中古住宅を購入したい。住民票が必要なタイミングはいつ?

中古住宅を購入したい。住民票が必要なタイミングはいつ?

中古住宅を購入する際は様々な書類が必要ですが、その代表が住民票です。

中古住宅を購入する流れと共に住民票の提出を求められるタイミングをご紹介し、新住所が記載された住民票が望ましい理由などを解説しましょう。

なお、ご紹介する住民票を求められるタイミングは一般的な事例であり、その中古住宅を取り扱う不動産業者によって異なる場合があるため注意してください。

1. 住民票が必要になるタイミング

住民票を求められるタイミングは、住宅ローンを利用する場合と、現金で中古住宅を購入する場合によって異なります。

それぞれのタイミングは、以下のとおりです。

住宅ローンで中古住宅を購入する場合

住宅ローンで中古住宅を購入する場合は、以下の流れで購入します。

住宅ローンで中古住宅を購入する流れ

  • 理想の中古住宅を探す
  • 理想の中古住宅が見つかり次第、その物件を取り扱う不動産業者を通して売り主に購入申し込みを行う
  • 売り主が購入申し込みを受諾すれば、その物件を取り扱う不動産業者と媒介契約を締結する
  • 不動産業者から重要事項説明を受ける
  • 売り主に手付金を支払い、売り主と売買契約を締結する
  • 金融機関に住宅ローンの仮審査を申し込む
  • 仮審査に通れば本審査を申し込む
  • 本審査に通れば融資が実行される
  • 融資が実行されれば売り主に物件代金の残金を支払い、不動産業者に仲介手数料を支払う
  • 司法書士により抵当権の設定登記と所有権移転登記が行われる
  • 中古住宅が引き渡される

購入する中古住宅の売り主が不動産業者の場合は、3の仲介契約の締結は不要

以上が、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する流れです。

住民票を求められるタイミングは、7の住宅ローンの本審査に申し込む際と、司法書士により抵当権の設定登記と所有権移転登記が行われる10のタイミングです。

留意事項
不動産業者によっては、5の売買契約のタイミングで本人確認書類として住民票の提出を求めることがあるため留意してください

7の住宅ローンの本審査に申し込む際に必要となる住民票は金融機関に提出し、金融機関は本人確認書類などとして住民票を使用します。

10の抵当権の設定登記と所有権移転登記の際に必要となる住民票は司法書士に手渡し、住民票を預かった司法書士は、法務局(法務省の地方支部局)で抵当権の設定登記と所有権移転登記の手続きを行う際に住民票を使用します。

抵当権の設定登記とは、購入した中古住宅を担保に取る者が存在することを記す登記です。

住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、資金を貸し出す金融機関がその物件を担保に取ります。

そして、住宅ローンの利用者が返済を滞らせた際は、金融機関(または住宅ローンの返済を保証する保証会社)が担保に取った物件を売却しつつ返済金に充当します。

非情ですが、住宅ローンを利用しつつ住宅を購入する際は、抵当権の設定登記が行われるのが通例です。

また、所有権移転登記とは、購入する中古住宅の名義を売り主から買い主に変更する登記です。

住宅ローンで中古住宅を購入する際は、抵当権の設定登記と所有権移転登記が必要となり、その手続きに買い主の住民票が必要となります。

なお、7の際に金融機関から求められる住民票は発行後3ヵ月以内である必要があり、10の際に必要となる住民票は発行後の日数は問われませんが、新しい住民票を用意するのが理想です。

ちなみに、誰でもわかる不動産売買では、登記や抵当権の設定登記の意味をわかりやすく解説するコンテンツも公開しています。

中古住宅の購入をご予定の方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

関連コンテンツ
登記とは?わかりやすく解説
抵当権が付くと「抵当権の設定登記」が必要

現金で中古住宅を購入する場合

現金で中古住宅を購入する際は、主に以下の流れで購入します。

現金で中古住宅を購入する流れ

  • 理想の中古住宅を探す
  • 理想の中古住宅が見つかり次第、その物件を仲介する不動産業者を通して売り主に購入申し込みを行う
  • 売り主が購入申し込みを受諾すれば、その物件を仲介する不動産業者と仲介契約を結ぶ
  • 不動産業者から重要事項説明を受ける
  • 売り主に手付金を支払い、売り主と売買契約を締結する
  • 後日売り主に残金を支払い、不動産業者に仲介手数料を支払う
  • 司法書士に委託しつつ所有権移転登記を行う
  • 中古住宅が引き渡される

購入する中古住宅の売り主が不動産業者の場合は、3の仲介契約の締結は不要
不動産業者によっては5の手付金の支払いを省略し、6で代金を一括で支払わせる場合がある

以上が、現金で中古住宅を購入する際の主な流れです。

住民票の提出を求められるのは7のタイミングであり、司法書士に住民票を手渡すのが通例です。

住民票を預かった司法書士は、法務局で所有権移転登記の手続きを行う際に住民票を使用します。

所有権移転登記とは、購入した中古住宅の名義を売り主から買い主に変更する登記です。

所有権移転登記は1週間~10日程度で完了し、司法書士に預けた住民票は、手続き完了後に郵送などで返却されます。

なお、中古住宅を仲介する不動産業者によっては、5で中古住宅の売り主と売買契約を締結する際に、本人確認書類として住民票の提示を求めることがあるため留意してください。

余談ですが「誰でもわかる不動産売買」では、所有権移転登記の意味をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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所有権移転登記とは?誰がする?図解でわかりやすく解説

中古住宅を購入する際に住民票が必要となるタイミング

2. 中古住宅を購入する際に必要となる住民票の種類

住民票には、世帯者全員の情報が記されている「世帯全員の写し」と、世帯者のうちの一人などの情報が記されている「世帯一部の写し」があります。

中古住宅を購入する際に必要となるのは、購入する物件の所有者になる者に関する情報が記された住民票です。

購入する物件の所有者になる者に関する情報が記されていれば、「世帯全員の写し」と「世帯一部の写し」のどちらでもかまいません。

ただし、ペアローンや親子リレーローンなど、ご夫婦や親子で住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する場合は、この限りではないため注意してください。

ご夫婦や親子で住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する場合は、金融機関から「世帯全員の写し」の提出を求められます。

また、世帯を別にする親子で住宅ローンを利用する場合は、それぞれの世帯の住民票の提出を求められるのが通例です。

ご夫婦や親子で住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する場合は、必要となる住民票の種類の詳細を金融機関にご確認ください。

3. 住民票は新住所が望ましい

この記事の「1. 住民票が必要になるタイミング」にてご紹介したとおり、中古住宅を購入する際は司法書士に住民票を預ける必要があります。

その住民票ですが、可能であれば提出する前に購入する中古住宅に住所を移し、新住所が記載された住民票を預けるのが理想です。

購入する中古住宅に住所を移し、新住所が記載された住民票を預ければ後の手間を省略できます。

中古住宅を購入後は、その物件の新たな所有者になったことを登記簿に記さなければなりません。

登記簿とは、不動産の所有者などに関する情報が記された公の帳簿であり、法務省の地方支部局である法務局に設置されています。

中古住宅を購入する前の登記簿には、中古住宅の売り主がその物件の所有者であることが、売り主の氏名と住所と共に記されています。

購入前の中古住宅の登記簿には、売り主が所有者であると記されている

不動産の所有者は、その物件の所有者が自分であることを登記簿に記すことにより所有権を主張することが可能です。

そのため、中古住宅を購入した暁には、買い主は登記簿に記されている所有者に関する情報を自己の住所と氏名に書き換える必要があります。

登記簿に記されている所有者に関する情報を書き換えなければ、中古住宅を購入したにもかかわらず買い主は所有権を主張できません。

この登記簿に記されている所有者に関する情報を書き換えることを所有権移転登記と呼びます。

所有権移転登記は司法書士が代行しますが、所有権移転登記により書き換えられる新たな所有者の住所に関する情報は、預けた住民票に記されている住所が記載されます。

つまり、中古住宅を購入する際に司法書士に預ける住民票の住所が前住所であれば、購入した物件に引っ越した後も登記簿に記されている住所に関する情報が前住所のままになってしまうというわけです。

中古住宅を購入する際の住民票は新住所が望ましい

これを防ぐには、中古住宅を購入する前に購入する物件に住所を移し、新住所が記された住民票を司法書士に預けるのが有効です。

そうすれば、所有権移転登記後の登記簿の内容が新住所となります。

なお、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、本審査の際に本人確認書類などとして住民票の提出を求められますが、その住民票に記されている住所は、前住所(その時点の住所)の必要があるため注意してください。

新住所が記載された住民票を提出するのは、所有権移転登記のために司法書士に預ける住民票のみです。

また、所有権移転登記後の登記簿に前住所が記されたとしても修正するのは簡単です。

よって、無理に新住所が記された住民票を司法書士に預ける必要はありません。

修正する手順は、以下のとおりです。

所有権移転登記後に前住所から新住所に書き換える手順

  • 前住所と新住所の記載がある住民票を市区町村役場で取り付ける
  • 法務局の公式ホームページ「不動産登記の申請書式について」の「10 登記名義人住所・氏名変更登記申請書(住所移転の場合)」から申請書をダウンロードしつつプリントアウトし、必要事項を記入する
  • 土地付き一戸建て中古住宅や中古マンションを購入した場合は2,000円分、土地が付かない建物のみの一戸建て中古住宅を購入した場合は1,000円分の収入印紙を最寄りの郵便局などで購入する
  • 購入した中古住宅が所在する地域を管轄する法務局に申請書と住民票、収入印紙を郵送する( 日本全国各地の法務局の場所は「法務局:管轄のご案内」にてお探しいただけます )

3で購入する収入印紙の額は、購入した中古住宅の状況によって異なる場合があります。詳しくは最寄りの法務局にお問い合わせください。

上記の手続きを行うことにより、登記簿に記されている住所を前住所から新住所に修正することが可能です。

以下は、法務局の公式ホームページからダウンロードできる申請書です。

登記名義人住所・氏名変更登記申請書の申請書

出展:法務局「不動産登記の申請書式について

以下は、法務局の公式ホームページで公開されている申請書の記入例となります。

登記名義人住所・氏名変更登記申請書の申請書の記載例

出展:法務局「不動産登記の申請書式について

上記の申請書の記入例は、クリックすることにより法務局が公開する原本をご覧いただけます。

原本には、記載例と共に申請書に添付すべき住民票に関する注意事項などが記されているため、ぜひご確認ください。

まとめ - 住民票にマイナンバーの記載は不要

中古住宅の購入を予定しつつ必要書類を調べる方へ向けて、中古住宅を購入する流れと共に、住民票の提出を求められるタイミングをご説明しました。

住宅ローンで中古住宅を購入する場合は、住宅ローンの本審査に申し込む際と、購入した中古住宅の名義を変更する「所有権移転登記」などを行う際に住民票が必要です。

また、現金で中古住宅を購入する場合は、購入した中古住宅の名義を変更する「所有権移転登記」を行う際に住民票が必要となります。

ただし、購入を希望する中古住宅を取り扱う不動産業者や、住宅ローンを申し込む金融機関により、住民票の提出を求められるタイミングが異なる場合があるため留意してください。

なお、最近は住民票にマイナンバーを記載できますが、中古住宅を購入する際に必要となる住民票にマイナンバーの記載は不要です。

さほど心配はありませんが、住民票にマイナンバーが入っていると、銀行員や司法書士、不動産仲介業者などに、あなたの個人情報を見られる虞があります。

ご紹介した内容が、中古住宅の購入を希望する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。