区分所有法とは? わかりやすく解説

区分所有法とは、マンションの管理体制に関することを定めた身近な法律

区分所有法とは、マンションなどの管理体制に関することを定めた法律です。

一般的なマンションには管理組合が設置され、定期的に集会が開かれますが、これらは区分所有法に則り実施されます。

これからマンションを所有する予定がある方や、既にマンションを所有する方へ向けて、区分所有法とはどのような法律かわかりやすく解説しましょう。

目次

1. 区分所有法とは、マンションの管理体制に関する法律

区分所有法とは、分譲マンションや中古マンションなど、マンションなどの管理体制に関することを定めた法律であり、正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」です。

区分所有法とは、主にマンションの管理体制に関することを定めた法律

一戸建てを所有すると、一部例外を除き、その建物と土地は自己の所有物であり、自己が自費で管理します。

これは常識であり、誰も反論しません。

しかし、マンションにこの常識は通用しません。

たとえば、自己が所有するマンションの一室に入るためには、エレベーターや廊下を通らなければなりませんが、エレベーターが壊れた場合は誰が修理費用を負担すべきでしょうか。

ある住人は、そのエレベーターを最もよく使う住人が修理費用を負担すべきと考えるかもしれません。

また、ある住人は、住人全員が均等に修理費用を負担すべきと考えるかもしれません。

このようにマンションは、複数の住人が各区分(各戸)を所有するため、維持管理に関することが複雑になりがちです。

そこで昭和37年に制定されたのが区分所有法であり、区分所有法はマンションの管理体制に関することなどを定めた法律となっています。

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2. 区分所有法では、どのようなことが定められている?

区分所有法とは、マンションなどの管理体制に関することを定めた法律です。

ここから、区分所有法で定められている主な内容をわかりやすく簡単にご紹介しましょう。

なお、区分所有法の全文は「電子政府の総合窓口e-Gov 建物の区分所有等に関する法律」にてご確認いただけます。

2-1. マンションの各部分などの名称

区分所有法では、マンションの各部分の名称、権利に関することを次のように呼ぶと定めています。

専有部分

区分所有法では、各住人が購入した各戸内を「専有部分」と呼び、専有部分を所有する権利を「区分所有権」、区分所有権を有する者を「区分所有者」と呼ぶと定めています。(第二条)

つまり、区分所有法では、マンションの各戸を専有部分と呼び、各戸の所有者を区分所有者と呼ぶというわけです。

そして、区分所有法では、区分所有者はマンションの建物、およびそのマンションが建つ敷地の管理を行うための管理組合を全員で構成し、集会を開きつつ理事長を決定し、規約を制定できるとも定めています。(第三条)

共用部分

区分所有法では、そのマンションの玄関部分、廊下、階段、エレベーターなど、各住人が共有で使用する部分を「共用部分」と呼ぶと定め、各戸のバルコニーも共用部分であると定義しています。(第二条)

マンションの専有部分と共用部分

敷地利用権

マンションを所有すると、専有部分に加え、そのマンションが建つ敷地を利用できる権利を有することになります。

そして、区分所有法では、そのマンションが建つ敷地を利用できる権利を「敷地利用権」と呼ぶと定めています。(第二条)

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2-2. 共用部分に関すること

区分所有法では、共用部分は各戸の所有者全員が共有すると定めています。(第十一条)

そして、区分所有法では、一部例外を除き、各戸の所有者は専有部分と共用部分を別々に売却することなどはできず、共用部分に関することを決定する際は、管理組合の集会による決議が必要であるとも定めています。(第十七条、第二十二条)

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2-3. 敷地利用権に関すること

区分所有法では、敷地利用権を有する各戸の所有者は、敷地利用権と区分所有権を分離して売却できないと定めています。(第二十二条)

なお、敷地利用権とはマンションが建つ敷地を利用する権利のことで、区分所有権とは各戸を所有する権利のことです。

マンションを所有すると、マンションの一室とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地を所有することになるが、区分所有法ではそれらを別々に売却することはできないと定めている

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2-4. 管理者(理事長)に関すること

区分所有法では、各戸の所有者で構成された管理組合は、集会の決議により管理者(理事長)を選任、または解任できると定めています。(第二十五条)

そして、区分所有法では、管理者は各戸の所有者を招集しつつ集会を開くことが可能であり、少なくとも年に1回以上は集会を開かなければならないとも定めています。(第三十四条)

毎年春ごろなどに管理組合の集会が実施されるが、その集会は区分所有法により必ず実施しなければならないと定められている

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2-5. 規約に関すること

区分所有法では、各戸の所有者の権利に関することは、区分所有法に違反しない範囲であれば、管理組合の独自の規約で制定できると定めています。(第三十条)

そして、制定された規約は、規約書などによる書面、または電子的な手法で保存しなければならず、その保管は管理者(理事長)がすべきであるとも定めています。(第三十条、第三十三条)

また、区分所有法では、規約を制定したり変更する際は、各戸の所有者など、そのマンションの権利を有する者の4分の3以上の承諾が必要であるとも定めています。(第三十一条)

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2-6. 義務違反者に対すること

区分所有法では、住民がマンションの保存に配慮しない行為、または他の住民の生活を阻害することを行う場合は、管理組合はその行為を止めるように請求できると定めています。(第五十七条)

また、住民が他の住民の生活を著しく阻害することを行う場合は、管理組合は他の住民の生活を阻害する住民に対して、所有する部屋の使用の禁止を請求できるとも区分所有法では定めています。(第五十八条)

さらに、区分所有法では、住民が他の住民の生活を著しく阻害し、他の住民の生活の向上の回復が困難である場合は、管理組合は他の住民の生活を阻害する住民が所有する部屋の競売を請求できるとも定めています。(第五十九条)

つまり、他の住民に迷惑をかけ続ける住民が存在する場合は、管理組合はその住民の部屋の強制売却を裁判所に請求できるというわけです。

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2-7. 建て替えなどに関すること

区分所有法では、各戸の所有者とそのマンションに関する権利を有する者の5分の4以上が賛成すれば、マンションを建て替えできると定めています。(第六十二条)

そして、区分所有法では、建て替えが議決された場合は、建て替えを反対した者は賛成した者に対して、自己が所有するマンションの部屋などの買取を請求できるとも定めています。(第六十三条)

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まとめ - 区分所有法は、マンション所有者に身近な法律

区分所有法とはどのような法律かわかりやすく簡単に解説しました。

区分所有法とは、分譲マンションや中古マンションなど、マンションなどの管理体制に関することを定めた法律であり、正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」、別名では「マンション法」などと呼ばれます。

マンションを所有すると管理組合に参加したり、ときには管理組合から理事長になることを求められますが、これらは区分所有法という法律に則って行われます。

法律と聞くと難しい印象があり敬遠しがちですが、区分所有法はさほど内容が難しいわけではなく、マンションを所有する方にとって身近な法律です。

そのため、マンションを購入するなどして取得する予定がある方や、既にマンションを所有する方は、区分所有法の内容を把握しておくのが良いでしょう。

ひょっとすると、いつかは皆さんも理事長になる日が来るかもしれません。

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