住宅ローンの基準金利と優遇金利とは? 条件次第で金利は下げられる

住宅ローンの基準金利と優遇金利とは?

住宅ローンを利用しつつ不動産を購入すると、元金(借りたお金)を返済すると共に利子(利息)を支払う必要があります。

そして、同じ金融機関で、同額を借り入れつつ同期間で返済すると、誰もが同じ利子を支払うというイメージがありますが、そうではありません。

その理由は、住宅ローンには基準金利と優遇金利があり、条件次第で金利を引き下げられるためです。

今回の「誰でもわかる不動産売買」は、住宅ローンの基準金利と優遇金利の意味や違いをわかりやすく解説しましょう。

目次

1. 基準金利とは?

まずは、基準金利をわかりやすく解説しましょう。

住宅ローンで資金を借り入れると、毎月借りたお金を返済すると共に利子を支払う必要があります。

支払う利子の額は住宅ローンによって異なり、その住宅ローンの商品説明に金利という名目で記されています。

たとえば、私がこの記事を作成する2020年9月現在、三菱UFJ銀行は「ずーっとうれしい金利コース」という住宅ローンを商品化し、その商品説明の一部を抜粋すると以下のとおりです。

住宅ローンの商品説明に記されている店頭表示金利と適用金利

上記の商品説明には「店頭表示金利 2.475%」「適用金利 0.625%~0.775%」と書かれていますが、店頭表示金利が基準金利であり、基準金利とは、全ての利用者に適用される基準となる金利を意味します。

基準金利とは?

そして、基準金利と適用金利の具体的な違いは以下のとおりです。

1-1. 基準金利(店頭表示金利)と適用金利の違い

基準金利(店頭表示金利)
基準金利とは、全ての利用者に適用される基準となる金利であり、店頭表示金利と同じ意味です。

優遇される条件を持たない利用者には、基準金利が適用されます。
適用金利
適用金利とは、一定の条件を満たす利用者に適用される金利です。

たとえば、三菱UFJ銀行に給与が振り込まれる口座を持ち、なおかつ三菱UFJ銀行が発行するクレジットカードを利用する方などは、基準金利(店頭表示金利)ではなく適用金利が適用されます。

つまり、適用金利とは、優遇される条件を満たす利用者のみに適用される金利というわけです。

以上が基準金利と適用金利の違いであり、基準金利とは、優遇される条件を持たない利用者に適用される金利です。

ちなみに、「ずーっとうれしい金利コース」の基準金利は2.475%ですが、この条件で3,000万円を借り入れつつ30年で返済する場合、おおまかに計算すると利子を含めて約4,253万円を返済する必要があります。

一方、適用金利である0.625%で3,000万円を借り入れつつ30年で返済する場合は、おおまかに計算すると利子を含めて約3,290万円を返済します。

2. 優遇金利とは?

基準金利とは、全ての利用者に適用される基準となる金利であり、店頭表示金利と同じ意味です。

そして、この記事の「1. 基準金利とは?」では、三菱UFJ銀行は「ずーっとうれしい金利コース」という住宅ローンを商品化し、一定の条件を満たす利用者には適用金利が適用されつつ金利が低くなるとご紹介しました。

具体的には、「基準金利(店頭表示金利)2.475%」が「適用金利 0.625%~0.775%」に引き下げられます。

つまり、適用金利が適用される条件を満たせば、店頭表示金利から最大1.85%の金利が引き下げられるというわけです。

そして、優遇金利とは、この引き下げられる金利を意味します。

優遇金利とは?

なお、基準金利から優遇金利により金利が引き下げられる条件は、金融機関や住宅ローンの種類、利用者の勤続年数や用意できる頭金の額などによって異なります。

そのため、住宅ローンの利用を検討しつつ優遇金利により金利が引き下げられる条件をお調べになりたい場合は、その住宅ローンを商品化する金融機関に問い合わせる必要がありますが、一例を挙げると以下のとおりです。

2-2. 優遇金利で金利が引き下げられる条件の例

  • その銀行に給与や年金などが振り込まれる口座がある
  • その銀行が発行するクレジットカードを利用している
  • その銀行のインターネットバンキングを契約している
  • その銀行の口座から公共料金を引き落としている
  • 購入する住宅が耐震性に優れるなど、一定の品質を満たしている
  • 二十歳未満の子を2人以上扶養する

以上の条件などを満たすことにより、基準金利から優遇金利が差し引かれ支払うべき利子が少なくなります。

余談ですが、全ての条件を満たす必要はありません。

満たす条件の数によって優遇金利の幅が変わり、多くの条件を満たす場合は金利が大きく引き下げられ、満たす条件が少ない場合は引き下げられる金利が小さくなります。

優遇金利には幅がある

まとめ - 優遇金利は、民間ローンで適用される

住宅ローンの基準金利と優遇金利の意味や違いをわかりやすく解説しました。

基準金利とは、店頭表示金利、または店頭金利などと呼ばれる全ての利用者に適用される基準の金利です。

優遇される条件を満たす利用者には適用金利が適用され、金利が引き下げられます。

この引き下げられる金利が優遇金利であり、優遇される条件を満たす利用者は、優遇金利分の金利が引き下げられます。

なお、様々な住宅ローンが商品化されていますが、実は以下の3種類しかありません。

住宅ローンの種類

フラット35
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して資金を貸し出す、最も知名度が高い国民的な住宅ローンです。
民間ローン
民間ローンとは、都市銀行や地方銀行、ネット銀行など、民間の金融機関が独自に商品化しつつ貸し出す住宅ローンです。
公的融資
公的融資とは、自治体などが貸し出す公的な住宅ローンであり、職場で財形貯蓄を続ける方が利用できる財形住宅融資が有名です。

そして、基準金利から優遇金利が差し引かれつつ金利が低くなるのは、主に2番目の民間ローンに限られるため留意してください。

ご紹介した内容が、基準金利と優遇金利の意味や違いをお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2020年9月
記事公開日:2018年7月

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