築年数は何年まで?すまい給付金が受給できる中古住宅の条件

すまい給付金の条件をクリアする中古住宅の築年数は何年?

意外ですが、すまい給付金を受給できる中古住宅の条件として明確な築年数は問われません。

とはいうものの、可能であれば築年数は40年以内、または10年以内が理想です。

一戸建てや中古マンションなどの中古住宅を購入し、すまい給付金の受給を希望される方へ向けて築年数に関する条件をご紹介しましょう。

目次

1. 理想の築年数は40年だが、新耐震基準に適合すれば問われない

冒頭でご紹介したとおり、すまい給付金が受給できる中古住宅の条件として明確な築年数は問われませんが、可能であれば築40年以内、または築10年以内が理想です。

その理由は、すまい給付金の公式サイト内に記されている受給対象となる中古住宅の条件にあります。

すまい給付金の公式サイト内のページ「対象要件(中古住宅)」の下部には、すまい給付金を受給するためには以下の3つのいずれかの条件を満たす中古住宅を購入する必要があると記されています。

  • 既存住宅売買瑕疵保険へ加入する中古住宅
  • 既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)
  • 築年数が10年以内であり、住宅瑕疵担保責任保険に加入する、または建設住宅性能表示を利用する中古住宅

すまい給付金を受給するためには、上記の3つのいずれかの条件を満たす中古住宅を購入しなければなりません。

1の条件を満たすには既存住宅売買瑕疵保険に加入する中古住宅を購入する必要がありますが、既存住宅売買瑕疵保険は新耐震基準に適合する中古住宅のみが加入できます。

新耐震基準に適合する中古住宅とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認申請を行いつつ新築された築年数が40年以内などの住宅です。

2の条件を満たすには耐震等級1以上の中古住宅を購入しなければなりませんが、耐震等級1以上の中古住宅とは新耐震基準に適合する中古住宅であり、こちらも同じく1981年6月1日以降に建築確認申請を行いつつ新築された築年数が40年以内などの住宅となっています。

3の条件を満たすためには、言わずもがな築年数が10年以内の中古住宅を購入しなければなりません。

よって、すまい給付金を受給するためには、築年数が40年以内、または10年以内の中古住宅を購入するのが理想というわけです。

ただし、1と2の条件は、築年数が40年を超えていても耐震補強工事が行われていればクリアできる可能性があります。

ここから、1、2、3の条件の詳細をご説明しましょう。

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1-1. 既存住宅売買瑕疵保険へ加入する中古住宅

まずは、1つめの条件である「既存住宅売買瑕疵保険へ加入する中古住宅」の詳細をご説明します。

既存住宅売買瑕疵保険とは、国土交通大臣が指定する保険法人である株式会社住宅あんしん保証、住宅保証機構株式会社、株式会社日本住宅保証検査機構(通称:JIO)、株式会社ハウスジーメン、ハウスプラス住宅保証株式会社のみが商品化する中古住宅専用の保険です。

既存住宅売買瑕疵保険に加入する中古住宅を購入しつつ物件の引き渡し後5年以内などに雨漏り、柱や梁、壁や床、土台、基礎などの構造耐力上主要な部分に欠陥が見つかれば、保険法人から修繕費用が支払われます。

既存住宅売買瑕疵保険に加入する中古住宅を購入すれば、すまい給付金を受給する条件のひとつをクリアすることが可能です。

既存住宅売買瑕疵保険とは?

この既存住宅売買瑕疵保険ですが、加入できるのは新耐震基準に適合する中古住宅のみとなっています。

新耐震基準に適合する中古住宅とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認申請を行いつつ新築された築年数が40年以内などの中古住宅です。

つまり、既存住宅売買瑕疵保険へ加入する中古住宅を購入するということは、築年数が40年以内などの中古住宅を購入することになるというわけです。

ただし、築年数が40年を超えている中古住宅であっても、新耐震基準に適合する耐震補強工事が行われていれば既存住宅売買瑕疵保険に加入できます。

そのため、築年数が40年を超えていても耐震補強工事を行いつつ既存住宅売買瑕疵保険に加入する中古住宅を購入すれば、すまい給付金を受給する条件のひとつをクリアできます。

なお、既存住宅売買瑕疵保険に加入するためには保険法人による現場検査が必要であり、新耐震基準に適合し、なおかつ一定の条件を満たした中古住宅しか保険を付けることができません。

保険法人による主な検査項目は、以下のとおりです。( 検査項目の詳細は「日本住宅保証検査機構 登録既存住宅販売事業者様用 事前現況検査重要事項説明書」などにてご確認いただけます )

木造の一戸建て中古住宅の主な検査項目

  • 屋根、外壁、バルコニーなどにひび割れ、腐食、欠損、劣化、雨漏りなどがないか
  • 天井、柱、梁、内壁、床などに雨漏りの跡、ひび割れ、たわみ、建材の浮き沈みなどがないか
  • 基礎部分からの鉄骨の露出や、クラック(ひび割れ)などによる耐力性不足はないか

中古マンションの主な検査項目

  • 屋上、天井、外壁、バルコニーなどにひび割れ、雨漏りがないか
  • 室内の壁や梁に傾き、ひび割れ、鉄筋の露出などがないか
  • 基礎部分にひび割れ、欠損、著しい劣化などがないか
  • 基礎、外壁、内壁、梁、柱のコンクリート部分の強度は十分か

既存住宅売買瑕疵保険に加入する中古住宅は少数ですが、購入を希望する物件が既存住宅売買瑕疵保険に加入するか否かは、その物件を取り扱う宅地建物取引業者に問い合わせることにより確認することが可能です。

以下は、既存住宅売買瑕疵保険の相談窓口となる住宅瑕疵担保責任保険協会が公開する既存住宅売買瑕疵保険の紹介動画となっています。

既存住宅売買瑕疵保険の相談窓口となる住宅瑕疵担保責任保険協会が公開する同保険の紹介動画

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1-2. 既存住宅性能表示制度を利用する耐震等級1以上の中古住宅

つぎに、2つめの条件である「既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)」の詳細をご説明しましょう。

既存住宅性能表示制度とは、国土交通大臣が登録した登録住宅性能評価機関が中古住宅の現状と性能を調査し、その調査結果を性能評価書としてまとめる制度です。

つまり、「既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)」とは、登録住宅性能評価機関が作成した性能評価書が付随する耐震等級1以上の中古住宅というわけです。

登録住宅性能評価機関によって作成される性能評価書には、その中古住宅の以下などに関することが記されています。

性能評価書の内容

  • 屋根材の種類や防水方法、及びそれらの腐朽具合
  • 室内の壁や柱の建材の種類、及びそれらのひび割れ、剥がれ、欠損、シロアリによる食害などの有無
  • 床の建材の種類、及びそれらの割れ、剥がれ、欠損、シロアリによる食害などの有無
  • 天井の建材の種類、及びそれらの雨漏りや欠損の有無
  • 階段の沈みや欠損などの有無
  • バルコニーの欠損、手すりのぐらつきなどの有無
  • 窓まわりの隙間や開閉不良などの有無
  • 雨どいの破損の有無
  • 給排水管や給湯設備の腐朽、漏水などの有無
  • 換気扇の動作不良の有無
  • 基礎に使用されている建材の種類、及びそれらのひび割れ、欠損などの有無

また、既存住宅性能表示制度では、希望をすれば性能評価書に以下などに関することの調査結果を追記することも可能です。

追加できる検査項目

  • 耐震等級による耐震性能評価
  • 耐風等級による耐風性能評価
  • 耐積雪等級による耐積雪性能評価
  • 耐火等級による耐火性能評価
  • 劣化対策等級による耐劣化性能評価
  • 維持管理対策等級による給排水管やガス管の維持管理性能評価
  • 省エネルギー対策等級による断熱性能評価
  • 高齢者等配慮対策等級によるバリアフリー性能評価
  • ホルムアルデヒド対策や換気設備の有無

国土交通省が公開する性能評価書の見本は以下のとおりです。

既存住宅性能評価書の見本

出展:国土交通省 住宅の品質確保の促進等に関する法律

さて、ここまでは、すまい給付金の受給条件を満たすための築年数に関することは含まれません。

既存住宅性能表示制度は、築年数を問わずあらゆる中古住宅が利用することが可能です。

問題は、満たすべき条件である「既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)」の後半にあるカッコ内の「耐震等級1以上のものに限る」という箇所です。

耐震等級1以上の中古住宅とは、新耐震基準に適合した中古住宅を指します。

新耐震基準に適合する中古住宅とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認申請を行いつつ新築された築年数が40年以内などの中古住宅です。

つまり、「既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)」という条件を満たすためには、築年数が40年以内などであり、なおかつ既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅を購入する必要があるというわけです。

しかし、築年数が40年を超える場合であっても新耐震基準に適合するための耐震補強工事が行われていれば、耐震等級1以上という条件を満たします。

新耐震基準に適合する住宅とは、耐震等級1以上の住宅です。

よって、「既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)」という条件は、築年数が40年を超える中古住宅であってもクリアできます。

購入を希望する中古住宅が既存住宅性能表示制度を利用し、なおかつ新耐震基準に適合する耐震等級1以上であるか否かは、その中古住宅を取り扱う不動産業者に問い合わせることにより確認することが可能です。

なお、既存住宅性能表示制度は、中古住宅の売り主の了承を得ることができれば買い主が申し込むことも可能です。

たとえば、新耐震基準に適合しつつも既存住宅性能表示制度を利用しない中古住宅の購入を希望する場合は、売り主の了承を得ることができれば既存住宅性能表示制度に申し込むことができます。

そのため、購入を希望する中古住宅が新耐震基準に適合しつつも既存住宅性能表示制度を利用していない場合は、売り主に既存住宅性能表示制度の利用を相談するのが良いでしょう。

ただし、既存住宅性能表示制度を利用するためには5万円から10万円程度の調査費用が必要であり、その費用は買い主が負担することとなるため注意してください。

また、中古マンションなどの共同住宅に既存住宅性能表示を行うには、管理組合の協力が必要となります。

既存住宅性能表示制度を実施する登録住宅性能評価機関は、「一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 評価機関の検索」にてお探しいただけます。

国土交通省が公開する中古住宅の住宅性能表示制度ガイド

すまい給付金の受給条件を満たす中古住宅の住宅性能表示制度のガイド

出展:国土交通省 住宅の品質確保の促進等に関する法律

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1-3. 住宅瑕疵担保責任保険に加入する中古住宅

最後に、3つめの条件である「築年数が10年以内であり、住宅瑕疵担保責任保険に加入する、または建設住宅性能表示を利用する中古住宅」の詳細をご説明しましょう。

住宅瑕疵担保責任保険とは、国土交通大臣が指定する保険法人のみが商品化する新築専用の保険であり、新築の引き渡し後10年以内に欠陥が発見された場合に修繕費用が支払われる保険です。

住宅瑕疵担保責任保険と聞くと大仰な印象を受けますが、最近の新築にはほぼ必ずこの保険が付いています。

よって、住宅瑕疵担保責任保険に加入する中古住宅とは、築年数が10年以内であり、その保険期間が切れていない中古住宅を指します。

この条件を満たしつつすまい給付金を受給したいと希望するのであれば、築年数が10年以内の中古住宅を購入しなければなりません。

以下は、住宅瑕疵担保責任保険の相談窓口である住宅瑕疵担保責任保険協会が公開する同保険の紹介動画です。

住宅瑕疵担保責任保険協会が公開する住宅瑕疵担保責任保険の説明動画

そして、建設住宅性能表示とは、国土交通大臣が登録した登録住宅性能評価機関によって建築中に行われた現場調査を建設住宅性能評価書としてまとめる制度です。

建設住宅性能評価書には、その住宅の耐震性や耐火性、耐久性、断熱性、採光性、防音性、防犯性、バリアフリー性能、メンテナンスのしやすさなどが記されています。

つまり、建設住宅性能表示を利用する中古住宅とは、建設住宅性能評価書が付随される中古住宅というわけです。

建設住宅性能表示は、平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」という法律に則って作成されるため、平成12年4月1日以降に新築された築年数が21年以内などの中古住宅には建設住宅性能評価書が付随する可能性があります。

とはいうものの、3つめの条件には「築年数が10年以内であり」という前提条件が付くため、築年数が10年以内であり、なおかつ建設住宅性能評価書が付随する中古住宅を購入しなければなりません。

そのため、すまい給付金を受給するために「築年数が10年以内であり、住宅瑕疵担保責任保険に加入する、または建設住宅性能表示を利用する中古住宅」という条件をクリアしたいのであれば、必ず築年数が10年以内の中古住宅を購入する必要があります。

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まとめ - その他にも消費税などに関する条件がある

すまい給付金の受給対象となる中古住宅の築年数をご紹介しました。

すまい給付金を受給するためには、以下の3つのうちのいずれかの条件を満たす中古住宅を購入しなければなりません。

  • 既存住宅売買瑕疵保険へ加入する中古住宅
  • 既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)
  • 築年数が10年以内であり、住宅瑕疵担保責任保険に加入する、または建設住宅性能表示を利用する中古住宅

1と2の条件は築年数が40年以内などの中古住宅を購入することによりクリアできますが、耐震補強工事を行うなどして新耐震基準に適合する中古住宅であれば築年数は問われません。

ただし、3の条件をクリアするためには、築年数が10年以内の中古住宅を購入する必要があるため注意してください。

3つの条件をクリアするための築年数を表でまとめると以下のとおりです。

すまい給付金の受給対象となる中古住宅の築年数

条件 築年数に関する要件
既存住宅売買瑕疵保険へ加入する中古住宅 新耐震基準に適合する築年数が40年以内の中古住宅を購入する必要があるが、耐震補強工事が行われるなどして新耐震基準を満たすのであれば築年数は問われない
既存住宅性能表示制度を利用する中古住宅(耐震等級1以上のものに限る)
築年数が10年以内であり、住宅瑕疵担保責任保険に加入する、または建設住宅性能表示を利用する中古住宅 築年数が10年以内の中古住宅を購入する必要がある

すまい給付金を受給できる中古住宅の築年数に関する条件をお調べの方がいらっしゃいましたら、是非ご参考になさってください。

なお、すまい給付金を受給するためには、築年数だけではなく以下などの条件もクリアしなくてはなりません。

  • 売り主が不動産業者である消費税がかかる中古住宅を購入する
  • 床面積が50㎡以上の中古住宅を購入する
  • 自己が居住するための中古住宅を購入する
  • 年収が650万円以下など

誰でもわかる不動産売買では、上記の条件や、すまい給付金を申請する際の必要書類をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。

すまい給付金の受給対象となる中古住宅の条件をお調べの方がいらっしゃいましたら、是非ご覧ください。

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ご紹介した内容が、すまい給付金の受給を希望する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2021年8月
記事公開日:2020年7月

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