土地を現金で購入した場合は確定申告は不要

土地を現金で購入した場合は確定申告は不要

現金で土地を購入した場合は、確定申告は不要です。

土地を現金購入しつつ確定申告が必要かお調べの方や、確定申告を忘れたと慌てる方へ向けて、確定申告が不要な理由をご説明しましょう。

目次

1. 確定申告が不要な理由

冒頭でご紹介したとおり、土地を現金購入した場合は確定申告は不要です。

その根拠は、国税庁の公式サイト内に設けられたページ「令和2年分確定申告特集 申告書の提出が必要な方とは?」にてご確認いただけます。

同ページには、確定申告が必要な方が記され、詳細は以下のとおりです。

国税庁が告示する確定申告が必要な方

  • 1. 年間の給与所得が2,000万円を超える方など
  • 2. 公的年金による所得があり、その所得から各控除額を差し引きつつ残額がある方など
  • 3. 源泉徴収されない退職金を受け取った方など
  • 4. 上記3つ以外の所得があり、その所得から各控除額を差し引きつつ残額のある方

以上が、国税庁が告示する確定申告が必要な方の詳細であり、土地を現金で購入した方は含まれません。

確定申告とは、昨年などの所得と、その所得にかかる所得税額を税務署長に届け出る申告です。

土地を購入しても所得には該当しません。

よって、確定申告は不要です。

これは、現金で土地を購入した場合も、何らかのローンを組みつつ土地を購入した場合も同じであり、確定申告は不要です。

なお、住宅ローンを利用しつつ土地と建物がセットになっている一戸建て住宅を購入した場合は、確定申告を行うことにより住宅ローン控除が適用されます。

住宅ローン控除とは、一定の条件を満たしつつ、住宅ローンで住宅を購入した場合に適用される所得税が減税される制度です。

現金で土地のみを購入した場合は住宅ローン控除の適用条件を満たさないため、やはり確定申告は不要となります。

また、何らかのローンを利用しつつ土地のみを購入した場合も住宅ローン控除の適用条件を満たさず、同じく確定申告は不要です。

土地を購入しつつ確定申告が必要な状況と不要な状況

▲ 目次に戻る

2. 確定申告が望ましい状況

土地を現金で購入した場合、確定申告は不要です。

また、何らかのローンを利用しつつ土地のみを購入した場合も確定申告は不要となります。

ただし、現金、または何らかのローンを利用して土地のみを購入し、その土地に住宅ローンを利用しつつ一定の条件を満たす住宅を新築する場合は、住宅の完成後に確定申告を行うのが理想です。

そうすれば、住宅ローン控除が適用されます。

現金で購入した土地に住宅ローンで新築する場合は確定申告が望ましい

住宅ローン控除とは、一定の条件を満たしつつ、住宅ローンを利用して住宅を新築、または購入することにより、最長10年間にわたり所得税が減税される制度です。

新築した場合における、住宅ローン控除が適用される主な条件は以下のとおりとなっています。

新築に住宅ローン控除が適用される条件

  • 1. 銀行や建築業者から、返済期間が10年以上の住宅ローンを利用しつつ資金を借り入れ新築する
  • 2. 床面積が50平方メートル以上であり、その半分以上が自らが居住する住宅を新築する
  • 3. 新築が完成した日から6ヵ月以内に入居し、住宅ローン控除が適用される各年の12月31日まで引き続き居住する
  • 4. 新築する年の前後5年以内などに長期譲渡所得の課税の特例を受けていない

詳細は「国税庁タックスアンサーNo.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」にて確認できる

以上が、住宅を新築しつつ住宅ローン控除が適用される主な条件です。

条件を満たしつつ現金、または何らかのローンを組みつつ購入した土地に住宅を新築し、完成後に確定申告を行えば、住宅ローン控除が適用されます。

住宅ローン控除が適用されれば最長10年間にわたり、毎年50万円を上限とするその年の年末の住宅ローン残高の1%が所得税から減税されます。

なお、ご紹介した住宅ローン控除が適用される条件の4に「長期譲渡所得の課税の特例を受けていない」が含まれていますが、「長期譲渡所得の課税の特例」とは、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」などを指します。

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」とは、マイホームを売却しつつ発生した譲渡所得(利益)から最高3,000万円が控除される制度です。

マイホームを購入時より高く売却するなどして利益を得れば、その利益に所得税や住民税が課せられますが、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を適用すれば、3,000万円までの利益に所得税や住民税がかかりません。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例とは?

住宅ローン控除の適用を希望される方の中には、その前後の5年間などに「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受けていることにより、住宅ローン控除が適用されない方が少なからずいらっしゃるため注意してください。

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の詳細は、「国税庁タックスアンサーNo.3302 マイホームを売ったときの特例」にてご確認いただけます。

また、誰でもわかる不動産売買では、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を含む、4つの長期譲渡所得の課税の特例の詳細をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

現金、またはローンで土地のみを購入し、その土地に住宅ローンを利用しつつ新築し、住宅ローン控除の適用を希望される方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

関連コンテンツ
長期譲渡所得の課税の特例とは?

ちなみに、筆者がこの記事を作成する令和3年1月現在、住宅ローン控除を適用するためには、令和3年12月31日までに新築した住宅に入居する必要があります。

▲ 目次に戻る

まとめ - 土地を購入して必要なのは不動産所得税の申告

現金で土地を購入しつつ確定申告が必要かお調べになる方へ向けて、その詳細をご紹介しました。

確定申告とは、昨年などの所得と、その所得にかかる所得税の額を自ら税務署長に届け出る申告です。

土地を購入しても所得とはなりませんから、確定申告は不要となります。

ただし、現金で土地を購入し、その土地に住宅ローンを利用しつつ新築する場合は、住宅の完成後に確定申告を行うことにより住宅ローン控除が適用されます。

住宅ローン控除が適用されれば、最長10年間にわたり毎年50万円を上限とする年末の住宅ローン残高の1%が所得税から減税されます。

土地を購入しつつ確定申告が必要かお調べの方や、確定申告を忘れたと戸惑う方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、現金、または何らかのローンを利用しつつ土地のみを購入した場合の確定申告は不要ですが、原則として30日以内などに、その土地が所在する地域を管轄する税事務所への不動産所得税の申告が必要です。

東京都の不動産取得税の申告書は「東京都主税局 不動産取得税 申告様式」にて、大阪府の申告書は「大阪府 不動産の取得申告」よりダウンロードすることが可能です。

その他の都道府県の申告書は、各都道府県のホームページ内に設けられた検索窓に「不動産取得税 申告書」などと入力しつつ検索することによりダウンロードできるページが見つかります。

とはいうものの、申告を忘れても特にお咎めはなく、不動産取得税の納税通知書だけはきちんと届くため心配はありません。

私も土地を購入しつつ不動産取得税の申告を忘れたことがあり、慌てて税事務所に連絡しましたが、「なぜ申告を忘れたのですか?」と聞かれただけで済みました。

土地を購入して不動産取得税の申告を忘れたとき

ご紹介した内容が、土地を購入した皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年1月

▲ 目次に戻る

こちらの記事もオススメです