変動金利とは?わかりやすく解説

変動金利とは?わかりやすく解説

変動金利とは、定期的に金利が変わる住宅ローンです。

しかし、この説明ではわかりにくいため、変動金利の意味や仕組み、金利が上昇するリスクなどを図解でわかりやすく解説しましょう。

目次

1. 変動金利とは、定期的に金利が変わる住宅ローン

それでは、変動金利をわかりやすく解説しましょう。

その前に、変動金利という言葉の後半に含まれる「金利」という金融用語の意味を理解してください。

金利とは、借りたお金に掛かる利子の割合を意味し、%(パーセント)で表します。

金利とは?

銀行や消費者金融、クレジットカードなどで資金を借り入れつつ返済する際は、借りたお金を返すと共に利子を支払わなければなりません。

利子とは、お金を借りた対価として貸し主に支払う金銭であり、100万円を借りた場合は10万円の利子を上乗せし、合計110万円を返済するといった具合です。

銀行や消費者金融、クレジットカード会社は積極的にお金を貸しますが、この借り主から支払われる利子による利益を目的としつつ貸し出しています。

そして、銀行や消費者金融、クレジットカード会社が資金を貸し出す際に、必ず設定しているのが金利です。

たとえば、金利が5%に設定されているローンを利用しつつ100万円を借りた場合は、100万円の5%である5万円などを利子として上乗せし、約105万円を返済しなければなりません。

また、金利が3%と設定されているローンを利用しつつ200万円を借り入れた場合は、200万円の3%である6万円などを利子として上乗せし、約206万円を返済する必要があります。

金利の例

このように金利とは、借りたお金に掛かる利子の割合を意味します。

やや難しいですが、金利の意味を理解していただけましたでしょうか。

つづいて、変動金利の意味をわかりやすく解説しましょう。

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1-1. あらためて変動金利をわかりやすく解説

変動金利をわかりやすく解説すると、定期的に金利が見直される住宅ローンです。

先に、銀行などで資金を借りると利子を上乗せしつつ返済する必要があり、借りたお金に掛かる利子の割合を金利と呼ぶとご説明しました。

そして、銀行などが資金を貸し出す際は、必ず金利を設定しているとご紹介しましたが、住宅ローンも同じであり、金利が設定されています。

そして、住宅ローンの金利には、以下の2つのタイプがあります。

固定金利型
固定金利型とは、返済が完了するまで金利が変わらない住宅ローンです。

たとえば、金利が1.5%に設定されている場合は、返済が完了するまで1.5%であり、変わることがありません。
変動金利型
変動金利型とは、返済が完了するまで、半年に一度金利が見直される住宅ローンです。

住宅ローンは、住宅を購入するための資金が貸し出されるだけに、貸し出し額が2,000~3,000万円などと高額になり、返済期間も30年など長期に及びます。

30年の間には景気が循環し、景気が悪化した状態で金利が高くては、借り主は返済できません。

反対に、景気が良い状態で金利が低くては、住宅ローンを貸し出した銀行は儲かりません。

そのため、変動金利型は、景気の動向を窺いつつ半年に一度金利が変わります。

以上の2つが住宅ローンの金利のタイプであり、2つ目にご紹介した変動金利型が変動金利です。

つまり、変動金利とは、景気の動向を窺いつつ定期的に金利が変わる住宅ローンを意味するというわけです。

ただし、定期的に金利が変わるといっても、5%の金利が10%に上がるようなことはなく、0.7%が0.73%になる程度のため留意してください。

金利が下がるときも同じであり、0.73%が0.7%になる程度です。

とはいうものの、金利が上がれば月々の返済額や総返済額(利子を含めた返済額)が増えるため、変動金利型の住宅ローンを利用する際は、ある程度は注意しなければなりません。

変動金利とは?

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2. 住宅ローンの変動金利の仕組み

変動金利をわかりやすく解説すると、半年に一度金利が変わる住宅ローンです。

ここからは、もう少し詳しく変動金利の仕組みをご説明しましょう。

この記事の「1-1. あらためて変動金利をわかりやすく解説」にて、変動金利は景気の動向を窺いつつ半年に一度金利が見直されるとご説明しましたが、具体的にはプライムレートを元に見直します。

プライムレートとは、銀行が企業に資金を貸し出す際の金利を意味し、景気が悪くなれば低くなり、景気が良くなれば高くなりますが、昨今は日本経済の停滞やコロナウイルスの影響により、大きく上昇することはあり得ません。

つまり、変動金利型の住宅ローンは、景気が良くなれば金利が引き上げられるリスクがあるものの、その可能性は極めて低いというわけです。

変動金利はプライムレートを参考に金利が見直される

また、変動金利は半年に一度金利が見直されますが、元利均等返済をお選びになれば、実際に月々の返済額が変わるのは5年に1度のみです。

元利均等返済とは、住宅ローンを利用する際に任意で選択できる返済方法の一種であり、金利が急激に上昇することがない限り、完済まで月々の返済額が変わらない返済方式を意味します。

元利均等返済とは?

元利均等返済をお選びになり、変動金利型の住宅ローンで金利が上昇した場合における、月々の返済額が変わるタイミングを図でご説明すると以下のようになります。

変動金利の仕組み

金利が上昇しても月々の返済額が変わるのが5年に1度のみである理由は、短期間に返済額の上昇が幾度となく繰り返されると、住宅ローンの利用者の返済が追いつかなくなるためであり、これを5年ルールと呼びます。

また、金利が上昇して月々の返済額が上がったとしても、上昇率は最大125%までとなっています。

たとえば、金利が引き上げられるまで毎月8万円を返済していた場合は、どれだけ返済額が増えたとしても、その125%の10万円に留まるといった具合です。

これも5年ルールと同じく住宅ローンの利用者を保護するために設けられたルールであり、125%ルールや1.25倍ルールと呼ばれ、元利均等返済をお選びになった場合に限り適用されます。

ただし、5年ルールや125%ルールが適用されても、金利が上がった分の支払いが免除されるわけではなく、先延ばしになるため留意してください。

なお、誰でもわかる不動産売買では、元利均等返済をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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元利均等返済と元金均等返済をわかりやすく解説(図と表付き)

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まとめ - 変動金利は、固定金利より審査が厳しい

変動金利をわかりやすく解説しました。

変動金利とは、半年に1度など、定期的に金利が見直される住宅ローンです。

変動金利は、景気が良くなれば金利が上昇するため、総返済額が増えるリスクがありますが、日本経済は停滞しているため、そのリスクは限りなく小さいといえるでしょう。

最近は日経平均株価が高くなっていますが、それは景気が良いというわけではなく、日経平均株価を上げるという政府の意図によるものであり、むしろ金利は低く抑えられているのが現状です。

なお、この記事の「1-1. あらためて変動金利をわかりやすく解説」にて、住宅ローンの金利には変動金利型と固定金利型があるとご紹介しましたが、変動金利の金利の相場は0.5~1.2%などであり、固定金利の金利の相場は1.5%などです。

つまり、変動金利型は、金利が上昇すれば総返済額が増える可能性を秘めているものの、余程日本の景気が良くならない限り、固定金利型より総返済額が少なく済むというわけです。

そのため、住宅ローンを利用するのであれば変動金利に限ると断言したいところですが、変動金利は審査が厳しく借りにくく、固定金利は審査が穏やかで借りやすいのが通例のため注意してください。

ご紹介した内容が、変動金利をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2020年8月

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