不動産取得税とは?わかりやすく解説

不動産取得税とは?わかりやすく解説

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した際に課せられる税金です。

不動産取得税をわかりやすく解説し、標準税率や軽減税率、税額の計算式、特例や減額などの軽減措置をご紹介しましょう。

目次

1. 不動産取得税とは?

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した際に課せられる税金です。

税金と聞くと所得税などをイメージしますが、所得税は国に納める国税であるのに対し、不動産取得税は取得した不動産が所在する都道府県に納付する地方税となっています。

不動産取得税とは?

また、不動産取得税は所有する建物を増築した際や、所有する不動産をより価値が高い不動産と交換した場合も課せられます。

所有する建物を増築した際は増築した部分の取得に、所有する不動産をより価値が高い不動産と交換した場合はその価値の差の取得に対して課税されることとなります。

ただし、不動産を相続した場合に限り不動産取得税は課せられません。

不動産を取得しつつ不動産取得税が課せられる場合は、早ければ取得後2~3カ月後に、遅ければ翌年などに都道府県から納税通知書が届き、同封されている納付書を以て納税します。

なお、一戸建ては一部例外を除き建物と土地がセットで販売されていますが、それに該当する一戸建てを購入すると建物と土地を取得したこととなり、両方に不動産取得税が課せられるため留意してください。

また、マンションを購入すると一戸部分だけを取得すると考えがちですが、一戸部分と「そのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地」を取得し、その両方に不動産取得税が課せられます。

不動産取得税は、ひとつの不動産にひとつずつ課税されます。

不動産取得税は一つの不動産にひとつずつ課せられる

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2. 標準税率と軽減税率

不動産取得税をわかりやすく解説すると、土地や建物などの不動産を購入するなどして取得した際に課せられる地方税です。

税金と聞いて気になるのが税率ですが、不動産取得税の税率は地方税法という法律の「第七十三条の十五(不動産取得税の税率)」にて4%と定められています。

地方税法 第七十三条の十五(不動産取得税の税率)
不動産取得税の税率は百分の四とする

ただし、この4%は標準税率であり、令和6年3月31日までに土地や住宅を取得した場合は軽減税率が適用され3%となります。

なお、住宅ではない店舗などの建物を取得した場合は軽減税率は適用されず、標準税率である4%が適用されるため留意してください。

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3. 計算式

不動産取得税とは不動産を取得した際に課せられる地方税であり、標準税率は4%、軽減税率は3%です。

そして、不動産取得税は課税標準額に不動産取得税の税率を掛け算しつつ計算し、具体的な計算式は以下のとおりとなっています。

不動産取得税の計算式
課税標準額(固定資産税評価額-軽減措置適用分)×不動産取得税の税率=不動産取得税

式には、固定資産税評価額と軽減措置適用分という聞きなれない言葉が含まれています。

ここから、不動産取得税の計算式に含まれる固定資産税評価額と軽減措置適用分をわかりやすくご説明しましょう。

3-1. 固定資産税評価額とは?

不動産取得税の計算式に含まれる固定資産税評価額とは、その不動産の固定資産税(不動産の所有者に毎年課せられる税金)を計算するために市区町村が評価したその不動産の価格です。

価格と聞くと実勢価格や販売価格をイメージしますが、固定資産税評価額はそうではありません。

固定資産税評価額は価値から鑑みた価格であり、建物の固定資産税評価額と土地の固定資産税評価額の算定方法は異なります。

建物の固定資産税評価額は、その建物を新築する際に必要となる材料費と人件費の合計から、築年数が経過することにより目減りした価値を差し引いた額です。

難解ですが、新築の建物部分の固定資産税評価額は販売価格の概ね60%程度に、中古住宅の建物部分の固定資産税評価額は売買価格の70%から40%程度などになるのが通例です。

一方、土地の固定資産税評価額は、その土地の最寄りの公示地価、または基準地価を参考に算定されます。

公示地価とは、国土交通省が毎年3月ごろに公表する日本全国各地に点在する約2万6千か所の土地の1㎡あたりの適正価格であり、公示地価が公表される地点を標準地と呼びます。

基準地価とは、都道府県が毎年9月ごろに公表する日本全国各地に点在する約3万か所の土地の1㎡あたりの適正価格であり、基準地価が公表される地点を基準地と呼び、標準地と基準地の場所は重なりません。

また、公示地価と基準地価の評価基準はほぼ同じです。

公示地価と基準地価をわかりやすく図解でご説明すると以下のとおりです。

公示地価と基準地価とは?

土地の固定資産税評価額は、その土地の最寄りの標準地の公示地価、または基準地の基準地価を参考に、その70%程度に算定されます。

たとえば、その土地の最寄りの標準地の公示地価が10万円の場合は、その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額は70%の7万円になるといった具合です。

そして、その土地が100㎡の場合は「7万円×100㎡=700万円」と計算し、その土地の固定資産税評価額は700万円程度となります。

こちらも難解ですが、土地が売買される際は最寄りの標準地の公示地価、または基準地の基準地価と同程度に値付けされるのが通例のため、土地の固定資産税評価額は売買価格の70%程度になるとお考えになれば良いでしょう。

土地の固定資産税評価額は売買価格の70%程度

なお、所有する不動産の正確な固定資産税評価額は、固定資産課税台帳を閲覧することより確認することが可能です。

固定資産課税台帳とは、不動産の固定資産税評価額などが記された台帳であり、その不動産が所在する地域を管轄する市区町村役場などで閲覧できます。

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3-2. 軽減措置適用分とは?

不動産取得税には、様々な特例が設けられています。

特例とは特別な場合に適用される規定であり、一定の条件を満たすことにより適用され、適用されることによって不動産取得税が減税されます。

そして、不動産取得税の計算式に含まれる軽減措置適用分とは、特例が適用された場合に固定資産税評価額から差し引かれる額です。

不動産取得税の計算式に含まれる軽減措置適用分とは?

軽減措置適用分の額は適用される特例によって異なり、主な特例は以下のとおりです。

なお、不動産取得税の特例の詳細は「東京都主税局|不動産取得税の軽減制度に係る質問と答え」にてご確認いただけます。

新築住宅を取得したときの課税標準の特例

一定の条件を満たしつつ新築の住宅を取得すれば、その建物部分にかかる不動産取得税に「新築住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用されます。

同特例が適用された場合における軽減措置適用分は1,200万円(長期優良住宅を取得した場合は1,300万円)です。

同特例が適用された場合における不動産取得税の計算式は、以下のようになります。

新築住宅を取得したときの課税標準の特例適用後の計算式
課税標準額(固定資産税評価額-1,200万円または1,300万円)×不動産取得税の税率=不動産取得税

「新築住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用されれば、建物部分にかかる不動産取得税は上記のように計算し、税額が軽減されます。

同特例を適用するために満たすべきは、以下のいずれかの条件です。

新築住宅を取得したときの課税標準の特例の適用条件

  • 一戸建ての場合は床面積が50㎡以上240㎡以下の新築を取得した
  • マンションの場合は「一戸部分の床面積」と「共用部分の合計面積を戸数などで割った面積」の合計が50㎡以上240㎡以下の新築を取得した

条件2に含まれる「共用部分」とは、エントランスや廊下、階段などの各戸の住民が共用する部分

中古住宅を取得したときの課税標準の特例

以下の3つの全ての条件を満たせば、中古住宅の建物部分にかかる不動産取得税に「中古住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用されます。

中古住宅を取得したときの課税標準の特例の適用条件

  • 自らが居住するための中古住宅を取得した
  • 床面積が50㎡以上240㎡以下の中古住宅を取得した
  • 昭和57年1月1日以降に新築された築39年以内などの中古住宅を取得した(耐震補強工事が実施されるなどして一定の耐震性を満たす場合はそれ以前に新築された物件でも構わない)

上記の全ての条件を満たせば「中古住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用されます。

同特例が適用された場合における軽減措置適用分は、取得した中古住宅が新築された日によって異なり以下のとおりです。

軽減措置適用分

新築された日 軽減措置適用分
平成9年4月1日以降 1,200万円
平成元年4月1日から平成9年3月31日 1,000万円
昭和60年7月1日から平成元年3月31日 450万円
昭和56年7月1日から昭和60年6月30日 420万円
昭和51年1月1日から昭和56年6月30日 350万円

たとえば、平成8年に新築された築25年の中古住宅を取得した場合の軽減措置適用分は1,000万円ですが、その場合の以下のように建物部分にかかる不動産取得税を計算します。

中古住宅を取得したときの課税標準の特例適用後の計算例
課税標準額(固定資産税評価額-1,000万円)×不動産取得税の税率=不動産取得税

「中古住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用されれば、上記のように固定資産税評価額から一定額を差し引きつつ不動産取得税を計算し、それに伴い減税されることとなります。

宅地を取得したときの課税標準の特例

建物を建てるための土地や、既に建っている土地を宅地と呼びます。

そして、宅地を取得した場合は「宅地を取得したときの課税標準の特例」が適用され、同特例が適用された場合における軽減措置適用分は「÷2」であり、以下のように不動産取得税を計算します。

宅地を取得したときの課税標準の特例適用後の計算式
課税標準額(固定資産税評価額÷2)×不動産取得税の税率=不動産取得税

「宅地を取得したときの課税標準の特例」が適用されれば上記のように不動産取得税を計算し、不動産取得税が軽減されます。

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4. 住宅用地の減額

不動産取得税とは不動産を取得した際に課せられる地方税であり、課税標準額に税率を乗算しつつ税額を計算します。

そして、この記事の「3-2. 軽減措置適用分とは?」にて、新築や中古住宅の建物部分にかかる不動産取得税が軽減される以下の2つの特例をご紹介しました。

  • 新築住宅を取得したときの課税標準の特例
  • 中古住宅を取得したときの課税標準の特例

これらの特例が適用されれば建物部分にかかる不動産取得税が軽減されますが、住宅が建つ土地にかかる不動産取得税には「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」という制度が設けられています。

わかりやすく図解でご説明すると以下のとおりです。

不動産取得税の軽減と減額

そして、「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」が適用されれば、新築、または中古住宅が建つ土地の取得にかかる不動産取得税から、以下の2つのうちの多い方の額が減額されます。

  • 45,000円
  • (その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額÷2)×200㎡を上限とする建物部分の床面積の2倍×3%

ただし、新築、または中古住宅が建つ土地を取得しつつ「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」の適用を受けるためには、一定の条件を満たさなければなりません。

一定の条件は、新築を取得した場合と中古住宅を取得した場合によって異なり、以下のとおりです。

新築を取得した場合

新築が建つ敷地を取得しつつ「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」を適用するためには、まずは建物部分にかかる不動産取得税が軽減される特例である「新築住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用される条件を満たす必要があります。

その上で以下の3つのいずれかの条件を満たせば「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」が適用され、土地部分にかかる不動産取得税から一定額が減額されます。

  • 建売や分譲マンションを購入するなどして建物と土地を同時に取得した場合は、その建売や分譲マンションが新築された日から1年以内に取得した
  • 先に土地を取得しつつ後から注文住宅を建てるなどした場合は、土地を取得後3年以内に新築した
  • 先に住宅を新築しつつ後から土地を取得した場合は、新築後1年以内に土地を取得した

中古住宅を取得した場合

中古住宅が建つ敷地を取得しつつ「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」を適用するためには、まずは建物部分にかかる不動産取得税が軽減される特例である「中古住宅を取得したときの課税標準の特例」が適用される条件を満たす必要があります。

そして、以下2つのうちのいずれかの条件を満たせば「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額」が適用され、中古住宅が建つ土地の取得にかかる不動産取得税から一定額が減額されます。

  • 土地と同時に建物を取得した、または土地を取得した日から1年以内に建物を取得した
  • 建物を先に取得し、取得した日から1年以内に土地を取得した

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まとめ - 特例や減額の適用には申請が必要

不動産取得税をわかりやすく解説しました。

不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得した際に課せられる税金であり、その不動産が所在する都道府県に納付する地方税です。

不動産取得税は課税標準額に税率を乗算しつつ税額を計算し、標準税率は4%であり、住宅や土地を取得した場合は令和6年3月31日まで3%の軽減税率が適用されます。

不動産取得税をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、不動産を取得した際は原則として30日以内などに、その不動産が所在する地域を管轄する税事務所への届け出が必要です。

とはいうものの申請を忘れても特にお咎めはなく、不動産取得税の納税通知書だけはきちんと届くため心配はありません。

ただし、この記事でご紹介した特例や減額措置の適用を希望する場合は、不動産を取得後30日以内などに取得した不動産が所在する地域を管轄する税事務所への申請が必要です。

申請は、売買契約書のコピーなどの必要書類を添付した申請書を提出することにより完了し、申請書は取得した不動産が所在する都道府県のホームページからダウンロードできます。

ダウンロードできるページは、都道府県のホームページ内に設けられている検索窓に「不動産取得税 軽減 申請書」などと入力しつつ検索することにより迅速に発見することが可能です。

ご紹介した内容が、不動産取得税をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

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