不動産取得税の金額の目安を予想する方法(建売住宅の場合)

不動産取得税の金額の目安を予想する方法

建売を取得すると不動産取得税が課せられます。

そこで心配なのが不動産取得税の金額の目安ですが、建物部分や土地部分の固定資産税評価額によって異なるため、いくらになるか断言できません。

しかし、計算する方法を知っておけば、どのような建売でも、ある程度であれば税額を予想できます。

建売の購入を希望する方へ向けて、軽減措置が適用される条件を交えつつ、建売住宅の不動産取得税の金額の目安を予想する方法をご紹介しましょう。

なお、ご紹介するのは一戸建ての建売住宅の不動産取得税の金額の目安を予想する方法であり、マンションや中古住宅には該当しないためご注意ください。

1. 建売の不動産取得税を予想する方法

はじめに、建売の不動産取得税の金額の目安を予想する流れをご説明しましょう。

建売の不動産取得税は、以下の流れで予想します。

建売の不動産取得税の金額の目安を予想する流れ

上記の流れを用いれば、建売の不動産取得税の金額の目安を予想することが可能です。

それでは、流れに沿って建売の不動産取得税を予想する方法をご紹介しましょう。

1-1. 建売の建物部分の不動産取得税を予想する

まずは、建売の建物部分の不動産取得税を予想します。

建売の建物部分の不動産取得税は、以下の4つの手順で予想することが可能です。

手順1. 建物部分の販売価格を把握する

建売の建物部分の不動産取得税の金額の目安を予想するためには、建物部分の販売価格を把握する必要があります。

建物部分の販売価格は、建売の消費税を見れば簡単に把握することが可能です。

理由は、建売の消費税は建物部分の販売価格のみにかかり、土地部分の販売価格にはかからないためです。

よって、以下のように計算すれば、建売の建物部分の販売価格を把握できます。

建物部分の販売価格を計算する式
建売の消費税額 ÷ 消費税率(建売の消費税率は10%)= 建物部分の販売価格

上記の式を用いて、200万円の消費税が上乗せされる建売の建物部分の販売価格を計算すると2,000万円(200万円÷10%=2,000万円)となります。

また、300万円の消費税が上乗せされた建売の建物部分の販売価格を計算すると3,000万円(300万円÷10%=3,000万円)です。

なお、建売の広告に建物部分の坪単価が記載されている場合は、坪単価から建物部分の販売価格を予想することも可能ですが、坪単価はあまり当てにならないため注意してください。

手順2. 建物部分の販売価格から課税標準額を計算する

建売の建物部分の販売価格が予想できれば、予想した額から建物部分の課税標準額(不動産取得税を算出する基準となる額)を計算します。

課税標準額は固定資産税評価額(その不動産の固定資産税を算出する基準となる価額)と同程度であり、建売の建物部分の固定資産税評価額は、おおむね販売価格の60%です。

建物部分の課税標準額を計算する方法

よって、建物部分の販売価格が2,000万円の建売は「2,000万円×60%=1,200万円」と計算し、建物部分の課税標準額は1,200万円程度となります。

また、建物部分の販売価格が2,500万円の建売は「2,500万円×60%=1,500万円」と計算し、建物部分の課税標準額は1,500万円程度です。

不動産取得税は、課税標準額を元に以下の式で計算されるため、不動産取得税の金額の目安を予想する際は、課税標準額を予想することが重要となります。

建物部分の不動産取得税を計算する式
建物部分の課税標準額(固定資産税評価額と同程度)× 税率 = 不動産取得税
税率は原則として4%だが、2021年3月31日まで軽減税率が適用され3%になる

手順3. 建物部分の課税標準額から軽減措置分を差し引く

完成後1年以内であり、床面積が50㎡以上240㎡以下の建売を購入すれば軽減措置が適用され、手順2で計算した課税標準額から1,200万円が控除されます。

たとえば、課税標準額が2,000万円であり、軽減措置が適用される条件を満たす場合は「2,000万円-1,200万円=800万円」と計算し、課税標準額は800万円に軽減されます。

なお、課税標準額が1,200万円に満たない場合は、全額が控除され課税標準額は0円となります。

つまり、建物部分の販売価格が2,000万円程度であり、課税標準額が1,200万円に満たない場合は、建物部分の不動産取得税はかからないというわけです。

建物部分の不動産取得税に対する軽減措置の詳細は、購入する建売が所在する地域を管轄する都道府県のホームページ内の検索窓に、「不動産取得税 軽減措置」などと入力しつつ検索することによりご確認いただけます。

軽減措置が適用されれば建物部分の不動産取得税はかからない

手順4. 課税標準額に税率を掛け算する

建売の建物部分の課税標準額が計算できれば、課税標準額に税率(2021年3月31日まで3%)を掛け算することにより、建物部分の不動産取得税が予想できます。

たとえば、建物部分の課税標準額が1,000万円の場合は「1,000万円×3%=30万円」と計算し、建物部分の不動産取得税は30万円です。

また、建物部分の課税標準が500万円の場合は「500万円×3%=15万円」と計算し、不動産取得税は15万円となります。

これで、建売の建物部分の不動産取得税の金額の目安が予想できました。

1-2. 建売の土地部分の不動産取得税を予想する

つぎに、建売の土地部分の不動産取得税の金額の目安を予想しましょう。

建売の土地部分の不動産取得税の金額の目安は、以下の4つの手順で予想できます。

手順1. 土地部分の販売価格を計算する

土地部分の販売価格は、建売の販売価格から「1-1. 建売の建物部分の不動産取得税を予想する」で計算した建物部分の販売価格を差し引くことにより算出できます。

たとえば、建売の販売価格が5,000万円であり、建物部分の販売価格が2,000万円の場合は「5,000万円-2,000万円=3,000万円」と計算し、土地部分の販売価格は3,000万円といった具合です。

手順2. 土地部分の課税標準額を計算する

土地部分の不動産取得税を計算する式は以下のとおりであり、土地部分の課税標準額に税率を掛け算しつつ算出します。

土地部分の不動産取得税を計算する式
土地部分の課税標準額(固定資産税評価額と同程度)× 税率 = 不動産取得税
税率は原則として4%だが、2021年3月31日まで軽減税率が適用され3%になる

そのため、土地部分の不動産取得税の金額の目安を予想するためには、土地部分の課税標準額を計算しなくてはなりません。

土地部分の課税標準額は固定資産税評価額(その不動産の固定資産税を算出する基準となる価額)と同程度であり、正式には地価公示価格(国土交通省が毎年発表する日本全国各地の土地の適正価格)から算出する必要がありますが、おおむね販売価格の80%程度です。

土地の課税標準額は販売価格の80%程度

また、2021年3月31日まで、建売が建つ土地の課税標準額は2分の1になるという軽減措置があります。

よって、土地部分の販売価格が3,000万円の場合は「3,000万円×80%÷2=1,200万円」と計算し、課税標準額は1,200万円です。

土地部分の販売価格が1,500万円の場合は「1,500万円×80%÷2=600万円」と計算し、課税標準額は600万円となります。

手順3. 課税標準額に税率を掛け算する

土地部分の課税標準額が予想できれば、課税標準額に3%の税率を掛け算すれば、不動産取得税の金額の目安が予想できます。

たとえば、土地部分の課税標準額が1,200万円の場合は「1,200万円×3%=36万円」と計算し、不動産取得税は36万円です。

また、土地部分の課税標準額が600万円の場合は「600万円×3%=18万円」と計算し、不動産取得税は18万円となります。

手順4. 不動産取得税から軽減措置分を差し引く

完成後1年以内であり、なおかつ建物部分の床面積が50㎡以上240㎡以下の建売を購入した場合は、さらに軽減措置が適用されます。

具体的には、手順3で計算した土地部分の不動産取得税から、以下の2つのうちの多い方の額が差し引かれます。

  • 4万5千円
  • (土地の1㎡あたりの課税標準の2分の1) × (建物部分の床面積×2) × 3%

「建物部分の床面積×2」は上限200㎡まで

たとえば、土地部分の不動産取得税が36万円であり、4万5千円が減額される場合は「36万円-4万5千円=31万5千円」と計算し、支払う不動産取得税は31万5千円となります。

また、土地部分の不動産取得税が18万円であり、10万円が減額される場合は「18万円-10万円=8万円」と計算し、支払う不動産取得税は8万円となります。

これで、土地部分の最終的な不動産取得税の金額の目安が予想できました。

1-3. 建物と土地の不動産取得税を合計し、請求される税額を予想する

最後に、これまでに計算した建物部分と土地部分の不動産取得税を合計すれば、金額の目安の予想が完了します。

最後に建物部分と土地部分の不動産取得税を合計する

たとえば、建物部分の不動産取得税が30万円であり、土地部分の不動産取得税が31万5千円の場合は「30万円+31万5千円=61万5千円」と計算し、その建売の不動産取得税は61万5千円です。

また、建物部分の不動産取得税が15万円であり、土地部分の不動産取得税が8万円の場合は「15万円+8万円=23万円」と計算し、その建売の不動産取得税は23万円となります。

なお、建物部分や土地部分の不動産取得税に軽減措置が適用されつつ税額が0円になる場合は、支払う不動産取得税は0円となるため留意してください。

2. 不動産取得税の通知はいつ来る?

建売を購入した場合、購入した翌年の4月以降に不動産取得税の納税通知書が届きます。

納税通知書の支払い期限は、納税通知書が届いた月の月末、または翌月の月末などであり、一括で納付するのが通例です。

一括で支払えない場合は、納税通知書を発行した都道府県役場、または税事務所と電話などで相談し、分納を交渉するのが良いでしょう。

事情が認められれば、分割での納付が可能です。

なお、不動産取得税は都道府県に支払う地方税のため、建売が所在する都道府県によって納税通知書が届く時期が前後するため留意してください。

また、建売を購入すると建物部分と土地部分を取得することになりますが、建物部分の納税通知書は建売を購入した翌年の4月以降に届き、土地部分の納税通知書は建売を購入後2~3ヵ月程度で届くこともあります。

余談ですが、誰でもわかる不動産売買では、不動産取得税の納税通知書が届く時期をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

不動産取得税の納税通知書が届く時期をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

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まとめ - 軽減措置を適用するには申告が必要

建売の購入を希望する方へ向けて、不動産取得税の金額の目安を予想する方法をご紹介しました。

建売を購入すると建物部分と土地部分を取得することになり、その両方の取得に対して不動産取得税が課せられます。

そして、それぞれの税額は課税標準額から計算されます。

よって、建物部分と土地部分の課税標準額を想定し、想定した課税標準額に税率を掛け算すれば、建売の不動産取得税の金額の目安を予想することが可能です。

なお、この記事の「1-1. 建売の建物部分の不動産取得税を予想する」や「1-2. 建売の土地部分の不動産取得税を予想する」にてご紹介しましたが、不動産取得税には軽減措置があり、適用されれば不動産取得税が安くなります。

ただし、軽減措置を適用させるためには、建売を取得してから30日、または60日以内などに、購入した建売が所在する地域を管轄する税事務所に申告する必要があるためご注意ください。

申告は、建売の売買契約書や領収書のコピー、登記事項証明書などを添付した申告書を提出することにより完了し、申告書は、購入した建売が所在する地域を管轄する都道府県、または市区町村のホームページからダウンロードすることが可能です。

ご紹介した内容が、建売の購入を希望する皆様のお役に立てば幸いです。

ちなみに、東京都の不動産取得税の軽減措置適用の申告書は「東京都主税局|不動産取得税|申請様式」よりダウンロードできます。