとされる所以の一つは減価償却です。

しかし、減価償却は20年から50年程度で終了するため、それ以降に計上できる経費は、微微たるものとなってしまいます。

そのため、減価償却が終了した後は税金が高くなり、支出が一気に増えるのが通例です。

これが、不動産投資を行い続けることにより増える、もっとも象徴的な支出となります。

さらに、減価償却が終了した頃は、不動産の築年数が古くなることにより家賃が下がっているため、収入が減っているにもかかわらず、支出が一気に増えるという困った状況になります。

なお、減価償却については、当サイトのコンテンツである「不動産における減価償却とは? 減価償却費を計算する方法」にて、わかりやすく解説中です。
借入金の利息の減少により増える税金
銀行からお金を借りつつ不動産投資を開始した場合は、元本(借りたお金)に加え、利息を払う必要があります。

この利息は、不動産投資においては経費として計上できるため、支出として捉える必要がなく、税金を安くすることが可能です。

しかし、銀行からお金を借りて返済し続けると、元本と共に利息が減るため、それに伴い計上できる経費が少なくなります。

そして、元本の返済が終わるまで、利息と共に計上できる経費が減り続け、税金が高くなるのが通例です。

この税金が、不動産投資を続けることによる支出であり、そして、増え続ける支出でもあります。

3. 収支のバランスを見れば、キャッシュフローが悪くなる理由が分かる

不動産投資を続けると、家賃などの収入が減り、修繕費用などの支出が増えるとご紹介しましたが、収支のバランスをグラフにすると、以下のとおりとなります。

グラフ1. 家賃収入の減少と修繕費用の増加

グラフ1. 家賃収入の減少と修繕費用の増加

上記の「グラフ1」のとおり、不動産投資を続けると、家賃による収入が減るにもかかわらず、修繕費用などの支出が増えます。

グラフ2. 家賃収入の減少と税金の増加

グラフ2. 家賃収入の減少と税金の増加

また、上記の「グラフ2」のとおり、不動産投資を続けると、家賃収入が減るにもかかわらず、減価償却の終了などにより税金が高くなります。

つまり、同じアパートやマンションで不動産投資を続けると、下記の「グラフ3」のようになり、キャッシュフローがどんどん悪くなるというわけです。

グラフ3. 不動産投資を続けることによるキャッシュフローの減少

グラフ3. 不動産投資を続けることによるキャッシュフローの減少

4. 不動産投資は、慎重に始めるのが成功の秘訣

不動産投資を始めようと希望する方や、不動産について知りたいと思う方へ向けて、同じ不動産で投資を続けると、キャッシュフローが悪くなる理由をご紹介しました。

ご紹介したとおり、不動産投資を続けると収入が減り、支出が増えるため、旨味ばかりではありません。

しかし、不動産投資を行う全ての方が、必ずキャッシュフローが悪くなるわけではなく、物件を売却するなどして、上手に利益を上げています。

また、築年数が古くなることにより、キャッシュフローが完全になくなることは稀です。

そのため、不動産投資は、続けることによりどのような支出があるか把握しつつ、慎重に開始するのが大切です。

きちんと勉強をして慎重に不動産投資を始めれば、きっとあなたも儲かります。