借地権割合とは?わかりやすく解説

借地権割合とは?わかりやすく解説

借地権割合とは、土地の借り主が持つ権利の割合であり、借りている土地を相続した際の相続税や、借りている土地を譲り受けた際の贈与税を計算する際に役立てられます。

イラストを用いつつ、借地権割合を5つのステップでわかりやすく簡単にご説明しましょう。

ステップ1. 土地を相続したり譲り受けると税金が掛かることを理解する

ずは、ステップ1です。 ステップ1では、土地を相続したり譲り受けると税金が課せられることを理解してください。

具体的には、土地を相続すると、その土地の所有権を相続したことになり相続税が課せられます。

また、土地を譲り受けると、その土地の所有権を譲り受けたことになり贈与税が課せられます。

そして、それらの相続税や贈与税の額は、その土地の価値により決定されます。

例を挙げると、駅前など立地条件が良い土地は価値が高いと判断され、価値が高い土地を相続したり譲り受ければ、相続税や贈与税は高くなります。

反対に、法的な理由で建築できない土地などは価値が低いと判断され、価値が低い土地を相続したり譲り受けた場合は、相続税や贈与税は安くなります。

よって、相続税や贈与税の額が決定される際は、その土地の価値が公平に判断されることが重要となりますが、その土地の価値は売買価格ではなく路線価により決定されます。

路線価とは、土地の相続税や贈与税の額を決定するために国税庁が毎年7月に公表する、日本全国各地の宅地(建物を建てるための土地、または既に建っている土地)の1㎡あたりの価格です。

路線価とは?

土地を相続したり譲り受けた場合に課せられる相続税や贈与税は、路線価から決定されます。

例を挙げると、路線価で1,000万円と判断される土地を相続すると、相続税はその10%である100万円といった具合です。

また、路線価で1,000万円と判断される土地を譲り受けると、贈与税はその40%である400万円といった具合になります。

ステップ1では、土地を相続したり譲り受けると、相続税や贈与税がかかることを理解してください。

ステップ2. 土地の所有権の相続税と贈与税の算出方法を理解する

ステップ2では、土地を相続した際や譲り受けた際に課せられる、相続税と贈与税の額を計算する方法を理解してください。

ステップ1にて、土地の相続税や贈与税の額は路線価から決定されるとご説明しましたが、具体的な税額は以下の式で計算します。

土地の相続税や贈与税の計算式
路線価から判断された土地の価格 × 相続税、または贈与税の税率(%)= 相続税、または贈与税

以上が土地の相続税や贈与税の計算式です。

それでは実際に、路線価で1,000万円と判断された土地を相続した場合の相続税を計算してみましょう。

路線価で1,000万円と判断された土地を相続した場合の相続税の税率は10%であり、以下のように計算しつつ税額は100万円となります。

土地の相続税の計算例
1,000万円(路線価から判断された土地の価格)×10%(相続税の税率)=100万円(相続税)

また、路線価で1,000万円と判断された土地を譲り受けた場合の贈与税の税率は40%であり、以下のように計算しつつ税額は400万円です。

土地の贈与税の計算例
1,000万円(路線価から判断された土地の価格)×40%(贈与税の税率)=400万円(贈与税)

以上が土地の相続税と贈与税の計算式であり、特に難しくありません。

なお、実際に相続税や贈与税を納付する際は、先の式で計算した税額から控除額などが差し引かれ、もう少し安くなるため留意してください。

特に土地の相続税は、余程たくさんの資産を相続しない限り非課税です。

ステップ3. 借地権の意味を理解する

ステップ3では、借地権割合という不動産用語の冒頭にある「借地権(しゃくちけん)」の意味を理解してください。

借地権とは、土地を借りつつ、借りた土地に家を建てるなどして利用できる権利です。

たとえば、地主のAさんがいらっしゃったとしましょう。

Aさんは、「定期的に地代(借り賃)をお支払いいただければ土地をお貸しします。土地を借りた方は、家を建てるなどして利用して構いません」と宣言しました。

すると、土地を探していたBさんが現れ、地代を支払いつつ土地を借りました。

この場合、地代を支払いつつ土地を借りたBさんは、借りた土地に家を建てるなどして利用できる権利を手に入れたことになります。

このBさんが手に入れた権利が借地権です。

借地権割合という不動産用語に含まれる借地権とは?

なお、地主のAさんはBさんに土地を貸しましたが、貸した後も所有権(その土地を有する権利)を所有し続けることを留意してください。

つまり、土地が貸し借りされた後も地主のAさんは所有権を有し続け、土地を借りたBさんは借地権を有し続けるというわけです。

土地の貸し主は所有権を持ち続け、借り主は借地権を持ち続ける

ちなみに、誰でもわかる不動産売買では、借地権の意味をよりわかりやすく簡単に解説するコンテンツも公開中です。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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ステップ4. 借地権にも相続税や贈与税が掛かることを理解する

ステップ4では、借地権(土地を借りつつ利用できる権利)も相続したり譲り受けることが可能であり、その場合も相続税や贈与税が課せられることを理解してください。

ステップ1にて、土地を相続すると相続税が、譲り受けると贈与税が課せられるとご紹介しました。

これらの相続税や贈与税は、土地を相続したり、譲り受けた場合だけに課せられるわけではありません。

借地権も相続したり譲り受けることが可能であり、借地権を相続した場合や譲り受けた場合も相続税や贈与税が課せられます。

たとえば、ステップ2で登場したBさんは、地主であるAさんに地代を支払いつつ土地を借り、借地権を手に入れました。

その後、Bさんは借地権を行使し、借りた土地に家を建てつつ数十年にわたり住み続け、子であるCさんに家と借地権を相続させました。

この場合、子であるCさんに課せられるのは、Bさんが建てた家を相続したことに対する相続税のみと考えがちですが、借地権を相続したことにも相続税が掛かります。

つまり、親であるBさんは借地権を手に入れましたが、その借地権もBさんの資産であると見なされ、借地権を相続した子のCさんには、相続した借地権に対して相続税が課せられるというわけです。

借地権にも相続税や贈与税が掛かる

これは贈与税も同じであり、Bさんが他者に家と借地権を譲った場合は、譲り受けた他者に贈与税が課せられます。

ステップ4では、借地権も相続したり譲り受けることが可能であり、借地権を相続したり譲り受けた場合も、相続税や贈与税が課せられることを理解してください。

ステップ5. 借地権の相続税を算出する方法を知れば、借地権割合を理解できる

最後にステップ5です。

ステップ5をお読みになれば、借地権割合を理解できます。

皆さん、ここまで長くなりましたが、引き続き頑張ってお読みください。

ステップ2にて、土地の相続税や贈与税の額は、路線価から判断された土地の価格を基に、以下の式で計算するとご説明しました。

土地の相続税や贈与税の計算式
路線価から判断された土地の価格 × 相続税、または贈与税の税率(%)= 相続税、または贈与税

そして、ステップ4にて、借地権にも相続税や贈与税が課せられるとご説明しましたが、借地権に課せられる相続税や贈与税も路線価から判断された土地の価格を基に計算されます。

しかし、借地権は土地を借りつつ家などを建てられる権利であり、所有権ではありません。

また、借地権を持つ者(土地の借り主)が、借りた土地に建てた家を売却する際は、土地の所有権を持つ地主(土地の所有者)の承諾が必要となります。

つまり、借地権を持つ土地の借り主は、所有権を持つ地主より立場が弱い側面があるというわけです。

そのため、借地権の相続税や贈与税と、所有権の相続税や贈与税が同額では不公平であり、借地権の相続税や贈与税は、所有権の相続税や贈与税より安くあるべきです。

借地権者は借地権設定者より立場が弱いという側面がある

そこで登場するのが借地権割合です。

借地権割合は%で表し、借地権を相続したり譲り受けた場合の相続税や贈与税は以下の式で計算します。

借地権の相続税や贈与税の計算式
路線価から判断された土地の価格 × 借地権割合(%) × 相続税の税率、または贈与税の税額 = 借地権の相続税、または贈与税

上記の式に含まれる借地権割合は、その土地が所在する場所によって異なりますが、都市部では80%、郊外は60%、地方の山間部などでは30%程度になるのが通例です。

それでは実際に、路線価で1,000万円と判断される土地の所有権の相続税と借地権の相続税を計算し、税額の差を比べてみましょう。

なお、路線価で1,000万円と判断される土地の相続税の税率は10%であり、贈与税の税率は40%です。

所有権の相続税の計算例
1,000万円(路線価から判断された土地の価格)×10%(相続税の税率)=100万円(所有権の相続税)

借地権の相続税の計算例
1,000万円(路線価から判断された土地の価値)×80%(借地権割合)×10%(相続税の税率)=80万円(借地権の相続税)

上記のように借地権の相続税は、借地権割合を含めた式で計算することにより所有権の相続税より安くなります。

借地権の贈与税も同じであり、借地権割合を含めた式で計算することにより所有権の贈与税より安くなります。

計算例は以下のとおりです。

所有権の贈与税の計算例
1,000万円(路線価から判断された土地の価格)×40%(贈与税の税率)=400万円(所有権の贈与税)

借地権の贈与税の計算例
1,000万円(路線価から判断された土地の価値)×80%(借地権割合)×40%(贈与税の税率)=320万円(借地権の贈与税)

借地権割合とは、借地権を相続したり贈与を受けた場合に課せられる、相続税や贈与税が割り引かれる割合を意味し、土地の借り主が持つ権利の割合でもあります。

借地権割合とは?

まとめ - 借地権割合とは、土地の借り主が持つ権利の割合のこと

借地権割合という不動産用語の冒頭にある「借地権」とは、土地を借り、借りた土地に家を建てるなどして利用できる権利です。

そして、土地の所有権を相続したり譲り受けると相続税や贈与税が課せられますが、借地権を相続したり譲り受けた際も相続税や贈与税が課せられます。

しかし、借地権は「借りた土地を利用できる権利」であり、所有権(所有する権利)ではありません。

そのため、所有権と借地権の相続税や贈与税が同額では不公平です。

そこで登場するのが借地権割合であり、借地権割合を用いて借地権の相続税や贈与税を計算すれば、所有権の相続税や贈与税より税額が安くなります。

借地権割合の意味をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、誰でもわかる不動産売買では、路線価をわかりやすく解説するコンテンツも公開中であり、同コンテンツでは、皆さんが所有する土地や購入を希望する土地、お借りになっている土地の路線価や借地権割合を調べる方法もご説明しています。

お時間のある方は、ぜひご覧ください。

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