ペアローンと連帯債務のどっちが良い? 総支払額と団信の違いを解説

どっちが良い? ペアローンと連帯債務の違い

夫婦で住宅ローンを組む際に候補に上がるのが、「夫婦ペアローン」と収入合算制度を利用した「連帯債務型」です。

2つの住宅ローンは似ている印象がありますが、金利や総支払額、団信に違いがあります。

ペアローンと連帯債務の2つの住宅ローンを天秤に掛けつつ、どっちが良いか迷う方へ向けて、それぞれの仕組みや違いをイラストを交えつつわかりやすくご説明しましょう。

1. 「夫婦ペアローン」と「連帯債務型」の仕組みと違い

ペアローンは審査の基準が厳しいものの変動タイプと固定タイプから金利を選ぶことが可能です。

これに対して、連帯債務は審査の基準が穏やかでありつつも金利は固定タイプのみとなっています。

ペアローンと連帯債務の違い

以下にペアローンと連帯債務の仕組みを解説しつつ、それぞれの住宅ローンの違いをご説明しましょう。

どちらの住宅ローンにするか、決定する際の参考にしてください。

ペアローン

住宅ローンは、大きく以下の3つに分類されます。

  住宅ローンの種類 金利タイプ 審査の基準
1 住宅金融支援機構と民間の金融機関(銀行)が連携して貸し出す「フラット35」 固定タイプのみ 穏やか
2 民間の金融機関(銀行)が独自に商品化した「民間融資」 主に変動タイプだが、商品によっては固定タイプも選べる 難しい
3 財形貯蓄を行う方が利用できる財形住宅融資などの「公的融資」 変動タイプのみ 穏やか

そして、ペアローンは、2番目の「民間融資」に含まれます。

ペアローンは民間融資のため、1番目の「フラット35」より審査が難しいという特徴があるものの、ペアそれぞれが固定タイプと変動タイプから金利を選ぶことが可能です。

住宅ローンの金利は固定タイプが高く、変動タイプが低い傾向があるため、両者共に変動タイプを選べば全体の金利を安くできます。

ただし、変動タイプは半年に1度など金利が見直されるため注意してください。

また、ペアローンは、ペアそれぞれがお互いの連帯保証人になり、それぞれが金融機関と住宅ローン契約を締結しつつ融資を受けるという形になるため、ペア共に団信に加入したり、住宅ローン控除を受けることが可能です。

なお、筆者がこの記事を作成する2020年2月の時点では、民間融資における固定タイプの金利は年1.2~1.8%程度、変動タイプの金利は年0.5~0.8%程度となっています。

連帯債務

住宅ローンは、住宅金融支援機構と銀行が連携して貸し出す審査の基準が穏やかな「フラット35」や、民間の金融機関が独自に商品化した審査の基準が難しい「民間融資」などに分類されます。

そして、連帯債務型の住宅ローンは、主に収入合算としてフラット35に付随する形で利用できます。

そのため、フラット35で利用できる連帯債務は、民間の金融機関が独自に実施するペアローンより審査が通りやすいのが特徴です。

ただし、ペアローンは、ペアそれぞれが固定タイプと変動タイプから金利を選べますが、連帯債務は主にフラット35に付随する形で実行されるため、フラット35と同じく、金利は固定タイプのみとなっています。

住宅ローンの金利は固定タイプが高く、変動タイプは低い傾向があるため、連帯債務は総返済額がペアローンより高額になるのがデメリットです。

連帯債務の契約は、夫が借り主の場合は妻が連帯債務者に、妻が借り主の場合は夫が連帯債務者になりつつ借り主だけが締結しますが、住宅ローン控除はペア共に受けることができます。

また、年0.18%の金利を上乗せすれば、夫婦共に団信(新機構団信デュエット)に加入することも可能です。

なお、筆者がこの記事を書く2020年2月の時点では、フラット35における固定タイプの金利は年1.28%などで、夫婦共に団信に加入し、年0.18%の金利が上乗せされると年1.46%などになります。

ペアローンと連帯債務の違いを表にまとめると以下のとおりです。

ペアローンと連帯債務の違い 表1

  形態 審査 金利
ペアローン 民間ローン やや難しい 固定と変動から選べ、変動を選べば0.7%など
連帯債務 主にフラット35 通りやすい 固定タイプのみで、夫婦共に団信に加入すると1.5%程度

ペアローンと連帯債務の違い 表2

  団信 住宅ローン控除 ローン契約数
ペアローン ペア共に可 ペア共に可 2本(ペアそれぞれが締結)
連帯債務 ペア共に可 ペア共に可 1本(借り主だけが締結)

2. 総支払額を比べると、ペアローンの方が安い

先に、ペアローンは変動タイプと固定タイプから金利を選べローン契約は2本、連帯債務は固定タイプのみの金利でローン契約は1本とご紹介しました。

それでは、以下の条件で3,000万円の住宅ローンを借り入れた場合における、総支払額の差を具体的に計算してみましょう。

ペアローン
夫婦共に1%の変動金利で1,500万円ずつを借り入れし、30年で返済
連帯債務
夫が1.5%の固定金利で3,000万円を借り入れし、30年で返済

上記の返済総額を計算し、表にまとめると以下のとおりです。

ペアローンと連帯保証の総返済額の差

  金利 毎月の返済額 年間返済額 総支払額
ペアローン 変動1% ペア合計で
96,
492円
1,157,
904円
34,737,
068円
連帯債務 固定1.5% ペア合計で
103,
536円
1,242,
432円
37,272,
982円

上記のように、ペアローンと連帯債務の総返済額を比べるとペアローンの方が安くなります。

ただし、ペアローンは、ペアそれぞれが異なる金利のタイプを選ぶことができます。

たとえば、夫は固定タイプ、妻は変動タイプなどです。

このようにペアそれぞれが異なる金利のタイプをお選びになる場合は、ご紹介した総返済額の計算例は該当しないため注意してください。

3. 忘れてはいけないペアローンと連帯債務の団信の差

団信とは「団体信用生命保険」の略で、団信に加入しつつ住宅ローンを利用すれば、契約者が死亡した場合に金融機関に保険金が支払われ、住宅ローンが返済されたと見なされます。

そして、ペアローンも連帯債務も、夫婦共に団信に加入できるとご紹介しましたが、それぞれの団信には以下の大きな違いがあるため注意してください。

ペアローンの団信
ペアローンは、ペアそれぞれが金融機関と住宅ローン契約を締結し、それぞれが団信に加入します。

つまり、ペアローンは、ペアそれぞれが住宅ローンを組むという形態になるというわけです。

そのため、どちらか一方に万が一のことがあった場合は、万が一のことがあった一方が契約した住宅ローンに対してのみに保険金が支払われます。

よって、遺された一方は、引き続き住宅ローンを返済し続ける必要があります。
連帯債務の団信
連帯債務は、ペアの一方が住宅ローン契約を締結し、0.18%の金利を上乗せすることによりペア共に団信に加入することが可能です。

そして、ペアの一方に万が一のことがあった場合は、借り入れた住宅ローンの全額に対して保険金が支払われ、ペア両方の返済が免除されます。ペアローンと連帯債務の団信の違い

まとめ - 金利優先ならペアローンが、安定優先なら連帯債務がお勧め

ペアローンと連帯債務の選択に迷う方へ向けて、それぞれの仕組みや違いを解説しつつ、どっちが良いかご紹介しました。

ペアローンは団信に不安があり、審査が厳しくありつつも、変動金利タイプを選べば総支払額が安くなります。

連帯債務は団信が万全であり、審査に通りやすいという特徴がありつつも、金利が固定タイプしか選べず、総支払額が高くなります。

よって、どっちを選ぶか迷う場合は、総支払額を抑えたい場合はペアローンの審査に申し込み、通らない場合は連帯債務の審査に申し込むのが良いでしょう。

また、安定や安心を求める場合は、最初から連帯債務に申し込むのがお勧めです。

ご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。