不動産における減価償却の意味とは? 減価償却費を計算する方法

不動産投資を行う際に、不動産における減価償却の意味を知れば、税金を安くできます。
不動産投資を勉強する方へ向けて、不動産における減価償却の意味や、減価償却費を計算する方法を分かりやすくご紹介しましょう。
1. 不動産の減価償却とは、価値の低下により計上できる経費を表す
全ての物は、作られた日から年月を重ねることにより古くなり、価値が低くなります。
アパートやマンション、一戸建てなどの不動産も同じで、築年数が古くなれば経年変化による価値の低下が避けられません。
そして、不動産における減価償却とは、所有する賃貸アパートや賃貸マンション、貸家などの投資用不動産が、築年数が古くなることにより計上できる毎年の経費を表します。
例えば、1,000万円で購入した投資用の不動産の築年数が古くなり、価値が900万円に低下した場合は、100万円が減価償却されたと見なされます。
減価償却された100万円は、不動産を維持するために必要な経費として計上することが可能で、それにより所得が減ったと見なされ、税金を安くすることが可能です。
なお、賃貸アパートや賃貸マンション、一戸建てなどの建物は築年数が古くなることにより価値が低下しますが、土地は古くなることがないため、減価償却されません。

2. 不動産の減価償却費を計算する方法
築年数が古くなることにより所有する投資用の不動産の価値が低下すれば、低下した価値が減価償却されたと見なされ、それを一年間の経費として計上し、所得を減らしつつ、毎年支払う税金を安くすることが可能です。
そこで気になるのが、減価償却費(減価償却された価値)を計算する方法ですが、平成19年4月1日以降に取得した不動産は、主に以下の「定額法」で計算します。
定額法による減価償却費の計算方法
不動産の取得価額 × 定額法の償却率
以上が一年間の減価償却費を計算する方法です。
計算式にある「定額法の償却率」は、国税庁がホームページで公開する資料「減価償却資産の償却率表」などで調べる必要があり、建物の種類などにより変動しますが、概ね以下のとおりとなっています。
「定額法の償却率」
建物の種類・構造 | 定額法の償却率 |
---|---|
鉄筋コンクリート造 | 0.022 |
鉄骨造 | 0.034 |
軽量鉄骨造 | 0 053 |
木造 | 0.046 |
それでは、ご紹介した減価償却費を計算する方法を用いて、5,000万円で購入した木造賃貸アパートの減価償却費を計算してみましょう。
5,000万円で購入した木造賃貸アパートの減価償却費の計算例
「5,000万円(不動産の取得価額)× 0.046(定額法の償却率) = 230万円(毎年の減価償却費)」
以上が平成19年4月1日以降に取得した投資用の木造賃貸アパートにおける、減価償却費の計算方法で、減価償却費は毎年230万円となります。
減価償却費は経費として計上できるため、毎年の家賃収入から230万円を差し引き、所得を抑えつつ、税金を安くできます。
なお、ご紹介した減価償却費の計算方法は、新築の不動産を購入した場合に限り適用することが可能です。
また、土地は減価償却されません。
よって、計算式内にある「不動産の取得価額」は、土地を除く建物の購入費用であるため、注意してください。
3. 不動産は、耐用年数が過ぎると減価償却できず、税金が高くなる
不動産における減価償却の意味や、減価償却費を計算する方法をご紹介しました。
不動産の投資について知りたい方や、不動産投資に挑戦しようとする方がいらっしゃいましたら、基礎知識として活用してください。
なお、不動産は法定耐用年数(木造は22年、鉄筋コンクリート造は47年など)を超えると、減価償却されないと定められています。
よって、同一の投資用の不動産を所有し続け、法定耐用年数が過ぎると、家賃収入はあるものの減価償却されず税金が高くなるため注意してください。