実は単純! 収益還元法をかみ砕いて解説

収益還元法を噛み砕いて解説

収益還元法とは、不動産鑑定士が、賃貸アパートや貸しビルなどの適正な価格を鑑定する際に用いる方法です。

収益還元法を手っ取り早く理解したいと希望する方へ向けて、収益還元法の意味をわかりやすく簡単にイラスト付きでご説明しましょう。

1. 収益還元法とは、賃貸不動産などの適正な価格を算出する方法

それでは、収益還元法の意味をわかりやすくご説明しましょう。

皆さんがご存じのとおり、不動産が売買される際は、売り主が自由に価格を決定できます。

不動産が売買される際は売り主が自由に価格を決定できる

しかし、あまりに自由な価格で不動産が売買されると、相場より高く不動産を購入したり、相場より安く不動産を売却するなどして損をする人が現れ、健全な不動産市場が形成されません。

そこで登場するのが、国家資格を有する不動産鑑定士です。

不動産鑑定士は、様々な観点から不動産の適正な価格を鑑定し、不当な価格で売買されることを防ぎます。

不動産鑑定士は様々な観点から不動産の適正な価格を鑑定し、不当な価格で売買されることを防ぐ

そして、不動産鑑定士が不動産の適正な価格を鑑定する際は、この記事のテーマである収益還元法を含めた以下の3つの方法などを用います。

1-1. 不動産鑑定士が行う3つの鑑定方法

収益還元法

賃貸アパートや賃貸マンション、貸しビル、貸店舗、貸し倉庫などを所有しつつ貸せば、家賃による収入を得ることができます。

そのような不動産を事業用不動産などと呼び、不動産鑑定士が事業用不動産の適正な価格を鑑定する際に用いるのが収益還元法です。

収益還元法とは、その事業用不動産を所有することにより得ると予想される将来的な家賃収入などの利益(儲け)から、その不動産の適正な価格を鑑定する方法です。

たとえば、建築費が1億5千万円の事業用不動産であっても、毎月たくさんの家賃が入ると予想される場合は、2憶円や3憶円など高く鑑定されます。

収益還元法とは、その事業用不動産を所有することにより得ると予想される将来的な利益から現時点における適正価格を鑑定する方法
取引事例法

不動産鑑定士が、分譲マンションや土地などの不動産の適正価格を鑑定する際に用いる方法が取引事例法です。

取引事例法では、立地条件や構造などが似ている他の不動産の売値から、その不動産の適正価格を鑑定します。

当サイトのコンテンツである「取引事例比較法とは? わかりやすく解説(イラスト付き)」では、取引事例法の意味をわかりやすくご説明しています。

気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

原価法

不動産鑑定士が、一戸建ての中古住宅などの適正価格を鑑定する際に用いる方法が原価法です。

原価法とは、その不動産を現時点で新築する場合に必要となる建築費などから、その不動産の価格を鑑定する方法です。

当サイトのコンテンツである「原価法とは? わかりやすく解説(イラスト付きでわかりやすい)」では、原価法の意味をわかりやすくご紹介しています。

お時間のある方は、どうぞご覧ください。

以上の3つなどが、不動産鑑定士が不動産の適正な価格を鑑定する際に用いる手法です。

3つの手法のうち、一番最初にご紹介したのが収益還元法であり、収益還元法をわかりやすく解説すると、不動産鑑定士が事業用不動産の適正な価格を鑑定する際に用いる手法となります。

なお、収益還元法により鑑定された不動産の価格は、収益還元価格や収益還元評価などと呼ばれるため留意してください。

2. 収益還元法には、直接還元法とDCF法がある

収益還元法をわかりやすく解説すると、不動産鑑定士が、事業用不動産の適正な価格を鑑定する際に用いる手法です。

ここから、もう少し踏み込んで収益還元法を解説しましょう。

実は収益還元法には、直接還元法とDCF法が存在します。

収益還元法には直接還元法とDCF法がある

以下に、直接還元法とDCF法の意味をわかりやすく簡単にご説明しましょう。

2-1. 直接還元法とDCF法をわかりやすく解説

直接還元法

直接還元法とは、その事業用不動産を所有することにより一年間に得ると予想される利益から、現時点の価格を鑑定する方法です。

たとえば、築年数が新しいなどを理由に家賃が高く設定された賃貸アパートは、多くの家賃収入が見込めるため、直接還元法で鑑定すると価格が高くなります。

DCF法

DCF法とは、その事業用不動産を所有することにより長期的に得ると予想される利益と、所有し続けるために必要な経費を総合的に判断しつつ価格を鑑定する方法です。

直接還元法は、一年間などの短期的な利益だけで事業用不動産の価格を鑑定します。

これに対してDCF法は、長期的な利益と損益から事業用不動産の適正な価格を鑑定します。

そのため、DCF法で鑑定された事業用不動産の価格は、直接還元法で鑑定された価格より精度が勝るとされます。

直接還元法とDCF法はDCF法の方が精度が勝る

3. 収益還元法と還元利回りの関係とは?

収益還元法をわかりやすく解説しました。

収益還元法を手っ取り早く理解したいと希望する方や、不動産について勉強される方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、収益還元法とは、以下のことであるとご説明しました。

収益還元法とは、その事業用不動産を所有することにより得ると予想される将来的な家賃収入などの利益(儲け)から、その不動産の適正な価格を鑑定する方法

この説明にある「その事業用不動産を所有することにより得ると予想される将来的な家賃収入などの利益(儲け)」を還元利回りと呼びます。

誰でもわかる不動産売買では、還元利回りをわかりやすく解説するコンテンツ「還元利回りとは? わかりやすく解説」も公開中です。ぜひご覧ください。

ご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2020年6月
記事公開日:2018年7月