不動産取得税が新築にかからない条件

不動産取得税が新築にかからない条件

一定の条件を満たせば、新築は不動産取得税がかからない、または大幅に安くなります。

建売などの一戸建てや新築の分譲マンションの購入を希望する方へ向けて、不動産取得税がかからない条件をイラスト付きでわかりやすく簡単にご説明しましょう。

目次

1. 新築の一戸建てに不動産取得税がかからない条件

まずは、新築の一戸建てに不動産取得税がかからない条件をご紹介しましょう。

その前に、建売などの新築の一戸建てを購入したり、土地を購入しつつ新築すると建物と土地を取得したこととなり、その両方に不動産取得税がかかることを留意してください。

よって、新築の一戸建てを購入、または土地を購入しつつ新築して不動産取得税をかからないようにするためには、建物部分と土地部分の両方が非課税になる条件を満たさなければなりません。

ここから、建物部分の不動産取得税がかからない条件と、土地部分の不動産取得税がかからない条件をご紹介しましょう。

建物部分の不動産取得税がかからない条件

建売などの新築の一戸建てを購入、または土地を購入しつつ新築し、その建物部分に不動産取得税がかからないようにするためには以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 建物部分の建築費がおおむね2,000万円以下の新築を取得する
  • 床面積が50㎡以上240㎡以下の新築を取得する

上記の2つの条件を満たせば課税標準額から1,200万円が控除され、不動産取得税がかからない、または大幅に安くなります。

2つの条件のうち気になるのは、1の「建物部分の建築費がおおむね2,000万円以下の新築を取得する」ですが、建築費と販売価格は必ずしも一致するわけではないため注意してください。

建築費とは、その建物を新築するために必要となる材料費や人件費、労務費、建築業者が得る利益などの合計です。

たとえば、注文住宅を建てるために建築業者に見積もりを依頼すると完成した見積書に工事請負金額が記されていますが、工事請負金額は建築費と同額です。

そして、工事請負金額が2,000万円以下の注文住宅を取得すれば、おおむね不動産取得税がかかりません。

一方、不動産業者が販売する建売などの販売価格は建築費と異なる場合があります。

不動産業者が販売する建売などは、不動産業者が建築業者に新築を依頼し、完成した新築に不動産業者が得る利益を上乗せしつつ販売している場合があり、それに該当する新築の販売価格は建築費より高く設定されています。

新築の販売価格は建築費と異なる場合がある

販売価格が建築費より高く設定されている新築を取得する場合は、販売価格が2,000万円を超える場合であっても不動産取得税がかからない、または大幅に安くなる可能性があります。

不動産取得税がかからないのは建物部分の建築費がおおむね2,000万円以下の新築を取得した場合であり、建築費が販売価格と必ず一致するとは限りません。

なお、建物部分の建築費がおおむね2,000万円以下の新築の一戸建てを購入することにより不動産取得税がかからない理由は、この記事の「3. なぜ2,000万円以下の新築を購入すると非課税になる?」にてわかりやすく解説中です。

新築に不動産取得税がかからない条件の詳細を確認されたい方がいらっしゃいましたら、是非ご確認ください。

▲ 目次に戻る

土地部分の不動産取得税がかからない条件

建売などの新築の一戸建てを購入、または注文住宅などを新築し、その建物が建つ土地に不動産取得税がかからないようにするためには、まずは以下の2つの条件を満たさなければなりません。

  • 建物部分の不動産取得税がかからない条件を満たしている
  • 建物部分と土地部分の取得者が同じである

上記の2つを満たせば、さらに以下の3つのうちのいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 建売などの土地付きの一戸建てを購入する場合は、新築された日から1年以内に購入する
  • 先に土地を購入しつつ後から注文住宅を新築する場合などは、土地を購入後3年以内に新築する
  • 先に住宅を新築して土地を後から購入する場合などは、新築後1年以内に土地を購入する

上記の3つのいずれかの条件を満たせば、土地部分にかかる不動産取得税そのものから以下の2のうちの多い方が減額され、その結果、不動産取得税がかからない、または大幅に減税されることとなります。

  • 45,000円
  • (その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額÷2)×200㎡を上限とする新築の建物部分の床面積の2倍×3%

上記の2には「その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額」が含まれていますが、以下のように計算することにより概算することが可能です。

土地部分の販売価格×70%÷土地部分の面積(㎡単位)

上記のように計算することにより「その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額」を概算できます。

たとえば、土地部分の販売価格が1,500万円であり敷地面積が66㎡(約20坪)の場合は以下のように概算し、「その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額」は159,091円などです。

概算例
1,500万円(土地部分の販売価格)×70%÷66㎡(土地部分の面積)=159,091円

また、土地部分の販売価格が1,500万円、土地部分の面積が66㎡、その土地に建つ建物の床面積が100㎡(約30坪)の新築の一戸建てを「(その土地の1㎡あたりの固定資産税評価額÷2)×200㎡を上限とする新築の建物部分の床面積の2倍×3%」に当てはめると以下のようになり、その答えは477,276円となります。

計算例
(159,091円÷2)×200㎡×3%=477,276円

この答えである477,276円などが土地部分の不動産取得税から減額され、その結果、土地部分の不動産取得税がかからない、または大幅に減税されることとなります。

計算方法が複雑ですが、建物部分の不動産取得税がかからない条件を満たす場合は、おおむね土地部分の不動産取得税もかかりません。

▲ 目次に戻る

2. 新築のマンションに不動産取得税がかからない条件

つぎに、新築のマンションに不動産取得税がかからない条件をご紹介しましょう。

その前に、新築のマンションを購入すると、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地を取得することを留意してください。

そして、不動産取得税は、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地の両方の取得に課せられます。

新築のマンションを購入すると一戸部分と土地の持ち分の両方に不動産取得税がかかる

よって、新築のマンションを購入しつつ不動産取得税がかからないようにするためには、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地の両方が非課税にならなければなりません。

ここから、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地に不動産取得税がかからない条件をご紹介しましょう。

なお、この記事ではこれ以降、「そのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地」を「土地の持ち分」と呼ぶため留意してください。

一戸部分の不動産取得税がかからない条件

一戸部分に不動産取得税がかからないようにするためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 取得した一戸部分の建築費が概ね2,000万円以下である
  • 取得した一戸部分の床面積と、そのマンションの共用部分を戸数で割った面積の合計が40㎡以上240㎡以下の新築のマンションを取得した

上記の2つの条件を満たせば、不動産取得税を計算する基となる課税標準額から1,200万円が控除され、不動産取得税がかからない、または大幅に安くなります。

条件の1は「取得した一戸部分の建築費が概ね2,000万円以下である」ですが、一戸部分の建築費はそのマンションを販売する不動産業者などに問い合わせることにより確認することが可能です。

お問い合わせの際は「一戸部分の建築費が2,000万円以下などであれば不動産取得税がかからないと聞いたのですが、そのマンションは如何でしょうか」などとお聞きください。

条件の2は「取得した一戸部分の床面積と、そのマンションの共用部分を戸数で割った面積の合計が40㎡以上240㎡以下の新築のマンションを取得した」ですが、そのマンションの共用部分を戸数で割った面積とは、エントランスや廊下、階段、バルコニーなど、各戸の持ち主が共有する部分の合計を戸数で割った面積です。

そのマンションの共用部分を戸数で割った面積とは?

正確な「そのマンションの共用部分を戸数で割った面積」は、そのマンションを販売する業者に問い合わせることにより確認できますが、エントランスや廊下が広く戸数が少ない高級マンションなどは、「そのマンションの共用部分を戸数で割った面積」が特に大きくなる可能性があるため注意してください。

高級マンションはそのマンションの共用部分を戸数で割った面積が大きくなる

「そのマンションの共用部分を戸数で割った面積」と購入した一戸部分の床面積の合計が240㎡を超えるような高級マンションを購入した場合は、残念ながら不動産取得税がかからない条件を満たしません。

土地の持ち分の不動産取得税がかからない条件

先にご紹介した一戸部分の不動産取得税がかからない条件を満たせば、大抵の場合は土地の持ち分の不動産取得税がかからない条件も満たします。

そして、以下の2つのうちの多い方が、土地の持ち分に課せられる不動産取得税そのものから減額されます。

  • 45,000円
  • (土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額÷2)×200㎡を上限とする一戸部分の床面積の2倍×3%

上記の2には「土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額」が含まれていますが、以下のように計算することにより概算できます。

土地の持ち分の販売価格×70%÷土地の持ち分の面積(㎡単位)=土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額

上記のように計算することにより「土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額」を概算できます。

たとえば、土地の持ち分の販売価格が100万円であり、購入したマンションの土地部分の面積が10㎡(約3坪)の場合は以下のように概算し、「土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額」は7万円などです。

概算例
100万円(土地の持ち分の販売価格)×70%÷10㎡(土地の持ち分の面積)=7万円(土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額)

また、土地の持ち分の販売価格が100万円、土地の持ち分の面積が10㎡、一戸部分の床面積が83㎡(約25坪)のマンションを「(土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額÷2)×200㎡を上限とする一戸部分の床面積の2倍×3%」に当てはめつつ計算すると以下のようになり、その答えは174,300円となります。

計算例
(7万円÷2)×166㎡×3%=174,300円

上記の答えである174,300円などが土地の持ち分にかかる不動産取得税から減額され、その結果、土地の持ち分の不動産取得税がかからない、または大幅に減税されます。

ちなみに、販売価格が100万円、面積が10㎡である土地の持ち分の本来の不動産取得税は以下のように計算し、税額は2万1,000円などです。

100万円(土地の持ち分の販売価格)×70%×3%(不動産取得税の税率)=2万1,000円(土地の持ち分に課せられる本来の不動産取得税)

土地の持ち分に課せられる本来の不動産取得税が45,000円、または「 (土地の持ち分の1㎡あたりの固定資産税評価額÷2)×200㎡を上限とする一戸部分の床面積の2倍×3%」を下回る場合は、不動産取得税はかからないこととなります。

▲ 目次に戻る

3. なぜ2,000万円以下の新築は非課税になる?

この記事の「建物部分の不動産取得税がかからない条件」にて、建築費が概ね2,000万円以下の新築の一戸建てを購入すれば建物部分の不動産取得税はかからないとご紹介しました。

また、この記事の「一戸部分の不動産取得税がかからない条件」では、一戸部分の建築費が概ね2,000万円以下の新築のマンションを購入すれば、一戸部分の不動産取得税はかからないとご説明しています。

つまり、一戸建て、マンションを問わず、建物部分の建築費が概ね2,000万円以下の新築を購入すれば建物部分の不動産取得税がかからないというわけですが、その理由は軽減措置が適用された場合における建物部分にかかる不動産取得税の計算方法にあります。

軽減措置が適用された場合における建物部分の不動産取得税は、以下の式で計算します。

軽減措置適用後の建物部分の不動産取得税の計算式
(建物部分の固定資産税評価額-軽減措置適用分)×不動産取得税の税率=不動産取得税

式に含まれる軽減措置適用分は1,200万円(長期優良住宅を購入した場合は1,300万円)であり、不動産取得税の税率は令和6年3月31日まで3%です。

また、式に含まれる「建物部分の固定資産税評価額」とは再建築価格を意味します。

再建築価格とは、その建物を新築するために必要となる材料費と労務費の合計であり、軽減措置適用後の建物部分の不動産取得税の計算式を図解でわかりやすく解説すると以下のとおりです。

軽減措置適用後の新築の不動産取得税の計算式

たとえば、その建物を現時点で新築するために1,500万円の材料費と500万円の労務費がかかる場合は「1,500万円+500万円=2,000万円」と計算し、その建物の再建築価格は2,000万円となります。

そして、販売されている新築の建物部分の再建築価格(材料費と労務費の合計)は、おおむね建築費の60%程度になるのが通例です。

例を挙げると、建築費が2,000万円である新築の建物部分の再建築価格は、その60%である1,200万円といった具合です。

軽減措置が適用されれば建物部分の固定資産税評価額(再建築価格)から1,200万円を差し引き、その答えに不動産取得税の税率である3%を乗算した答えが不動産取得税となりますが、再建築価格が1,200万円であれば以下のように計算し、不動産取得税はかからないこととなります。

計算例
(建物部分の固定資産税評価額:1,200万円-軽減措置適用分:1,200万円)×不動産取得税の税率:3%=不動産取得税:0円

上記のよう計算し、建物部分の固定資産税評価額(再建築価格)が1,200万円以下の新築の建物部分には不動産取得税がかかりません。

再建築価格が1,200万円以下の建物とは、建築費が概ね2,000万円以下の新築です。

よって、建築費が2,000万円以下の新築の建物部分には、不動産取得税がかからないこととなります。

▲ 目次に戻る

まとめ - 不動産取得税を軽減するには申告を忘れずに

不動産取得税がかからない新築の条件を簡単にご説明しました。

建物部分の建築費が2,000万円程度以下であり、さらに床面積が50㎡以上240㎡以下などであれば、建物部分の不動産取得税がかかりません。

そして、建物部分の不動産取得税がかからない条件を満たせば、多くの場合は土地部分の不動産取得税がかからない条件も満たし、その結果、その新築の不動産取得税は非課税となります。

不動産取得税がかからない新築の条件をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、不動産取得税がかからない条件を満たしつつ非課税にするためには、新築を取得した日から30日以内などに、その住宅が所在する地域を管轄する税事務所に申告をしなくてはなりません。

申告は各都道府県のホームページからダウンロードできる申告書に必要事項を記載しつつ提出することにより完了しますが、必要書類の添付を求められます。

必要書類は主に売買契約書のコピーなどですが、都道府県によって異なります。

よって、申告をする際は、必ず事前に税事務所に必要書類をお問い合わせください。

ちなみに、東京都の申告書は「東京都主税局|不動産取得税 申請様式」より、大阪府の申告書は「大阪府|手続案内 不動産取得税」よりダウンロードすることが可能です。

ご紹介した内容が、不動産取得税がかからない新築の条件をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2021年5月
記事公開日:2020年3月

▲ 目次に戻る