フラット35の残りの1割の借り方

フラット35の残りの1割の借り方

フラット35は頭金が少ない状態でも利用できますが、住宅購入代金の9割を超える融資を希望すると金利が高くなります。

たとえば、筆者がこの記事を作成する2021年5月現在、9割以下の融資を希望する場合の金利は1.360%などですが、9割超の融資を希望すると1.620%などです。

これにより、9割超の融資を希望する方は頭を悩ませることとなりますが、9割をフラット35で借り入れしつつ残りの1割を別の方法で借り入れし、フラット35の金利を抑える方法があります

フラット35の9割超の融資を希望する方へ向けて、残りの1割を借りる2つの方法をご紹介しましょう。

目次

1. フラット35パッケージ

フラット35の残りの1割を借り入れする一つめの方法は、フラット35パッケージです。

フラット35パッケージとは、住宅購入代金の9割をフラット35で借り入れし、残りの1割を銀行が用意する別のローンで借り入れるパッケージ型のローンであり、すまい・るパッケージとも呼ばれます。

フラット35パッケージを利用すれば、9割をフラット35で借り入れしつつ残りの1割を銀行が用意する別のローンで借り入れることとなり、フラット35の金利を9割以下に抑えることが可能です。

フラット35パッケージをわかりやすく図解でご説明すると以下のようになります。

フラット35の残りの1割を借り入れるパッケージ型のローンとは?

ここから、フラット35パッケージの特徴や注意点をご紹介しましょう。

なお、住宅金融支援機構が公開するフラット35パッケージの紹介ページは「住宅金融支援機構|フラット35パッケージ」にてご覧いただけます。

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申し込みが共通で審査に通りやすい

フラット35パッケージは9割をフラット35で借り入れし、残りの1割を銀行が用意する別のローンで借り入れますが、まとめて申し込むことが可能です。

申し込みが1つで済めば、手間が掛かりません。

ただし、フラット35パッケージを利用する際は、フラット35の審査と共に残りの1割が貸し出される銀行が用意する別のローンの審査も受けなくてはなりません。

とはいうものの、フラット35と残りの1割が貸し出される銀行が用意する別のローンの審査基準は同じです。

フラット35といえば、審査基準が穏やかであることが特徴です。

よって、残りの1割が貸し出される銀行が用意する別のローンも基準が穏やかであり、審査に通りやすくなっています。

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保証人と保証料が不要

住宅ローンは、フラット35と銀行が独自に商品化する住宅ローンに大きく分類されます。

そして、フラット35も銀行が独自に商品化する住宅ローンも保証人は不要ですが、銀行が独自に商品化する住宅ローンを利用する際は保証会社に保証料を支払うのが通例です。

保証会社とは住宅ローンの利用者が返済を滞らせた際に肩代わりする会社であり、保証料は数十万円などと高額になる場合もあります。

一方、フラット35は保証料が不要ですが、フラット35パッケージを利用した場合に残りの1割が貸し出される銀行が用意する別のローンも保証料が不要です。

銀行が貸し出す残りの1割は、住宅融資保険で保証されます。

住宅融資保険とは、住宅金融支援機構が商品化する銀行だけが加入できる住宅ローン専用の保険です。

銀行が住宅融資保険に加入しつつ住宅購入資金を貸し出し、借り主からの返済が滞れば住宅金融支援機構が肩代わりします。

よって、フラット35パッケージで貸し出される残りの1割は、フラット35と同じく保証人と保証料が不要です。

ただし、連帯債務者と共にフラット35を借り入れる場合は、その方が残りの1割を借り入れるための保証人となる必要があるため注意してください。

なお、住宅融資保険の詳細は「住宅金融支援機構|住宅融資保険事業の概要」にてご確認いただけます。

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残りの1割の金利が高い

フラット35パッケージを利用しつつ残りの1割を銀行が用意する別のローンで借り入れれば、フラット35の金利を抑えることができます。

しかし、残りの1割が貸し出される銀行が用意する別のローンは、残念ながらフラット35より金利が高く設定されているのが通例です。

たとえば、筆者がこの記事を作成する2021年5月現在、9割以下の融資を希望する場合のフラット35の金利は1.360%などです。

これに対して、みずほ銀行が商品化する残りの1割が貸し出される「フラット35パッケージローン」の金利は2.725%からなどとなっています。

また、りそな銀行は「りそなすまい・るパッケージ」を商品化しつつ残りの1割を貸し出しますが、その金利は店頭表示金利で4.475%などです。

あまりに残りの1割を借り入れるための金利が高ければ、フラット35パッケージを利用する意味がありません。

よって、フラット35パッケージの利用を検討する際は2つのローンの金利を鑑みつつ正確な返済総額を計算し、利用する価値があるか判断する必要があります。

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2. 併せ融資

フラット35の残りの1割を借り入れする二つめ方法は「フラット35+併せ融資」です。

フラット35+併せ融資とは、9割などをフラット35で借り入れしつつ残りの1割などを銀行が用意する別のローンで借り入れる住宅ローンです。

こう聞くとフラット35パッケージと同じであるという印象を受けますが、「フラット35+併せ融資」はフラット35と別のローンの割合を変更できるのが特徴です。

フラット35パッケージは、必ず9割をフラット35で借り入れしつつ残りの1割を別のローンで借り入れます。

これに対して「フラット35+併せ融資」は、7割をフラット35に、残りの3割を別のローンで借り入れるなど割合を変更することが可能です。

「フラット35+併せ融資」を図解でわかりやすく解説すると以下のとおりです。

フラット35の併せ融資とは?

ここから、フラット35+併せ融資の特徴をご紹介しましょう。

なお、この記事ではこれ以降「フラット35+併せ融資」を併せ融資と呼ぶため留意してください。

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フラット35パッケージより金利が低い

この記事の「残りの1割の金利が高い」にてご紹介したとおり、りそな銀行が商品化するフラット35パッケージである「りそなすまい・るパッケージ」を利用すると、残りの1割の金利は変動金利で4.475%、固定金利で5.000%などです。

これに対して、同じくりそな銀行が商品化する併せ融資である「りそなフラットON」を利用すれば、残りの1割の金利は変動金利で3.475%、固定金利で4.000%と低くなっています。

フラット35パッケージより併せ融資の金利が低いのは、銀行が貸し出すフラット35以外の部分の返済を保証会社が保証することが理由です。

フラット35パッケージと併せ融資の保証の違い

フラット35パッケージは、残りの1割を貸し出す銀行が住宅金融支援機構に保険料を支払いつつ住宅融資保険に加入し、借り主からの返済が滞れば機構が返済を肩代わりします。

一方、併せ融資は、残りの1割を貸し出す銀行が保証会社に保証料を支払いつつ保証を委託し、借り主からの返済が滞れば保証会社が返済を肩代わりします。

保証会社に支払う保証料は住宅金融支援機構に支払う保険料より安く、その差額により併せ融資は金利が抑えられます。

なお、併せ融資には様々な商品が存在しますが、全ての商品がフラット35パッケージより金利が低く設定されているわけではないため注意してください。

併せ融資には、フラット35パッケージと同じく住宅融資保険により返済が保証される商品が存在し、それに該当する併せ融資は金利が高く設定されています。

また、保証会社が返済を保証する併せ融資であっても多くの場合は銀行が保証料を負担します。

よって、保証会社が返済を保証する併せ融資であっても、一部例外を除き借り主が保証料を負担する必要はありません。

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申し込みは個別で審査はやや難しい

この記事の「申し込みが共通で審査に通りやすい」でご紹介したとおり、フラット35パッケージはまとめて申し込むことが可能ですが、併せ融資はフラット35と残りの1割を個別に申し込まなくてはなりません。

また、併せ融資を利用するためには、フラット35の審査と共に併せ融資で貸し出される残りの1割などの部分の審査も受ける必要があります。

そして、併せ融資で貸し出される残りの1割などの部分の審査の基準は、銀行が独自に貸し出す住宅ローンと同じです。

住宅ローンの審査はフラット35が優しく、銀行が独自に商品化する住宅ローンは厳しいのが通例ですが、併せ融資で貸し出される残りの1割などの部分の審査も例外ではありません。

併せ融資で貸し出される残りの1割などの部分の審査の基準は銀行が独自に貸し出す住宅ローンと同じであり、フラット35より厳しいため注意してください。

併せ融資の審査はフラット35パッケージより厳しい

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フラット35パッケージより商品数が少ない

フラット35パッケージや併せ融資を利用しつつ残りの1割を借り入れすれば、フラット35の金利を抑えることができます。

そのため、頭金なしなどでフラット35の利用を希望する場合は、フラット35パッケージや併せ融資を活用すべきですが、残念ながら全ての銀行で取り扱うわけではありません。

フラット35パッケージや併せ融資は、フラット35を取り扱う一部の銀行のみで商品化されています。

さらに、併せ融資はフラット35パッケージより取り扱う銀行が少数です。

たとえば、筆者がこの記事を作成する2021年5月現在、りそな銀行はフラット35パッケージと併せ融資の両方を取り扱いますが、みずほ銀行やARUHIはフラット35パッケージのみを取り扱います。

フラット35パッケージや併せ融資は、フラット35を利用することを前提に、フラット35を利用する銀行のみに申し込むことが可能です。

併せ融資はフラット35を利用する銀行のみに申し込める

また、フラット35は、銀行によって金利が異なります。

よって、フラット35パッケージや併せ融資を希望する場合は、それらを取り扱い、なおかつフラット35の金利が安い銀行を探さなければなりません。

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まとめ - 返済総額を見極めつつ利用することが大切

フラット35の残りの1割を借り入れる2つの方法をご紹介しました。

フラット35の残りの1割は、「すまい・るパッケージ」とも呼ばれるフラット35パッケージ、または併せ融資で借り入れることが可能です。

フラット35は9割超の融資を希望すると金利が高くなりますが、フラット35パッケージや併せ融資を利用しつつ残りの1割を別のローンで借り入れすれば、フラット35の金利を抑えることができます。

フラット35の9割超の融資を希望する方がいらっしゃいましたら、是非ご参考になさってください。

なお、ご紹介したフラット35パッケージや併せ融資は全ての銀行で取り扱うわけではないとご紹介しましたが、取り扱う銀行によって必要となる諸費用が異なります。

たとえば、筆者がこの記事を作成する2021年5月現在、みずほ銀行のフラット35パッケージは融資事務手数料が無料ですが、りそな銀行のフラット35パッケージは消費税込み11万円です。

フラット35パッケージや併せ融資を利用するために高額な諸費用が必要になるのであれば、2つのローンを組み合わせつつフラット35の金利を抑える意味がありません。

また、フラット35パッケージを利用しつつ借り入れた残りの1割は、フラット35と同時に返済する必要があります。

併せ融資で借り入れた残りの1割は、商品によってはフラット35と返済期間をずらせる場合がありますが、多くはフラット35と同時に返済しなくてはなりません。

フラット35の残りの1割の返済期間

よって、フラット35パッケージや併せ融資の利用を希望する場合は、焦らず落ち着いて返済計画を立てるように心掛けてください。

ご紹介した内容が、フラット35の残りの1割を借り入れる方法をお探しになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

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