固定資産税が高い!なにか利用できる制度ってある?

固定資産税が高い!なにか利用できる制度ってある?

固定資産税が高いと感じる場合は、行政不服審査制度を利用しつつ異議申し立てをしたり、固定資産評価審査委員会に審査を請求できます。

固定資産税が高すぎて払えない、急に高くなったと感じる方へ向けて、不服申し立ての制度をご紹介しましょう。

目次

1. 行政不服審査制度を利用する

固定資産税が高い、高すぎて払えないと感じる場合は、行政不服審査制度を利用することにより異議申し立てできます。

固定資産税が高いと感じる場合は行政不服審査制度を利用すれば異議申し立てできる

行政不服審査制度とは、行政不服審査法という法律に則り制定された制度であり、固定資産税などの税金が高いと感じるときに市長に対して異議や不服の申し立てができます。

異議や不服の申し立てを受けた市長は、利害関係のない審理員に審査を請求し、固定資産税が高いか判断しつつ、却下、棄却、認容などの裁決を下します。

そして、却下や棄却など、異議申し立てを行った申請者の意見が通らない裁決が下された場合は、申請者は再審査を請求したり、訴訟を起こすことが可能です。

以下に、行政不服審査制度を利用しつつ固定資産税に対する異議申し立てをする手順をご紹介しましょう。

なお、行政不服審査制度の詳細は「政府広報オンライン より公正により使いやすくなりました。行政不服審査制度をご利用ください」にてご確認いただけます。

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行政不服審査制度の手順1. 審査請求書を提出する

固定資産税の納税通知書が届いた日から、3か月以内に審査請求書にて審査を請求します。

審査請求書には、ご自身の住所やお名前、固定資産税が高いと感じる不動産の住所、固定資産税が高いことを不服とする旨などを記載します。

必要記載事項は「総務省 行政不服審査法の概要 審査請求書等の記載事項」にて確認できますが、以下のようにお書きになれば良いでしょう。

審査請求人の氏名と住所
倉田寛之 三重県○○市○○町1-1-1
審査請求に係る処分の内容
自己が所有する三重県○○市○○町1-1-1の不動産の令和2年の固定資産税
審査請求に係る処分があったことを知った年月日
令和2年4月5日
審査請求の趣旨及び理由
固定資産税が50万円と高額であった。この税額は不当であり、20万円程度が妥当であるはずだ。よって税額の審査を請求する。
処分庁(固定資産税の納税通知書を発行した市町村)の教示の有無
処分庁に抗議したところ、50万円が妥当であるとの教示を受けた
審査請求の年月日
令和2年4月10日

審査請求書の提出先は、主に固定資産税を納付する自治体の資産課などですが、正確な提出先は、固定資産税の納税通知書に記載されています。

審査請求書の提出先は固定資産税の納税通知書に書かれている

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行政不服審査制度の手順2. 半年以内に裁決が通知される

審査請求書を提出後6か月以内に、書面にて裁決が通知されます。

裁決の内容に納得できない場合は、再審査を要求したり、訴訟を起こすことが可能です。

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2. 固定資産評価審査委員会に審査を請求する

固定資産税が高い、急に高くなった、減築するなどして下がるはずが下がらないと感じる場合は、固定資産評価審査委員会に審査を請求できます。

固定資産評価審査委員会とは、固定資産税の額を算出する元となる固定資産税評価額が妥当であるかを審査する委員会です。

固定資産評価審査委員会とは固定資産税を算出する元となる固定資産税評価額が妥当か判断する委員会

固定資産税は、以下の式で計算されます。

固定資産税を計算する式
固定資産税評価額 × 税率(市町村により異なるが概ね1.4%)= 固定資産税

上記の式に含まれるのが固定資産税評価額であり、固定資産税評価額は売買価格ではなく、その不動産の価額(価値から判断した価格)です。

たとえば、建物の固定資産税評価額は、その建物を現時点で再建築するために必要な建築費や、築年数により劣化した価値などを鑑みつつ算出されます。

また、土地の固定資産税評価額は、公示地価(毎年3月に国土交通省が公表する全国各地の土地の適正価格)や、基準地価(毎年9月に各都道府県知事が公表する全国各地の土地の適正価格)を参考に算出されます。

固定資産税評価額は、不動産鑑定士などの専門家により算出されますが、必ずしも適正ではない可能性があります。

固定資産税評価額が本来より高く算出されれば、固定資産税も不当に高くなります。

つまり、固定資産評価審査委員会に固定資産税評価額が妥当であるかの審査を請求し、本来より高いと判断されれば、評価額が下がりつつ固定資産税も安くなるというわけです。

固定資産税評価額が下がれば固定資産税も下がる

審査は行政不服審査制度と同じく書面を以て請求し、審査請求書の提出先は主に市町村役場の資産課などですが、正確な提出先は固定資産税の納税通知書に記載されています。

審査請求書は、市町村役場の資産課で入手したり、市町村のホームページからダウンロードすることが可能です。( 東京都の審査請求書は「東京都主税局 様式・書式例 東京都固定資産評価審査委員会」よりご覧いただけます )

審査請求書の提出期限は、固定資産税の納税通知書が届いた日から3か月以内です。

なお、固定資産評価審査委員会に審査を請求できるのは、平成30年、令和3年、令和6年など、3年に一度となっています。

これは、固定資産税評価額が3年に1度見直され、それ以降の年は見直された年の固定資産税評価額が引き継がれることが理由です。

よって、固定資産評価審査委員会への審査の請求は、固定資産税評価額が決定される平成30年度、令和3年度、令和6年度など、3年に一度となっています。

固定資産評価審査委員会に審査を請求できるのは3年に1度のみ

ただし、以下の場合などにより不動産の状況が変化した場合は、年度を問わず審査を請求できます。

  • 所有する土地の一部を売却して敷地面積が減るなどし、固定資産税評価額が下がるのが必然であるにもかかわらず減額されない場合
  • 所有する建物を減築するなどし、固定資産税評価額が下がるのが必然であるにもかかわらず減額されない場合
  • 周辺の事情により不動産の価格が下落するなどし、固定資産税評価額が下がるのが必然であるにもかかわらず減額されない場合

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3. 更地は家を建てるなどすれば、固定資産税が減額される

先にご紹介した行政不服審査制度を利用したり、固定資産評価審査委員会に審査を請求すれば、固定資産税が高い、高すぎて払えないと異議申し立てできます。

しかし、固定資産税には軽減措置が設けられ、一定の条件を満たせば減額されることもあります。

ここから、固定資産税が減額される条件をご紹介しましょう。

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土地が空き地の場合は、住宅を建てる

空き地を所有しつつ固定資産税が高い、払えないと感じる場合は、一定の条件を満たす住宅を建築することにより軽減措置が適用され、税額が6分の1などに減額されます。

軽減措置が適用される住宅の条件は以下のとおりです。

  • 床面積が50㎡以上240㎡以下である
  • 床面積の2分の1以上が住居である
  • 土地の所有者が居住している

上記の条件を満たす住宅を建築すれば軽減措置が適用され、更地を所有するより固定資産税が安くなります。

ただし、建築した住宅に対して、新たな固定資産税が課せられるため注意してください。

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床面積が50㎡以上240㎡以下などの新築を取得する

新築を取得する前に固定資産税が高くなるのではと心配される場合は、以下の条件を満たした新築を取得すれば、取得後3年間、または5年間などにわたり固定資産税が2分の1に減額されます。

  • 床面積が50㎡以上240㎡以下である
  • 床面積の2分の1以上が住居である
  • 建築された住宅に不動産の所有者が居住する

上記の条件を満たす新築を取得することにより、その新築の床面積の120㎡までの部分の固定資産税が2分の1に減額されます。

減額される期間は、一般的な住宅であれば3年間、3階建て以上の耐火、または準耐火性能を有する住宅であれば5年間です。

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まとめ - 固定資産税が払えない場合は、躊躇せず役所に相談を

固定資産税が高い、高すぎて払えないとお困りの方へ向けて、対処法や、固定資産税が減額される条件などをご紹介しました。

固定資産税が高いと感じる場合は、行政不服審査制度を利用することにより異議申し立てが可能です。

行政不服審査制度は、固定資産税が高いと感じる場合に限らず、行政が行うあらゆる処分に対して異議申し立てができます。

また、固定資産税を算出する元となる固定資産税評価額が不当であり、高すぎると感じる場合は、固定資産評価審査委員会に審査を請求できます。

そして、それらの裁決が下り、その内容に納得できない場合は再審査を請求したり、訴訟を起こすことが可能です。

固定資産税が高いとお困りの場合は、ぜひご参考になさってください。

なお、固定資産税が高くて支払えない場合は、行政不服審査制度を利用したり、固定資産評価審査委員会に審査を請求すると共に、市町村役場に相談しつつ支払いを延滞させてください。

きちんと相談すれば、延滞金は課せられますが、固定資産税を少しずつ納税するなどして支払いを楽にできます。

納税通知書や督促状を無視したり、市町村役場に連絡せずに延滞すると、不動産が差し押さえられたり競売に掛けられる可能性があるため注意してください。

建物の固定資産税は、30年などの歳月をかけつつ少しずつ安くなるため、いつの日かきっと支払いが追いつきます。

ただし、土地の固定資産税は、その周辺の不動産の相場がよほど下落しない限り下がることがありません。

よって、今後利用する予定がない更地を所有しつつ固定資産税が高いと感じる場合は、売却を検討するのが良いでしょう。

ご紹介した内容が、皆様のお役に立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2020年6月

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