図解でわかりやすい!不動産や不動産屋の意味を解説

不動産とは?わかりやすく簡単に解説

不動産とは、土地と建物のことです。

しかし、土地といって大地を指すわけではないなど、不動産という言葉にはいくつかの注意点があります。

不動産をわかりやすく解説し、不動産会社や不動産エージェント、不動産の手数料、ネット不動産など、不動産に関する用語の意味も簡単にご紹介しましょう。

目次

1. 不動産とは、土地と建物のこと

不動産とは土地と建物であり、私たちの日常生活に関する取り決めを定めた法律「民法」の第八十六条にて意味が定義されています。

民法の第八十六条をわかりやすく簡単にご紹介すると、以下のとおりです。

民法 第八十六条(不動産及び動産)
土地と、土地に定着する物は不動産とする

上記で難解なのは「土地に定着する物」という言葉ですが、いわゆる建物が土地に定着する物に該当します。

つまり、不動産とは、土地と建物を指すというわけです。

不動産とは土地と建物

しかし、不動産における土地は大地そのものを指すわけではないなど、いくつかの注意点があります。

つづいて、不動産における土地と建物の具体例をご紹介し、不動産という言葉の意味を定義する法律「民法」をわかりやすく解説しましょう。

1-1. 不動産における土地とは?

不動産とは土地と建物のことですが、不動産における土地とは、売買(売ることや買うこと)の対象となりえる土地を指すのが通例です。

たとえば、一丁目一番地の土地を所有するAさんがいらっしゃったとしましょう。

その土地は、Aさんの意志によって、または購入希望者の意志によって売買される対象となりえますが、売買の対象となりえる土地が不動産における土地です。

公共の道路や公園などは、一部例外を除き購入を希望しても買うことができませんが、買うことができない土地を不動産と呼ぶことはありません。

また、地球そのものも極端に言えば土地ですが、地球や大地を不動産と呼ぶことはなく、地球は地球、大地は大地です。

不動産における土地とは売買の対象となりえる土地を指す

ちなみに、総務省が公開する資料によれば、日本には不動産に該当する約1億8,000万の土地があるとのことです。

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1-2. 不動産における建物とは?

不動産とは土地と建物ですが、不動産における建物とは、売買の対象となりえる建物を指すのが通例です。

たとえば、二丁目二番地に建つ建物を所有するBさんがいらっしゃったとしましょう。

その建物は、Bさんや、Bさん以外の誰かが購入を希望すれば、売買の対象となりえますが、売買の対象となりえる建物が不動産における建物です。

学校や図書館、市町村役場などの公共施設である建物などは、一部例外を除き購入を希望しても買うことができませんが、買うことができない建物を不動産と呼ぶことはありません。

不動産における建物とは売買の対象となりえる建物を指す

ちなみに、総務省が公開する資料によれば、日本には不動産に該当する約6,000万棟の建物があるとのことです。

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1-3. 不動産を定義する民法とは?

不動産とは土地と建物であり、民法によって定義されていますが、民法とはどのような法律でしょうか。

民法とは、私たちの日常生活に関することを定めた法律であり、主に以下に関する取り決めが規定されています。

  • 1. 私たちの権利に関すること
  • 2. お金の貸し借りに関すること
  • 3. 不動産に関すること
  • 4. 契約に関すること
  • 5. 売買に関すること
  • 6. 雇用に関すること
  • 7. 結婚に関すること
  • 8. 親子の関係や相続に関すること

たとえば、私たち日本人は生まれながらにして人権を有していますが、それは「1. 私たちの権利に関すること」によって定められています。

また、日本では結婚をする際に市町村役場に届け出をしなければなりませんが、それは「7. 結婚に関すること」によって規定されています。

民法は私たちにもっとも馴染み深い法律であり、「電子政府の総合窓口 e-Gov | 民法」にて全文を確認することが可能です。

ちなみに、不動産の登記に関することを定めた法律に「不動産登記法」があります。

不動産の登記とは、法務省の地方支部局である「法務局」に設置されている登記簿という帳簿に、不動産の権利を有する者に関する情報を記す行為です。

そして、不動産登記法の第二条でも「不動産」という言葉の意味が定義され、その部分をわかりやすくご紹介すると以下のようになります。

不動産登記法 第二条(定義)
不動産登記法における不動産とは、土地や建物を指す

よって、やはり不動産とは、土地と建物であるといえるでしょう。

つづいて、不動産会社、不動産エージェント、不動産の手数料、ネット不動産など、不動産に関する用語をわかりやすく簡単に解説しましょう。

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2. 不動産会社とは?

不動産会社とは、不動産を売買したり、不動産の売買を仲介するなどして利益を得る会社です。

たとえば、不動産会社は、5,000万円の荒れ地を購入しつつ2,000万円の費用をかけて整地し、1億円で売却して3,000万円の利益を得るなどします。

また、不動産会社は、不動産の売却を希望する方を、不動産の購入を希望する方に紹介し、売買が成立すれば、両者から、または一方から一定の手数料を受け取りつつ利益を得るなどもします。

なお、「不動産屋」や「不動産業者」という言葉を見聞きすることがありますが、それらも業務内容が変わらないため、不動産会社であるとお考えください。

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3. 不動産エージェントとは?

不動産エージェントとは、不動産の売買を希望する方から直接の依頼を受け、売買を手助けしつつ利益を得る者を指します。

たとえば、所有する土地を1億円で売却したいと希望するAさんがいらっしゃったとしましょう。

Aさんは複数の不動産会社に商談を持ちかけましたが、良い返事をもらうことができませんでした。

そのような場合にAさんが依頼するのが、不動産エージェントです。

不動産エージェントに依頼をすれば、1億円で土地を購入する方を探してくれます。

また、不動産エージェントは、どのような付加価値をつければ1億円で土地を売却できるかなど、依頼人に様々なアドバイスを与え、希望が叶うようにサポートします。

そして、売買が成立すれば、依頼主は不動産エージェントに一定の料金を支払うこととなり、その料金が不動産エージェントの利益となります。

こう聞くと、不動産エージェントは不動産会社と変わらないという印象を受けますが、不動産エージェントは依頼主の立場で売買をサポートします。

一方、不動産会社は、不動産の買い主と売り主の中間に立って売買を仲介し、一方のみをサポートすることは、一部例外を除きありません。

不動産エージェントとは、不動産売買をサポートして利益を得る者

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4. 不動産の手数料とは?

不動産の手数料とは、不動産会社を仲介させつつ不動産を売買する際に不動産会社に支払う、仲介手数料と呼ばれる料金です。

不動産の売却を希望する売り主や、不動産の購入を希望する買い主は、個人で情報を発信しつつ売買をすることも可能ですが、それでは相手が見つかりません。

よって、不動産の売買を希望する方の多くは、不動産会社に依頼しつつ買い主や売り主を探すのが通例です。

不動産会社に依頼をすれば、不動産会社は様々な手段を講じて効率よく買い主や売り主を探してくれます。

そして、不動産会社が買い主や売り主を探し出し、不動産が売買されることとなれば、買い主と売り主の両者は、不動産会社に成功報酬を支払います。

その成功報酬が、不動産の手数料です。

不動産の手数料とは、売買が成立した際に支払う成功報酬

また、不動産会社を仲介させつつ不動産を貸し借りする際に、不動産会社に支払う料金も不動産の手数料です。

不動産を貸したいと希望する貸し主や、不動産を借りたいと希望する借り主は、個人で情報を発信しつつ貸し借りをすることも可能ですが、それでは相手を見つけるのに時間がかかります。

そのため、不動産の貸し借りを希望する方の多くは、不動産会社に依頼しつつ借り主や貸し主を探します。

不動産会社に依頼をすれば、不動産会社は様々なネットワークを駆使して効率よく借り主や貸し主を探してくれます。

そして、不動産会社が借り主や貸し主を探し出し、不動産を貸し借りすることとなれば、借り主と貸し主の両者は、不動産会社に成功報酬を支払います。

この成功報酬も不動産の手数料であり、仲介手数料と呼ばれる料金です。

不動産の賃借が成立した際に不動産会社に支払う成功報酬も不動産の手数料

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5. ネット不動産とは?

ネット不動産とは、不動産を売買するに必要となる手続きのすべてをオンラインで完結させる不動産取引を指します。

一般に不動産を購入する際は、物件を見学し、不動産会社から物件に関する説明を受け、売買契約書に署名捺印し、売り主に物件代金を、不動産業者に手数料を支払い、物件の引き渡しを受けます。

不動産を購入する一般的な流れ

  • 1. インターネットなどを利用しつつ物件を探し、理想の物件が見つかれば、その物件を取り扱う不動産会社に電話やメールで連絡を取る
  • 2. 不動産会社の従業員に案内をさせ、物件を見学する
  • 3. 物件を購入することが決定すれば、不動産会社に出向くなどして、従業員から物件の現状などに関する詳細な説明を受ける
  • 4. 売買契約書に署名捺印をする
  • 5. 売り主に物件代金を、売買を仲介した不動産業者に手数料を支払うなどして物件の引き渡しを受ける

一方、ネット不動産では、物件の見学から代金の支払いまで、すべての手続きがオンラインで完結します。

ネット不動産で物件を購入する流れ

  • 1. インターネットで物件を探し、理想の物件が見つかれば、その物件を取り扱う不動産業者にメールなどで連絡を取る
  • 2. WEBカメラなどで物件の見学を行う(現場を見学することはない)
  • 3. 物件を購入することが決まれば、ビデオチャットなどを利用しつつ不動産業者から物件の現状などに関する詳細な説明を受ける
  • 4. 電子署名を利用してオンライン上で売買契約書に署名捺印をする
  • 5. ネット銀行などを利用し、売り主に物件代金を、売買を仲介した不動産業者に手数料を支払うなどして物件の引き渡しを受ける

また、ネット不動産は不動産を貸し借りする際にも活用され、ネット不動産を利用しつつ物件を貸し借りすれば、その手続きの全てがオンラインで完結し、鍵も郵送で受け取ることとなります。

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6. 不動産の流通とは?

不動産の流通とは、不動産会社が行う仲介業務を指します。

不動産会社は、不動産の売却を希望する売り主や、不動産の購入を希望する買い主からの依頼を受け、売買相手を探します。

そして、売買相手が見つかり、不動産が売買されることとなれば、買い主と売り主の両者、場合によっては一方から手数料を受け取り、利益を得ます。

また、不動産会社は、不動産を貸すことを希望する貸し主や、不動産を借りることを希望する借り主からの依頼を受け、貸借相手を探します。

貸借相手が見つかり、不動産が貸し借りされることとなれば、借り主と貸し主の両者、または一方から手数料を受け取り、利益を得ます。

それらの業務が不動産会社が行う仲介業務であり、不動産の流通です。

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7. 地場不動産とは?

地場不動産とは、地元で営業する小規模な不動産会社を指します。

不動産会社は、全国で営業する大規模な「大手」と、限られた地域のみで営業する「地場」に大きく分類され、地元で営業する不動産会社が地場不動産です。

たとえば、全国ネットのテレビ番組でCMを流すのが大手、限られた地域で新聞広告を出すのは地場といった具合です。

大手は多くの物件を取り扱い、保証が充実しているなどの特徴があります。

一方、地場が取り扱う物件は少数ですが、地元の不動産事情に精通し、融通が利き、大手よりフレキシブルで様々な売買に対応するなどの特徴があります。

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8. 不動産に関する仕事とは?

不動産に関する仕事は、不動産取引業、不動産賃貸業、不動産管理業に大きく分類され、公益財団法人不動産流通推進センターが公開する資料によれば、平成26年において約118万人の方が不動産業に就いているとのことです。

ここからは、不動産に関する仕事である「不動産取引業」「不動産賃貸業」「不動産管理業」とはどのような仕事か、わかりやすく簡単にご説明しましょう。

8-1. 不動産取引業とは?

不動産取引業とは、不動産の売買や貸し借りを仲介をする業務を指し、不動産会社や不動産屋、不動産業者(これ以降「不動産会社」と称します)が行う仕事です。

不動産会社は、不動産の売買を希望する売り主と買い主を結びつけ、売買が成立すれば、仲介手数料という名目の料金を受け取ります。

また、不動産会社は、不動産の貸し借りを希望する貸し主と借り主を結びつけ、貸し借りが成立すれば、同じく仲介手数料を受け取ります。

さらに、不動産会社は、不動産を安く購入し、土地であれば整地をする、建物であればリフォームをするなどして付加価値を付け、購入額より高く売却しつつ利益を得ることもあります。

それらの業務が、不動産取引業の主な仕事です。

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8-2. 不動産賃貸業とは?

不動産賃貸業とは、所有する不動産を、貸し賃を取りつつ第三者に貸す業務を指し、借り主から支払われる賃料によって利益を得る仕事です。

また、不動産賃貸業を行う者は、第三者に貸す不動産を購入時より多少安く売却し、十分な利益を得ることもあります。

たとえば、1億円のビルを購入し、5年間で3,000万円の賃料を得て、8,000万円で売却をするといった具合です。

その状況において不動産賃貸業を行う者は、ビルの購入額である1億円を上回る1憶1,000万円の収入を得たこととなります。

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8-3. 不動産管理業とは?

不動産管理業とは、第三者が所有する不動産を管理する業務であり、管理する不動産の所有者から支払われる「管理費」などの名目の料金によって利益を得る仕事です。

たとえば、マンションは住人だけで管理をすることも可能ですが、それでは掃除が行き届きません。

よって、マンションの住人は、不動産管理業を行う業者に管理費を支払い、管理や掃除を委託します。

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9. 不動産屋とハウスメーカーの違いとは?

不動産屋とハウスメーカーは行う業務に違いがあり、不動産屋は不動産の売買や貸し借りを仲介しつつ手数料を受け取り、ハウスメーカーは住宅を建てつつ売却します。

不動産屋とハウスメーカーの主な業務は、以下のとおりです。

不動産屋の業務
不動産の売買を希望する売り主と買い主や、不動産の貸し借りを希望する貸し主と借り主を結びつけ、売買や貸し借りを仲介して手数料を受け取りつつ利益を得る。
ハウスメーカーの業務
住宅である建物を建てつつ売却し、買い主から物件代金を受け取り利益を得る。一戸建てやマンションなど様々な住宅を建築し、積水ハウス、大和ハウス、三沢ホーム、住友林業、三井ホームなどが有名。

以上が不動産屋とハウスメーカーの主な業務であり、不動産屋が住宅を建てたり、ハウスメーカーが不動産の売買を進んで仲介することはありません。

不動産屋が住宅を販売していることがありますが、それは土地を購入しつつ建築会社に家を建てさせ、売りに出しています。

また、ハウスメーカーが土地付きの住宅を販売していることがありますが、それは土地を購入し、自らで住宅を建てつつ土地ごと販売しています。

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まとめ

不動産をわかりやすく解説し、不動産に関する用語を簡単にご紹介しました。

不動産という言葉の意味は民法によって定義され、不動産とは土地と建物です。

ただし、土地といっても大地を指すわけではなく、売買の対象となりうる土地を指すのが通例です。

また、建物といってもお城などは含まれず、売買の対象となりうる建物を指すのが通例となっています。

ご紹介した内容が、不動産の意味をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2023年9月
記事公開日:2020年3月

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