中古マンション購入時の注意点。築年数が古くて困ること

中古マンションを購入する際の築年数に関する注意点

築年数が古い中古マンションは、お手頃価格で不動産取得税や固定資産税も安くて魅力的です。

しかし、修繕積立金が高い、防音性が低い、住宅ローンの審査が通りにくい、住宅ローン控除が受けられないなど、いくつかの注意点があります。

築年数が古い中古マンションの購入を検討される方へ向けて、その注意点をご紹介しましょう。

目次

1. 修繕積立金が高い

マンションは10年に一度などの周期で外壁や屋上、エントランス、廊下などの傷みを修繕しつつ塗装などをし直す工事を行い、資産価値の低下を防ぎます。

この10年に一度などの周期で行う工事を大規模修繕と呼び、大規模修繕には数千万円などの費用がかかります。

そのため、多くのマンションは各戸の所有者が修繕積立金という名目で金銭を積み立てつつ大規模修繕に備えますが、修繕積立金は築年数が古い中古マンションほど高くなるのが通例です。

国土交通省の資料「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」によれば、平成22年以降に新築された中古マンションの修繕積立金の平均は8,351円であるのに対し、昭和54年以降に新築された中古マンションの修繕積立金の平均は12,184円とのことです。

築年数が古い中古マンションを購入すると修繕積立金が高い

築年数が古い中古マンションを購入すると修繕積立金が高い

出展:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」の8ページ

築年数が古い中古マンションほど修繕積立金が高くなるのは、築年数が経過すると共に修繕を要する箇所が多くなり、それに伴い大規模修繕の費用が高くなることが理由です。

大規模修繕の費用が高くなれば、各戸の所有者が毎月積み立てる修繕積立金も高くなります。

さらに、中古マンションは築年数が経過するにつれて老朽化しつつ修繕すべき箇所が増えるため、修繕積立金は徐々に値上げされるのが通例です。

このように修繕積立金が高額であり、さらに徐々に値上げされることが築年数が経過した中古マンションを購入する際の注意点のひとつとなります。

なお、中古マンションを所有すると毎月修繕積立金を積み立てると共に管理費を支払う必要がありますが、国土交通省の資料「平成30年度マンション総合調査結果(概要編)」によれば管理費の平均は10,862円などであり、こちらは築年数とは関係せず総戸数が少ないマンションほど高くなる傾向があるとのことです。

また、購入する中古マンションによっては毎月の修繕積立金が5,000円などと少額な物件がありますが、その場合は大規模修繕の直前に一戸あたりにつき50~100万円程度を請求されることがあるため注意してください。

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2. 防音性が低い

多くの中古マンションは鉄筋鉄骨コンクリート造ですが、鉄筋鉄骨コンクリートで作られた床板のことをスラブと呼び、その厚さをスラブ厚と呼びます。

そして、防音性が高いことを謳う新築のマンションのスラブ厚は230mmなどです。

これに対して、築年数が古い中古マンションのスラブは厚くとも150mm、薄い場合は120mmなどの場合もあります。

スラブが薄い中古マンションは上階の足音が下階に響きやすく、静かな環境で生活できません。

これが、築年数が経過した中古マンションを購入する際の注意点のひとつです。

また、築年数が古い中古マンションは、室内の壁がGL工法で仕上げられていることがあります。

GL工法とは、GLボンドと呼ばれる接着剤を用いて石膏ボードを躯体に接着しつつ壁を作る工法です。

築年数が古い中古マンションに採用されているGL工法とは

GL工法は建築コストを抑えられるというメリットがあり、昭和40年代後半から昭和50年代に新築された中古マンションに採用されていることが多く、壁内で音が反響しつつ隣室から発せられる生活音が大きく響くのが特徴です。

さらに、GL工法は隣室の生活音だけではなく、真上や斜め上の部屋、真下や斜め下の部屋の生活音が壁から聞こえてくることもあります。

購入を希望する中古マンションがGL工法であるか否かは、室内の壁を指で軽く叩くことにより簡単に確認することが可能です。

一ヵ所を叩くとコンクリートを叩くような音が鳴り、少し離れた場所を叩くと空洞のような音がする場合は、ほぼ間違いなくGL工法のため注意してください。

なお、購入を希望する中古マンションのスラブ厚や壁の施工方法は、その中古マンションの管理組合に問い合わせれば確認できますが、築年数が古い中古マンションは建築時の資料を紛失し、詳細がわからないこともあります。

建築時の資料が紛失している虞があることも、築年数が経過した中古マンションを購入する際の注意点のひとつです。

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3. 住宅ローンの審査に通りにくい

住宅ローンを利用しつつ住宅を購入する際は、資金を貸し出す銀行が購入する物件を担保に取ります。

そして、借り主からの返済が滞れば、銀行は担保に取った物件を売却しつつ返済金に充当しますが、築年数が古い住宅は満足な金額で売却できません。

満足な金額で売却できない住宅を担保に取りつつ資金を貸し出せば、銀行は貸し倒れる虞があります。

よって、築年数が経過した中古マンションの購入を希望しつつ住宅ローンの審査に申し込むと審査に通らない可能性があり、これが築年数が古い中古マンションを購入する際の注意点のひとつです。

住宅ローンの審査に通りにくい具体的な築年数は、国土交通省が公開する資料「中古住宅流通促進 中古住宅流通促進・活用に関する研究会」の10ページ「マンションに係る住宅ローンの融資条件、成約状況と築年数の関係について」にて確認できます。

同資料が作成されたのは平成25年のため、必ずしも現在の事情に合致するとは限りませんが参考にすることは可能です。

同資料によれば、住宅ローンの審査に通りにくい中古マンションの築年数は35年から60年などとのことです。

築年数が古い中古マンションは住宅ローンの審査に通りにくい

築年数が古い中古マンションは住宅ローンの審査に通りにくい

出展:国土交通省「中古住宅流通促進 中古住宅流通促進・活用に関する研究会」の10ページ

なお、住宅ローンを利用しつつ築年数が経過した中古マンションを購入する際は、審査に通りにくいと共に返済期間が短く設定されることがあるため注意してください。

築年数が古い中古マンションは、築年数が経過するとさらに売却しづらくなります。

よって、築年数が経過した中古マンションを購入するために住宅ローンを組むと返済期間が短く設定されることがあり、これも注意点のひとつとなります。

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4. 住宅ローン控除が受けられない

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用しつつ住宅を購入することにより最長10年にわたり所得税が減額される制度です。

住宅ローン控除は住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入した場合も適用されますが、築25年以下の中古マンションを購入することにより適用されることとなります。

よって、築年数が25年を超える中古マンションを購入する場合は住宅ローン控除が適用されず、これが築年数が経過した中古マンションを購入する際の注意点のひとつです。

ただし、以下のいずれかの条件を満たす場合は、購入を希望する中古マンションの築年数が25年を超える場合であっても住宅ローン控除が適用されるため留意してください。

耐震等級1以上の中古マンションを購入する
耐震等級1、または等級2、もしくは等級3の中古マンションを購入すれば、築年数が25年を超える場合であっても住宅ローン控除の適用を希望することが可能です。
既存住宅売買瑕疵保険に加入する中古マンションを購入する
既存住宅売買瑕疵保険とは、国土交通大臣が指定した保険法人のみが取り扱う中古住宅専用の保険です。

同保険は一定の品質を満たす高品質な中古住宅のみが加入することが可能であり、同保険に加入する物件を購入しつつ引き渡しを受けた後に欠陥が見つかれば保険法人から保険金が支払われます。

購入する中古マンションが同保険に加入していれば、築年数が25年を超える物件であっても住宅ローン控除の適用を希望できます。
耐震改修工事が完了した中古マンションを購入する
耐震改修工事を行うことにより現行の耐震基準を満たす中古マンションを購入すれば、築年数が25年を超える物件であっても住宅ローン控除の適用を希望することが可能です。

以上の3つのいずれかの条件を満たせば、築年数が25年を超える中古マンションを購入する場合であっても住宅ローン控除の適用を希望できます。

ただし、住宅ローン控除の適用を受けるためには、築年数以外にも以下などの条件を満たす必要があるため注意してください。

中古マンションを購入した場合における、築年数以外の住宅ローン控除の適用条件

  • 自らが居住するための中古マンションを令和3年12月31日までに購入しつつ入居する
  • 親族や特別な関係以外の者から中古マンションを購入する
  • 返済期間が10年を超える住宅ローンを利用しつつ中古マンションを購入する
  • 親族や知人ではなく、金融機関や建設業者、勤務先などから資金を借り入れつつ中古マンションを購入する
  • 住宅ローン控除の適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下である
  • 一戸部分の床面積が50㎡以上の中古マンションを購入する
  • 中古マンションを購入しつつ入居した年とその前の2年から、入居した年のその後の3年の合計6年間にかけて、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用を受けていない

詳細は「国税庁タックスアンサーNo.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」にて確認できる

以上が、中古マンションを購入しつつ住宅ローン控除が適用される築年数以外の条件となっています。

一番最後に「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用を受けていない」という条件が含まれますが、その特例とは主に「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例とは、住宅を売却することにより生じた利益に課せられる所得税が減額される特例であり、主に住宅を買い替えた方が適用を希望する特例となっています。

一定の期間内に居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受けた場合は、住宅ローン控除が適用されないため注意してください。

なお、誰でもわかる不動産売買では、長期譲渡所得の課税の特例の詳細をわかりやすく解説するコンテンツを公開中です。

現在お住まいの住宅を売却しつつ築年数が経過した中古マンションを住宅ローンで購入し、住宅ローン控除の適用を希望される方がいらっしゃいましたら是非ご覧ください。

関連コンテンツ
長期譲渡所得の課税の特例とは?

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まとめ - さらに築年数が経過すると建替えが議題に上がる

築年数が経過した中古マンションの購入を希望する方へ向けて、その注意点をご紹介しました。

築年数が経過した中古マンションはお手頃価格であり、購入するための諸費用や不動産取得税、固定資産税なども安く魅力的です。

しかし、修繕積立金が高くさらに値上げする可能性がある、防音性が低い、住宅ローンの審査が通りにくい、住宅ローン控除が適用されないなどの注意点があるため慎重に購入してください。

また、築年数が50年などを超えると管理組合の総会(マンションの住民が集まって開く会合)で建て替えが議題に上がります。

「建物の区分所有等に関する法律(別名:区分所有法)」という法律により建て替えには5分の4以上の住民の同意が必要ですが、建て替えが決定すれば賛成した者は建て替え費用を負担し、反対した者は賛成した者に買取を請求しつつ退去しなくてはなりません。

そうなれば、多くの労力が必要となります。

全てのマンションはいつかは建て替えしなくてはなりませんが、築年数が経過した中古マンションはその日が近いことは間違いありません。

よって、築年数が経過した中古マンションを購入する際は、焦らず落ち着いて検討してください。

ご紹介した内容が、築年数が古い中古マンションの注意点をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

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