住宅ローンの諸費用はいくら? いつ払う? イラスト付きで解説!

住宅ローンの諸費用はいくら?いつ払う?わかりやすく解説

住宅ローンを利用する際は諸費用が必要で、その合計は借り入れ金額の1%から4%、または2%から5%になるのが通例です。

住宅ローンの利用を希望する方へ向けて、諸費用がいくらか、いつ払うか、諸費用も借りることができるか、借りた場合の審査の基準など、住宅ローンのイロハを簡潔にご説明しましょう。

目次

1. 住宅ローンの諸費用はいくら?

住宅ローンを利用する際は諸費用がいくらになるか気になりますが、利用する住宅ローンによって大きく異なるものの、おおむね借り入れ金額の1~4%、または2~5%です。

住宅ローンの諸費用はいくら

まずは、住宅ローンを利用する際にどのような諸費用が必要か、それぞれの金額はいくらか、表でわかりやすくご紹介しましょう。

住宅ローンの諸費用はいくら?

諸費用の名目 いくら?
融資事務手数料 3万円~借り入れ金額の2%など
保証料 60万円など
火災保険料 5万円から50万円など
物件検査手数料 6万円から7万円など
抵当権の設定登記を行う司法書士への報酬 5万円から8万円など
抵当権の設定登記に課せられる登録免許税 12万円など
金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税 2万円など
合計 93万円からなど
(5千万円を借入れた場合は全体の約2%、
3千万円を借入れた場合は全体の約3%、
2千万円を借り入れた場合は全体の約4.5%など)

住宅ローンを利用する際は上記の諸費用が必要であり、合計すると借り入れ金額の1~4%、または2~5%などとなります。

つづいて、表でご紹介した諸費用の詳細と、それぞれの諸費用がいくらになるか詳しくご説明しましょう。

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融資事務手数料(3万円~借り入れ金額の2%など)

融資事務手数料とは、住宅ローンを貸し出す金融機関に支払う、住宅ローンを利用するための手数料です。

融資事務手数料は諸費用の中でも高額になりがちで、金融機関によって金額が大きく異なり、安い場合は3万円程度、高い場合は借り入れ金額の2%(3,000万円を借り入れる場合は60万円)などとなっています。

3万円から借り入れ金額の2%といえば差がありますが、融資事務手数料が安い住宅ローンは金利が高く、融資事務手数料が高い住宅ローンは金利が低く設定されていることがあります。

住宅ローンの諸費用である融資事務手数料は金利が高ければ低く金利が低ければ高い

よって、住宅ローンを利用する際は、融資事務手数料の額より、金利から鑑みた総支払額を重視するように心掛けてください。

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保証料(60万円など)

住宅ローンを利用する際は保証人が必要と考えがちですが、一部例外を除き不要であり、保証会社が保証を肩代わりします。

保証会社とは、住宅ローンの借り主から保証料を取りつつ保証人を代行する会社であり、借り主が返済を滞らせた場合は、保証会社が返済します。

住宅ローンの諸費用のひとつである「保証料」とは、この保証会社へ支払う保証料です。

保証料の額は金融機関によって異なり、料金を支払う方法に外枠方式と内枠方式が用意され、それぞれの額は以下のとおりとなっています。

諸費用である保証料の額

外枠方式 借り入れ金額や返済期間により異なり、3,000万円を30年で返済する場合は60万円など
内枠方式 金利が0.2%程度高くなる

なお、住宅ローンには、住宅金融支援機構が実施する「フラット35」、各金融機関が独自に商品化する「民間融資」などの種類があります。

そして、フラット35は、保証料が不要です。

ただし、フラット35は、民間融資より金利が高く設定されているため注意してください。

住宅ローンの種類は、当サイトのコンテンツである「住宅ローンの種類とメリットを解説(実は3種類しかない!?)」にて、わかりやすくご説明中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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火災保険料(5~50万円など)

住宅ローンを利用しつつ不動産を購入する際は、必ず火災保険に加入しなくてはなりません。

火災保険料は契約年数と契約内容により大きく異なり、5万円から50万円など様々です。

なお、火災保険は、地震で火事になった場合は保険金が支払われません。

たとえば、お隣さんが地震で火事になり、その火が我が家に飛び火して火事になった場合も同じであり、保険金は支払われません。

そのため、住宅ローンで不動産を購入する際は、可能であれば地震保険にも加入しておくのが良いでしょう。

地震保険の保険料は、住宅が所在する都道府県などにより異なり、支払われる保険金1,000万円あたりにつき年間8,000円から25,000円程度となっています。

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物件検査手数料(6~7万円など)

フラット35は、一定の耐震性などを満たした高性能な住宅を購入する際しか利用できません。

そのため、フラット35を利用する場合は、購入する住宅が高性能であるか検査する必要があります。

住宅ローンを利用する際に必要となる諸費用である「物件検査手数料」とは、その検査を実施するために必要となる手数料であり、手数料の相場は6万円から7万円などです。

なお、フラット35以外の住宅ローンを利用する場合は検査は不要であり、諸費用のひとつである物件検査手数料も必要ありません。

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抵当権の設定登記を行う司法書士への報酬(5~8万円など)

不動産を購入するなどして取得すると、その不動産の名義を取得者に変更する登記が必要です。

登記とは、登記簿と呼ばれる公の帳簿にその不動産の情報を記す行為であり、住宅ローンを利用しつつ不動産を購入した場合は「抵当権の設定登記」と呼ばれる登記も必要となります。

住宅ローンを利用する際に必要となる抵当権の設定登記とは

抵当権の設定登記は金融機関が斡旋する司法書士が代行し、代行する司法書士には報酬を支払う必要があり、この報酬が諸費用のひとつとなります。

報酬額は司法書士によって異なりますが、おおむね5万円から8万円程度です。

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抵当権の設定登記に課せられる登録免許税(12万円など)

住宅ローンを利用しつつ不動産を購入すると「抵当権の設定登記」が必要ですが、登記の際は登録免許税という税金が課せられます。

この登録免許税が諸費用のひとつであり、税額は住宅ローンの借り入れ金額により異なり、以下の式で計算します。

住宅ローンの借り入れ金額 × 税率(原則として0.4%) = 登録免許税

上記の式で抵当権の設定登記に課せられる登録免許税を計算すると、3,000万円を借り入れた場合は12万円(3,000万円×0.4%=12万円)となります。

ただし、令和4年3月31日までに、床面積が50㎡を超える自己の居住用の住宅を取得するために住宅ローンを利用した場合は、税率が0.1%に軽減されます。

登録免許税が軽減される取り決めの詳細は「国税庁タックスアンサー No.7191登録免許税の税額表」の「(3)住宅用家屋の軽減税率」の「6 住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記」にて確認することが可能です。

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金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税(2万円など)

住宅ローンを利用する際は、住宅ローンを貸し出す金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶ必要があります。

金銭消費貸借契約とは、住宅ローンの返済を約束する契約であり、金銭消費貸借契約書(いわゆる借用書)に署名捺印することにより完了します。

そして、金銭消費貸借契約書に署名捺印する者には印紙税が課せられ、印紙税の額は借り入れる金額により異なるものの、おおむね2万円程度です。

印紙税額の詳細は「国税庁タックスアンサー No.7140 印紙税額の一覧表」の「第1号文書から第4号文書までの印紙税額の一覧表」の「1 消費貸借に関する契約書」にてご確認いただけます。

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コラム 忘れてはいけない手付金

住宅ローンを利用する際は諸費用が必要ですが、諸費用は住宅ローンに組み込みつつ借りることができます。

しかし、借りることができないのが手付金です。

手付金とは、不動産の売主と売買契約を結ぶ際に支払う金銭であり、売買契約をいったん保留するために支払い、後に残金を支払う際に差し引かれます。

住宅ローンで借りることができない手付金とは

手付金の額は、売主によって異なるものの概ね物件価格の1割程度です(交渉しつつ売主が了承すれば、1割未満にすることも可能です)。

そして、住宅ローンを利用しつつ不動産を購入する際は、売主と売買契約を結び、手付金を支払った後に審査に申し込まなければなりません。

住宅ローンを利用しつつ不動産を購入する一般的な流れは、以下のとおりです。

  • 不動産業者と媒介契約を結ぶ(不動産業者が直接販売する、新築の分譲住宅などを購入する場合は不要)
  • 不動産業者から重要事項説明を受け、重要事項説明書に署名捺印する
  • 売主に手付金を支払いつつ売買契約を結び、売買契約書に署名捺印する
  • 住宅ローンの事前審査に申し込む
  • 住宅ローンの本審査に申し込む
  • 審査に通れば融資が実行される
  • 貸し出された資金で物件代金の残金や、不動産業者への仲介手数料などを支払う
  • 不動産が引き渡される

上記のように住宅ローンを利用しつつ不動産を購入する際は、審査を受ける前に売主と売買契約を結びつつ手付金を支払う必要があります。

つまり、手付金は、住宅ローンが貸し出される前に支払わなければならないというわけです。

よって、手付金は住宅ローンでは借り入れできません。

住宅ローンの融資が実行される前に手付金を支払わなければならない理由は、金融機関が審査を実施する際は、売買契約書などのコピーの提出を求めるためです。

金融機関は売買契約書などの内容から、申込者がどのような不動産を購入するのか調査しつつ審査を実施します。

そして、売買契約書に不備がある場合などは審査を通しません。

そのため、諸費用を含めつつ住宅ローンを借り入れする場合であっても、手付金だけは別途用意する必要があるため注意してください。

なお、注文住宅を取得するために住宅ローンを利用する際は手付金は不要であり、手付金の代わりに建築会社に着工金などを支払う必要がありますが、着工金は「つなぎ融資」で借りることができます。

つなぎ融資とは、住宅ローンが貸し出される前に実行される「つなぎの融資」であり、詳細は当サイトのコンテンツである「つなぎ融資とは? 図解でわかりやすく解説」にてご覧いただけます。

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2. 住宅ローンの諸費用はいつ払う?

住宅ローンを利用する際は様々な諸費用が掛かりますが、いつ払うかも気になります。

諸費用をいつ払うかは金融機関によって異なりますが、おおむね以下のとおりです。

住宅ローンの諸費用はいつ払う?

諸費用の名目 いつ払う?
融資事務手数料 融資額から差し引かれる、または融資実行直後
保証料 融資が実行される際、または実行される3~4日前
火災保険料 融資が実行される際、または実行される3~4日前
物件検査手数料 検査を実施する機関によって異なるが、おおむね融資が実行される1ヵ月前など
抵当権の設定登記を行う司法書士への報酬 融資が実行された直後
抵当権の設定登記に課せられる登録免許税 融資が実行された直後
金銭消費貸借契約書に課せられる印紙税 融資が実行される1週間前など、金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶとき

以上が諸費用を支払う日の目安です。

先にご紹介したとおり、諸費用をいつ払うかは、住宅ローンを利用する金融機関によって異なります。

そのため、正確な諸費用の支払い日を確認したい場合は、必ず住宅ローンを利用する金融機関にお問い合わせください。

住宅ローンの諸費用はいつ払う

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3. 住宅ローンは諸費用も借りることができる?

住宅ローンを利用する際は諸費用が必要ですが、諸費用を組み込みつつ借りることも可能です。

住宅ローンの諸費用は借りることができる

たとえば、フラット35は、フラット35を利用するために必要となる諸費用である融資事務手数料、火災保険料、物件検査手数料、司法書士への報酬、登録免許税、印紙税などを組み込みつつ借りることができます。

さらに、フラット35は、住宅を購入するために必要となる諸費用である、不動産業者に支払う仲介手数料なども借りることが可能で、詳細は「フラット35よくある質問:借入対象となる諸費用とはどのようなものですか?」にてご確認いただけます。

また、フラット35以外の住宅ローンも諸費用を借りることが可能です。

ただし、フラット35以外の住宅ローンを利用しつつ諸費用を借りる場合は、「諸費用ローン」などの名目で住宅ローンとは別のローンを組まなければならない場合があります。

そして、諸費用ローンは、住宅ローンより金利が高く設定されているため慎重に利用してください。

なお、このページの「コラム 忘れてはいけない手付金」でご紹介しましたが、売買契約の際に売主に支払う手付金だけは借りることができないため注意が必要です。

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まとめ - 住宅ローンは諸費用を借りると審査が厳しくなる

住宅ローンの利用を希望する方へ向けて、諸費用がいくらになるか、いつ払うか、諸費用も借りることができるかなどご紹介しました。

住宅ローンを利用する際は、借り入れ金額の1~4%、または2~5%などの諸費用が必要です。

そして、それらの諸費用は、おおむね住宅ローンの融資が実行される際に支払うのが通例ですが、金融機関によっては融資実行日の3~4日前などに請求することがあるため、詳細は金融機関にお問い合わせください。

また、諸費用は住宅ローンに組み込みつつ借りることができますが、諸費用を含めた借り入れを希望すると審査が厳しくなります。

たとえば、フラット35は諸費用を含めた住宅の購入資金の100%を借りることが可能ですが、100%の借り入れを希望する場合は慎重に審査すると「住宅金融支援機構【フラット35】をご利用いただく場合の融資率」に記されています。

住宅ローンを利用する際は、諸費用を用意しつつ、住宅購入資金の8割程度の借り入れを希望することが審査に通りやすくなる秘訣です。

ご紹介した内容が、不動産の購入を希望する皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2020年3月

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