中古マンションの寿命は何年?

中古マンションの寿命は何年?

中古マンションの寿命は鉄筋コンクリートの耐久性からみれば68年以上、耐震性からみれば築40年まで、住宅ローンの審査の通りやすさからみれば築35年から築60年までなど、観点によって異なります。

中古マンションの購入を希望するものの築年数が気になる方へ向けて、国土交通省の資料を参考に様々な観点からマンションの寿命をご紹介しましょう。

目次

1. 鉄筋コンクリートの寿命からみれば68年以上

中古マンションといえば、主に鉄筋鉄骨コンクリート造です。

鉄筋コンクリート造の建物の寿命は諸説あるものの、国土交通省が平成25年にまとめた資料「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書」の9ページ「(参考)RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」によれば、少なくとも68年以上、外壁を塗装し直すなどの定期的なメンテナンスを実施すれば150年とされます。

中古マンションの寿命は鉄筋コンクリートの耐久性からみれば68年以上

実際の中古マンションにおいては築年数が古くなるにつれて入居者が減り、管理費や修繕積立金が集まらないなどの理由で維持が困難になるため150年などの寿命は期待できませんが、鉄筋コンクリート造のマンションの耐久年数が長いことは間違いないようです。

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2. 耐震性からみれば築40年

マンションを建築する際は、工事を開始する前に建築確認を申請する必要があります。

建築確認とは、その建物が建つ地域を管轄する市区町村役場の建築課に設計図などを提出し、どのような建物を建てるか申請する届け出です。

申請を受けた建築課は設計図から建物の耐久性などを評価し、建築基準法に則った丈夫な建物であると判断した場合は申請者に確認済証を発行します。

そして、確認済証を受け取った申請者は、建物を建てることができます。

その確認済証が発行される判断基準となる建築基準法ですが、1981年6月1日に大きく改正され、それまでより一層の耐震性を求められるようになりました。

具体的には、それまでの建築基準法では震度5強程度の揺れで倒壊しないことが求められていましたが、改正後は震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないことを求められます。

改正前の建築基準法に則って建てられた建物を「旧耐震基準の建物」、改正後の建築基準法に則って建てられた建物を「新耐震基準の建物」などと呼び、旧耐震基準のマンションは新耐震基準のマンションより耐震性が劣るのが通例です。

よって、耐震性から中古マンションの寿命を考えれば、1981年5月31日までに発行された確認済証により建築された築40年などを超える旧耐震基準のマンションは寿命が尽きていると判断できます。

耐震性から中古マンションの寿命をみれば築40年など

ただし、2016年に発生した熊本地震では、旧耐震基準で建てられたマンションと共に新耐震基準で建てられた複数の一戸建てが倒壊しているため留意してください。

また、国土交通省が1,688のマンションの管理組合を対象に実施したアンケート「平成30年度マンション総合調査結果」によれば、旧耐震基準で建てられたうちの34%のマンションが耐震診断を受け、そのうちの40.8%のマンションが耐震性があると判断されたとのことです。

つまり、中古マンションの耐震性は、旧耐震基準や新耐震基準だけでは判断できない可能性があるというわけです。

なお、購入を希望する中古マンションが新耐震基準であるか否かは、その中古マンションを取り扱う不動産業者に問い合わせることによりご確認いただけます。

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3. 住宅ローンの審査からみれば築35年

住宅ローンを利用しつつ中古マンションを購入する際は、そのマンションを担保に入れる必要があります。

そして、借り主が返済を滞らせれば資金を貸し出した金融機関、または保証会社(住宅ローンの返済を保証する会社)が中古マンションを差し押さえつつ売却するなどして返済金に充当します。

これにより金融機関は、貸し倒れを防ぐことが可能です。

住宅ローンの審査の通りやすさから見れば、中古マンションの寿命は築35年までなど

しかし、築年数が古くなりすぎた中古マンションは買い手が付きにくく、融資した金額と同等の額で売却できません。

そのため、築年数が古い中古マンションを購入するために住宅ローンの審査に申し込むと、物件に担保力がないと判断され審査に落ちたり、通ったとしても返済期間を短く設定されることがあります。

築年数が古いと判断する基準は金融機関により異なりますが、国土交通省の資料「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書」の10ページ「マンションに係る住宅ローンの融資条件、成約状況と築年数の関係について」によれば、築35年などとなっています。

よって、住宅ローンの審査のとおりやすさからみれば、中古マンションの寿命は築35年などと考えることが可能です。

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4. 住宅ローン控除からみれば築25年

返済期間が10年を超える住宅ローンを利用しつつ中古マンションなどの住宅を購入すれば、毎年40万円を上限とする年末のローン残高の1%が10年間などにわたり所得税から減税されます。

この制度を住宅ローン控除などと呼びますが、中古マンションを購入しつつ住宅ローン控除の適用を受けるためには、築25年以下のマンションを取得することが条件です。

よって、中古マンションを購入しつつ住宅ローン控除の適用を受けたいと希望する場合は、購入するマンションの寿命は築25年までと考えることができます。

ただし、耐震補強工事が実施されるなどして一定の耐震性を満たす中古マンションを購入した場合は、築年数は問われません。

住宅ローン控除が適用される中古住宅の条件は「国税庁タックスアンサーNo.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」の「2 住宅借入金等特別控除の適用要件」にてご確認いただけます。

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まとめ - 法定耐用年数の47年は寿命ではない

中古マンションの購入を希望する方へ向けて、築何年まで住めるかなど、中古マンションの寿命をご紹介しました。

中古マンションの寿命は様々な観点から判断することが可能であり、鉄筋コンクリート造であるという側面からみれば少なくとも68年以上です。

耐震性からみれば1981年6月以降に建築された築40年までなど、住宅ローンの審査の通りやすさを考慮すれば築35年などまで、住宅ローン控除の適用を希望する場合は築25年などまでとなっています。

鉄筋コンクリート造の住宅の法定耐用年数は47年のため、中古マンションの寿命は47年と錯覚しがちですが、法定耐用年数は国税庁が定めた減価償却費を算出するための指標であり寿命を指しているわけではありません。

よって、中古マンションの購入を希望するものの耐久年数が気になる場合は、ご自身が要求する観点から寿命を鑑みてください。

地震が多い地域で中古マンションを購入するのであれば、新耐震基準で建てられた築40年以内などのマンションを選ぶのが賢明です。

住宅ローンの利用と住宅ローン控除の適用を優先するのであれば、築25年以内までなどの中古マンションをお選びください。

とはいうものの、返済期間が20年などを超える住宅ローンを利用しつつ築45年などの中古マンションを購入すると、完済するころに建て替えることとなり、新たなローンを組むことを迫られる可能性があるため注意が必要です。

国土交通省の資料「マンション政策の現状と課題」の3ページ「マンション建替えの実施状況」によれば、平成31年4月の時点で244棟のマンションが老朽化などにより建て替えられたとのことです。

マンションの建て替え状況

出展:国土交通省:「マンション政策の現状と課題」の3ページ

同資料には、平成30年末の時点で築50年を超える6.3万戸のマンションが存在し、令和10年末には81.4万戸に増えると予想されることなど、マンションが老朽化することにより生じる様々な問題が掲載されています。

中古マンションの購入を希望するものの寿命が気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひ同資料をご覧ください。

ご紹介した内容が、中古マンションの購入を希望される皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2021年3月
記事公開日:2019年11月

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