不動産を一括で購入すると税務署からお尋ねが。どうすれば良い?

不動産を一括で購入すると税務署からお尋ねが届いた。どうすれば良い?

住宅や土地、マンションなどの不動産を一括で購入すると、税務署からお尋ねの文書が届くことがあります。

お尋ねの内容は資金の調達方法を問うもので、所得税や贈与税の申告漏れを疑っての質問です。

不動産を一括で購入する予定がある方や、不動産を一括で購入しつつお尋ねが届いた方へ向けて、お尋ねが届く時期や対処法、お尋ねを無視した場合の顛末などをご紹介しましょう。

1. お尋ねの内容は?

新築の一戸建てやマンション、中古住宅、中古マンションなどの不動産を現金一括払いで購入すると、お住まいの地域を管轄する税務署からお尋ねの文書が届くことがあります。

文章の名目は「お買いになった資産の買い入れ価額や金額などについてのお尋ね」や「新築、買入れまたは賃借された家屋等についてのお尋ね」など様々ですが、お尋ねの主な内容は以下のとおりです。

  • 購入者の住所、氏名、年齢、職業、年収
  • 買入れた不動産の持分を複数人に設定している場合は、その共有者の住所、氏名、年齢、持分の割合、あなたとの間柄
  • 買入れた不動産の所在地、買入価格、床面積、敷地面積
  • 不動産を買入れた時期
  • 不動産の売主の住所、氏名、買主との関係
  • 不動産を購入する際に要した登記費用や仲介手数料の具体的な金額
  • 預貯金から買入れ資金を賄った場合は、その預入先の金融機関名
  • 住宅ローンから買入資金を賄った場合は、借入先の金融機関名
  • 個人から買入資金を借入れた場合は、その個人の住所、氏名、あなたとの間柄
  • 何かしらの不動産を売却しつつ買入れ資金を賄った場合は、その不動産の所在地、売却金額
  • 何かしらの不動産を売却しつつ利益を得て、その利益で買入れ資金を賄った場合は、その利益に対する確定申告を行った税務署名
  • 無償での資金の提供を受けつつ買入れ資金を賄った場合は、贈与者の住所、氏名、あなたとの間柄、その贈与に課せられる贈与税の申告を行ったか否か、申告を行った場合は申告先の税務署名

以上がお尋ねの内容で、お尋ね用紙に必要事項を記入し、返送することにより完了します。

記入漏れや誤記入がないように慌てずチェックし、落ち着いて返送してください。

1-1. お尋ねが届きやすいのはどんな人?

お尋ねは、不動産を一括で購入した全ての方に届くわけではありません。

届きやすいのは、以下のような状況で不動産を購入した方です。

年齢や年収に見合わない価格の不動産を一括で購入した

年齢が20代や30代などと若く、年収が300~400万円などであるにもかかわらず5,000万円などの不動産を一括で購入すると、年齢や年収に見合わない不動産を現金で買入れたと見なされ、所得税の申告漏れがないか確認するためにお尋ねが届きやすくなります。

住宅ローンを利用せず不動産を一括で購入した

住宅ローンを利用せず年収に見合わない価格の不動産を一括で買入れると、親族間や夫婦間で購入資金の贈与が行われていないか確認するためにお尋ねが届きやすくなります。

年間110万円を超える贈与を受けつつ購入資金を調達した場合は、贈与税が課せられるため注意してください。

資金の提供額に応じた持分が設定されていない

不動産を購入すると、その不動産の名義を売主から買主に変更する登記(名義変更)が必要です。

そして、その登記は、複数人に設定することもできます。

たとえば、夫婦で1,000万円を出し合い2,000万円の土地を購入した場合の名義は、夫の持分が2分の1、妻の持分が2分の1などです。

また、夫婦で1,000万円ずつ資金を出し合い2,000万円の土地を購入したものの、夫の持分を3分の2、妻の持分を3分の1など、資金の提供額に見合わない登記もできます。

しかし、資金の提供額に見合わない持分を登記した場合は、その分の贈与が行われたと見なされ、その贈与に対して贈与税が課せられます。

資金の提供額に応じた持分が設定されていないと、税務署からのお尋ねが届きやすいそのため、複数人で資金を出し合いつつ不動産を購入したものの、それに応じた持分が登記されていない場合は、税務署からのお尋ねが届きやすくなります。

2. お尋ねはいつ届く? 無視するとどうなる?

お尋ねが税務署から届くのは、不動産を一括などで購入後半年から1年程度です。

また、お尋ねは任意調査であり、回答する義務は法的にありません。

よって、お尋ねを無視しても罰則などはありませんが、税務署が所得税や贈与税などの申告漏れを疑っていることには変わりありません。

よって、お尋ねを無視するとあらためて税務署から「調査について」などの文書が届き、税務署に呼び出される可能性があります。

なお、税務署からの呼び出しも無視することが可能ですが、呼び出しを無視すると本格的な税務調査が開始されるため注意してください。

税務署からのお尋ねを無視するとどうなる?

まとめ - 購入資金は贈与ではなく、借り入れるのが理想

不動産を一括で購入する予定がある方や、不動産を一括で購入しつつ税務署からお尋ねが届いた方へ向けて、お尋ねの内容や対処法などをご紹介しました。

年齢や年収に見合わない価格の不動産を現金一括払いで購入すると、半年から1年後などに税務署からお尋ね文書が届くことがあります。

お尋ねの主な内容は、どのように購入資金を調達したか問うもので、税務署がお尋ね文書を送るのは、所得税や贈与税の申告漏れがないか疑っていることが理由です。

お尋ねは無視することが可能ですが、税務署が所得税や贈与税の申告漏れを疑っていることには変わりありません。

そのため、お尋ねを無視すると税務署に呼び出される可能性があります。

呼び出しも無視することが可能ですが、呼び出しを無視すると本格的な税務調査が開始されるため注意してください。

そして、所得税や贈与税の申告漏れがある場合は、申告を求められます。

なお、贈与税とは、人から資金などを譲り受けた際に課せられる税金ですが、資金を借り入れた場合は課せられません。

よって、親族間や夫婦間で資金の贈与を行いつつ不動産を購入することをご検討中の場合は、 贈与ではなく貸し借りを行うのが良いでしょう。

資金の貸し借りを行う際は、口約束ではなく返済期日などを記した金銭消費貸借契約書(いわゆる借用書)を作成し、いつでも税務署に提出できるように大切に保管してください。