敷地利用権とは?わかりやすく解説

敷地利用権とは? わかりやすく解説

敷地利用権とは、マンションやビルが建つ敷地を利用できる権利です。

敷地利用権をわかりやすく解説し、区分所有権や借地権との違い、分離処分の禁止の意味などを図解でご説明しましょう。

なお、敷地権という不動産用語も存在しますが、敷地権は敷地利用権を略した不動産用語であり、意味は同じとなっています。

目次

1. 敷地利用権とは、マンションやビルが建つ土地を利用する権利

それでは、敷地利用権を図解でわかりやすく解説しましょう。

分譲マンションや中古マンション、ビルの一戸を購入すると、その一室と、そのマンションやビルが建つ土地を利用する権利を取得します。

そして、敷地利用権とは、そのマンションやビルが建つ土地を利用する権です。

敷地利用権とは?

マンションやビルの一戸を購入すると、購入した一戸は自己の所有物となり、敷地利用権は、そのマンションやビルの各戸の所有者全員が分け合いつつ共有することになります。

敷地利用権は共有される

敷地利用権という不動産用語の定義は「建物の区分所有等に関する法律」の第二条の6項にて定められ、同項の内容は以下のとおりです。

(定義)第二条 6項
この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう

同項をわかりやすく簡単に書き換えると以下のようになります。

(定義)第二条 6項
建物の区分所有等に関する法律において「敷地利用権」とは、分譲マンションやビルの一戸を所有するために欠かすことができない、その建物が建つ敷地を利用できる権利を意味する

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2. 敷地利用権と区分所有権の違いとは?

敷地利用権という不動産用語が登場する場面には、たいてい「区分所有権」という不動産用語も登場し、2つの不動産用語の違いに戸惑う方が大勢いらっしゃいます。

続いては、敷地利用権と区分所有権の違いをわかりやすく解説しましょう。

敷地利用権とは、この記事の「1. 敷地利用権とは、マンションやビルが建つ土地を利用する権利」でご紹介したとおり、マンションやビルの一戸を所有した場合における、その建物が建つ敷地を利用できる権利です。

そして、区分所有権とは、マンションやビルの一戸を購入しつつ所有した場合における、その購入した一戸の所有権です。

敷地利用権と区分所有権の違い

区分所有権という不動産用語の定義は「建物の区分所有等に関する法律」の第二条の1項にて定められ、同条の内容は以下のとおりです。

(定義)第二条 1項
この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く)を目的とする所有権をいう

同項をわかりやすく書き換えると以下のようになります。

(定義)第二条 1項
建物の区分所有等に関する法律において「区分所有権」とは、マンションやビルなどの一戸の所有権を意味する

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3. 敷地利用権と借地権の違いとは?

敷地利用権とは別に借地権(しゃくちけん)という不動産用語があります。

ここから、敷地利用権と借地権の違いをわかりやすく解説しましょう。

敷地利用権とは、この記事の「1. 敷地利用権とは、マンションやビルが建つ土地を利用する権利」にてご紹介したとおり、マンションやビルの一戸を所有する場合における、そのマンションやビルが建つ敷地を利用する権利です。

一戸建てを購入すると建物と土地を取得しますが、マンションやビルの一戸を購入すると一戸部分と敷地利用権を取得します。

一方、借地権とは、土地を借り、借りた土地に建築するなどして利用できる権利です。

敷地利用権と借地権の違い

以上が敷地利用権と借地権の違いです。

また、マンションやビルの一戸を購入すると、その一戸と敷地利用権を取得するのが通例ですが、稀に敷地利用権の代わりに借地権を取得する物件があります。

一戸部分と敷地利用権を取得する物件と、敷地利用権と借地権を取得する物件の違いは、主に地代(借り賃)の必要性です。

以下に違いをわかりやすくご説明しましょう。

一戸部分と敷地利用権を取得する物件

一戸部分と敷地利用権を取得するマンションやビルは、地代(借り賃)は不要です。

一戸部分と借地権を取得する物件

一戸部分と借地権を取得するマンションやビルは、定期的に地代(借り賃)を支払う必要があります。

また、借地権には定期借地権と呼ばれる、50年などの期間に限り利用できる借地権が存在します。

一戸部分と定期借地権を取得するマンションやビルを購入すると、50年などの期間が過ぎると利用できなくなる場合があるため注意してください。

なお、誰でもわかる不動産売買では、借地権をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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4. 分離処分の禁止とは?

敷地利用権の意味を調べると、分離処分の禁止という不動産用語を見聞きすることがあります。

分離処分の禁止とは、「建物の区分所有等に関する法律」という法律で定められた、一戸部分と敷地利用権を個別に処分できないという規定です。

たとえば、一戸建てを購入すると、一部例外を除き建物部分と土地部分を所有することになります。

そして、一戸建ての所有者は、建物部分だけを売却したり、土地部分だけを売却するなど、個別に処分することが可能です。

一戸建てを所有すると建物と土地の両方を所有し、所有者はそれぞれを個別に処分できる

一方、マンションやビルの一戸を購入すると、一戸部分と、敷地利用権と呼ばれる「そのマンションやビルが建つ敷地を利用する権利」を所有することになります。

先に一戸建ての所有者は、建物部分と土地部分を個別に処分できるとご紹介しましたが、マンションやビルの一戸の所有者は「建物の区分所有等に関する法律」により、原則として一戸部分と敷地利用権を個別に処分できません。

分離処分の禁止とは?

このように、マンションやビルの一戸の所有者が、一戸部分と敷地利用権を個別に売却するなどして処分できないことが分離処分の禁止です。

分離処分の禁止は「建物の区分所有等に関する法律」の第二十二条の1項により定められ、同条の内容は以下のとおりです。

(分離処分の禁止)第二十二条 1項
区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない

ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない

同項をわかりやすく書き換えると以下のようになります。

(分離処分の禁止)第二十二条 1項
マンションやビルの一戸を所有する者は、一戸部分と、そのマンションやビルが建つ敷地を利用する権利である「敷地利用権」を個別に売却するなどの処分はできない

ただし、そのマンションやビルの規約で「分離処分できる」と定められている場合は、この限りではない

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まとめ - 敷地利用権は、マンション所有者に馴染み深い権利

敷地利用権をわかりやすく解説し、区分所有権や借地権との違いや、分離処分の禁止の意味などもご説明しました。

敷地利用権とは、マンションやビルの一戸を所有する場合における、その建物が建つ敷地を利用する権利です。

また、区分所有権とは、そのマンションやビルの一戸の所有権を意味します。

分譲マンションや中古マンション、ビルの一戸を購入すると、敷地利用権と区分所有権をセットで取得するのが通例のため留意してください。

また、敷地利用権と共に借地権という不動産用語を見聞きしますが、借地権とは、土地を借りつつ、借りた土地に家を建てるなどして利用できる権利です。

売りに出されている中古マンションには、稀に区分所有権と借地権がセットになっている物件がありますが、それに該当する物件を購入すると、定期的に地代を支払う必要があるためご注意ください。

敷地利用権や区分所有権の意味は「建物の区分所有等に関する法律」により定義され、同法律では、敷地利用権と区分所有権を個別に売却するなどの処分はできないと規定し、これを分離処分の禁止と呼びます。

ご紹介した内容が、敷地利用権をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2020年9月
記事公開日:2020年2月

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