中古住宅を頭金なしで購入したい。できる?できない?

中古住宅を頭金なしで購入したい。できる?できない?

中古住宅は、頭金なしで購入できるでしょうか。

「難しい」が答えですが、条件が揃えば購入できる可能性もあります。

手持ちのお金がない状態で、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入したいと希望する方へ向けて、購入が難しい理由や、頭金なしで購入できる可能性がある中古住宅の特徴をご紹介しましょう。

目次

1. 頭金は、融資が実行される前に用意する必要がある

多くの中古住宅は、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す、マイホームとして利用されていた住宅ですが、それに該当する物件を住宅ローンで購入する際は、主に以下の4つの代金を支払う必要があります。

  • 1. 手付金(売主に支払う)
  • 2. 中古住宅の購入代金(売主に支払う)
  • 3. 中古住宅を購入するための諸費用(不動産業者などに支払う)
  • 4. 住宅ローンを利用するための諸費用(金融機関などに支払う)

上記のうち、住宅ローンで借り入れできるのは「2」「3」「4」であり、「1」の売主に支払う手付金は借り入れできません。

この「1」の手付金が、主に頭金と呼ばれるものです。

そして、住宅ローンで中古住宅を購入する際は、以下の流れで購入するのが通例で、その時々に応じて代金を支払います。

中古住宅を購入する流れと支払う代金

流れ 行程 支払う代金
1 売主に購入を申し込む なし
2 不動産業者と媒介契約を締結する なし
3 不動産業者から重要事項説明を受ける なし
4 売主と売買契約を締結する 手付金
5 住宅ローンの事前審査に申し込む なし
6 住宅ローンの本審査に申し込む なし
7 融資が実行される 住宅ローンを利用するための諸費用
8 売主に中古住宅の残金を支払う 中古住宅の購入代金と中古住宅を購入するための諸費用

住宅ローンで中古住宅を購入する際は、主に上記の流れで購入し、頭金である手付金は、住宅ローンの融資が実行される前に売主に支払う必要があります。

そのため、頭金がない状態では、中古住宅の購入は難しいのが現状です。

なお、手付金は、中古住宅の本体価格の10%程度が相場ですが、売主が了承すれば、5%や3%でも構いません。

そのため、10%の頭金が用意できない場合は、売主に相談すれば、5%や3%にできる可能性があります。

また、住宅ローンを利用するための諸費用や、中古住宅を購入するための諸費用は、住宅ローンで借り入れることが可能です。

ただし、住宅ローンを利用するための諸費用や、中古住宅を購入するための諸費用の借り入れを希望すると、金利が高くなったり、審査に通りにくくなることがあるため注意してください。

中古住宅を購入する場合における手付金のワンポイント

2. 頭金なしで購入できる可能性がある中古住宅の特徴

中古住宅を購入する際は、住宅ローンの融資が実行される前に頭金を支払う必要があるため、頭金なしでの購入は難しいのが現状です。

とはいうものの、絶対に購入できないわけではありません。

以下に、頭金なしで購入できる可能性がある中古住宅をご紹介しましょう。

大手不動産業者が販売する中古住宅

多くの中古住宅は、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す、マイホームや別荘として利用されていた物件ですが、中には、不動産業者が直接販売する中古住宅も存在します。

最近は、リノベーションなど、大掛かりなリフォームを実施した中古マンションが人気ですが、それらは主に大手不動産業者が直接販売する中古住宅です。

大手不動産業者が販売する中古住宅は、「提携ローン」が使える場合があります。

提携ローンとは、不動産業者と提携する金融機関が実施する住宅ローンのことで、提携ローンは融資の条件が甘く、頭金なしでも購入できる可能性があります。

人気がない中古住宅

アットホームなどの検索サイトで中古住宅を探すと、2~3年などにわたり売れ残る物件を見かけます。

その中古住宅が売れない理由は様々ですが、人気がない物件は、売主と交渉すれば手付金を安く設定してくれる可能性があります。

頭金なしでの中古住宅の購入を希望する場合は、人気がない中古住宅に的を絞り、現地を見学しつつ頭金なしで購入できるか不動産業者に相談すれば、頭金なしや、頭金が非常に安い状態で購入できるかもしれません。

なお、住宅ローンを利用しつつ中古住宅を購入する際は、その物件を担保が担保に設定されます。

そして、住宅ローンの利用者が返済しない場合は、金融機関などが物件を差し押さえつつ売却し、返済金に充当します。

そのため、住宅ローンの審査では、申込者の返済能力と共に、その中古住宅の売却価格も審査されますが、瑕疵(欠陥や不具合)があることにより売れ残っている物件は相応の価格で売却できず、担保力がないと判断され、審査に通らないことがあるため注意してください。

頭金なしで購入できる可能性がある中古住宅の特徴

まとめ - 頭金なしであれば、新築を狙うのも悪くない

頭金なしでの中古住宅の購入が難しい理由や、頭金なしで購入できる可能性がある中古住宅の特徴をご紹介しました。

中古住宅における頭金とは、主に手付金を表します。

そして、多くの中古住宅は、不動産業者を仲介させつつ個人が売りに出す物件で、それに該当する物件を購入する際は、融資が実行される前に売主に手付金を支払う必要があるため、頭金なしでの購入は難しいのが現状です。

しかし、大手不動産業者が直接販売する中古住宅が存在し、それに該当する物件は、融資の条件が甘い提携ローンが使えることがあり、頭金なしで購入できる可能性があります。

また、長く売れ残る中古住宅であれば、不動産業者や売主と相談すれば、頭金なしで購入できるかもしれません。

よって、頭金なしで購入できる物件を探す場合は、提携ローンが利用できる中古住宅や、長く売れ残る物件に的を絞るのが理想です。

なお、提携ローンは、大手不動産業者が販売する新築でも利用できる場合があります。

そのため、提携ローンを狙うのであれば、中古住宅ではなく、大手不動産業者が販売する新築に的を絞るのも悪くはないかもしれません。

ただし、提携ローンは、返済期間が35年などに固定され、一般的な住宅ローンより金利が高いことがあるため注意してください。

住宅ローンは、返済期間が短く金利が低いほど返済総額が安くなり、毎月の支払いが楽になります。

記事公開日:2019年10月

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