中古物件をローンで購入する流れをわかりやすく解説

中古物件をローンで購入する流れをわかりやすく解説

はじめて不動産を購入する際は、手順が分からず戸惑いますが、流れを把握すれば決して難しくありません。

中古物件をローンで購入したいと希望する方へ向けて、審査に通りやすくなる秘訣を交えつつ、中古物件を購入する流れと、中古物件を購入して、住宅ローン控除が適用される条件をわかりやすく解説しましょう。

なお、ご紹介する流れは、不動産業者が仲介する、一般の方が売主である中古物件をローンで購入する場合に限られます。

不動産業者が直接販売する、不動産業者が売主の中古物件をローンで購入する場合は流れが異なるため、ぜひ注意してください。

1. 手順は全部で9つ 中古物件をローンで購入する流れ

これから中古物件をローンで購入したいと希望する方へ向けて、購入する流れをポイント付きでわかりやすく解説しましょう。

手順は一見すると複雑ですが、焦らず最後までお読みになり、ぜひ不動産を購入する夢を実現させてください。

なお、ご紹介する内容は、中古の一戸建てを購入する際にも、中古のマンションを購入する際にも適用できます。

また、ご紹介する流れは一般的なものであり、中古物件を仲介する不動産業者や、売主の希望で順番が前後することがあるため注意してください。

流れ1. 購入する中古物件を探す

まず、購入する中古物件を探します。

探し方は様々ですが、始めにアットホームライフルホームズなどのウェブサイトで探し、煮詰まったころに不動産業者の実店舗に出向き、対面で相談しつつ、中古物件を斡旋してもらうのが良いでしょう。

なお、中古物件を住宅ローンで購入する際は、金融機関の審査に通らなければなりませんが、その際は皆さんの収入状況などと共に、物件の担保力が確認されます。

物件の担保力の確認とは、その物件を相応の価格で再び売却できるか確認することで、あまりに築年数が古い中古物件や、法的な理由で再建築ができない一戸建てなどは担保力がないと判断され、住宅ローンの審査が通りません。

よって、住宅ローンを利用しつつ中古物件を購入する際は、築浅の物件や、法的に再建築ができる物件を選ぶように心掛けてください。

金融機関が審査の際に物件の担保力を確認するのは、住宅ローンの利用者からの返済が滞った際に、その物件を売却しつつ、返済の代わりとするためです。

また、木造は20年、鉄筋コンクリート造は25年の築年数を超える中古物件は、一定の耐震基準を満たすリフォームを施さない限り、住宅ローン控除が適用されません。

そのため、住宅ローン控除を適用させつつ中古物件を購入したいと希望する場合は、中古物件の築年数も考慮してください。

流れ2. 不動産業者と媒介契約を締結し、売主に購入申込を行う

購入を希望する中古物件が見つかり次第、不動産業者と媒介契約を締結し、不動産業者を通しつつ、売主に購入申し込みを行います。

媒介契約とは、その不動産業者を仲介させつつ不動産を購入することを約束するもので、不動産業者を仲介させつつ中古物件を購入する際は、媒介契約が欠かせません。

また、媒介契約を交わしつつ不動産を購入する際は、不動産業者に「物件価格の3%+6万円」などの仲介手数料を支払う必要があります。( 仲介手数料は、媒介契約締結時ではなく後日支払います )

そして、不動産業者と媒介契約を締結した後は、不動産業者を通しつつ、中古物件の売主に購入申込みを行います。

なお、不動産業者と媒介契約を締結し、売主に購入申し込みを行う際は、ローンで購入する予定であり、これから審査を受けることを伝えてください。

購入申し込みはキャンセルが可能で、違約金も発生しません。

流れ3. 重要事項説明を受け、売主と売買契約を締結する

売主が購入申し込みに承諾すれば、不動産業者から重要事項説明を受け、売主と売買契約を締結します。

重要事項説明とは、中古物件の傷み具合や設備状況などが説明されるもので、内容に納得すれば、重要事項説明書に署名捺印することにより完了します。

そして、売主と売買契約を締結する際は、物件価格の10%程度の手付金を支払うのが通例で、手付金は物件価格の残金から差し引かれます。

また、売買契約を締結する際は、不動産業者に対して、仲介手数料の半額(「物件価格の3%+6万円」などの半額)を支払う必要があります。

つまり、中古物件をローンで購入する際は、住宅ローンの融資が実行される前に、物件価格の10%程度の手付金と、仲介手数料の半額を用意しておく必要があるため、注意してください。

なお、売買契約の締結後は、金融機関に住宅ローンの審査を申し込みますが、審査に通らない場合は、残念ながら残金を決済できません。

よって、売買契約書には「住宅ローン特約(住宅ローンの審査に通らない場合は契約が無効になり、手付金が返金される特約)」を付けておくことが大切です。

流れ4. 住宅ローンの仮審査に申し込む

売主と売買契約を締結した後は、金融機関に住宅ローンの仮審査を申し込みます。

仮審査の際は、用意している頭金の額などを確認されますが、可能であれば、物件価格の2割程度を用意しておくのが理想です。

頭金なしのフルローンを希望する場合は、審査が厳しくなったり、金利が高くなるなどのデメリットがあります。

なお、住宅ローンは多種多様で複雑な印象がありますが、実は以下の3種類しかありません。

実は3種類しかない住宅ローンの種類
・審査が穏やかで金利が高い「フラット35(住宅金融支援機構の住宅ローン)」
・審査が厳格で金利が安い「民間ローン(民間の金融機関による独自の住宅ローン)」
・職場で財形貯蓄を行う人などが利用できる「公的ローン」
住宅ローンの種類は、当サイトのコンテンツである「 住宅ローンの種類とメリットを解説(実は3種類しかない!?) 」にて詳しく解説中です

また、仮審査を受ける際は、過去5年間に利用したローンや、クレジットカードのキャッシングサービスの利用状況などの信用情報が確認されます。

そのため、住宅ローンの仮審査に申し込む際は、現在利用中のローンを早期返済したり、余分なキャッシングサービスの利用を控えるのが理想です。

流れ5. 住宅ローンの本審査に申し込む

仮審査の結果は1週間程度で通知され、仮審査に通り次第、本審査に申し込みます。

本審査では、中古物件の売買契約書、健康診断証明書などの提示を求められ、本格的な審査が実施されます。

なお、仮審査に通り、本審査に落ちることはあるかと心配される方がいらっしゃいますが、申し込むローンにより異なります。

例えば、フラット35は、仮審査は民間の金融機関が行い、本審査は住宅金融支援機構が行います。

つまり、フラット35は、仮審査と本審査が別々の担当者が行うわけです。

そのため、フラット35は、仮審査に通っても本審査で落ちることがあります。

反対に、民間ローン(民間の金融機関が実施する独自の住宅ローン)は、仮審査も本審査も同じ担当部署などが行います。

よって、民間ローンは、虚偽の申請を行いつつ仮審査に通るなどしない限り、仮審査に通って本審査に落ちる可能性は低いといえるでしょう。

流れ6. 融資実行と、物件価格などの残金支払い

本審査に通れば、住宅ローンの融資が実行され、売主への物件代金の残金と、不動産業者への仲介手数料の残金を支払います。

また、住宅ローンを利用するためには、融資額の1~10%程度の融資事務手数料(住宅ローンを利用するための手数料)を金融機関に支払う必要があります。

融資額の1~10%と聞くと、高額になるのではと心配になりますが、高額になる場合は融資額から差し引かれるため、過度の心配は不要です。

なお、住宅ローンを利用しつつ不動産を購入する場合は、必ず火災保険に加入しなくてはなりません。

住宅ローンを利用する金融機関により異なりますが、融資が実行される数日前に火災保険料を請求されることがあるため、ぜひ注意してください。

流れ7. 中古物件の名義変更と抵当権の設定

売主への中古物件の残金の支払いが済めば、抵当権(ローンの返済が滞った際に、金融機関が中古物件を売却できるなどの権利)を設定しつつ、中古物件の名義を買主に変更する「所有権移転登記」を行います。

所有権移転登記は、金融機関が斡旋する司法書士が行いますが、その際は5~8万円程度の報酬と、5万円程度の登録免許税(所有権移転登記を行う際に課せられる税金)が必要です。

司法書士に支払う報酬と登録免許税は、融資額から支払うのが通例ですが、金融機関によっては融資実行日の数日前に請求することがあるため注意してください。

流れ8. 中古物件への入居・住宅ローンの返済期間の開始

中古物件への入居が可能になり、住宅ローンの返済期間が開始されます。

流れ9. 不動産取得税の支払い

中古物件を購入して3~4ヶ月後に、都道府県役場から不動産取得税の納税通知書が届きます。

不動産取得税とは、不動産を取得した者に課せられる地方税で、購入する中古物件の建物部分と土地部分の固定資産税評価額(固定資産税額を決定するために国土交通省などが算出した不動産の価格)に応じて税額が決定します。

不動産取得税の納税通知書には、一括での納付書が同封されていますが、都道府県役場に電話で相談することにより、分割での支払いに応じてくれる場合もあります。

不動産取得税を支払えば、中古物件をローンで購入する流れの完了です。

皆さんお疲れさまでした。

なお、不動産取得税の算出方法は以下のとおりです。

不動産取得税の算出方法
(中古物件の建物部分の固定資産税評価額 × おおむね3%)+(中古物件の土地部分の固定資産税評価額 × おおむね3%)
固定資産税評価額は、物件価格より大幅に低いのが通例
固定資産税評価額は、中古物件の築年数が古ければ古いほど安くなる
固定資産税評価額は、木造は安く、鉄筋コンクリート造は高い傾向がある
中古物件の固定資産税評価額は、中古物件を仲介する不動産業者に問い合わせれば確認できる
都道府県役場に問い合わせれば、中古物件の固定資産税評価額と共に、中古物件の不動産取得税額を確認できる
不動産取得税の納税は一括だが、都道府県役場に相談すれば分割できる場合もある

コラム なぜローンの審査の前に、売主と売買契約を締結する?

1. 手順は全部で9つ 中古物件をローンで購入する流れ」でご紹介しましたが、中古物件をローンで購入する際は、中古物件の売主と売買契約を締結した後に、金融機関に住宅ローンの審査を申し込みます。

そして、審査に落ちた場合は、売主との売買契約をキャンセルせざるを得ません。 つまり、場合によっては、売買契約が徒労に終わるわけです。

売買契約をキャンセルすれば、買主の労力が報われず、売主の方にも迷惑が掛かります。

であれば、住宅ローンの審査に通ってから、売主と売買契約を締結すれば良いと考えますが、住宅ローンの本審査を申し込む際は、売買契約書の提出を求められます。

これは、金融機関が住宅ローンの審査を行う際に、買主が本気で不動産を購入する気持ちがあるか、ローンを完済する志があるか確認するためです。

そのため、売主と売買契約を締結した後に、住宅ローンの審査に申し込み、最悪の場合は売買契約が無効になるという面倒な手続きが必要となります。

なお、仮審査は、複数の金融機関に申し込むことが可能です。

よって、審査に不安がある場合は、複数の金融機関に仮審査を申し込めば良いでしょう。

ただし、仮審査に申し込むと、金融機関が共有する情報に跡が残るため、複数の金融機関に仮審査を申し込む場合は、短期間に集中して申し込むのが理想です。

また、住宅ローンの審査を受ける前に売買契約を締結するのが不安な場合は、金融機関に相談しつつ、現時点で審査に通る見込みがあるか確認するのが有効です。

審査に不安がある場合は、複数の金融機関に仮審査を申し込んだり、事前に「審査見込み」を確認するのがおすすめです。

2. 中古物件を購入した場合における、住宅ローン控除の適用条件

一定の条件を満たしつつ中古物件をローンで購入すると、住宅ローン控除(住宅ローン減税)が適用されます。

住宅ローン控除とは、住宅ローンで購入した住宅に入居した日から10年間、毎年最大50万円を上限として、その年の年末の住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から控除されるというものです。

住宅ローン控除の控除額
所得税 - その年の年末の住宅ローン残高×1%(最大50万円)
購入する中古物件が長期優良住宅の場合は最大50万円、一般的な中古物件の場合は最大40万円が控除される
所得税で控除しきれない分は、住民税から控除される

ただし、中古物件をローンで購入し、住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

中古物件を購入して、住宅ローン控除が適用される条件
・2021年12月31日までに、自己の住まいとして中古物件に入居する
・購入後6ヵ月以内に、自己の住まいとして中古物件に入居する
・その年の12月31日まで中古物件に居住する
・その年の合計取得金額が3,000万円以下である
・購入した中古物件の床面積が50㎡以上である
・住宅ローンの返済期間が10年以上である
・築20年以下の木造の中古住宅、または、築25年以下の鉄筋コンクリート造の中古物件を購入した
詳しくは「 すまい給付金 住宅ローン減税制度利用の要件 」や「 国税庁 No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除) 」をご覧ください

なお、中古物件を購入して住宅ローン控除を受けるためには、会社員の方は1年目は確定申告による届け出が必要で、2年目からは勤務先が手続きを代行してくれます。

また、自営業の方は、住宅ローン控除の期間が完了するまで、毎年の確定申告で住宅ローン控除に関する記載が必要です。

そして、2019年10月から消費税率が10%に増税されますが、増税後は、住宅ローン控除が適用される期間が13年間に延長されることが決定しています。

消費税の増税と聞くと、気になるのが中古物件の消費税ですが、購入する中古物件が以下の条件を満たす場合は、消費税自体が掛かりません。

中古物件に消費税が掛からない条件
売主が個人であり、尚且つ、マイホームや別荘として使われていた中古物件

反対に、購入する中古物件が以下の条件に合致する場合は、中古物件の建物部分の価格に対して消費税が掛かるため、注意してください。

中古物件に消費税が掛かる条件
・売主が個人であり、尚且つ、賃貸しするなど事業として使っていた中古物件
・売主が不動産業者などの事業者である中古物件

住宅ローン控除の減税額を考慮しつつ、ローンの返済計画を立てる方もいらっしゃいます

3. まとめ

中古物件をローンで購入したいと希望する方へ向けて、審査に通りやすくなるポイントを交えつつ、購入する流れと、購入することにより適用される住宅ローン控除をご紹介しました。

不動産をローンで購入する流れは、現金で購入するより複雑です。

しかし、一つ一つ乗り越えれば、必ず中古物件を購入できるため、焦らず挑戦してください。

なお、住宅ローンで中古物件を購入する場合は、中古物件を購入するための諸費用(不動産業者に支払う仲介手数料など)と、住宅ローンを利用するための諸費用(金融機関に支払う事務手数料など)が必要です。

中古物件を購入するための諸費用は、中古物件の価格の5~10%程度、住宅ローンを利用するための諸費用は、借入額の2~5%程度になるのが通例のため、ぜひ留意してください。

また、住宅ローンを選ぶ際は、諸費用が安い住宅ローンに目を引かれますが、諸費用が安い住宅ローンは金利が高い傾向があります。

そのため、利用する住宅ローンを選ぶ際は、諸費用だけではなく、金利を踏まえた返済総額に注目することが大切です。

ご紹介した内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。