生産緑地法とは? 生産緑地の意味をわかりやすく解説

生産緑地法とは? 生産緑地の意味をわかりやすく解説

生産緑地法とは、都市部に残る緑地を保存するための法律です。

しかし、そもそもは都市部に残る緑地を撤廃するために制定された法律でした。

生産緑地法の意味をお調べの方へ向けて、生産緑地法と生産緑地の意味をイラスト付きでわかりやすくご説明しましょう。

1. 生産緑地法とは、都市部の緑地を保存するための法律

それでは、生産緑地法をわかりやすくご説明しましょう。

その前に、土地には家を建てるための土地である「宅地」と、田畑や林業に活用される「農地」があることを留意してください。

宅地と農地では固定資産税(不動産の所有者に毎年課せられる税金)の額が異なり、宅地の固定資産税は高く、農地の固定資産税は安く設定されています。

土地には家を建てるための「宅地」と、田畑や林業に活用されるべき「農地」がある

つづいて、生産緑地法をわかりやすくご説明しましょう。

生産緑地法とは、都市部に残る農地(田畑や林業に活用される土地)を宅地(家を建てるための土地)に変更することを促すために、昭和49年に制定された法律です。

生産緑地法とは、都市部に残る農地を宅地に変更することを促すために昭和49年に制定された法律

現在の日本は人口が減少し空き家問題が深刻ですが、生産緑地法が制定された昭和49年ごろは、人口の増加による都市部の住宅不足が問題になっていました。

そこで制定されたのが生産緑地法で、同法律では都市部に残る農地の固定資産税を宅地並みに値上げするなどし、農地の所有者に対して、所有する農地を宅地化することを促したのです。

しかし、その後時代の流れが変わり、都市部に残る農地などの緑地こそが、都市部で暮らす人々の生活を豊かにするという考えが主流になりました。

つまり、都市部に残る農地などの緑地を減らすために制定された生産緑地法は時代遅れになり、都市部に所在する農地を残すべきという考えが主流になったわけです。

そこで、平成4年に生産緑地法が見直され、都市部に残る農地などの緑地を保存し、都市と緑を共存させることを目指す法律に改正されました。

改正された生産緑地法では、以下の条件を満たす都市部に残る農地を市町村が「生産緑地」と指定し、生産緑地に指定された農地は固定資産税が軽減されるなどの税制優遇措置が適用されます。

生産緑地と指定される条件

  • 公害などを出さず災害を防ぐ効果があり、なおかつ都市と農林業の調和に役立っている
  • 面積が500㎡以上である
  • 排水設備などが整い、その土地で農林業が継続できる条件を満たしている

所有する農地が生産緑地に指定されれば、所有者は税制優遇措置が適用され、固定資産税が安くなるなどして農林業を継続しやすくなり、都市部に残る農地を保存できます。

都市部に農地などの緑地が残れば、都市部に住む人々の心が豊かになります。

ようするに、市町村が都市部に残る農地を生産緑地に指定することにより、その農地の所有者と、その周辺に住む人々の両方に恩恵があるというわけです。

ただし、所有する農地が生産緑地に指定された場合、農地の所有者はその土地にマンションなどの建物を建てることはできません。

また、生産緑地に指定された農地の所有者が何らかの理由により農林業が継続できなくなった場合は指定が解除され、固定資産税が軽減されるなどの税制優遇措置が受けられなくなります。

1-1. その後、平成29年に再び生産緑地法改正

平成4年に改正された生産緑地法ですが、市町村が農地を生産緑地に指定するのは30年間と期限が定められていました。

つまり、平成4年から30年後である令和4年(2022年)には、全国各地の生産緑地の指定が一斉に解除されてしまうというわけです。

生産緑地の指定が解除されれば、農地の所有者は再び固定資産税が高くなるなどして農林業を継続できず、土地が売却されマンションなどが建てられてしまいます。

生産緑地にマンションなどが建てば都市部から農地がなくなり、都市部で暮らす人々の生活から緑が失われます。

政府はこのような事態になることを問題視し、平成29年に再び生産緑地法を改正しつつ、農地の所有者が希望する場合は生産緑地の指定期限を10年単位で延長できると決定しました。

なお、令和4年に全国各地の生産緑地の指定が一斉に解除され、都市部から緑が失われることが懸念されたことを「2022年問題」と呼びます。

生産緑地法と2022年問題

2. 生産緑地とは? わかりやすく簡単に解説

つぎに、生産緑地の意味をお調べの方へ向けて、わかりやすく簡単にご説明しましょう。

生産緑地とは、都市部に所在する田畑などの緑地を保存するために、市町村が指定した500㎡以上などの農地を表します。

生産緑地とは、都市部に残る緑地を保護するために市町村が指定した農地などの地区のこと

都市部は積極的に開発が進み、田畑などの緑地が失われつつあります。

しかし、それでは都市部に住む人々の心は健康になれません。

都市部に住む人々は緑を求める傾向があり、緑が心のよりどころになっています。

そこで指定されるのが生産緑地です。

生産緑地は、都市部に残る農地に指定され、生産緑地に指定された農地の所有者は、固定資産税(不動産の所有者に毎年課せられる税金)が安くなるなどの優遇措置を受けることができます。

固定資産税などが安くなれば、農地の所有者は農林業を続けやすくなり、それと共に都市部に残る農地が保存されます。

つまり、市町村が都市部に残る農地を生産緑地に指定すれば、その農地の所有者と、その周辺に住む人々の両方に恩恵があるというわけです。

生産緑地とは、都市部に残る緑地を保存するために市町村が指定した農地などの地区を表します。

東京都世田谷区の生産緑地の様子

まとめ - 生産緑地法の年表

生産緑地法と生産緑地の意味をわかりやすくご説明しました。

もともとの生産緑地法は、都市部に残る農地を宅地に変更することを促すために昭和49年に制定されました。

しかし、その後の時代の変化と共に、現在では都市部に残る農地などの緑地を保存するための法律に改正されています。

そして、生産緑地とは、その改正された生産緑地法により指定される都市部に残る農地などの地区であり、生産緑地に指定された農地の所有者は税制優遇措置などを受けることができます。

都市部に残る農地が生産緑地に指定されれば、都市部に緑地が保存されやすくなり、その農地の所有者と、その周辺に住む人々の両方に恩恵があるというわけです。

最後に生産緑地法の年表をご紹介しましょう。

生産緑地法年表

出来事 時代背景
昭和49年 都市部に所在する農地を宅地に変更することを促すために制定 都市部の住宅不足が問題化
平成4年 都市部に所在する農地などの緑地を保存するための法律に改正。都市部にある農地を30年間の期限で「生産緑地」に指定し、都市部の農地の保存に努める 都市部の住民が緑を求めはじめる
平成29年 30年の期限が迫る2022年に全国各地の生産緑地の指定が一斉に解除され、都市部から緑地が失われることが懸念される。この問題を解消するために、生産緑地の指定期限を10年単位で延長できることが閣議決定される 2022年問題