不動産を売買する際の仲介手数料の相場を早見表で解説

不動産の仲介手数料の相場を早見表で解説

不動産業者を仲介させつつ不動産を売買する際は不動産屋に仲介手数料を支払う必要があり、3,000万円の不動産を売買する場合は、その額は96万円と高額です。

さらに、仲介手数料には10%の消費税も掛かります。

仲介手数料が高いとお嘆きの方へ向けて、早見表を用いて相場をご紹介しましょう。

なお、ご紹介するのは不動産を売買する際の仲介手数料であり、アパートやマンションを貸し借りする場合には該当しないため注意してください。

目次

1. 仲介手数料は、国土交通省により上限が定められている

不動産業者を仲介させつつ不動産を売買する際は、売主と買主の双方が不動産業者に仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料の額は不動産の売買価格により異なり、売買価格が高額になるほど仲介手数料も高くなりますが、不動産業者が勝手に金額を決定しているわけではありません。

仲介手数料の上限は、国土交通省の告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の「第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額」にて上限が定められています。

不動産の仲介手数料は国土交通省が上限を定めている

同告示に記されている、不動産を売買する場合における仲介手数料の上限は以下のとおりです。

国土交通省の告示に記されている仲介手数料の上限

仲介手数料の上限
(10%の消費税込み)
売買価格の200万円以下の部分 その5.5%
売買価格の200万円超400万円以下の部分 その4.4%
売買価格の400万円を超える部分 その3.3%

上記の表ではわかりにくいため、早見表で仲介手数料の上限をわかりやすくご紹介しましょう。

1-1. 不動産売買の仲介手数料の早見表

不動産の売買価格 仲介手数料の上限 10%の消費税込み
200万円以下 100,000円 110,000円
200万円超
400万円以下
180,000円 198,000円
400万円超
500万円以下
210,000円 231,000円
500万円超
600万円以下
240,000円 264,000円
600万円超
700万円以下
270,000円 297,000円
700万円超
800万円以下
300,000円 330,000円
800万円超
900万円以下
330,000円 363,000円
900万円超
1,000万円以下
360,000円 396,000円
1,000万円超
1,100万円以下
390,000円 429,000円
1,100万円超
1,200万円以下
420,000円 462,000円
1,200万円超
1,300万円以下
450,000円 495,000円
1,300万円超
1,400万円以下
480,000円 528,000円
1,400万円超
1,500万円以下
510,000円 561,000円
1,500万円超
1,600万円以下
540,000円 594,000円
1,600万円超
1,700万円以下
570,000円 627,000円
1,700万円超
1,800万円以下
600,000円 660,000円
1,800万円超
1,900万円以下
630,000円 693,000円
1,900万円超
2,000万円以下
660,000円 726,000円
2,000万円超
2,100万円以下
690,000円 759,000円
2,100万円超
2,200万円以下
720,000円 792,000円
2,200万円超
2,300万円以下
750,000円 825,000円
2,300万円超
2,400万円以下
780,000円 858,000円
2,400万円超
2,500万円以下
810,000円 891,000円
2,500万円超
2,600万円以下
840,000円 924,000円
2,600万円超
2,700万円以下
870,000円 957,000円
2,700万円超
2,800万円以下
900,000円 990,000円
2,800万円超
2,900万円以下
930,000円 1,023,000円
2,900万円超
3,000万円以下
960,000円 1,056,000円
3,000万円超
3,100万円以下
990,000円 1,089,000円
3,100万円超
3,200万円以下
1,020,000円 1,122,000円
3,200万円超
3,300万円以下
1,050,000円 1,155,000円
3,300万円超
3,400万円以下
1,080,000円 1,188,000円
3,400万円超
3,500万円以下
1,110,000円 1,221,000円
3,500万円超
3,600万円以下
1,140,000円 1,254,000円
3,600万円超
3,700万円以下
1,170,000円 1,287,000円
3,700万円超
3,800万円以下
1,200,000円 1,320,000円
3,800万円超
3,900万円以下
1,230,000円 1,353,000円
3,900万円超
4,000万円以下
1,260,000円 1,386,000円
4,000万円超
4,100万円以下
1,290,000円 1,419,000円
4,100万円超
4,200万円以下
1,320,000円 1,452,000円
4,200万円超
4,300万円以下
1,350,000円 1,485,000円
4,300万円超
4,400万円以下
1,380,000円 1,518,000円
4,400万円超
4,500万円以下
1,410,000円 1,551,000円
4,500万円超
4,600万円以下
1,440,000円 1,584,000円
4,600万円超
4,700万円以下
1,470,000円 1,617,000円
4,700万円超
4,800万円以下
1,500,000円 1,650,000円
4,800万円超
4,900万円以下
1,530,000円 1,683,000円
4,900万円超
5,000万円以下
1,560,000円 1,716,000円
それ以上 売買価格の3%+6万円
+10%の消費税
-

上記が仲介手数料の上限の早見表であり、2,000万円の不動産を売買すると、その仲介手数料は消費税込み72万6千円にもなります。

また、3,000万円の不動産を売買する場合は、その仲介手数料は消費税込み105万6千円です。

このように仲介手数料は高額になりますが、先にご紹介したとおり、不動産業者が不動産の売買を仲介する際は、売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ります。

つまり、不動産屋が上手に2,000万円の不動産の売買を仲介すれば、132万円(66万円×2 = 132万円)もの仲介手数料が手に入るというわけです。

不動産屋は日々増え続けていますが、高額な仲介手数料が支払われることが理由といえるでしょう。

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400万円以下の空き家や空き地の仲介手数料は異なる

不動産業者の事務所、または会社から遠方に所在する400万円以下の空き家や空き地を売買する際は、先にご紹介した仲介手数料に加え、現地の調査費用も請求されることがあるため注意してください。

たとえば、200万円以下の空き家や空き地を売買する場合は、その仲介手数料は本来であれば10万円(消費税別)ですが、10万円に加え現地の調査費用が追加で請求されます。

400万円以下の空き家や空き地を売買する際は仲介手数料に加え現地の調査費用を請求されることがある

ただし、現地の調査費用が請求される場合は、仲介手数料と現地の調査費用の合計は最高18万円(消費税別)までとなっています。

この取り決めは、国土交通省の告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の「第七 空家等の売買又は交換の媒介における特例」にて確認することが可能です。

コラム:なぜ高い仲介手数料を支払う必要がある?

不動産業者を仲介させつつ不動産を売買する際は、高額な仲介手数料を支払わなければなりません。

反対に、不動産屋を仲介させなければ仲介手数料は発生しません。

ようするに、不動産屋を仲介させずに不動産を個人間で売買すれば、仲介手数料を節約できるというわけです。

これを理由にYahoo!やGoogleなどで個人間で不動産を売買する方法を調べる方がいらっしゃいますが、個人間での不動産売買には大きなリスクがあります。

不動産業者は高すぎる仲介手数料を請求しますが、その代わり、仲介した売買取引に不備があった場合はその責任を負います。

たとえば、いい加減な売買を仲介し、引き渡された不動産に瑕疵(欠陥)が発見された場合は、不動産業者に過失があると認められる場合は賠償するといった具合です。

仲介手数料は高くなりがちですが、売主や買主からすれば一種の保険料となっています。

不動産業者を仲介させず不動産を売買すれば仲介手数料を節約できますが、引き渡された物件に瑕疵が発見された場合は、売主と買主だけで解決しなくてはなりません。

また、個人売買で不動産を売り買いする場合は、住宅ローンの審査も受けられません。

理由は、本審査の際に重要事項説明書のコピーの提出を求められるためです。

重要事項説明書とは、売主と売買契約を締結する前に不動産業者から受ける重要事項説明(不動産の現状に関する説明)の内容がまとめられた書面であり、重要事項説明は宅地建物取引士しか実施できません。

重要事項説明書とは?

宅地建物取引士が在籍するのは不動産会社です。

つまり、不動産業者を仲介させない個人間売買では重要事項説明が受けられず、重要事項説明書も交付されず、必要書類が揃っていないことを理由に住宅ローンの審査を受けられないというわけです。

さらに、個人売買で不動産を購入すると、住宅ローン控除も適用されません。

理由は、住宅ローン控除は、金融機関から住宅ローンを借り入れた場合に限り適用されるためです。

個人売買では住宅ローンを利用できないため、住宅ローン控除も適用されません。

このように不動産業者を仲介させない不動産売買は、様々な弊害を伴います。

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2. 仲介手数料を値引きする方法ってある?

この記事の「1. 仲介手数料は、国土交通省により上限が定められている」にて、不動産を売買する際の仲介手数料をご紹介しましたが、それは国土交通大臣が定めた上限であり、必ずその通りの金額である必要はありません。

そのため、仲介手数料が高すぎると感じる場合は、不動産業者と交渉しつつ了承を得れば値引きすることが可能です。

不動産業者を仲介させつつ不動産を売買する際は、媒介契約書に署名捺印しつつ不動産屋と媒介契約を締結します。

そして、その媒介契約書には仲介手数料に関する取り決めなどが記載されています。

よって、仲介手数料を値引きしたいと希望する場合は、媒介契約を締結する前に不動産業者と具体的な仲介手数料の額を交渉し、交渉結果が記された媒介契約書に署名捺印するのが良いでしょう。

ただし、過度の値引きを迫ると不動産業者に愛想を尽かされることがあるため注意してください。

以下に不動産業者を仲介させつつ不動産を売買する場合における一般的な流れと、仲介手数料の値引き交渉を行う理想のタイミングをご紹介しましょう。

不動産を購入する流れと仲介手数料の値引き交渉のタイミング

  • 1. 不動産を探す
  • 2. 理想の不動産が見つかり次第、売主に購入申し込みを行う
  • 3. 売主が購入申し込みに承諾すれば、不動産業者と媒介契約を結ぶ
  • 4. 不動産業者から重要事項説明を受ける
  • 5. 売主に手付金を支払い、売主と売買契約を結ぶ
  • 6. 住宅ローンを利用する場合は審査に申し込む
  • 7. 審査に通れば融資が実行される
  • 8. 貸し出された資金で売主に残金を支払う
  • 9. 不動産業者に仲介手数料を支払う
  • 10. 購入した不動産が引き渡される
  • 3の不動産業者と媒介契約を結ぶ際に仲介手数料を値切る交渉を行うのが理想

不動産を売却する流れと仲介手数料の値引き交渉のタイミング

  • 1. 仲介を依頼する不動産業者を探す
  • 2. 不動産屋が見つかれば、その不動産業者と媒介契約を結ぶ
  • 3. 購入希望者が現れ次第、売買価格に関する交渉などを行う
  • 4. 交渉がまとまれば買主と売買契約を結び、手付金を受け取る
  • 5. 後日などに買主から残金が支払われる
  • 6. 仲介した不動産業者に仲介手数料を支払う
  • 7. 不動産を買主に引き渡す
  • 2の不動産業者と媒介契約を結ぶ際に仲介手数料を値切る交渉を行うのが理想

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3. 仲介手数料が不要の不動産

不動産業者を仲介させつつ不動産を売買する際は、仲介手数料が必要です。

しかし、仲介手数料が掛かるのは、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す物件を購入する場合や、不動産業者を仲介させつつ所有する不動産を売却する場合のみです。

以下に不動産を売買する場合における、仲介手数料が不要になる状況をご紹介しましょう。

不動産業者が直接売りに出す物件を購入する場合

アットホームやホームズなどの不動産検索サイトで不動産を検索すると数万件もの物件がヒットしますが、その多くは、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す物件です。

しかし、中には不動産業者が直接販売する物件が存在し、それに該当する物件を購入する場合は仲介手数料は掛かりません。

最近は大規模なリフォームが行われたリノベーション中古マンションなどが人気ですが、大規模なリフォームが行われた物件は概ね不動産業者が直接販売する物件であり、仲介手数料は不要となっています。

ただし、不動産業者が直接販売する物件を購入する場合は、建物部分の販売価格に対して10%の消費税が掛かるため注意してください。

不動産業者が直接販売する物件は仲介手数料が不要

余談ですが、不動産業者が販売する消費税が掛かる物件を購入した場合は、最高50万円などが支給される補助金「すまい給付金」の受給が期待できます。

不動産業者に不動産を売却する場合

仲介手数料は、不動産業者を仲介しつつ不動産を売買する際に請求される手数料です。

そのため、不動産業者に直接不動産を売却する場合は、仲介手数料は掛かりません。

ただし、不動産業者に不動産を直接売却すると、相場より大幅に安く買い叩かれることがあるため注意してください。

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まとめ - 仲介手数料は住宅ローンで借り入れできる

不動産の仲介手数料が高いと感じる方へ向けて、早見表を用いて相場をご紹介し、値切る方法などもご説明しました。

不動産の仲介手数料は、国土交通大臣の告示である「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」により以下のように上限が定められています。

仲介手数料の上限
(10%の消費税込み)
売買価格の200万円以下の部分 その5.5%
売買価格の200万円超400万円以下の部分 その4.4%
売買価格の400万円を超える部分 その3.3%

上記は難解ですが、以下のように考えると仲介手数料の額を簡単に計算できます。

不動産の売買価格 仲介手数料の上限
(消費税別)
200万円以下 売買価格の5%
200万円超400万円以下 売買価格の4%+2万円
400万円超 売買価格の3%+6万円

しかし、国土交通省が定めているのはあくまで上限のため、仲介手数料が高すぎると感じる場合は、不動産業者と媒介契約を締結する前に値切るなどの交渉を行うのが良いでしょう。

なお、最近は仲介手数料が0円と謳う不動産業者を見かけますが、それに該当する物件を購入する場合は、どのような仕組みで手数料が無料であるか確認してください。

仲介手数料が0円などの無料である場合は、それ以外の名目で代金を請求される虞があります。

不動産業者は、仲介手数料で利益を得ているため、仲介手数料が無料では商売になりません。

よって、不動産を仲介手数料なしで売買する際は、その理由を不動産屋に確認することが大切です。

また、仲介手数料は高額になりがちですが、最近の住宅ローンは仲介手数料を含めた額の借り入れを希望できます。

たとえば、フラット35は、一定の条件を満たせば仲介手数料を含めた資金の借り入れを希望することが可能で、その記述は「住宅金融支援機構フラット35 よくある質問:借入対象となる諸費用とはどのようなものですか」にてご確認いただけます。

その他にも「諸費用ローン」などの名目で仲介手数料を貸し出す銀行も数多く存在します。

住宅ローンでの不動産の購入を検討し、仲介手数料が高いと感じる場合は、借り入れを検討するのが良いでしょう。

ただし、仲介手数料を借り入れると金利が高くなることがあるため、慎重に借り入れてください。

ご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2020年3月

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