イールドギャップとは?不動産投資のイールドギャップを解説

イールドギャップとは?

イールドギャップとは、資金を借り入れつつ不動産投資を行う際に活用する指標です。

そして、イールドギャップには一般的なイールドギャップと正確なイールドギャップがあります。

不動産投資を志す方へ向けて、イールドギャップをわかりやすく解説しましょう。

目次

1. イールドギャップとは?

冒頭でイールドギャップとは、資金を借り入れつつ不動産投資を行う際に活用する指標とご説明しましたが、正確な意味は以下のとおりです。

イールドギャップとは、銀行から資金を借り入れつつ不動産投資を行う際に活用する、購入する物件の利回りと金利の差

上記の説明でわかりにくいのは、不動産投資利回り金利という3つのキーワードです。

ここから3つのキーワードをわかりやすく解説し、イールドギャップの理解を深めましょう。

▲ 目次に戻る

1-1. 不動産投資とは?

まずは、イールドギャップを理解するために欠かせない一つめのキーワードである不動産投資をご説明しましょう。

不動産投資とは、賃貸マンションや賃貸アパートなどを一棟丸ごと購入するなどして各部屋を入居者に貸し、入居者から得る家賃が利益となる投資です。

イールドギャップを理解するために欠かせない不動産投資とは?

不動産投資を始めるためには賃貸マンションや賃貸アパートなどを購入する必要がありますが、購入資金は銀行から借り入れることができます。

ただし、銀行から資金を借り入れつつ不動産投資を行う場合は、毎月借り入れた資金を返済するとともに利子も支払わなくてはなりません。

なお、この記事ではこれ以降、不動産投資を行うために購入する必要がある賃貸マンションや賃貸アパートなどを投資用物件と呼ぶため留意してください。

▲ 目次に戻る

1-2. 利回りとは?

つぎに、イールドギャップを理解するために必要となる二つめのキーワードである利回りをご説明しましょう。

利回りとは、不動産投資を始めるために購入する必要がある投資用物件の儲かり具合をパーセントで表した指標であり、以下の式で計算します。

利回りの計算式
その投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入÷その投資用物件の販売価格×100=利回り(%)

以上が利回りの計算式です。

たとえば、5,000万円で販売されている賃貸アパートがあったとしましょう。

その投資用物件を購入すれば1年間に250万円の家賃収入を得ることができると予想される場合は「250万円÷5,000万円×100=5%」と計算し、利回りは5%です。

利回りの計算例
250万円(その投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入)÷5,000万円(その投資用物件の販売価格)×100=5%(利回り)

また、5,000万円で販売されている、一年間に得ると予想される家賃収入が500万円の投資用物件は「500万円÷5,000万円×100=10%」と計算し、利回りは10%です。

利回りの計算例
500万円(その投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入)÷5,000万円(その投資用物件の販売価格)×100=10%(利回り)

販売価格が同じであれば家賃収入が多い方がたくさん儲かることとなりますが、儲かる投資用物件は利回りが高くなります。

そのため、不動産投資を行う方は、利回りが高い物件を好んで購入するのが通例です。

不動産投資は利回りが高いほど儲かる

しかし、利回りはあくまで大雑把な指標です。

投資用物件を購入する際は諸費用が必要であり、不動産投資を続けるためには投資用物件を維持するための修繕費用などの経費が掛かりますが、利回りにはそれらの費用が加味されていません。

投資用物件を購入する際は200万円から300万円以上などの諸費用がかかることがあり、修繕費用も数百万円などと高額になる場合があります。

よって、利回りが高い投資用物件を購入しても必ず儲かるわけではないことを留意してください。

利回りは、販売されている投資用物件を比較する際に活用する一種の指標です。

▲ 目次に戻る

1-3. 金利とは?

最後に、イールドギャップを理解するために必要となる3つめのキーワードである金利をご説明しましょう。

手持ちの資金が足りない状態で不動産投資を始めたいと希望する場合は、銀行から資金を借り入れつつ投資用物件を購入することとなります。

そして、銀行から資金を借り入れる際は、必ず2%や3%などの金利が設定されます。

金利とは、借り入れた額に掛かる利子の割合です。

たとえば、2%の金利で5,000万円を借り入れつつ15年で返済する場合は、利子を含めて5,800万円などを返済しなくてはなりません。

また、3%の金利で5,000万円を借り入れつつ15年で返済する場合は、利子を含めて6,200万円などを返済するといった具合です。

銀行は企業や個人に資金を貸し出しますが、貸し出す際は必ず金利を設定します。

そして、設定した金利に則って債務者(資金を借り入れた者)から支払われる利子が銀行の利益となります。

つまり、銀行は利子を取るために資金を貸し出すというわけです。

なお、金利は利率、利子は利息と呼ばれることもあるため留意してください。

以上でイールドギャップを理解するために必要となる不動産投資、利回り、金利の解説の終了です。

引き続き、イールドギャップをわかりやすく解説しましょう。

長くなりましたが、皆さんぜひ気楽にお読みください。

▲ 目次に戻る

2. あらためてイールドギャップをわかりやすく解説

イールドギャップとは、銀行から資金を借り入れつつ不動産投資を行う際に活用される、購入する投資用物件の利回りと金利の差です。

イールドギャップは投資用物件の利回りから、その投資用物件を購入するために借り入れる資金の金利を差し引きつつ計算し、具体的な計算式は以下のとおりとなっています。

イールドギャップの計算式
投資用物件の利回り-その投資用物件を購入するために借り入れる資金の金利=イールドギャップ

たとえば、利回りが10%の投資用物件が販売されていたとしましょう。

その投資用物件を購入するために3%の金利で資金を借り入れる場合は「10%-3%=7%」と計算し、イールドギャップは7%です。

イールドギャップの計算例
10%(投資用物件の利回り)-3%(その投資用物件を購入するために借り入れる資金の金利)=7%(イールドギャップ)

また、利回りが5%の投資用物件が販売されていたとしましょう。

その物件を購入するために2%の金利で資金を借り入れる場合は「5%-2%=3%」と計算し、イールドギャップは3%です。

イールドギャップの計算例
5%(投資用物件の利回り)-2%(その投資用物件を購入するために借り入れる資金の金利)=3%(イールドギャップ)

このようにイールドギャップとは、その投資用物件の利回りと借り入れる資金の金利の差です。

そして、イールドギャップが高いほど儲かると予想されることを意味します。

この記事の「1-2. 利回りとは?」にてご紹介しましたが、投資用物件は利回りで儲かり具合が表されます。

よって、不動産投資を行う方は、利回りを参考に投資用物件を選びつつ購入するのが通例です。

しかし、銀行から資金を借り入れつつ不動産投資を行う場合は、支払うべき金利も含めて投資用物件を選ばなくてはなりません。

金利が高ければ、利回りが高くとも利益が出なくなってしまいます。

よって、資金を借り入れつつ投資用物件を購入する場合は、イールドギャップを参考に投資用物件を選ぶというわけです。

以上がイールドギャップの意味であり、イールドギャップの活用例です。

イールドギャップとは?

しかし、ご紹介したイールドギャップの意味は一般的な解釈であり、より正確なイールドギャップを計算する方法があります。

つづいて、より正確なイールドギャップを計算する方法をご紹介しましょう。

▲ 目次に戻る

3. より正確なイールドギャップ

イールドギャップとは利回りと金利の差であり、資金を借り入れつつ不動産投資を行う際に活用する指標です。

イールドギャップは利回りから金利を差し引きつつ計算し、具体的な計算式は以下のとおりです。

イールドギャップの計算式
投資用物件の利回り-その投資用物件を購入するために借り入れる資金の金利=イールドギャップ

そして、上記の式に含まれる利回りは「その投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入」を投資用物件の価格で除算しつつ計算し、具体的な計算式は以下のとおりです。

利回りの計算式
その投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入÷その投資用物件の販売価格×100=利回り(%)

これらを理解すれば、一般的なイールドギャップの意味を把握できます。

しかし、投資用物件を購入する際は諸費用が必要であり、不動産投資を継続するためには修繕費用などの経費がかかります。

また、資金を借り入れつつ投資用物件を購入すると金利を支払うだけではなく元金(支払う利子を除いた返すべき借りたお金)も返済しなくてはなりません。

つまり、利回りから金利を差し引きつつ計算するだけのイールドギャップは、実際の不動産投資には役に立たないというわけです。

よって、イールドギャップには、より正確で役立つイールドギャップを計算する方法が存在します。

その計算式は以下のとおりです。

より正確なイールドギャップの計算式
実質利回り-ローン定数=より正確なイールドギャップ

上記の式でわかりにくいのは、実質利回りローン定数という2つのキーワードです。

ここから、正確なイールドギャップを計算する際に必要となる実質利回りとローン定数をわかりやすく簡単にご説明しましょう。

▲ 目次に戻る

3-1. 実質利回りとは?

実質利回りとは、利回りより具体的な利回りです。

利回りは「その投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入」と「その投資用物件の販売価格」だけを基に計算しますが、それでは具体的な利回りを計算できません。

投資用物件を購入する際は諸費用が必要であり、投資用物件を維持し続けるためには修繕費用などの経費がかかります。

よって、実質利回りは、それらを含めつつ以下の式で計算します。

実質利回りの計算式
(投資用物件を所有することにより得ると予想される一年間の家賃収入-投資用物件を維持するために必要となる一年間の経費)÷(投資用物件の販売価格+投資用物件を購入する際に必要となる諸費用)×100=実質利回り(%)

以上が実質利回りを計算する式です。

たとえば、一年間の家賃収入が500万円、必要経費が100万円、販売価格が5,000万円、購入する際に250万円の諸費用がかかる投資用物件は以下のように計算し、実質利回りは7.6%です。

実質利回りの計算例
(500万円-100万円)÷(5,000万円+250万円)×100=7.6%(実質利回り)

この記事の「1-2. 利回りとは?」にて、一年間の家賃収入が500万円であり販売価格が5,000万円の投資用物件の利回りを10%とご紹介しましたが、その実質利回りは7.6%であり、実質利回りは利回りより低くなるのが通例です。

実質利回りは投資用物件を購入する際に必要となる諸費用や、維持するための経費を含めつつ計算するため、利回りより低く具体的な利回りが算出されます。

利回りと実質利回りの違い

▲ 目次に戻る

3-2. ローン定数とは?

ローン定数とは、借り入れた資金に対する年間の返済額の割合であり、以下の式で計算しつつパーセントで表します。

ローン定数の計算式
年間の返済額÷借り入れ総額×100=ローン定数(%)

式に含まれる年間の返済額とは1年間に返済する元金(返すべき借りたお金)と1年間に支払う利子の合計であり、借り入れ総額とは投資用物件を購入するために借り入れた資金の総額です。

ローン定数は、その資金を借り入れるために毎年どの程度の出費を要するか表した指標であり、K%(ケーパーセント)とも呼ばれ、資金を借り入れつつ投資用物件を購入する際に活用されます。

たとえば、5,000万円を借り入れるために1年間に元金と利子を含めて250万円を返済する場合は以下のように計算し、ローン定数は5%です。

ローン定数の計算例
250万円(年間の返済額)÷5,000万円(借り入れ総額)×100=5%(ローン定数)

また、5,000万円を借り入れるために1年間に元金と利子を含めて500万円を返済する必要がある場合は以下のように計算し、ローン定数は10%となります。

ローン定数の計算例
500万円(年間の返済額)÷5,000万円(借り入れ総額)×100=10%(ローン定数)

ローン定数は、資金を借り入れるために必要となる毎年の返済額が多いほど高くなります。

そして、実質利回りからローン定数を差し引いた答えがより正確なイールドギャップです。

より正確なイールドギャップの計算式
実質利回り-ローン定数=より正確なイールドギャップ

たとえば、実質利回りが7.6%でありローン定数が5%の場合は以下のように計算し、より正確なイールドギャップは2.6%となります。

より正確なイールドギャップの計算例
7.6%(実質利回り)-5%(ローン定数)=2.6%(より正確なイールドギャップ)

また、実質利回りが7.6%でありローン定数が10%の場合は以下のように計算し、より正確なイールドギャップはマイナス2.4%です。

より正確なイールドギャップの計算例
7.6%(実質利回り)-10%(ローン定数)=-2.4%(より正確なイールドギャップ)

正確なイールドギャップがマイナスになる場合は、資金を借り入れるために要する返済額が多すぎることを意味し、その不動産投資は破綻していることを表します。

一般的なイールドギャップは投資用物件を購入するための諸費用や年間の返済額などが計上されていませんが、正確なイールドギャップはそれらを含めつつ計算するため、より具体的な指標となります。

▲ 目次に戻る

まとめ - それでもイールドギャップはあくまで目安

イールドギャップをわかりやすくご説明しました。

イールドギャップとは利回りと金利の差であり、資金を借り入れつつ不動産投資を行う際に活用する指標です。

そして、イールドギャップが大きいほど儲かると予想されることを意味します。

しかし、一般的なイールドギャップは投資用物件を購入するために必要となる諸費用や年間の返済額などを含めつつ計算しないため、さほど役立ちません。

一方、正確なイールドギャップは必要となる諸費用や年間の返済額などを含めつつ計算するため、より具体的な指標として活用できます。

イールドギャップをお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、一般的なイールドギャップも正確なイールドギャップも利回り、または実質利回りを参考に計算しますが、利回りも実質利回りもその投資用物件が満室であることを前提に計算します。

利回りも実質利回りも満室であることを前提に算出される

ところが、投資用物件はいつも満室とは限らず空室が出ることがあり、空室からは家賃が入ってきません。

つまり、利回りも実質利回りも正確ではなく、さほど当てにならないというわけです。

よって、利回りや実質利回りから計算するイールドギャップは、一般的であっても正確であっても確実な指標にはならないことを留意してください。

イールドギャップはあくまで目安であり、資金を借り入れつつ不動産投資を行う方が活用する指標です。

ご紹介した内容が、イールドギャップをお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

最終更新日:2021年4月
記事公開日:2018年7月

▲ 目次に戻る