不動産取得税とは?わかりやすく解説

不動産取得税とは?わかりやすく解説

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を購入するなどして取得した後に一度だけ課せられる税金です。

不動産取得税は、時には数十万円以上などと高額になることがありますが、上手に不動産を購入すれば、掛からないこともあります。

不動産取得税をわかりやすく簡単に解説し、税額を計算する方法や、税額が安くなる特例などをご紹介しましょう。

目次

1. 不動産取得税とは、不動産の取得後に課せられる地方税

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を購入するなどして取得した後に一度だけ課せられる税金です。

税金と聞くと所得税などをイメージしますが、所得税は国に納める国税であるのに対し、不動産取得税は取得した不動産が所在する都道府県に納める地方税となっています。

また、不動産取得税は所有する建物を増築した際や、所有する不動産をより価値が高い不動産と交換した場合も課せられます。

所有する建物を増築した際は増築した部分の取得に、所有する不動産をより価値が高い不動産と交換した場合は、その価値の差の取得に対して課税されることとなります。

ただし、不動産を相続した場合に限り、不動産取得税は課せられません。

不動産取得税とは、不動産の取得後に一度だけ課せられる税金

不動産を取得しつつ不動産取得税が課せられる場合は、早ければ取得後2ヵ月後から3ヵ月後に、遅ければ翌年などに都道府県から納税通知書が届き、同封されている納付書を以て納税します。

なお、一戸建ては、一部例外を除き建物と土地が一対で販売されています。

それに該当する一戸建てを購入すると、建物と土地の両方を取得したこととなり、両方に不動産取得税が課せられるため留意してください。

加えて、マンションを購入すると一戸部分だけを取得すると考えがちですが、一部例外を除き、一戸部分と「そのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地」を取得することとなります。

そして、その両方に不動産取得税が課せられます。

不動産取得税は、一つの不動産につき一つずつ課税されます。

不動産取得税は一つの不動産に一つずつ課せられる

つづいて、不動産取得税がいくらになるか目安をご紹介し、税額を計算する方法をわかりやすく簡単にご紹介しましょう。

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2. 不動産取得税はいくら?

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を購入するなどして取得した後に一度だけ課せられる地方税です。

税金と聞くと気になるのが税額ですが、取得した不動産の時価に応じて税額が決定し、時価が高いと評価される不動産を取得した場合は、数十万円以上などと高額になることも珍しくありません。

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不動産取得税は、以下の式で計算します。

不動産取得税の計算式
課税標準額×不動産取得税の税率=不動産取得税

式には、課税標準額という聞きなれない言葉が含まれています。

課税標準額とは、何かしらの税金が課せられる状況において、税額を計算する基となる額であり、課せられる税金の種類によって意味が異なります。

不動産取得税を計算する式に含まれる課税標準額は、取得した不動産の固定資産税評価額です。

固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、その不動産の適正な時価を意味します。

不動産には売買価格がありますが、売買価格は売り主と買い主の希望によって決定されるため、売買価格を基に不動産取得税を計算しては公平に課税されません。

よって、不動産取得税は、市町村によって評価された不動産の適正な時価、すなわち固定資産税評価額を基に計算します。

具体的には、建物の固定資産税評価額は、その建物と同一の建物を同一の場所に新築するために必要となる資材費と労務費などの合計から、築年数が経過することにより目減りした価値を差し引いた額です。

難解ですが、新築の建物部分の固定資産税評価額は、建物部分の建築費の概ね60%程度などになるといわれ、中古住宅の建物部分の固定資産税評価額は、建物部分の売買価格の60%から30%程度などになるのが通例です。

例を挙げると、建物部分の建築費が2,000万円の新築であれば、その60%である1,200万円などが建物部分の固定資産税評価額になるといわれます。

建物部分の売買価格が1,000万円の中古住宅であれば、その60%から30%程度である600万円から300万円などが建物部分の固定資産税評価額です。

600万円から300万円というと開きがありますが、築年数が古いほど固定資産税評価額は低くなるとお考えください。

建物部分の固定資産税評価額の目安

一方、土地の固定資産税評価額は、公示地価などを参考に設定されます。

公示地価とは、国土交通省が毎年3月ごろに公示する日本全国各地に点在する約2万6千か所の土地の1平方メートルあたりの正常な価格であり、公示地価が公示される地点を標準地と呼びます。

毎年3月ごろになるとニュースで「今年の公示地価が公示され、日本全国1位は東京銀座の山野楽器銀座本店であり、1平方メートルあたり5,000万円でした」などと報道されますが、あの価格が公示地価です。

土地の固定資産税評価額は、最寄りの標準地の公示地価などを参考に、その70%程度に設定されます。

たとえば、最寄りの標準地の公示地価が10万円である100平方メートルの土地は「10万円×100平方メートル×70%=700万円」と計算し、固定資産税評価額は700万円程度になるといった具合です。

土地の固定資産税評価額の目安

そして、不動産取得税を計算する式に含まれる、不動産取得税の税率は4%です。

ただし、令和6年3月31日までに住宅や土地を取得した場合は、税率が3%に軽減されます。

つまり、令和6年3月31日までに住宅や土地を取得すれば、不動産取得税は以下の式で計算されるというわけです。

不動産取得税の計算式
課税標準額(取得した住宅、または土地の固定資産税評価額)×不動産取得税の税率(住宅や土地を取得すれば令和6年3月31日まで3%)=不動産取得税

不動産取得税は上記の式で計算され、令和6年3月31日までに住宅や土地を取得し、取得した住宅や土地の固定資産税評価額が1,000万円であれば「1,000万円×3%=30万円」と計算し、税額は30万円となります。

不動産取得税の計算例
課税標準額(取得した住宅、または土地の固定資産税評価額である1,000万円)×不動産取得税の税率(令和6年3月31日までに住宅や土地を取得した場合に適用される軽減税率である3%)=30万円

ところで、不動産取得税にはたくさんの特例が設けられ、上手に不動産を購入すれば、税金が掛からないことがあります。

つづいて、不動産取得税が減額される3つの代表的な特例をご紹介しましょう。

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3. 不動産取得税が安くなる特例

不動産取得税には、税額が軽減されるたくさんの特例が設けられています。

特例は一定の条件を満たす不動産を取得することにより適用され、上手に不動産を購入すれば、不動産取得税は掛かりません。

ここから、新築、中古住宅、土地を購入した場合に適用される、不動産取得税が減額される3つの代表的な特例をご紹介しましょう。

その前に、不動産取得税を計算する式をおさらいし、特例が適用されることにより不動産取得税が減額される仕組みをご紹介します。

不動産取得税は、以下のように課税標準額に税率を掛け算しつつ税額を計算します。

不動産取得税の計算式(おさらい)
課税標準額(取得した不動産の固定資産税評価額)×不動産取得税の税率(令和6年3月31日まで3%)=不動産取得税

以上が、不動産取得税の計算式です。

また、不動産取得税は一つの不動産につき一つずつ課せられ、建物と土地が一対になっている不動産を取得した場合は、その両方の不動産取得税を上記の式で個別に計算しつつ課税されることとなります。

そして、これからご紹介する特例が適用されれば、建物、または土地の不動産取得税を計算する式に含まれる課税標準額から、一定の額が差し引かれます。

課税標準額から一定の額が差し引かれれば、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算する不動産取得税の額も安くなります。

これが、特例が適用されることにより不動産取得税が減額される仕組みです。

特例が適用された場合の不動産取得税の計算式

それでは、不動産取得税が安くなる3つの代表的な特例をご紹介します。

なお、不動産取得税の特例は、特例が適用される条件を満たす不動産を購入するだけでは適用されません。

特例を適用するためには、特例が適用される条件を満たす不動産を購入し、なおかつ30日以内などに、取得した不動産が所在する都道府県を管轄する税事務所への申請が必要です。

申請は、取得した不動産が特例が適用される条件を満たすことを証明する書類を添付した申請書を提出することにより完了します。

申請の詳細は、取得する不動産が所在する都道府県の公式ホームページ内に設けられた検索窓に、「不動産取得税 特例 申請書」などと入力しつつ検索することによりお調べいただけます。

3-1. 新築の不動産取得税が安くなる特例

一定の条件を満たす新築を取得すれば、「新築住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」などと呼ばれる特例が適用されます。

同特例が適用されれば、建物部分の不動産取得税を計算する式に含まれる課税標準額から1,200万円、長期優良住宅を取得した場合は1,300万円が差し引かれ、それに伴い建物部分に掛かる不動産取得税が大幅に安くなります。

満たすべき条件は、以下のとおりです。

一戸建ての場合
床面積が50平方メートル以上、240平方メートル以下の住宅である新築の建物を取得した
マンションの場合
新築のマンションの一戸部分を取得し、取得した一戸部分の床面積と、そのマンションの共用部分の面積の合計を戸数などで按分した面積の合計が、50平方メートル以上240平方メートル以下である

そのマンションの共用部分の面積の合計とは、エントランスや廊下、階段など、住民が共用する部分の面積の合計

以上の条件を満たせば、建物部分の不動産取得税を計算する式に含まれる課税標準額から1,200万円、または1,300万円が差し引かれます。

そもそもの課税標準額が1,200万円、または1,300万円に満たない場合は、建物部分には不動産取得税が掛かりません。

加えて、同特例が適用される条件を満たし、なおかつ建物と同時にその建物が建つ土地を取得するなどすれば、土地部分に掛かる不動産取得税そのものから、以下の2つのうちの多い方の額が減額されます。

  • 1. 45,000円
  • 2. 土地部分の1平方メートルあたりの固定資産税評価額の2分の1×取得した新築の床面積の2倍×取得した建物の持ち分×3%

取得した建物の持ち分とは、取得した建物を所有する割合。たとえば1人で家屋を所有する場合は1.0に、2人で所有しつつ自分の持ち分が半分の場合は0.5になる

なお、「新築住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」は、長期優良住宅を取得すれば、課税標準額から1,300万円が差し引かれることとなりますが、長期優良住宅とは、一般的な住宅より品質が優れると市町村などから認定された住宅です。

誰でもわかる不動産売買では、長期優良住宅をわかりやすく簡単に解説するコンテンツも公開しています。

不動産取得税が安くなる長期優良住宅にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

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「新築住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」などと呼ばれる特例の詳細は、「東京主税局:Q12 新築住宅を取得したときに不動産取得税の軽減制度はありますか」にて確認することが可能です。

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3-2. 中古住宅の不動産取得税が安くなる特例

一定の条件を満たす中古住宅を取得すれば、「中古住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」などと呼ばれる特例が適用されます。

同特例が適用されれば、建物部分の不動産取得税を計算する式に含まれる課税標準額から最高で1,200万円が差し引かれ、それに伴い建物部分に掛かる不動産取得税が大幅に安くなります。

同特例が適用される条件は、以下のとおりです。

  • 自らが居住するための中古住宅を取得した
  • 一戸建であれば、床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下の中古住宅を取得した
  • 中古マンションを取得した場合は、取得した一戸部分の床面積と、そのマンションの共用部分の面積の合計を戸数などで按分した面積の合計が、50平方メートル以上240平方メートル以下である
  • 昭和57年1月1日以降に新築された築40年以内などの中古住宅や中古マンション、または耐震補強工事が実施されるなどして一定の耐震性を満たす中古住宅を取得した

そのマンションの共用部分の面積の合計とは、エントランスや廊下、階段など、住民が共用する部分の面積の合計

以上の条件を満たせば、「中古住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」などと呼ばれる特例が適用されます。

同特例が適用されることにより課税標準額から差し引かれる額は、取得した中古住宅が新築された日によって異なり、以下のとおりです。

新築された日 軽減措置適用分
平成9年4月1日以降 1,200万円
平成元年4月1日から平成9年3月31日 1,000万円
昭和60年7月1日から平成元年3月31日 450万円
昭和56年7月1日から昭和60年6月30日 420万円
昭和51年1月1日から昭和56年6月30日 350万円

たとえば、平成5年に新築された築29年の中古住宅を取得した場合の差引額は1,000万円ですが、その場合は以下のように課税標準額から1,000万円を差し引きつつ建物部分に掛かる不動産取得税を計算することとなります。

特例適用後の不動産取得税の計算例
課税標準額(建物部分の固定資産税評価額)-1,000万円×不動産取得税の税率(令和6年3月31日まで3%)=不動産取得税

特例が適用されることにより課税標準額から一定の額が差し引かれれば、不動産取得税が大幅に減額されます。

そもそもの課税標準額が差引額に満たない場合は、建物部分の不動産取得税は掛かりません。

加えて、「中古住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」などと呼ばれる特例が適用され、なおかつその中古住宅が建つ土地を同時に取得するなどすれば、土地部分に掛かる不動産取得税そのものから、以下の2つのうちの多い方の額が減額されます。

  • 45,000円
  • 土地部分の1平方メートルあたりの固定資産税評価額の2分の1×取得した新築の床面積の2倍×取得した建物の持ち分×3%

取得した建物の持ち分とは、取得した建物を所有する割合。たとえば1人で家屋を所有する場合は1.0に、3人で所有しつつ自分の持ち分が3分の1の場合は0.33になる

「中古住宅を取得したときの不動産取得税の課税標準の特例」などと呼ばれる特例の詳細は、「東京主税局:Q13 居住用の中古住宅を取得したときに不動産取得税の軽減制度はありますか」にて確認することが可能です。

3-3. 土地の不動産取得税が安くなる特例

一定の条件を満たしつつ土地を取得すれば、「宅地評価土地の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の特例」が適用されます。

同特例が適用されれば、取得した土地の不動産取得税を計算する式に含まれる課税標準額が2分の1に減額されます。

課税標準額が2分の1に減額されれば、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算する不動産取得税が半額になります。

満たすべき主な条件は、以下のとおりです。

  • 令和6年3月31日までに売買契約を結びつつ宅地を取得した

宅地とは、建物を建てるための土地、または既に建てられている建物を維持するために必要となる土地

なお、「宅地評価土地の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の特例」は、市街地に位置する農地など、宅地ではない土地にも適用されることがあるため留意してください。

同特例の詳細は、「東京主税局:Q8 住宅が建っていない土地でも、宅地の取得に係る不動産取得税の特例を受けられますか」などにて確認することが可能です。

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まとめ - 不動産取得税の後は、固定資産税が待っている

不動産取得税をわかりやすく簡単に解説しました。

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した後に課せられる税金であり、その不動産が所在する都道府県に納付する地方税です。

不動産取得税を納める時期は都道府県によって異なりますが、早ければ不動産の取得後2ヵ月から3ヵ月など、遅ければ翌年などに納税通知書がご自宅に届き、同封されている納付書を以て納付します。

税額は課税標準額に税率を掛け算しつつ計算し、税率は原則として4%ですが、令和6年3月31日までに不動産を取得すれば3%に軽減されます。

不動産取得税を計算する場合における課税標準額は、取得した不動産の固定資産税評価額であり、固定資産税評価額とは、市町村によって評価されたその不動産の適正な時価です。

また、不動産取得税には税額が軽減されるたくさんの特例が設けられ、特例が適用されれば、不動産取得税を計算する基となる課税標準額から一定の額が差し引かれます。

課税標準額から一定の額が差し引かれれば、課税標準額に税率を掛け算しつつ計算される不動産取得税の額が安くなります。

差し引かれる額より課税標準額が少なければ、不動産取得税は掛かりません。

不動産取得税をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、不動産を取得すると、翌年から固定資産税という税金が課せられることとなります。

固定資産税とは、1月1日の時点で不動産などを所有する方に課せられる税金であり、その1月1日が属する年の4月ごろから市町村に納税する地方税です。

つまり、不動産取得税を納付した後は、その不動産を所有し続ける限り、翌年から固定資産税を納め続けなければならないというわけです。

固定資産税の詳細は、私が運営するもう一つのサイト「固定資産税をパパッと解説」で公開するコンテンツにてわかりやすく簡単にご紹介しています。

不動産を取得する予定がある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

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ご紹介した内容が、不動産取得税をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2022年2月
記事公開日:2019年11月

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